森に入りすこし大きな木を探して歩いていると木の根元の穴からゆっくりれいむの親子が出てくるのを見つけた。
いつものようにゆっくりに向かって叫ぶ。
「ゆっくりしていってね!」
「「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」
外に出ていた4匹のゆっくりが反応してこちらを向く。大きさから親二匹と子供二匹というところか。
最近のゆっくりは人間を警戒するので近かった子供二匹をすばやく掴み、背負った籠に投げ込む。
すぐに何が起こったか理解できずにいる親ゆっくりを捕まえ先ほどのように籠に投げ込む。
「なにするの!ここじゃゆっくりできないよ!」
「おとーさんおかーさんおもいよ!」
「ゆっくりどいてね!」
「せまいよー」
背中でうるさいれいむどもは放っておき穴の中を探ることにする。
籠を地面に置くと、中のれいむたちは外に出ようと飛び跳ねる。
しかし籠の中は狭く、れいむたちは顔を離せずにいた。そんな状態では満足に飛ぶことも出来ないので外に出ることは不可能だった。
籠から出れないのを確認した俺は穴の中を見る。中は暗くよくは見えなかったが何かが動いたような気がした。
もう一度ゆっくりを捕まえるための言葉を叫ぶ。
「ゆっくりしていってね!」
「「「・・・ゆっくぃちていってね!」」」
「お菓子があるんだけど出てきてくれないかい?」
「ゆっ!おかち!おかちほちぃ!」
「ゆっくぃいくよ!」
「ゆーゆー!」
れいむ種は馬鹿なのですぐに顔を出す。まりさ種やぱちゅりー種はすぐに出てこないから難しい。アリス種はまりさがいるといえばすぐに出てくる。
そんなことを思いながら、出てきた三匹の赤ちゃんれいむを掴み籠に投げ込む。
「おかちどこー?」
「ゆっ!みんなだいじょうぶだったんだね!」
「おかしはないけどゆっくりしようね!」
「ゆっくぃするよ!」
家族の対面を眺めた後籠を担いで家に戻る。
玄関を開けて扉を閉めて外に逃げれなくすると、籠のれいむたちを外に放り出す。
「ゆぐぅ!」
「もっとゆっくりだしてね!」
「だいじょうぶ?れいむのかわいいこどもたちがけがするでしょ!」
「おなかすいたよ!おじさんなにかたべさせてね!」
「きたないおうちだね!れいむたちのおうちのほうがきれいだよ!」
「おかち!おかち!」
外に出たとたんに騒ぎ出すれいむたち。このままでは埒が明かないので一番近くにいたれいむを蹴り飛ばす。
「い゙だあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
「な゙に゙ずる゙の゙お゙お゙お゙お゙お゙!!」
「「おとーさんをいじめるなー!」」
どうやら父役のれいむだったようだ。母役のれいむと成長している子れいむが文句を言う。赤ちゃんゆっくりは母ゆっくりのそばで震えていた。
俺は気にせず父ゆっくりを踏みつける。餡子をすこし出す父れいむ。
「ゆ゙ゆ゙ぅ・・・」
「静かにしろ」
「そのあs・・・いだぁあああ!」
「静かにしろ!」
喚く親子を黙らせる。子ゆっくりも何か言おうとしていたが、蹴られた母れいむを見て静かになった。
「よし、今から俺の言うことを聞けば生かしてやる。聞かないのならここで餡子をぶちまけろ。」
「言うことを聞けばお前達には何もしない。しかし、言ったことを守らなければすぐに潰す。」
俺の言ったことに対しれいむたちは考えるような仕草をみせた。
親れいむは目線で相談している。子供達は親れいむの決定をただ待っていた。
やがて決まったのか、親れいむがこちらを向く。
「おじさんのいうことをきくよ!」
「だからゆっくりさせてね!」
「こどもたちをころさないでね!」
「いうこときくからやくそくはまもってね!」
「あぁ、もちろんだ。約束を破らない限り約束を守ろう。」
子供達が大事だったのか俺に従うゆっくりれいむ。
俺は家の屋根を支える柱の一つにれいむたちを連れて行く。
「ここにお前達が上れる梯子がある。ここを上って小屋組に乗れ。その小屋がお前達のこれからの住処だ。」
「ゆゆっ?」
「上に大きい木が横になっているだろう。その上で住めと言ったんだ。屋根からは出れないように板を張っているから安心しろ。」
そう言ってゆっくりを一匹ずつ登らせていく。最後に俺も梯子のぼりゆっくりたちが全員木に乗れたことを確認する。
小屋組用の木はゆっくりが何とか一匹通れる大きさしかない。れいむたちは一列に並んだ状態になっていた。
それを確認した俺は梯子を降りて梯子を外す。これでれいむたちは無事に下に降りれない。
「その上でいる限り俺はお前達に何もしない。ただし、木を齧ったりしたら問答無用で潰すからな。
後、木から落ちて地面に着いたら俺は落ちた奴を潰す。数は覚えたから俺がいない間に落ちても探し出して潰す。餡子一粒でも落としたら潰す。
餌は3回俺が下から投げてやるから上手くとれ。それで落ちても容赦なく潰すからな。出来るだけ落ちないように投げてやるからそこは安心してろ。」
寝床は屋根に使ってる藁をとって勝手に作れ。ただし、お前達が動かした物を落としたら飯抜きだ。わかったな!」
言い終わるとゆっくりたちが理解できたかを確認する。れいむ種は馬鹿なので何回か言うつもりだったがどうやら理解したらしい。
用は地面に落ちなければいいというだけなのだかられいむでも何とか覚えれたか。そんな風に思いながら、今日は寝ることにした。
翌朝、目が覚めると天井のゆっくりたちを確認する。どうやらまだ一匹も落ちていないようだった。
しかし、赤ちゃん以外のれいむたちは疲れているように見える。
「どうした?ゆっくり寝れなかったのか?」
「こんなところじゃねれないよ!もっとひろいところがいいよ!」
「赤ちゃんは寝れたみたいだな。」
「おかーちゃんがくちのなかでねしゃせてくれたの!」
「まぁそのうちなれるさ。」
赤ちゃんが元気な理由を確認してから朝食を作る。
天井のゆっくりたちはそれを隣の部屋の天井から覗き込んできた。よだれが落ちないように口を閉じてるが体ごと落ちてきそうだった。
そんな様子を笑いながら見ていると、押入れの中から音がしだした。どうやら一緒に暮らしている一匹が起きたのだろう。
ふすまが開くと紫の髪と黒い帽子を被ったそいつらは俺に向かって一言。
「「ゆっくりしていってね!」」
「おう、おはよう」」
「「おにーさんおは『ゆっくりしていってね!』ゆっ!?」」
どこからか聞こえてきた声に驚く二匹。きょろきょろするが該当するものが見つからなかったのか、二匹で仲良くこっちに跳ねてきた。
天井の上にいるれいむたちは木が邪魔で見えなかったようだ。
上にれいむの家族がいることに気づかなかった二匹は俺の作った朝食をれいむたちがいない部屋の机に並べてくれた。
この二匹はゆっくりまりさとゆっくりぱちゅりーで、去年森で傷つき倒れていたのを拾ってからの付き合いだ。
元気になってからは積極的に俺の手伝いをしてくれるので家においている。どうやら恩返しのつもりらしい。
今ではまりさとぱちゅりーに押入れの一つを巣として提供し、一緒に暮らしていた。
俺としても話し相手とゆっくりの行動を観察という暇つぶしが二つも出来て結構満足していた。
そんな二匹と朝食を食べる。ゆっくりの下には新聞を敷いているがほとんど汚さないままゆっくりと食べている。
二匹が仲良く食べてるのを見た俺は隣部屋の天井を見る。そこではゆっくりれいむたちが俺達の朝食を眺めていた。すこし騒がしかったがこちらの部屋までは聞こえてこない。
親子が横一列に並んで俺達を見ている姿は面白く、俺は笑いをこらえるのが大変だった。
「ゆっくりたべたよ!ごちそうさま!」
「よし、それじゃあ今日は俺が一人で片づけするからお前達は外で遊んできていいぞ。」
「むきゅ!でもおにーさんにわるいよ!」
「まぁたまにはいいじゃないか。二人で遊んでおいで。あ、それと向こうの部屋には入らないでね。入ると俺がゆっくりできなくなるんだ。」
「わかったよ!べつのへやでゆっくりするね!いこう、ぱちゅりー!」
「むきゅう!」
俺の申し出に最初は戸惑っていた二匹だったが、向こうの部屋に入るなという言葉で、俺が何か大事な仕事があると勘違いしたのだろう。
二匹は縁側の方に飛び跳ねていって、そこでゆっくりしだした。
俺は残ったご飯でおにぎりを7個作り、れいむたちのいる部屋に入る。
「おい、ご飯を持ってきたぞ。」
「おそいよ!はやくもってきてね!」
「まりさとぱちゅりーだけずるいよ!」
「ごはんーごはんー」
口々に文句と朝食を催促するれいむたちに先ほどのおにぎりを投げてやる。
「ちゃんととれよ。」
そういってゆっくりと放り投げてやる。まず最初に親と子ゆっくりがそれぞれきゃっちし食べ始める。
それをうらやましげに見つめる赤ちゃんゆっくり。
「おかーさん、れいみゅのもとってー」
「おとーさん、わたしもー」
「はやくたべたい!」
「わかったよ!おじさんあかちゃんたちのはれいむがとるからこっちになげてね!」
赤ちゃんゆっくりに急かされて、おにぎりを食べた母れいむがおにぎりを捕まえようと口をあける。
母れいむに一番近い赤ちゃんは母にべったりとくっついて一番に貰う気のようだった。
俺はまとめて3つ投げてやった。
「ゆっ!?」
驚く母ゆっくり。しかし、3つともまとまっていたので少し動くだけで3つとも取れた。
「ごはんとれたよ!ゆっくりまってね!」
べちゃ。
「あれ!?れいむのあかちゃんがひとりいないよ!」
見回してもあかちゃんが一匹いないことを不思議がる母れいむ。周りのゆっくりたちを見ると全員青い顔で下を見ていた。
まさか・・・
「い゙や゜あ゙あ゙あ゙あ゙れ゙い゙む゙の゙あ゙がぢゃん゙ん゙ん゙ん゙ん゙!!!」
母親もやっと気づいた。おにぎりを三つ取ったときに動いたせいで赤ちゃんを突き落としてしまったのだ。
赤れいむは何が起こったのか分からない顔で畳に激突した。餡子が飛び散る。
これは手を出すまでも無かったので畳の餡子とれいむだった皮を回収。
いまだ声が出せないれいむ達を置いてまりさとぱちゅりーのところに向かった。
「おやつのじかんだぞー。」
「ゆっ!おやつおやつ!」
「むきゅきゅーん!」
三人で仲良く死んだれいむを食べる。地面に着いた方をゆっくりに食べさせ上のまだ綺麗な方を俺が食べた。
しばらくそこでゆっくりと戯れてかられいむ達を見に行った。
先ほどのことは都合よく忘れたのだろう。れいむたちは落ちないように木にくっついていた。
「どうした?そこは飛び跳ねたりしても安全だぞ。何もしないからゆっくりしていいぞ。」
「ここじゃこわくてとびはねられないよ!」
「もっとゆっくりできるばしょがいいよ!」
「や゙め゙でえええ!みをのりださないでえええ!」
ゆっくり一匹が乗れるぐらいの木の上では満足に飛び跳ねれないのだろう。そろそろと這うように木の上を動いている。
位置を変えるときはどちらかがその上を通らないとダメで、できるだけ潰れるれいむをそろそろとれいむが這って動くのは面白い動きだった。
親ゆっくりは先ほどのことをまだ覚えていたのか、子供達が落ちないように動作一つ一つに気をつけていた。
特に赤れいむには顕著で、自分から離れようとする赤ちゃんをすぐしかりつけて近くに置く始末だった。
これじゃゆっくり出来ないのも無理は無い。そう思いながら畑仕事に向かった。
畑仕事もまりさとぱちゅりーは手伝ってくれる。まりさは畑に生えた雑草を抜き、ぱちゅりーは生えている野菜に何か異常が無いか調べる。
俺は野菜に水をやり、ぱちゅりーの調べた野菜に薬を撒く。雑草はまりさとぱちゅりーが食べてくれるので、捨てる必要はなかった
まりさとぱちゅりーが雑草や野菜につく虫を食べている間に俺も昼食を取る。
昼飯ようにおにぎりをれいむたちの分と一緒に作ってやる。俺の分にはおかずを入れ、れいむたちには何も入れない。
おにぎりをもって畑に向かう前に朝のように投げてやる。今度は赤ちゃんは母れいむに近づかなかった。
餓死されては掃除が面倒なので、それなりの量のおにぎりなので重く、親ゆっくりは平気だったが子ゆっくりは受け取ると同時に落ちそうになった。
周りの子ゆっくりと親ゆっくりが齧りついて何とか落ちなかったが、大きいおにぎりを口に含んで喋れない子れいむの顔は喉を詰まらせたみたいで、目が吹っ飛ぶんじゃないかと言うような顔だった。
声が出せなかったが齧られて相当痛かったのだろう。
そんな様子を見て満足した俺はまた畑仕事に戻った。
畑仕事が終わり戻ってくると、なにやら騒がしい。俺はまりさとぱちゅりーに先に庭で遊んでおいでと言って中に入る。
案の定、子れいむが一匹落ちたらしく必死に柱を登ろうと柱に向かってジャンプしていた。
子れいむは赤れいむよりは頑丈だったようで大きなあざはあったが餡子は出ていなかった。
それを上かられいむたちが応援している。扉が開いて俺が入ってきたことに気づいた天井のれいむたちは落ちたれいむを助けようと叫ぶ。
「おじさんがきたよ!ゆっくりにげてね!」
「ゆっくりかくれてね!」
「ゆーゆー!」
「ゆっくりかくれるよ!」
そんなことを言いながら、子れいむはなべの中に飛び込んだ。
俺は先ほどから見ていたのですぐになべに入ったれいむに近づく。
「ゆゆっ!そこにれいむはいないよ!おじさんばかだね!」
「そうだよ!れいむはかしこいからもうにげちゃったよ!」
「おじさんばかだね!」
「ゆっゆっ!」
どうやら必死に俺の注意を逸らそうとしているようだったが、逆効果だ。
俺はなべのなかで震えているれいむをとりだす。
「ゆっくりやめt「おらぁ!」ゆべっ・・・」
何か言おうとするれいむを無視して両手で押さえつける。れいむは喋れなくなったがまだあんこは出ない。
台所に行きれいむをまな板に載せ包丁を入れる。
「あがっがgっがgggg」
「なかなかかたいな。」
皮を何とか切り開くとおいしそうな餡子が見えた。切り口を引いて餡子を取りやすくする。
まだ意識はあるようで「ゆ゙っゆ゙っ・・・」と震えるれいむを皿に押し付け喋れなくし庭に持っていく。
働いた後の甘味はとてもおいしいのだ。
途中れいむたちのいる部屋を通ると俺が何を持っているのか気づいた親れいむは泣きながら良く分からない言葉を叫ぶ。
子供達は発狂したような親れいむからできるだけ離れようと必死だった。落とされないためだ。
庭に着いた俺はまりさとぱちゅりーを呼び、一緒にれいむ餡子を食べることにした。
天井で満足に跳ねたり寝ることも出来なかったれいむはずっとストレスを溜めていたためとてもおいしかった。
加工場ほどの味ではなかったが、手軽に出来るため、我が家のおやつとして定着していた。
ちなみにまりさとぱちゅりーは同属の餡子を食べてることには気づいていない。
いや、気づいているのかもしれないがあまり気にしていないようだった。
森で住んでいたときに何かあったのだろうが今はどうでもいい、俺はおいしそうに餡子をたべるまりさたちを見ながられいむの頭の中に手を突っ込んだ。
存分にゆっくりし、夜食をまりさとぱちゅりーとともに取る。れいむたちにはおにぎりをいつものように投げてやる。
残飯でも良かったが、そんなものを食べた餡子を食べたくなかったのでおにぎりをやることにしている。
今回も落ちずにご飯を食べれたれいむ達を見てまりさやぱちゅりーの部屋に戻る。
まりさとぱちゅりーが押入れに入ったのを確認した俺はれいむ達をまた見に行く。
子れいむと親れいむたちは眠そうにしているが、寝ると落ちるので必死に寝るのをこらえていた。
母れいむは赤ちゃん達が落ちないように口の中に入れて起きている。中で赤ちゃんがすやすや寝ているのをどう思っているのだろう。今までの経験から一週間ほどでフラフラと全部落ちてくるだろう。それまでにまた補充しないとな。
「おやすみ。ゆっくりしていってね!」
次の日に森でまたれいむ一家を捕まえた。れいむ種が一番数が多いので良く見つかる。
籠に入れて戻ってきた俺は籠から出したれいむに天井での生活を教えこませて天井に梯子をかけた。
最終更新:2022年05月03日 17:56