ゆっくりいじめ系756 ゆっくりニトロ (上)


注意 オリキャラが出ます。良いゆっくりが酷い目にあいます。俺設定があります。




「ゆっゆゆのゆ~♪」

調子の外れた鼻歌をゆっくりれいむが口ずさんでいる。その顔はとても嬉しそうだ。
口の中では飴玉のようなものをころころと舐めているのに、よくもまあ口ずさめるものである。
ゆっくりれいむは帰りの途についていた。

よく見れば、ゆっくりれいむには身体の各所に傷がある。今はもう塞がっているが、その傷は新しいものである。
それもそのはず。その傷はついさっき出来たものだからだ。仕掛けられていた罠に掛かってしまったのだ。
しかし、悪いことだけがあったのではなかった。

「だれがだずげでぇえええええ!!」

と叫んでいると、たまたまそこを通りがかった変なおねえさんに助けてもらった上に、家で傷の手当てをしてくれた。
髪がぼさぼさで変な言い方をする人だったが、きれいな飾りとおいしい「あめ」のどっちがいいか選ばせてくれたのだ。
ゆっくりれいむはとても悩んだが、結局は食べ物に釣られて飴を選んだ。
その際に色々と小難しいことを言われたが、餡子脳では十分の一も覚えていられなかった。
その後は「ゆっくり帰っていくんですよぅ」と見送られてきたのだ。

「ゆー! ゆっくりしていったよ!」

感極まって、飛び上がりながら叫ぶ。ゆっくりなりの喜びの表現なのだろうか。
ぴょんぴょん、と跳ね回りながら、ゆっくりれいむは群れへと帰っていった。


「ゆっくりかえってきたよ!」
「「「ゆっくりしていってね!!」」」

ゆっくりれいむを出迎える子ゆっくりたち。
赤ちゃん程度の大きさの個体もいれば、ある程度成体に近いほど育った個体もいる。
交尾をしたゆっくりまりさはどこかへ行ってしまったが、ゆっくりの群れの中にいれば食べ物を困ることは少なかった。

「ゆ~ゆ~ゆ~♪」
「「「ゆ~~ゆ~~♪」」」

身体を擦り合わせ、子ゆっくりたちとゆっくりする。交尾とは違う性質のものである。
ひとしきりゆっくりすると、子ゆっくりたちはエサをねだり始めた。

「おかーさん! ごはんごはん~!」
「ゆっ、ごはんだね! おいしい……?」

ゆっくりれいむは口の中にあった「あめ」をあげようとしたが、いつのまにか無くなっている。
どこへいってしまったんだろう、と不思議に思いながらも、すぐに忘れた。
このゆっくりれいむは飴を初めてみたので、飴がどういう性質のものか分かっていなかった。

「きょうはみんなで、ゆっくりごはんをさがしにいこうね!」
「「「ゆっくりごはんー!」」」

子ゆっくりたちも賛成のようである。ゆっくりれいむたちの家を出て、近くへ食べ物を探しに行った。
途中、独り身のゆっくりまりさに出会う。
このゆっくりまりさはゆっくりれいむの家族ととても仲がいい。

「「ゆっくりしていってね!」」

このゆっくりまりさは成体にまで育っているものの、家族や子供がいなかった。
ゆっくりれいむが気になるのか、群れに入った頃からよく世話を焼いてくれたので、二匹はとても仲が良かったのだ。

「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね! ゆ? れいむ、そのけがは!?」

身体にうっすらと残っている傷跡をゆっくりまりさは見つけた。
子供たちでも気づかなかったのに、それに気づくということは、よほどゆっくりれいむのことを気にかけているのだろう。

「だいじょうぶだよ! ゆっくりなおってるよ!」
「ゆっくりよかったね!」

傷跡をぺろぺろと舐めるゆっくりまりさ。ゆっくりれいむはくすぐったそうに身を震わす。
二匹はそのまま、一緒に食べ物を探しに行くことにした。
ゆっくりまりさは十分な食べ物を持っていたが、家族の多いゆっくりれいむを手伝ってあげたかったのだ。
ゆっくりれいむもゆっくりまりさの気持ちには気づいていたが、家族が多いので気後れがあった。
また、ゆっくりまりさは群れの中でも人気があり、一緒になるといじめられてしまうかも、という思いもある。

「ゆっゆっ! おいしそうなものがあるよ!」
「ごっはっん♪ ごっはっん♪ みんなでゆっくりたべようね!」

色々あるかもしれないが、今ゆっくりできれば関係ないのかもしれない。
子ゆっくりたちは食べ物探しに不慣れなので、あまり見つけられなかったが、その分は大人二匹で補い合った。

「「「む~しゃ♪ む~しゃ♪ しあわせー♪」」」

皆でご飯を食べあうゆっくりたち。ゆっくりまりさが家族となる日もそう遠くないかもしれなかった。



それから、幾日か経った。
いつもと同じく、平凡だが皆がゆっくり出来る日々が続いていた。
群れの中ではちょっとしたいざこざはあっても、大きな騒動はおきていない。
ゆっくりれいむや子ゆっくりたちも、群れの皆とゆっくり遊んだりしていたある日のことだった。



その日は朝から頭が重いような、何か妙な感じがしていたが、ゆっくりたちは大して気にしていなかった。
元々、そんな細かいことを気にする生き物ではないのだ。

「ゆっきゅり~!」

子ゆっくりが元気そうに駆け回るのをゆっくり眺めるゆっくりれいむ。母として至福の時間だろう。
しかし、子ゆっくりの動きが急に鈍くなった。

「ゆぅ……ゆ、ゆっきゅり……」
「ゆゆ! どうしたの!? ゆっくりげんきになってね!」

ゆっくりれいむが近寄って確かめてみると、子ゆっくりは熱を出しているようだった。
げんきだしてね、と舐めてやるも一向に良くならない。
仕方がないので家の中でゆっくりさせることにしたが、子ゆっくりはぐったりしたまま動かない。

「ゆっくりしていってね!」
「…………」

子ゆっくりは寝ているかのようにまったく動かなくなる。
ゆっくりれいむは心配ではあったものの、外にいる子供たちの面倒を見ることに決めた。
念のため、巣穴の前で子ゆっくりたちを見ている。これなら誰かに入られることもないだろう。
その後、ゆっくりまりさも来て、二匹で子ゆっくりたちの姿をゆっくりと眺めていた。

「「みんなでいっしょに、ゆっくりしていこうね!」」


青々と広がった草原で跳ね回る多数のゆっくりたち。ここは、まさしくゆっくりプレイス。
皆が争うことなく、平和に暮らしていける楽園である。
ここには未だ人間の手も入ってきていない。来るものは拒まず、去るものは追わずという精神も存在している。


ゆっくりれいむたちはしばらく子供たちと一緒に遊んでいた。子供たちを遊ばせているとも言えたが。
しかし、どうも様子がおかしい。それは子供たちだけでなく、ゆっくりれいむ自身も感じていた。

「ゆぅ~、きょうはなんだがへんだよ! ゆっくりできないよ!」
「ゆっくりできない!」
「からだがあついよ!」

日陰で横になったり、水に入ったりしてみるが、どうにも熱くてゆっくりできない。
それは群れ全体で起こっている現象であった。

「ち~んぽ~ぅ……」
「わからない、わからないよぅ……」
「むきゅ~」
「ゆっくりできないよ……」

皆が皆、熱くて動きが鈍くなっている。口からは蒸気でも出てきそうな勢いである。
周辺には天敵がいないが、このままでは食べ物などで問題が起こることは目に見えていた。


そんな時、『それ』は突然に起こった。

「ゆっきゅり、ゆっきゅり! ゆっきゅりがんばってるよ!」
「ゆっくりきをつけてね!」

先のゆっくりまりさとは別のゆっくりまりさの家族がいた。
熱さにも負けず、きゃいきゃいと親まりさの前で子ゆっくりがはしゃいでいる。
親まりさも多少はだれていたが、その様子を幸せそうに見守っていた。

「ゆっきゅり~! ゆっきゅ『パン』じ!?」
「ゆ!?」

乾いた音を立てて、子ゆっくりが破裂した。帽子すら残っていないほど、跡形も無く散った。
放射状に飛び散った黒い斑点のような餡子以外には、その存在を思い起こさせるものは残っていない。
いきなりのことで親まりさも理解が追いつかない。

「ゆゆゆ? あかちゃん、どこいったの? かくれんぼ?」

きょろきょろと辺りを見回すが、当然のごとく子ゆっくりは既にこの世からいなくなっている。

「ゆ~! あかちゃんどこ~!? はやくゆっくりかえってきてね!」

矛盾したようなことを言う親まりさ。本当に何があったのか理解出来ずにいる。
飛び跳ねながら子供を呼び続ける。それに気がついた他の姉ゆっくりたちも母の元へと寄って来た。

「おかーさん、どーしたの?」
「ゆっ! あかちゃんがどっかいっちゃったんだよ! ゆっくりさがそうね!」
「ゆっくりりかいしたよ!」

家族総出で子ゆっくりを探すが、見つかるはずもなく、徒に時間だけが過ぎていく。
やがて、熱さから何匹かが音を上げ始めた。

「ゆぅ~、ゆっくりしようね!?」
「あついよ! あつくてゆっくりできないよ!」

親ゆっくりまりさが少しでも涼しくしてあげるために、子供たちを舐めてみるがまったく効果がない。
それどころか舐めている親まりさも熱さで音を上げる。

「ゆふ~、ゆふぅ~……あちい、あちいよう!」
「あっつ! めっちゃあっ『パン』づ!?」

そして、熱さが決壊した。人間だったら血壊とでも表現したかもしれない。
再び小さな音を立てて、再び子ゆっくりが親まりさの目の前で破裂したのだ。

「ゆ、ゆっじいいぃぃぃいい!!??」

今度は親ゆっくりまりさも何が起きたかは身をもって把握出来た。
先ほどのように餡子が周囲に飛び散ったのだが、それが子ゆっくりを舐めていた親まりさの舌にかかったのだ。
餡子はゆっくり的にはとんでもない熱さを持っていた。人間が浴びても火傷を負うような熱さである。
かかった餡子は少量であったが、それでも親まりさには耐え難い熱さであった。
熱さのあまり、喋ることも出来ずに飛び跳ねる親まりさ。周りにいた子ゆっくりは突然の行動に驚き慌てる。

「どうしたの、おかーさん!? おちついてね!」
「いもーとはどこいったの!?」

親まりさの影になってて見えなかったのか、親と消えた子まりさの心配をする。
だが、親まりさはそんなことに構っている余裕はない。口の中の熱さをどうにかしたいという考えしかなかった。

「ゆぎいいいいぃぃぃ!!! ゆ、びいいいい『バン!』びゃ!!??」

大きな音がして、親まりさが破裂した。音が子ゆっくりより大きいのは身体のサイズ差のためだろうか。
周囲に飛び散る餡子。大きさが大きさであるため、子ゆっくりの時とは飛び散る量と範囲も違う。

「あぢゅい! な゛に゛ごれ゛ぇぇぇ!?」
「お゛がーざぁ゛ぁぁ゛ん゛!!!」

家族全員に餡子が降り掛かる。熱さでのたうちまわるが、程なくそれは収まった。
パン、という音と共に。


ゆっくりプレイスにある巣から、ゆっくり達が顔を見せ始める。
当然、親まりさ達が破裂した音を聞きつけたからだ。
しかし、既に家族の姿はなく、餡子が飛び散っている跡しかなかった。
何があったのか、皆で話し合うがまったく結論らしい結論も見出せなかった。
結局、『がんばってゆっくりしようね!』という所に落ち着いた。
方策も特に無く、自分たちの家に戻っていった。


「ゆっくりかえってきたよ!」
「ゆっ、おかえりなさーい」

ゆっくりれいむが家に帰って来た。子供たちがそれを出迎えるが、いつもの元気さは影を潜めている。
ゆっくりまりさから貰った食べ物をあげても、あまり食べようとはせずに残してしまう。
食欲旺盛なゆっくりとしては異例のことである。
ゆっくりれいむも心配であったが、どうすることも出来ない。

「ゆっくりたべてね! ……ゆっ?」

何やらがさがさと足音が聞こえてきた。ゆっくりが草むらを移動する音とは違うものだ。
嫌な予感がして、ゆっくりれいむは様子を見に行く。

「よっと……よっとっと!」

そこにはよたよたと覚束ない足取りで歩いてくる人間がいた。
ゆっくりれいむは『人間が来た』と皆に知らせようと思ったが、その姿には見覚えがあった。
この前、助けてくれた人間である。他の人からは「ドクター」と呼ばれていた。
眼鏡をかけて白衣を着ている、というある意味分かりやすい服装である。ただし、山道を登るような服装ではない。

「おねーさん! ひさしぶりだね! どうしたの?」

「やや! どうもどうも! こちらこそお久しぶりですよ!」

そーなのかー、とでも言わんばかりに両手を広げて、友好の意を示すドクター(仮)。
だが、その顔に浮かぶのは苦笑いに似た表情であった。
ゆっくりれいむは助けてくれた人間なので、ドクターは良い人だと認識していた。

「あのー、ですね。近頃、自分の身体に変なことが起こってませんかねぇ?」

「へんなこと? ゆっくりわからないよ!」

それを聞いて困り顔のドクター。腕を組んでうむむと唸る。

「例えば、ですねー。身体が発情してるわけでもないのに、変に熱くなったりー、とか」

「ゆゆゆ! あついよ! みんな、あついっていってるよ! れいむのあかちゃんもあついよ!」

「あちゃー……もう、症状が出ちゃったか。あちゃー」

ドクターは何故か「あちゃー」を二度言った。それは本人としては後悔の表れなのだが、そうは見えない。
それでもすぐに気を取り直したのか、ゆっくりれいむに向き直る。

「すみませんが、迷惑だとは思うのですけれども、ワタシをあなたの群れに連れて行ってもらえませんかねぇ?」

馬鹿丁寧というには何処か変な口調で、ドクターゆっくりれいむに頼み込む。
放っておいたら土下座して頼みかねない勢いである。

「いいよ! おねえさんはやさしいから、れいむたちのおうちにつれていってあげるよ!」

ゆっくりれいむはドクターのお願いを聞き入れて、「こっちだよ!」と言いながら跳ねて行く。
ドクターは特に急ぐことも無く、その後について行った。


家につくと、ドクターはてきぱきと色々な物を取り出し始めた。

「ゆ? なにしてるの?」

「やっ、ちょっと準備するものがありまして。気にしないでくださいな。あ、これどーぞ」

「あめさんだー! ぺ~ろぺ~ろ♪、しあわせー!」

ドクターは飴を取り出し、ゆっくりれいむにあげる。
その間に何か物々しい機械を持ち出す。ただし、大きさは手で持てるぐらいの大したものではない。
ドクターは機械を色々と弄くっていたが、調整も終わったのか、ゆっくりれいむに声をかける。

「では、次に赤ちゃんたちを連れてきてくださいな」

「わかったよ!」

ゆっくりれいむはすぐに家に戻って、熱くてだれていた子供たちを連れて来る。
一匹の子れいむが出ることもできないほどぐったりしていたので、その子は家の中に残しておいた。

「ゆっきゅりー……」
「なーに、おかーしゃん」
「ゆ!? にんげんだよ! にんげんがいるよ!」

連れて来られた途端、騒ぎ始める子ゆっくりたち。人間は危険、と教えられているのである。
すかさず、ゆっくりれいむが説明を始める。

「ゆっ! みんな、このおねえさんはれいむをたすけてくれたひとだよ!」
「ゆっ! そーなの?」
「ありがとー!」
「ゆっきゅりちていってね!」

「いえいえ、どーいたしまして。大したことはしてませんので」

適当に返事をしつつ、子ゆっくり一匹一匹にみょんな機械を当てていく。
子ゆっくりたちは何をしているのかも分からず、きょとんとしている。
全ての子ゆっくりに機械を当て終えると、ドクターはうむうむと一人で頷く。

「どうしたの! れいむのあかちゃんたちをゆっくりさせてあげてね!」

「えー、面倒なのは好きではないので、単刀直入に申しますと」

一呼吸置く。

「もうゆっくりできませんねぇ」

バン、という破裂音が響いた。






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最終更新:2008年09月14日 08:32
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