ゆっくりいじめ系58 ゆっくりるーみあ

ゆっくりるーみあ



「なのかー」
夕闇の空のなかゆっくりるーみあが空を飛んでいた。
美しい金髪、紅く燃える瞳、ゆっくり種の中でも段違いに白く美しい肌。
ゆっくりるーみあは肉食種であるが、基本的にのんびりとしていて実にゆっくりらしい性格である。

「わはー」
笑顔ではねるゆっくりるーみあ。
宵闇ゆっくりとも言われるゆっくりるーみあにとって夕闇の時間帯は一番心躍る時間帯であるのだ。
これから来る楽しくて心地の良い夜。
西の空を眺めながら完全な日没を心待ちにしている。



地面にうつるゆっくりるーみあの影が徐々に長くなっていく。
辺りは暗さを増し、徐々に徐々にと闇が支配していった。


今夜は雲一つ無い美しい夜である。
月の蒼い光に美しい肌と金髪が生える。

さほどお腹が空いていなかったため原っぱでゆっくりと月光浴をすることにしたゆっくりるーみあ。
「きょうは満月なのかー」
紅い瞳が楽しそうに気持ち良さそうに笑う。
ゆっくりるーみあにとってここまで心地の良い夜も久しぶりだった。


ゆっくりるーみあが時を忘れ月光浴を楽しんでいると、月に黒いシルエットが横切る。
一つ、二つ、三つ、四つ。

「とりなのかー」
ゆっくりるーみあは小型の鳥も食べる。
もし捕食できるサイズだったら晩飯でもいいなと思いながらゆっくりと眺めていると、
影がこちらへと近づいてきた。

宵闇ゆっくりであるゆっくりるーみあは夜目が利く。
長く伸びた牙、奇妙な形の翼。
近づいてくるそれらがゆっくりフランであることに気づく。

「危険なのかー」
ゆっくりるーみあも肉食種であるが、同じ肉食種の、れみりゃ、フランに比べると段違いにゆっくりるーみあは弱い。
下手をすればゆっくり霊夢の群れに負ける程である。

慌てて逃げ始めるゆっくりるーみあ。
相手は肉食種最強の四匹のゆっくりフランである。
当然るーみあに勝ち目は無い。

飛び出すものの、その速度は実にゆっくりで、高スピード、高攻撃力が売りのアサルトゆっくりの異名をもつゆっくりフランから逃げ切れるはずは無い。

「ゆっくりしね!!」
上の方から叩きつけられ、錐揉み回転しながら落ちていくゆっくりるーみあ。
「やーーー、なっ!!」
鈍い音をだして叩きつけられるゆっくりるーみあ。
他のゆっくりよりも頑丈なため一命は取り留めるもののダメージは大きい。

「もうだめなのかー」
ゆっくりるーみあはもう諦めていた。
この四匹のゆっくりフラン達に食い裂かれるのだ。

ゆっくりフラン達が近づいてくる。
「うー、うー」
それぞれ楽しそうに声を上げるゆっくりフラン。

「いだぁあ!!」
ゆっくりフランがゆっくりるーみあの背中に噛み付き引きずっていく。
「うー、うー」
刺すような痛みの中捕食される恐怖に震えるるーみあ。

四匹のゆっくりフランがゆっくりるーみあを取り囲む。

ゆっくりるーみあにとっては本当に恐怖である。
「うー、うー」
首狩族のようにゆっくりるーみあの周りで声を上げながら反応を楽しむゆっくりフラン。

ゆっくりフラン、その性格が残虐と言われるのは、獲物を捕食前に甚振るのが所以である。
嗜虐心を煽るゆっくりるーみあのその様子はゆっくりフランにとって何よりのご馳走だった。

突然、ゆっくりるーみあの体に衝撃が走る。
「飛ばされるのかー」
そのまま地面に落ちころころと転がる。
「うー」
ゆっくりフランが転がってきたゆっくりるーみあに体当たりを加える。
「また飛ばされるのかー」
再び宙に舞うゆっくりるーみあ。

蹴鞠のように弄ばれるゆっくりるーみあ。
「うー、うー」
「ゆっくり死ね、ゆっくり死ね」
歓喜の声をあげるゆっくりフランとは対照に擦り傷を増やし、声をか細くしていくるーみあ。
「やめてー」
もういっその事一思いに食べて欲しかった。
残酷なゆっくりフランの仕打ちに心身ともに甚振られていく。



残酷な蹴鞠はしばらく続き、もうゆっくりるーみあは傷だらけで偶に声をあげる程になっていた。
これで仕上げとばかりに大木に向かって一匹のゆっくりフランが大木に当たるよう目一杯体当たりをする。
「ゆっくりしね!!」
渾身の体当たりを受け飛んでいくゆっくりるーみあ。

薄れ行く景色のしかしの中で迫ってくる大木が見えた。
「も、もうだめなのかー」
その様子を楽しげに見守るゆっくりフランたち。


そのとき、突然突風が吹いた。
ゆっくりるーみあは突風にその進路を変えられ、木の枝に一度引っかかったあと墜落した。

仕損じた。
その様子を見て、落下地点へと駆け寄るフランたち。
どうやら茂みに落ちたらしいが、直ぐに場所の見当が付いた。
ゆっくりるーみあがつけていたと思われる真っ赤なリボンが茂みに引っかかっていたからである。
「うー、うー」
それを見つけ仲間達を呼び寄せる。
もう、逃げる体力はあるまい、そう踏んで余裕たっぷりに茂みに集まる四匹のゆっくりフラン。
みな、にやにやしながらこれからの残酷な宴の想像をしていた。



突然茂みから黒い影が猛スピードで飛び出す。

「うーーーーーーー!!」
ゆっくりフランのうちの一匹が大きな悲鳴を上げた。
仲間達が悲鳴の先を見ると、リボンが外れたゆっくりるーみあがフランに喰らい付いている。
「がっ、がっ」
何故弱小種であるはずのゆっくりるーみあが仲間を?
三匹のゆっくりフラン達が呆然としている間に、ゆっくりるーみあがゆっくりフランの頬を噛み切った。
「うーーーーーっ!!」
今まで外敵に攻撃など受けたことの無いゆっくりフランである。
大きな混乱に包まれていた。

口の端から餡子を漏らしながら美味しそうに咀嚼するるーみあ。
仲間が固まっているうちに、震えるばかりのゆっくりフランに噛み付いては、引きちぎり、噛み付いては引きちぎり。
もうゆっくりフランは見る影も無く、皮と餡子の塊に成れ果てていた。
「ゆっくりしてくのかー」
先ほどとは別ゆっくりのような様子のゆっくりるーみあに突進していく一匹のゆっくりフラン。

このゆっくりフランはゆっくりるーみあに同胞が負けたのは奇襲のせいだと踏んだのだ。

遺されたフランたちは判断を誤った。
「うーーー」
一直線にゆっくりるーみあに向かっていくゆっくりフラン。
衝突すると思った次の瞬間。
「うっ!!」
ゆっくりるーみあは消え冷たい土の感触。
「うっ!? うっ!?」
混乱しながら辺りを見回すゆっくりフラン。

そのとき上に気配を感じた。
「う?」
上を見上げたときにはもう遅い。
上空から自重と重力を利用して突っ込んでくるゆっくりるーみあ。


「ぶべぇ!!」
二匹目のゆっくりフランも醜く餡子を漏らし潰れた。
一瞬で最強種といっても過言ではないゆっくりフランを絶命させたゆっくりるーみあ。

「あわわわわわわ」
目を見開き、口を広げ震える二匹のフランに向き直るゆっくりるーみあ。
真っ赤に燃える瞳は地獄のよう。
普通のゆっくりるーみあとはもはや別種と言っていいほど、雰囲気が変わっていた。

ゆっくりるーみあには震えながら羽を広げる姿が十字架のように見えた。

「フランは磔にされました?」
そう笑い声を上げるゆっくりるーみあ。

ゆっくりフランが別々の方向へと逃げ出した。
「ううーー、うー」

そのゆっくりフランは全速力で夜の闇を飛んでいた。
理解できなかった。
なぜ弱小種であるるーみあにここまでフランたちが圧倒されたのか。

そのときゆっくりフランは初めて恐怖という感情を覚えた。
いままで、自分達に追い詰められた獲物は成す術も無く甚振られ死んでいった。
反撃を試みてくる種もいたが、全て一蹴にした。
なのになぜ、あいつは、あいつは。


「うーっ!!」
遠くから、同種のものと思われる悲鳴が聞こえた。
どうやら自分はターゲットにされなかったようだと、安堵のため息をつくゆっくりフラン。

自分は助かった。
当分は湖周辺に篭ろう。
そうだ、ゆっくりれみりゃたちを苛めて楽しく過ごせばいいのだ、

「なんで、逃げるの」
突然後ろから声がした。
忘れもしないあのゆっくりるーみあの残酷でよく通る冷たい声。

緊張で再びピーンと羽を広げるフラン。
くすくす、という笑い声の後
「フランは磔にされました」
それがゆっくりフランが聞いた最後の音であった。





ゆっくり大辞典:ゆっくりるーみあ
 夜行性かつ肉食だが大概のるみーあ種はのんびりとした性格で
ゆっくりを捕食するよりも小型動物や昆虫を食し、月夜の晩にゆっくりとしていることが多い。
しかし、頭部のリボンが外れた場合、運動能力が増し上位肉食種と拮抗して戦闘する事例も報告されている




その日も綺麗な満月だった。
リボンをつけていないゆっくりるーみあは月光を浴びながら、原っぱで気持ち良さそうにゆっくりとしていた。



written by TAKATA

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最終更新:2022年06月16日 03:19
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