ゆっくりいじめ系1151 ひも付きゆっくり家族

「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせー!・・・」


赤ちゃんゆっくり、通称赤ゆっくりの声が畑一面に響く。
見渡せば同じように食事をしているゆっくりは3匹4匹では済まない。
その中に二周りほど大きなゆっくりが二匹いた。この畑にいるゆっくり達の両親だ。
片方がれいむ、もう一方がまりさという典型的なその夫婦も子供達同様に畑の中で食事をしてしあわせ、しあわせと連呼している。

しかし彼らが食べているの畑の主役である野菜ではない。その成長の邪魔をする細かな雑草をぷちぷちと食しているのだ。
「むーちゃ、むーちゃ・・・ちあわ・・」
幸せを連呼するゆっくりの数が時間の経過とともに減っていく。その順番は年の若い順のゆっくりからだという事は
減っていく口調から容易に判断することができた。
「みんなどうしたの・・・?おいしい草さんを食べれてるんだからゆっくりしあわせ~って言おうね?」
「ゆゅう・・・もうやじゃぁ!!」
心なしか焦りながら子供達に話しかけた親れいむの言葉にさからい、一匹の赤れいむが顔を上げて泣きはじめた。
「こんにゃのおいちくないよ!れいみゅあしょこのやしゃいさんが食べちゃい!」
「だ、だめだよおちびちゃん!そんなことがお兄さんに聞こえたら・・・」
親れいむの視線が赤れいむの頭頂へとゆっくり動く。

そこには一本の透明な線が毛のように赤れいむから生えていた。
よく見れば他のゆっくり達からも不自然にその線は生えており、スーッと伸びたその先は畑の脇に座っている人間の手に握られている。
「おちびちゃん、お願いだからせめて静かにしてね!今お父さんがおいしそうな草さんを探してあげるからね!」
「ゆぅぅ!だからくささんは嫌なの!たべちゃくないの!」
父親役であるまりさも赤れいむの我がままの制止に加わるが泣き止む様子はない。
「ゆぅぅぅぅ!!!おやちゃいがたべたいよぉぉぉ!!!」
「静かに!静かにしておちびちゃん!ね!お・・・」
その時、親れいむの体に淡い闇がかぶさった。
向かい合っている相方の顔が恐怖に引きつっているのを見てれいむの頬を冷や汗が伝う。
恐る恐る静かに後を振り向くれいむ。そこには先程まで座ってゆっくりしていた人間がずんと立っていた。
「野菜が食べたいって?」
「ち、違うんですお兄さん!この子はちょっと疲れてへんなことを言ってるだけなんです!」
「別に草さんがまずいなんて思ってないです!いつもたべれてむしゃむしゃしあわせ~♪」
ニコニコと笑いながらどれだけ自分達が毎日の暮らしに充実しているかを少ない語彙で力説する二匹の親ゆっくり。
だがそんなこともおかまい無しに赤れいむは我がままを止めない。
「おにゃかちゅいた!おにゃかちゅいた!おにゃかちゅいたぁ~!」
「だからそれなら草さんたちを食べればいいでしょおちびちゃん!いいかげんおかーさん怒るよ!」
焦りが限界を超え始めた親れいむはとうとう赤れいむをしかりだした。
だがそこはまだ子供、そう簡単に親の言うことを聞くなら苦労はしない。
「いやぁ!おやしゃい~!!!」

「まあまあ待て。そんなに無理して食べさせることもないだろう?」
「ゆっ・・・!?」
意外な人間の言葉、そもそもここの畑の雑草を食べる様に命じたのは彼だ。
今更食べなくていい等と都合のいいことを彼が言うことはないことを親ゆっくり達は知っていた。
「ゆっ!おにーちゃん、もうれいむ草さんをたべにゃくていいの!?」
対して無知な赤れいむは喜々とした表情で人間を見つめる。まるで野菜を食べていいと言われたかのようだ。
「ああ、いいよ。」
「ゆゆーん!ありがちょぉおにーしゃん!」
「だってまだ一匹減っても八匹もいるしね」

そう言うと人間はゆっくり達から伸びているその透明な線の束から一本だけを選び始めた。
「・・・ま、まっでええええ!!おにーさんまっでええええええ!!!」
「やめてくだざいいいい!!まだ赤ちゃんなんですぅぅぅ!!!」
その途端、親ゆっくり達は泣き叫びながら人間にすり寄り始めた。
当の人間は素知らぬ顔で線を選ぶことを止めない。
「おおこれだ。さておちびちゃん本当に草さんを食べたくないんだね?」
「ゆゅ!あんにゃゆっくりできないたべものは嫌いだよ!」
「そうかそうか・・・」
「嘘!うそでずおにぃざん!!このこは草さんだいすきですからぁ!!!むしゃむしゃしあわせですがらぁ!!」
「しょんなことにゃいよおかーしゃん!あんなまじゅくてちあわせじゃないたべものなんてれいみゅはもう食べないよ!」
「どうじでそんなごどいうのぉぉぉ!!!」
親ゆっくり達は赤れいむの発言を撤回しようと必死だが赤れいむは頑に雑草はもう食べないと言い張っている。
すると人間はそのゆっくり達の会話に飽きたのか、選んだその線を持つ手に力を加えて思いっきり引っ張った。

「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」」
親ゆっくりの叫びが同調し畑の隅遠くまで満遍なく響き渡る。
そのコンマ数秒後、叫び声とは違う乾いた音が響く。

「おちびちゃんがあああああああああああ!!!」
「ゆゅゅ!びっくりさせないでよおかーしゃん!」
「あ゛あ゛あ゛・・・ゆっ?おちびちゃん?」
「どうちたのおかーしゃん達!れいみゅびっくりしたよ!ぷんぷん!」
親れいむの足下には突然の叫び声に驚いた赤れいむが頬をぱんぱんに膨らませている。
親ゆっくり達も驚いている。
なぜなら今死んだはずの自分の子供が五体満足でその場にいたのだから。
だが親ゆっくり達は確かに聞いていた。あの忌々しいボンッという聞き慣れてしまった爆発音を。

「ん!?間違ったかな・・・」
「おねえちゃあああああああん!!!」


自分の子供の悲鳴を聞いた親ゆっくり達はゆっくりらしかぬ動きでバッとその方向へ振り向いた。
先程まで雑草をむさぼっていた子まりさがいたその場所には
子まりさの帽子に泣きつく赤まりさと
濃い茶色で塗りつぶされた地面しか存在しなかった。
「まりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「おちびちゃんがあああああああああ!!!」
再び泣き叫び始める親ゆっくりの異常な様子に近くにいた赤れいむも流石に身の危険を感じ始めた。
「すまんなぁおちびちゃん。お前を爆発させるつもりがどうやら姉ちゃんを爆発させちまったらしい。」
「ゆ・・ゆ・・・?ばくはちゅ・・・?」
「そうだ、おっきな音がしたろ。あれはお前の姉ちゃんが体の中からふっとんで死んじまった音だ。」
「し、死んだ?おねえちゃんが・・・?」
「ああ、そうだ・・・すまんなお前を爆発させる線はこれだ。次は間違えないからな。安心しろ。」
そう言ってにこやかに微笑む人間の顔にはまるで罪悪感は見えない。
ようやく雑草を食べないことが身の危険へとつながることを理解した赤れいむは目に涙をためて
体をゆっくりと左右に振り始めた。
「いやじゃぁ・・・いやじゃぁ・・・ちにたくないぃ・・・」
「だいじょうぶ、もう草さんなんて食べなくていいんだからな。なぁに、お前が減ってもまだ七匹もいる。
 俺の畑のことは心配するな。」
「いやじゃぁぁぁ!!!ちにたくないぃぃぃ!!!ゆっくりちたいよぉぉぉぉぉ!!!」
淡々と死の宣告をする人間との会話に我慢ができなくなった赤れいむは気が触れたかの様に猛烈な勢いで頭を揺らした。
「仕方ないだろ、おまえが草さんを食べたくないっていうんだから。」
「ゆぁぁぁ!!たべる!たべるから!ゆっくり!ゆっくりくささんをちゃべるよ!」
言うや否や赤れいむは周りの数少ない雑草に顔面をあてて食らいつき始めた。
その勢いは草よりもむしろ土を食してる割合の方が多い。
「・・むぐっ!むぐむぐむぐ!・・・はふっはふっ!」
「うーんやっぱりいいよ。」
「むぐっ!?」
一瞬、もう許してくれるのかと思い赤れいむは人間の方へと顔を上げようとした。

「そんなおいしくなさそうに食べるなんて可哀想だからね・・・しあわせじゃないおちびちゃんの姿は見ていられない。
 さよならおちびちゃん。」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!むーしゃ!!!むーしゃ!!!ちあわちぇー!!!ちあわちぇー!!おいちー!!!
 ゆっきゅりできるよ!!!!しゅっごいゆっきゅりできるよ!!!!むちゃむちゃむちゃむちゃ!!!!ちあわちぇー!!!!」
最早赤れいむに雑草や野菜や土の区別等ついていない。
ただ目の前にある物をかぶりつきしあわせと連呼しているだけである。
「うっみぇ!!!!しゅっげうっみぇ!!!ぱにゃい!!!みゃじぱにゃい!!!!ちあわちぇちあわちぇ!!!」
「おーよかった!いやーここの草さんも俺の畑からできてるものだからねー。まずいわけがないとは思っていたんだよ。
 それだけおいしいって言ってくれるならまだ大丈夫だね!いやーよかった。」
「ちあ、ちあわちぇ!!!ちあわちあわちぇ!!おいちおいちーよー!!!」
遠ざかっていく人間の姿に安堵したのか、今まで食べる等考えもしなかったその茶色のじゃりじゃりに
赤れいむは尋常ではない吐き気を催した。
「・・んぶ!おがぁ!おあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」
一生命体から肥料へと変わっていく赤れいむ。その勢いは止まることなく一分も立たずに赤れいむは意識を遠のかせていった。
「もっちょ・・ちあわせになりた・・・きゃったよぉ・・・」
その5分後、子まりさの屍を弔い終わり戻ってきた親ゆっくり達はまたしても声をからす程に泣き叫ぶことになった。


―夕方
「おーし、もう上がっていいぞごくろうさーん。」
『・・・・・・・・・・』
「みんなゆっくりしてないのか・・・」
『おにーさん!!とってもゆっくりできたよ!!あしたもゆっくりしようね!!!』
「そうかそうか!それじゃあ小屋へ戻ろうな。」
『ゆっくりもどるよ!』
「逃げたらだめだぞー。森の木にその線が引っかかってお前たちの中の爆弾ピンが外れたらボンッってなるからなー」
『ゆっくりにげないよ!』
「ご飯は・・・いらないか。お腹いっぱいだもんな。」
『ゆ、ゆっくりお腹いっぱいだよ!』
「そうだよなーよし、今日はもう寝なさい。明日も頑張ってもらうからな。」
『・・・ゆっくり・・・がんばるよ・・・!』


一家はここの畑に来たのは単なる社会科見学の一環だった。
人間の恐ろしさ、その野菜をとることの罪深さ、それを教える為に出向いただけだった。
そんなことは安全な巣の中でやるべきだったことを親ゆっくり達は今も後悔している。


彼らが捕まって一週間、爆弾の除去という人間との約束が果たされるその日まであともう一週間であった。

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最終更新:2008年10月17日 13:25
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