GSPOー幻想郷総合警邏機関。
それは博霊の巫女の鶴の一声によって作られた
幻想郷の小さな事件や異変を解決する警察みたいな組織である!

【登場人物】
ジャック
GSPOゆっくり課の隊員。人間、男性、20代。
性格の悪いゆっくりは嫌いだが素直なゆっくりは好き。
標準装備はGSPO隊員に支給される拳銃。早撃ちが得意。
最近レフィが嫌みを言わなくなって機嫌がいい。

レフィ
GSPOゆっくり課の隊員。妖怪、女性、年齢不明。
前は何かにつけてジャックに絡んできていたが今は矛先をYdmtⅩにかえている。
ジャックのことが少し気になる様子。

ドスまりさ
ジャックによってゆっくりから解放されGSPOに入ったが、
上層部に気に入られGSPOのマスコットになってしまった。(第一話参照)

YdmtⅩ
GSPOゆっくり課の隊員。メカ、性別不明、まりさ型。
性能テストともかねて入隊したところ初日に大活躍したため(第三話参照)
幻想郷の名誉住民になった。バルカン砲やミサイルなど結構重武装。
レフィとよく言い争いをしている。(ジャックは漫才と言ってるが)
__________________________

「暇ね~。」
レフィが足をばたつかせながらボヤく。
足下では掃除ユニットを装着したYdmtⅩが
壁にぶつかっては進路を変え、ぶつかっては進路を変え、
まるで全自動掃除機のように動いている。
最近は珍しく一通の通報もなかった。
平和なのはもっともだが事件がないと商売あがったりで困る。
まあ、他の課の連中は結構忙しそうなあたり決して平和とは言えないがな。
「折角だしパトロールいくか。」
今までは人員が少なくてできなかったが三人(?)になったのでできるようになったのだ。
「パトロール行く人~。」
「は~い。」
「お断りします。」
「YdmtⅩが行かないなら私が行くわね。
でも何で行かないの?いい暇つぶしになるのに。」
「今日は一人で整備したい気分なんです。」
と言って帽子を持ち上げ、中から様々な工具を持った無数のロボットアームが伸びてきた。
工具がYdmtⅩのボディを止めてるボルトや何やらをてきぱきと外していく。
ボディをはずすと基盤剥き出しの結構キモイ姿になり、
なんだかいい気分じゃないのでレフィとさっさと外に出る。
俺たちと入れ替わりに入った掃除のおっちゃんが悲鳴をあげていたが気にしない。

ゆっくり課のパトロールってのは実際はあまりやることがない。
俺たちが必要な事件なんて通報されるし、ゆっくりが命を失うことはロス並みに日常茶飯事だからだ。
まあ、一度だけ目の前で群の襲撃が起こったから阻止したことはあったが。
「あ、ゆっくり発見。」
レフィが指さす方向をみると、緑色のリボンをつけた珍しいゆっくりがいた。希少種かな?
「ゆっくりふゅーじょんしましょ?」
「かわい~。」
レフィが希少種ゆっくりを撫でようと手を伸ばした瞬間。
「触るな。そして動くな。」
後方からドスのきいた声が響く。
声の主は相当な殺気を放っているため従わざるを得ない。
そして後方の誰かが手を突きだした途端、希少種ゆっくりが灰色になって動かなくなった。
「いいぞ、動いても。」
プハーと深呼吸して地べたに座る。
後ろを振り向くと、ローブのような服を着た男が立っていた。
「誰かと思えばゆっくり課の連中か。」
男が口を開く。こいつもGSPO隊員なのだろうか。
「いい子そうなゆっくりだったのにいきなりひどいんじゃない?」
「ひどい?
まったく、ゆっくり課の癖に危険指定ゆっくりのことも知らんとは度し難いな。」

危険指定ゆっくり。
希少種の中には人体に有害だったり、ひとたび暴れると甚大な被害を出す種があり、
これに指定されたゆっくりには触らない捕まえない餌をあげないと呼びかけられている。
最近は長らくそういうゆっくりを見てなかったからすっかり忘れてたぜ。

男が動かなくなった危険指定ゆっくりを持ち上げる。
動かなくなったというよりは石になったが正しいな。
「こいつはゆっくりうつほという種でな。
迂闊に触れて『めがふれあ』なんて言われたら体内の核融合炉がメルトダウンを起こし、
周囲が放射能で汚染され何百年も生物が生きられない地になるんだ。」
「そう、ごめんなさい。私最近ゆっくり課に配属されたばかりで知らなかったの。」
「なら覚えておくんだな。見慣れないゆっくりには迂闊に触れないことだ。」
「ところであんた、やけにゆっくりに詳しいじゃないか。どこの課の誰だ?」
「私はRW課のマーゼンだ。」
RW課!?
マジかよこいつあの化け物集団の奴だったのか。

RW課───リーサルウェポン課は一般の隊員には手が着けられない大事件を担当する特別な課だ。
テロリストや武装集団の繊滅、時限爆弾の解体に危険指定ゆっくりの処理等
RW課の担当する事件はたいてい多くの人の命がかかっているため、
選りすぐりのエリートしかなれないって話だ。
つまりは化け物の集まりってこと。
まあ、そんな事件なんて滅多に起こらないから普段は給料泥棒状態なんだが。

「ゆっくりうつほを目撃したと通報があってな。
RW課の隊員の中で石化処理ができるのは私だけなので
こうして赴いたらイチャついた君達が起爆スイッチを押そうとしていたいたというわけだ。」
「「イチャついてない!」」
声がハモる。二人して赤面する。
「…まあ悪かったな。俺はジャック、ゆっくり課の隊員だ。」
「私はレフィ。同じくゆっくり課の隊員よ。」
「先ほどもいったがRW課のマーゼンだ、よろしく。
まあ私は石化処理ができるという立場上、危険指定ゆっくりに関わる事件に遭うことが多い。
君たちと関わることも多くなるだろう。」
できればあんまり関わりたくないな。
「ところで────」
マーゼンが話を切り出す。
「君は人間か?」
「俺?俺は人間だが。」
「フゥ、よかった。私は近くに妖怪がいるとアレルギーで…。」
「私妖怪だけど。」
そう言うレフィを見てみるみるうちに顔が青くなるマーゼン。
「うげえええええ!!!エレエレエレ。」
「うわっ!汚ねえっ!吐きやがった。」
「大丈夫!?」
「レフィとやら…よ…寄らないでくれ…悪化する…げろげろー。」

「水でも持ってこようか?」
「ああ、頼む…。何か甘い物もくれ…。」
十分ほど吐き続けてげっそりな状態になりぶっ倒れるマーゼンを介抱する俺。
レフィは離れたところでおとなしくさせている。
綺麗な川で水を汲み、マーゼンに飲ませる。
あとは甘いものか。外で手に入る甘いものといやあ…。


ある平原で幼なじみのれいむと待ち合わせをしていたまりさのもとへれいむがやってきました。
「ゆ~ゆっくりしていってね!」
まりさが挨拶をします。
「ゆゆ!ごめんねおくれちゃった!
どうやら時間に遅れてしまったようですがまりさは気にしていない様子です。
「ぜんぜんまってないよ!なんのようじ?」
「まりさ、きょうはねはなしがあるの!」
「ゆ?なあにれいむ。」
顔を赤らめもじもじするれいむ。
「れいむね、まりさのことがね…すきなの!」
子供の頃から一緒だったまりさへの愛の告白。
「ゆっ!まりさもだよ!」
「ずっといっしょにゆっくりしようね!」
幸せの絶頂です。二人でこれから助け合って生きていこうと決意します。しかし…。
「ゆっくりしていってね!」
「「ゆっくりしてびびゃあああ!!」」
甘味確保。弾丸がしっかり貫通しているか確かめる。
幸せそうなゆっくりを殺すのは嫌いだがこちとら人命がかかってるんだ。
恨むならマーゼンかレフィか神様にしてくれ。


「助かった…。礼を言う。」
俺が捕ってきたれいむを貪りながら復活したマーゼンが言う。
「私は昔から妖怪アレルギーでな。妖怪に近づくとひどい状態になるんだ。
魔法使いになれば直ると思って捨食の術も試してみたが変わらなかった。」
「へ~大変だな。
っていうかおまえ魔法使いだったのか。」
「まあな。体があまり丈夫でない私は術が得意だったからな。
先ほどうつほを石化処理するときに使ったのも術だしな。」
「いや、男の魔法使いなんてきいたことなかったからな。」
「まったくこれだからこの世界は度し難い。
女尊男卑が行き過ぎている。
力もない、子も産めない男に存在価値が見出せなくなりつつある。
私はいつかこの流れを断ち切ってみせる。
男尊女卑まで行かずとも男女平等には持っていきたい。」
なんか語り始めたぞこいつ。
あまり深く関わらない方が良さそうだ。

「でもそんな体質じゃあRW課の仕事なんてできないんじゃないか?
結構妖怪相手に戦うことだってあるだろうに。」
「そのときは抑制剤を飲むのだが、その前に…。」
マーゼンが余ったまりさ(半殺し状態)をもって草むらに入る。
そして
「ゆぎゃあああああああああ!!!」
死に掛けてたとは思えないほどの断末魔が草むらから聞こえてきた。

「ふう、すっきりした。」
「何したんだよ。」
「いや、少し精力付けを…。」
「性力の間違いだろ!!」
まりさの死体の口から白濁色の液体が出ていた。
「いや、ケフィアだ。」
どうやらこいつは見た目と態度に比べて相当な変態らしい。
「…とりあえず今鎮静剤を飲んだからもうレフィとやらを呼んでいいぞ。
どうせ今から暇なのだろう?
介抱してくれた礼におもしろいところへつれていってやろう。」
礼もなにも原因は俺たちなんだが気にしない。
面白いところっていうので少し不安になったがいざとなればこいつを殴って脱出すればいいしということで行くことにした。

離れて野良ゆっくりと遊んでいたレフィを連れ戻し、マーゼンについていく。
しばらく歩くと立派な家が見えてきた。
屋敷と言うには足りないが、一軒家の中ではいい方に入る大きさだ。
「私の家だ。」
まじかよ、こいつこんな家に住んでやがるのか。
RW課は皆高給取りって話は本当だったんだな。
安月給で貧相なアパートに住んでいる俺の身にもなってみやがれ。

マーゼンの家に入り、怪しげな扉を抜け地下へ進む。
ズラーっと並ぶビーカーの中にはホルマリン漬けのゆっくりが標本のように浮いてやがる。
レフィはうわーって顔をしていたがマーゼンにこいつらは人間に迷惑をかけたゆっくりだと説明されたら真顔になった。

「ここは私のゆっくり研究所だ。
主に未だ謎の多い希少種の研究をしている。
加工所ではあまり希少種についての研究はされていないしな。」
怪しげな実験器具のある部屋を見せながら説明する。
「べべべべべべべべべべ!!」
ある部屋では電気椅子にゆっくりもこうが縛り付けられて拷問されていた。
電気椅子のコントローラーのコンピュータの画面には
『6:こげ』と表示されている。
「これはなにの実験なの?」
「不死と言われているもこう種をどうやれば始末できるかの実験だ。
もこう種にはなぜか石化処理がきかないのでな。
もこう種の関連する事件が起こる前に調べておかねばならん。」
「ぎゃぴいいいいいいいい!!!」
断末魔をあげ黒こげになった体から煙をもうもうと上げるもこう。
次の瞬間「もこたんいんしたお!!」と言いつつ焦げた皮を破って復活しやがった。
「電気椅子レベル6もダメ…か。電撃なら効くと思ったのだが。
気に食わんからもう一回死んでこい。」
マーゼンが残念そうな顔をして再び電気椅子のスイッチを入れた。
「べべべべべべべががががががが!!!」
もこうの悲鳴だが電撃音だかわからない音が木霊する。

「うわっ!」
「すごーい!れてぃがいっぱい!」
次の部屋には行った俺たちは思わず叫んだ。
だだっ広い部屋にずらっと並ぶレティの列。
「ここはレティをどうすれば効率よく始末できるかを調べているのだ。
レティは希少種の中でも数が多い方でな。
一匹出るたびに大騒ぎになるから駆除法を確立しておきたいのだ。
実験に回数を重ねる必要があるため繁殖させたのだ。」
ゆっくり相手によくやるぜ。
まあ確かにれてぃは手強いからな。
以前駆除依頼があった際、倒すのに丸一日かかった俺は身を持ってそれを知っている。

「次の部屋は女性には刺激が強すぎるかもしれん。
レフィよ、ここで待っておいた方がいいぞ。」
次の部屋の扉を前にマーゼンが忠告する。
「そんなこと言われたら気になるじゃないの。
大丈夫よ。少々のことじゃ驚かないから。」
「そうか、なら入るがよい。」

「HAHAHA!!ここか!ここがいいのかな?」
「やべでえええでいぶのう゛ぁーじんがあああ!!!」
「犯(まわ)せ犯(まわ)せ!」
「バターニシチマイナ!」
「よし!次は3Pといこうか!フフフフフ!」
「いやああああああああ!!!」
「そんなこといっちゃって!喜んでるじゃないか!」
酒池肉林。一言で言うとそんな光景だ。
ホールのような広い部屋で人間×ゆっくりの乱交パーティーが行われていた。
レフィはとっくに気絶してぶっ倒れている。
「ここは?」
「人間とゆっくりの間に子ができるという噂があるだろう?
それの実験だ。」
人間とゆっくりの間に子ができる───いつしか広まった噂だ。
生物学的にはあり得ないのだがいくつか前例があるらしく
嘘か真か未だにはっきりしていない。
だがもしハーフなんて生まれたら一番気の毒なのはそのハーフ本人だろう。

「火のないところに煙は立たぬと言うだろう。
私は真実が知りたいのだ。
そのためにゆっくりレイパー達にギャラを払って協力してもらっているのだ。
たまに私も参加しているがな。
欲がたまったときはこれに限る。」
真剣な面もちで淡々と語るマーゼン。相当な変態だぜこいつ。
あまりいい気分でもないのでレフィをたたき起こし次の部屋へ。

次の部屋はなにもない部屋だった。
「ここは通常種のゲスゆっくりとの戦闘シミュレーションをする部屋だ。
まあ相手は本物のゆっくりだがな。」
そう説明しながら壁のボタンを押すマーゼン。
すると奥の壁からゆっくりまりさが出てきた。
「ゆっへっへ!にんげんがまりささまにかてるとおもっているのぜ?」
そういってこちらに向かってくるまりさ。
マーゼンが右手を挙げると、まりさの足下に赤い魔法陣が現れ
そこからわき出た炎によってまりさは跡形もなく焼き尽くされた。
「…とまあこんな具合だ。」
「へえ、おもしろそうだな。一回やらせてくれ。」
俺は壁のボタンを押すが、なにも起こらない。
マーゼンがにやにやしながら壁の細い穴を指さしつつ俺に言う。
「コイン、いっこいれる。」
絶対こいつ変人だ。

十円払い、出てきたまりさを腹いせに蜂の巣にしてやった。
「どぼじでにんげんにがでないのおおおおおお!!!?」
知るか。

「最後の部屋だ。」
重厚な扉を抜けると、観察室のような部屋だった。
ガラスの壁の向こうには閉ざされた部屋。
「希少ゆっくりの危険性を調べる部屋だ。」
マーゼンがパネルを操作すると、ガラスの向こうの部屋に外でマーゼンが処理したのとおなじ、
うつほ種がせり上がる床に乗り現れた。
「こうやってうかつに触ると…。」
ロボットアームを操作し、うつほに触れる。すると。
「めがふれあ!」
ボンッという音とともに目の前に広がるキノコ雲。
核融合炉というよりまるで核爆弾じゃないか。
しちしとうをくれと言いたい。
マーゼンがいなかったらあのとき生身でこれを食らうかもしれなかったと思うとぞっとする。
というか核爆発を食らってもビクともしないガラスがすごいや。



案内も終わり、外へ出る俺たち。
すっかり夕方になっていた。
「暇なときはまた来るといい。今度はもっとすごい実験を見せてやるぞ。」
二度と行くもんか。

とりあえずYdmtⅩを待たせているのでマーゼンに別れを告げ急いで帰る。
「遅かったじゃないですか!さてはパトロール行く振りをして二人で
あんな事やこんな事してたんじゃないでしょうねー。」
「「違う!」」
声がまたハモった。最近よくハモる気がする。
マーゼンの事について話すとYdmtⅩは
「今度私も連れていってください。」といった。
そのうち連れてってあの乱交パーティーを見せつけ度肝をぬいてやるのも悪くないだろう。
あいつに肝があるかどうかは別だが。

翌日。オフィスに行くと、マーゼンがいた。
「何でおまえがここにいるんだよ。」
「いや、な。RW課だけだと仕事が少ないから服属としてこっちに来ることになったんだ。
私以外は妖怪課に行ったようだが。
まったく誰か上層部に研究所のことを告げ口したのか?
私は人間課の方がよかったというのに。」
「マスコットのドスまりさが上層部にチクったらしいぞ。」
「度し難いな。後で仕置きしてやらねば。」
そのドスに吹き込んだのは俺だがな。

その後、アヘ顔のドスと服装の乱れたマーゼンが戻ってきた。

何があったかは本人のみぞ知る。

~後書き~
うん、こう言うのも悪くないね。
実験物は結構好きだったりする。
ついでに人間×ゆっくりも。
感想書いてくれる人ありがとう!
すっごくちからになるよ!

過去作品
「ゆっくり兵」
「ゆっくり焼き串」
「アサシンゆっくり2 お兄さん虐め編」
「ゆっくり護身術」
「ゆっくりになった男1」
「ゆっくりになった男2」
「ドスのいる村」
「食ゆ植物」
「ゆっくりミキサー車」
「GSPOゆっくり課」
「GSPOゆっくり課2」
「GSPOゆっくり課3」

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最終更新:2022年05月03日 20:41