ゆっくりいじめ系3029 被虐のみょん_その0(前編)

今回の注意点
  • 俺設定結構あり
  • べにまむずっぎりー
  • ぼくのがんがえ(ry
  • ぞの他諸々
  • 何どいうが、蛇足


ぞれでも構わない方のみどうぞ

「被虐のみょん_その二」を先に読むことをお奨めします。


『被虐のみょん_その0』


どある群れにゆっじゅり向け剣術を教えているみょんがいだ。
ぞのみょんは群れの皆がら慕われ、まだ美ゆっぐりでもあっだ。
凛々しく、美しく。みょんに言い寄るゆっぐりは後を絶たながっだ。
(以降、師みょんとする)

「さぁ、思い切りかかってくるみょん!!!」
「むきゅーん!」
ずどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!

今、師みょんに稽古をつけてもらっている子みょんは
レイパー襲撃の際に生まれた「望まれぬ子」であった。

「今日の稽古はこれで終わりみょん!」
「…」
師みょんは身を清めるため川に向かい、子みょんはその場で休憩を取る。
すると、どこからともなく、数匹の子ゆっくりが現れた

「みょんはいつまでゆっくりけんじゅつを習うの?
もうれいむ達は『めんきょかいでん』なのに! ゲラゲラゲラ」
「無能なんだね! わかる、わかるよー!」
「全く! びょんの恥さらしだみょん! 」
「れいぱーの子供は無能なんだぜ!」
「おお、醜い醜い。 さっさとこんなとかいは死ねばいいのに!」
ぷっ!

みしっ
「…!!!」
「命中なんだぜ!」
「れいむもやるよ!」
子みょんは石をぶつけられ、傷だらけになってゆく。
しかし、何も言い返さない。反撃もしない。
反撃すればするほど暴力はエスカレートする。
連中が飽きるまで耐える。これが子みょんの身につけた処世術であった。

大抵の群れでそうであるように、この子みょんも群れから差別され、迫害を受けていた。

「こらっ! お前達! 何をしているみょん!!!」
「ゆっ!? ゆっくり逃げるよ!!!」
蜘蛛の子を散らすようにバラバラに逃げていくゆっくり達。

唯一このみょんを差別することなく愛情をもって鍛えているのが師みょんであった。
「みょんもやられてばかりじゃ駄目みょん! 反撃するみょん!」
「…みょん」

子みょんは生まれて以来、誰かに好かれることなど無かった。
「全く、仕方ない奴だみょん。ま、困ったことがあったらみょんに言うんだよ!
みょんはきっとみょんのこと見捨てたりしないから」

師みょんはゆっくりにしてはなかなか良い性格をしていた。
話によれば昔人間に飼われていたことがあったらしい。
子みょんは師みょんにだけ懐き、師みょんだけを慕った。

夜に子みょんはひとりぼっちでいつも思う。
剣術を極め、師みょんよりも強くなって、今度は自分が師みょんを守れるようになりたい。と

ちなみに、子みょんに石を投げていた子ゆっくり達は子みょんと同時期から
師みょんから剣術を教えてもらっていたが、子ゆっくり達はまじめに師みょんの言うことを
聞かなかったため、早々に免許皆伝と誤魔化して帰らせたのだった。
子みょんだけ、文句を言わずに師みょんを慕っていたので、今でも鍛えているのだ。

師みょんの使う剣術は体を捻って力を溜め、元に戻る反動を付加し横薙ぎする物だが、
それはいわゆる奥義で、師みょんは誰にも奥義を伝授したことがなかった。
というよりも伝授できなかった。理由は簡単。伝授する前に全員あきたから。

そのため、免許皆伝と口では言っても、みょんの奥義の術理を看破できた者はいない。
だから、師みょんは子みょんには大いに期待していた。
唯一、一言も文句も言わずに自分の教えを実践し、どんなに怪我をしてもへこたれず、
めきめきと実力を上げていたから。

ある日。
「みょ~ん!」
「ありす! どうしたの、そんなにゆっくりしないで」
「都会派なあなたに助けてほしいの! 実は…」

子みょんの洞窟にて
「ゆ~、ゆ~」
「れいぱーの子供はさっさと出てくるんだぜ!」
子みょんは寝ているところを群れの幹部のまりさに起こされ、そのまま広場まで引きずり出された。

「いたいみょん! なにするの!」
寝ているところを無理矢理起こされ、さらには乱暴に引きずられ、不機嫌になる。

「うるさいんだぜ!」
「これから、ゆっくり裁判を始めるよ!!!」
群れの長であるれいむが宣言する
「みょ? さいばん?」

「ひこくにん、みょん。 みょんは今日のお昼頃まりさをれいぷして殺した。間違いないね!!!」
「なにをいってるの? みょんはお昼は師匠と一緒に稽古をしてたんだよ!」
突然の裁判に困惑するが、子みょんにはアリバイがあった。
その日はずっと師みょんと一緒に修行をしていた。というものだ。

「証人、みょん! このみょんが言ってることは本当なの?」
長れいむが師みょんに訪ねる。
子みょんは安心した。師みょんならいつものように自分を助けてくれるだろうと。

「…今日はありすと一緒にゆっくりしてたみょん」
しかし、そんな師みょんの口から出た言葉は子みょんにとって信じられないものだった。

      • 昼間
「実は、まりさをすっきりーで殺しちゃったの!」
「みょん!?」
前からありすにちょっかいを出してきて鬱陶しくてついレイプして殺してしまったことを告白した。

「た、大変だみょん!」
「だから、みょんにお願いがあるの!」
そのお願いが、あのレイパーの子供である子みょんを犯人に仕立て上げて罪をかぶせる。
というものであった。

「みょん!? …………わかったみょん」
いくらレイパーの子供とはいえ、無実の罪を被せるなど師みょんには考えられなかった。
しかしありすと師みょんは周りに内緒で付き合っており、
近いうちに結婚することまで考えていた仲である。
かわいそうではあるし、惜しい人材を失うことにはなるが、恋ゆっくりを失うよりはマシと
師みょんは考え、嘘の証言をしたのだった。



「ひこくにん! みょんは有罪だよ!」
「ゆっくりしねー! ゆっくりしねー!」
「よくもまりざをおおおおおおお!!!」
「育ててやった恩も忘れるれいぱーの子供はゆっくりしね!!!」
子みょんに浴びせられる罵声。
しかし、子みょんはそれを全く無視し、別のことが餡子脳を支配していた。
師みょんのことである。
絶対に自分を裏切らないと信じていた。それなのに嘘をついて自分を陥れた。
どうして?

「みょんが刑を執行するみょん」
師みょんは処刑を自分に一任させてほしいと言った。
長れいむはこれを了承し、師みょんは木の棒を構え、子みょんに近寄る。

師みょんとしては、せめて自分が引導を渡してやるという事なのだろう。
「みょん…師匠、ゆっくり助けてね…」
子みょんはそれでも師みょんを信じた。
先ほどの言葉はきっと何かの間違いだったのだと。
きっといま自分を助けに来てくれているのだと。

ばちぃん!
「ゆべっ!」
しかし幻想は師みょんの一撃で打ち砕かれた。

「いだい! いだいみょん! どおじでこんなこどするのおおお!!!」
泣き叫ぶが師みょんは表情を変えずに子みょんを打ち据える。

「いいざまだよ!」
「れいぱーの末路にふさわしいんだねー!」
「おお、ぶざまぶざま」
群れのゆっくり達は子みょんが打ち据えられる様子をまるで喜劇を見るかのように楽しむ。

その時、子みょんは苦痛と同時に正体不明の『痺れ』を感じていた。

「ゆげっ!!」
「ゆっ! そこまでだよ! みんなでこのゆっくり出来ないみょんを捨てに行くよ!!!」
子みょんがボロボロになり、わずかに痙攣を起こし始めた頃、
群れのゆっくり達がこの処刑劇に飽きた頃、長れいむは全員で谷底に落としに行くと宣言した。

「ゆ"っ」
「みょっ」
師みょんは無表情に子みょんを咥え、群れのゆっくり達とともに谷へ向かう。

「ゅ"っ…ししょぅ……たす……け…」
これほどまでに痛めつけられても子みょんは師みょんを信じ、助けを求めた。

(みょんのこと、きっと見捨てないみょん!)
子みょんは谷底に突き落とされるその瞬間まで師みょんの言葉を信じた。
師みょんが子みょんを離したとき、子みょんは絶望した。


















「み"ょん!」
子みょんはビクリ! と痙攣し、目を覚ました。
辺りは明るくなっており、目の前には森。背後には岩肌。
子みょんは谷を転がり落ちたため、何とか一命を取り留めた。

子みょんは近くにあった水たまりから泥水をすすり、雑草を食べ、体力の回復を待った。
とりあえず、這って移動できるまで回復した子みょんは当てもなく森の中を突き進んだ。

「みょ?」
子みょんは何か良いにおいを感じ、その方向に這ってゆく。

「ゆ~、お花畑だよ…」
生まれて始めてみる立派な花畑。
普通のゆっくりであれば、この花を食べようと中に侵入し、食い散らかしたであろうが、
子みょんは群れのゆっくり達に邪魔され、雑草以外食べたことが無く、花を餌として認識していなかった。
それと、この場所に来るのに精一杯でもう這う力もなくなっていた。

子みょんが近くの雑草を食べている時、『それ』は姿を現した。
「あら、また『お客さん』かしら?」

緑髪のゆっくり。ゆっくりゆうか。この花畑の管理者であり、支配者。
花の世話をしていたところ、子みょんを見つけた。

「みょん? 誰みょん?」
「それはこっちの台詞よ…あら、あなた、なんで雑草なんて食べてるの?」
「みょ? くささんはごはんだよ?」
「いや、そうじゃなくて…お花がすぐ目の前にあるのにって意味なのだけれども…」
「お花さんは良いにおいがするみょん。気持ちいいにおいみょん」
ゆうかは驚いた。ここに侵入してくるゆっくりは全て花を食い散らかし、おうち宣言をした。
しかし、このみょんは花を食べ物として見ていないからだ。

「あなた、傷だらけじゃない。こっちにいらっしゃい」
ゆうかはこの子みょんに興味を持ち、もう少し様子を見ることにした。

ゆうかはみょんを伴い自分の巣へ。
「あなたかなり弱ってるみたいだから、そこのご飯食べてなさい。」
と自分が食べきらなかった分の食事を与えた。

「ありがとうみょん…、うっめ! これめっちゃうっめ!」
子みょんが口にしたのは甘味だった。
生まれて初めての甘味に思わず口調が汚くなる。

「あら、そんなに喜んで貰えてうれしいわ! でも、それはゆっくりよ?」
ゆうかは意地悪く甘味の正体を教える。
このときの反応によっては子みょんを今日の夕食にするつもりである。

「え、ゆっくりってこんなに美味しいのかみょん?」
生まれてこの方、ゆっくりに迫害され続けてきて、
さらには唯一慕っていた師みょんにも裏切られた事で子みょんの中ではゆっくりの倫理は崩壊していた。

「あらあら、本当変わった子ねぇ」
ゆうかは子みょんにさらに興味を持った。
巣の中にゆっくりを連れ込んだのはこれが始めてではない。
ほとんどのゆっくりは甘味の正体を知った途端にゆうかを口汚く罵り、襲いかかってきた。
数匹は罵ったり、襲いかかったりはしなかったものの、嘔吐して拒絶反応を示した。
この子みょんが初めて甘味の正体を知ってもケロリとしていた。

「あなた、本当に変わっているわね。ねえ、あなたのこと聞かせてくれない?」
ゆうかはこの子みょんの生い立ちからすべて聞いた。

「…というわけみょん」
子みょんは自分がレイパーの子供であること、群れのゆっくり達に迫害されていたこと、
信頼していた師匠に裏切られて、死にぞこなってここにたどり着いたことを説明した。

「へぇ、そうなの。あなた、行くあてもないならここにいなさい。」
子みょんは小さく返事し、眠りについた。

「み"ょ…み"ょ………ん」
「全く、世話のかかる子ね」
ぴゅ~、ぴちゃぴちゃ…
うなされる子みょんに水をかけ、起こす。

「げほっ、げほっ、みょん?」
「大丈夫? あなたうなされていたわよ」
ゆうかは子みょんを伴い、花畑へ。

「このお花のにおいを嗅ぎなさい」
「みょ~ん、なんだかとっても気持ちがいいみょん」
「このお花には気持ちを落ち着かせてくれる効果があるの」
ゆうかはうなされて憔悴しているみょんに花の解説をする。

「だいぶよくなったみょん! ありがとう! ゆうか!」
「そう、それは良かったわね。さぁ、こっちへいらっしゃい」
ゆうかはみょんを伴い、花畑の端へ。

「このお花は危険よ。よく覚えておきなさい」
「みょ? なんで? いいにおいだよ?」
「ゆっくりには毒なの。…ちょうどいいわ、アイツらで試してみましょう」
がさがさと茂みが揺れ、そこかられいむ、ぱちゅりー、みょん、ちぇんの四匹が現れた

「ゆー! すごいよ! お花さんがいっぱいあるよ! 今日からここがれいむのおうちだよ!
ゆっくりしていってね!!!」
「むきゅ~! 後でみんなを連れてきてお引っ越ししましょう!」
「らんしゃまを連れてきて一緒にゆっくりするんだねー! わかるよー!」
「みょ? あそこにゆうかとみょんがいるみょん! ゆっくりしていってね!!!」
早速おうち宣言するゆっくり達。

「ゆっ!」ぶちっ
ゆうかは毒だと言った花を茎からちぎり、れいむの元へ。

「食べてご覧なさい」
「ゆっ! 気が利くゆうかだよ! あとで一緒にゆっくりしてあげるよ!
むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!!」
れいむはあっという間に花を平らげた。

「むきゅ! とてもおいしそうなお花ね! ぱちぇにも食べさせてね!!!」
「ええ、いいわよ」
再び花を茎からちぎり、ぱちゅりーに渡す。

「むーしゃ、むーしゃ、むきゅうぅぅぅ!」
満面の笑顔で喜ぶぱちゅりー
「ばひゅっ!」
そのとき、れいむが何の前触れもなく破裂した。
「ゅ"っ…べ…………………」
あちこちが破れ、目玉は飛び出し、餡子と皮の残骸になったれいむ。

「みょおおおおん! れい"む"うぅぅぅ!!!」
「わがらないよおおぉぉ!!!」
「なんなのごれぇ、むびゅぅっ!」
ぱちゅりーもれいむ同様破裂した。

「ほら、ご覧なさい。あのお花を食べるとああなっちゃうわ」
「……………(ガクガクブルブル)」
目の前の惨劇にガタガタ震える子みょん。

「ゆうかが変なお花食べさせたせいでれいむとぱちゅりーが死んじゃったみょん!
許せないみょん!!!」
「ゆうかにおしおきするんだよー! わかるよー!!!」
みょんは木の棒を構え、ちぇんは石を咥えた。

「あらあら、せっかく命拾いしたのにお馬鹿な子達」
ゆうかは花畑に備え付けてあった木の棒を構えた。
しかし、その木の棒は研がれており、木の棒と言うよりも簡易な木剣だ。

「みょーーーん!」
かんっ!
ゆうかはみょんの一撃を受け流し、

「ゆっ!」
ぽんっ! かつん!
ちぇんの放った投石を木剣ではじいた。

(このまま何もさせないままやっつけるみょん!!!)
(みょんとちぇんのこんびねーしょんは完璧なんだよー!)

ゆうかはみょんとちぇんのコンビネーションをいなし、避け続ける。
子みょんはハラハラしながらこの光景を見続ける。
ゆうかはずっと防御ばかりで一向に攻撃しない。
このままでは相手みょんに倒されるのは時間の問題だと。

「ゆひー、ゆひー」
みょんは大きく息をつく。
そろそろ体力も限界に近づいてきた。
(もうゆうかも防御する元気も無いはずみょん。ここで一気に勝負を決めてしうみょん!!!)

「みょおおぉぉぉん!!!」
ありったけの声を出してゆうかに突撃するみょん。

「ゆっ!」
ゆうかはみょんの一撃をかわし、横からみょんの体に木剣を刺す

「ヴェニス!!!」
みょんは短く断末魔を叫び、物言わぬ饅頭へ帰って行った。
「つかの間の優越感は楽しめてもらえたかしら?」
木剣を引き抜きながらにこやかな笑顔でみょんだったものに訪ねる。


ちぇんはゆうかがみょんの体から木剣を引き抜いている間に石を拾い、咥え、頬をいっぱいに膨らませた。
(みょんの仇だよ……! ゆっくり死んでね!!!)
子みょんはちぇんが石でゆうかを狙っていることに気づくと近くにあった木の棒を咥え、ちぇんに近づく。
そして、体を思い切り捻り、反動で加速しながら横薙ぎを放つ。
ちぇんの口から放たれた石は一刹那後に横薙ぎ一閃と共にちぇんの口に収まった。

「に"ゃ! いぢゃいいぃぃぃ!!! わがらないよおぉぉぉ!!!」
石はちぇんの体を貫通し、一閃は口を切り裂いた。
ちぇんが泣き叫んでいる間にゆうかはみょんの体から木剣を抜き、ちぇんへ詰め寄る。

「こんにちわ。」
「に"ゃ! ちぇ、ちぇんはにげr(バシィッ!)わがだないよぉぉお!!!」
逃げようとするちぇんを打ち据え、攻撃の手を休めることなく何度も木剣で殴りつける。

「いぢゃいいぃぃ!!! らんじゃまぁぁぁ! らんじゃまああああぁぁぁ!!!!!」
「ほら! どうしたの!? もっと抵抗しなさいよ!!!」
何かのスイッチが入ったようで、ちぇんへの暴行は激しくなる一方だ。

「にゃ…もっど、ゆっぐr……………」
「ふふふ、脆いわね」
はぁはぁと息をつきちぇんだったものを見下ろす。
「いいこと教えてあげるわ。狙撃兵は近づかれたら死ぬのよ?」
死体にもう必要になることも無いであろう言葉を投げかける。

「みょん」
「み"ょ!?」
「お仕事よ、この二匹を運んで頂戴。」
「わ、わかったみょん!」
ちぇんを笑いながらいたぶり殺すような輩だ。
下手に機嫌を損ねるのは得策ではない、ゆうかには逆らわないでおこう、子みょんはそう思った。


その夜
「ねえ、ゆうか」
「なにかしら」
「昼間のことなんだけど…」
「これが気になるのね?」
ゆうかは昼間使った木剣をみょんの目の前に置いた。

みょん種というものは剣に目がない。ゆうかはよく知っていた。
「ゆうかはそんなに力ないからね。こうやって…」
近場にあった石を咥え、木剣を研ぐ。

「石さんで削って鋭くしているの」
「へぇ…、でも、それなら昼間は最初から殺しにいけば早く終わったのに、
何でわざわざゆっくりしてたみょん?」
「ゆうかは、考えもなしに確実に相手を倒せるなんて自惚れてないわ。
あれはね、わざと押されているふりをして、相手が疲れるのを待っていたの。
向こうは疲れれば遅くなるし、勝負を焦って大振りになって隙だらけになるもの。
それを避ければ相手はさらに隙だらけ、楽に殺すことができるわ」

師みょんは勝負は一撃で決まるものとし、先手必勝を理念とし、子みょんもそれを理想としていた。

「試してみましょうか? みょん、その木剣を拾いなさい。」
「みょん? いいの?」
「ええ、いいわ。ゆうかはこれを使うから。」
そう言ってゆうかが咥えたのは多少太いだけの木の棒。

「さあ、かかってらっしゃい」
子みょんは今自分が馬鹿にされているものと感じた。
そのため、最初からハイペースで切り込む。
対するゆうかは昼間同様ただ受けるだけで全く反撃をしない。

かつん、かつん、かつん、かつん……………

「ぜぇ、ぜぇ、……」
次第に息切れする子みょん
「どうしたの? みょん、それで終わりなの?」
「みょん!? ま、まだまだーーー!!!」
子みょんは焦った。何せ自分の剣術が全く通用しない。
すべての攻撃が見切られ、最小限の動作でいなされてしまう。

(こうなったら、あれを使うしかないみょん!!!)
子みょんは大きく体を捻り、反動を付加して横薙ぎ一閃。
子みょんが師みょんから盗んだ奥義である。

すっ…
しかし、子みょんの攻撃はあっさりとかわされてしまった。

「み"ょんっ!!!」
ずでっ
着地する体力も無くなった子みょんは木剣を落とし、地面と口付けた。

「わかったかしら? あなたが全力を出せば出すほど、ゆうかは簡単にあなたを倒せるの」
「みょ…ぜぇ、ぜぇ」
「ほら無視しない!」
ばちぃん!
「み"ょん!?」
「明日からこの受太刀を教えてあげるわ。…返事!」
「みょ、はい!!!」
「ふふふ、それじゃあ、そこのお夜食食べたら寝なさい…」
子みょんは今日狩ったゆっくりを一匹を半分ほど平らげ、眠りに就いた。

翌日からゆうかの教育が始まった。
まず午前は花畑の手入れとゆっくり狩り。
狩りとは言っても花畑があれば間抜けなゆっくりが勝手にやってくる。
ゆうかはみょんと共に雑草を抜き、害虫を食べ、水をかけていればよい。
侵入者に対してゆうかはいつものように受太刀ですべての攻撃をいなし、
相手が疲れたところで転ばせ、底部を十字に切り裂き、巣の中に放り込む。

午後は剣術の指導と花の効能の授業。

剣術の指導は特筆することもない、相手の動きをよく観察し、
最低限の動きで攻撃をいなすことをたたき込まれる。

花の効能について、ゆうかは実際に花の効能を実演しながら子みょんに教える。
ゆうかは好んで毒性のある花を育てている。
その毒花の効能を実演するために午前捕獲したゆっくりが用いられる。

食べると黒ずんで死んでしまったり、破裂したり、どろどろに溶けてしまったり。
種類によっては臭いだけでも有毒なものもあったり、
食べたり臭いをかぐと発情する媚薬のような花も存在する。

夜は有毒物質化していないゆっくりの死体を二匹で食べ、眠りに就く。





それから二ヶ月が経った。
みょんは成体ゆっくりサイズまで成長した。
この頃にはゆうかが教えた植物を三割近く覚え、受太刀もほぼマスターした。

「みょん、しばらく狩りに出かけるわよ。ついてきなさい」
「わかったみょん!」
二匹は荒削りの木剣を携え、東へ向かった。

最近、訪れるゆっくりが減ってきたため、自分から狩りに向かうのだとみょんは思った。
もともと、花畑までの道のりは途中川が流れていて、一つだけある橋を渡らなければ
ならないためたどり着ける者は少数である。

そろそろ正午となる時間帯になった頃、ゆっくり達が広場で集まってそれぞれ草や
虫を採取、要は『狩り』に勤しんでいた。

「みょん、こっちに来なさい」
「みょん? なんで?」
しかし、ゆうかが向かったのは広場ではなく、その向こう。
木の根や岩肌に木の枝や木の葉で不自然に蓋がされた場所が点在した。
ゆっくりの巣だ。

ゆうかはその中でも他の巣から離れている木の根元の蓋をはぎ取る。

「ゆ? れいむ帰ってきたの? ゆっくりしていってね!!!」
「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」
挨拶するのは父ゆっくりが帰ってきたと勘違いする母ゆっくり(まりさ)と子ゆっくり達。

「今日のお昼は子ゆっくりにしましょう」
ゆっくり基準で言えば昼食には少々早い時間である。
つまりは子ゆっくりを攫おうとゆうかは言っているのだ。

「とりあえず、この邪魔なまりさは殺していいみょん?」
「品定めしてから決めましょう」
「わかったみょん」

「ゆ!? れいむじゃないの? だれなの! ここはれいむとまりさのおうちだよ!
ゆっくり間違えないでね!!!」
太陽の逆光で相手が誰かを把握できないまりさは
きっと間違えて入ってこようとしているものだと勘違いした。

「それじゃあ、うるさいまりさを黙らせるみょん!」
そう言ってみょんはまりさの元へ

「ゆ!? 知らないみょんだよ! ここはまりさとれいむのおうちだよ!!!
ゆっくり自分のおうちに帰ってね!!!」
「うるさいみょん!」
どむっ!

「いだいぃぃぃぃ!!! なにずるのおおおおぉぉぉ!!!」
「おかーしゃああぁぁん!!!」
「しっかりしてえええぇぇ!!!」
みょんが体当たりすると、やはりというかまりさは大声を上げ、
子ゆっくり達はまりさの元へ。

「ゆ! おちびちゃん! わるいみょんがいるからおかーさんのお口に入ってね!!!」
「ゆっくりりかいちたよ!!!」
まりさは大口を開け、子ゆっくりを口の中に入れようとした。

「みょん!」
ずんっ!
まりさが大口を開けるのと同時にみょんは木剣を咥え、まりさの舌に突き刺した。

「ゆ"!!! う"ぅう"うう"うぅ"ぅぅ"ぅぅ"う"うう"ぅぅ!!!」
舌を串刺しにされる激痛にまりさは泣き叫ぼうとしたが、うまく発声できない。

「「「お"ぎゃあ"ああちゃあ"ああん!!!」」」
目の前で起きた惨劇に動揺する子ゆっくり達。

みょんは黙々と木剣を舌から抜いては刺し、抜いては刺しを繰り返す。
「ゆ"うう"ぅぅ"ぅぅ"ぅうう"うぅ"ぅうう"うう"!!! ゆ"ああ"ぁぁあう"あぅ"あぁあああ"あ"!!!」

「ゆえぇぇえん!! おがあちゃああぁぁん!!!」
「ちびちゃんたち! 一緒に逃げるよ! ゆうかのお口に入って」
「「「「ゆゆゆぅ!」」」」
みょんがまりさの舌を突き刺すのに飽きて、ボロボロの舌を木剣で叩きのばしている間に
ゆうかは泣きわめく子ゆっくり達を助けると言って子ゆっくり達に自分の口に避難するよう指示した。

「でも、おきゃあさんが…」
「れいむが助けてくれるんでしょう? だから大丈夫でしょう? とにかく、ゆうかのお口に避難するの!」
「「「「ゆっくり理解したよ!!!」」」」
そうだ、自分たちにはとてもゆっくりできる父れいむがいる。
父れいむなら母まりさを助けてくれるに違いない。
あの悪いみょんが自分たちに襲いかかる前に逃げないと!
そう思った子ゆっくり達はそそくさとゆうかの口に収まった。

「……」
「わかったみょん!」
ゆうかは目でみょんに合図を送る。
みょんはまりさの舌に思い切り噛みついた。

「!!! ゆ"おぉ"ぉおぉ"おお"ぉぉ"お!!!!」
ちぎれない程度ではあるが、ボロボロの舌に噛みつかれたのだ。
まりさは思わず叫ぼうとする。しかし、舌を大怪我したためうまく声が出ない。助けを呼べない。

ずるずると引きずられ、巣の外へ。
巣の外には誰もおらず、いるのはゆうかとみょんと自分だけ。
いや、ゆうかの口の中には自分の子供がいる。助けたいが自分ではもはやどうにもできない。
(れいむ、れいむ…)
涙を流し、最愛のゆっくりを呼びたいが声が出ないし、れいむはまだ狩りの最中。
そのままゆうかとみょんは茂みに隠れながら移動した。


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最終更新:2011年07月30日 02:08
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