※友人作のSSを、本人の許可を得た上で改変して投稿しています。ゆっくりりかいしてね!!!
※元ネタは氏賀○太の作品です。
※白黒TVが幻想入りしてます。




幻想郷TVの人気番組、『今日のゆっくり』!!

本日のテーマは・・・



【薬用加工ゆっくり】


と、いう訳で

今回は、加工所で製造・販売されている漢方薬『湯繰丹』の製造法に迫ってみよう。
湯繰丹は古くから多くの人に愛され、ご家庭の薬箱に常備されてる方も多いと思う。
製造元である《ゆっくり加工所・薬用部門》に問い合わせたところ、今回だけという約束でその製造方法を教えて頂くことができた。


第一段階

まず最初に若いゆっくり(種類は問わないが生きのいい個体)を捕獲する。

今回は、人里のはずれでゆっくりしていたゆっくりれいむ(成体)を使うことにしよう。
れいむに職人が声を掛ける。

「やぁ!ゆっくりしてるかな?」

「ゆゆっ?れいむはゆっくりしているよ!!!
 おにいさんはゆっくりできるひと?ゆっくりできないひとならゆっくりきえてね!!!
 でもそのまえに、れいむにおかしをもってきてね!!!」

饅頭風情がなにやらほざいているようだが、反応を返してもつけあがって増長するだけなので無視する。

「どぼじででいぶをむ゙じずるの゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!
 でいぶはでいぶどばりざのごどもだぢにおいじいごはんをもっでいがなぎゃいげないのおおおおおおおおおお!!!
 だがらざっざどおがじよごぜばがあああああああああああ!!!!」

意外な事にこのれいむ、既にゆっくりまりさとつがいになっているらしい。
しかしちょっと無視しただけですぐこれだ。放っておいてもいつかは自滅するだろうな。

そんな割とどうでもいい事を考えつつも、職人はれいむを持ち上げると鞄から吸気管を取り出した。

「・・・ゆゆ?おそらをとんでるみたい~♪ゆふふ、おにいさんもゆっくりかいしんしたんだね!!!
 こんどれいむをむししたらおこるよ!!ぷんぷん!!じゃあこんどはれいむにおいしいおかしをもってきてね!!!」

またたく間に表情が明るくなるれいむ。先程まで涙と涎を撒き散らして怒っていたのが嘘のようだ。
しかし職人は作業を行う為に持ち上げただけなのだが、れいむは『職人が無視したお詫びにれいむを楽しませている』と勘違いしたらしい。

当然そんな訳はない。

今度は鞄から針と糸を取り出し、ゆっくりの目蓋を縫い合わせた。


『プツンッ』


と、職人はゼラチン質の目玉を貫く音を聞いた。

「ゆ゙っ・・・ゆ゙ぎあああああああああ!!?でいぶのおべべがあああああああああああ!!!!な゙んにも゙み゙え゙な゙い゙い゙い゙い゙い゙!!!!」

無論、わざとである。
ゆっくりという生物(「なまもの」と読む)はご存知の通り、直前に味わった恐怖や痛みによって中身の餡子の品質が向上するが、
薬用に加工する場合の効能にも影響を及ぼすのだ。
苦しければ苦しい程、痛ければ痛い程に、薬としての効能も強くなる。
そのため作業工程の中でゆっくりに苦痛を与える事は必須事項なのだが、この加減が難しい。
一般には「死んだ方がマシって思うような痛めつけ方すればイインジャネーノ?」と考える所だが、そうは問屋が卸さない。
理由については後述しよう。


職人はさらに、口に吸気管を捻じ込み針と糸で縫いつけて固定する。

ゆっくりが収まる直径の穴を、深さ10m前後まで掘る。
ロープなどを使い、吸気管が抜けないように注意しながら穴の底までゆっくりを降ろす。

「おじざんでいぶになんでごどずるのおおおおおおお!!!
 ゆっぐりじないでごごがらだぜえええええ!!!そのあとでじじいはゆっぐりじないでじね゙ええええ!!!」

これまた吸気管が埋まらないように注意しながら穴を埋める。
この時点ではゆっくりもまだ体力があり、耳を澄ませると吸気管から声が聞こえる。

「だじでええええ!!!おでがいじばずうううううううう!!!でいぶをごごがらだじでえええええええ!!!!
 ごごじゃぐらぐてゆっぐりでぎないいいいいいいい!!!」

仮に外に出ても瞼が縫い付けられているので何も見えないのは変わらないのだが流石はゆっくり、自分に都合のいい未来しか考えていないようだ。
それにしても大分参っている、良い傾向だ。それに、ここまでされてなお、まだ心が壊れていない。

前述のように、薬用ゆっくりも食用同様に、製造前に大きい恐怖や強い痛みを味わっているほど効能が強くなるのだが、
製造途中で精神が崩壊すると感覚が麻痺してしまい、以降に効能の向上が見られなくなってしまうのだ。

ここまでの作業が完了したら、工程は第二段階へと進む。



毎日声が聞こえるかどうかを確認しながら1週間ほど放置する。

「ゆ゙ひぃ゙・・・ゆっぐり・・・ざぜ・・・ゆ゙ひぃ゙ぃぃ・・・」

エサはおろか水分すら与えていないので、段々と声が擦れ小さくなっていく。

埋めてから1週間程も経つと、ゆっくりは全く声を発しなくなる。
この時点で大半のゆっくりは瀕死であるか死亡している。

「もっど・・・・・・ゆっぐり・・・じだ・・・・・・がっ・・・」

このれいむも、その大半の内に入っていたようだ。

ゆっくりの死亡を確認できたら、さらに1月程土中で熟成・乾燥させる。

そして工程は最終段階へと進む。



職人が吸気管からの匂いで熟成具合を確認し、ゆっくりれいむだった物体を掘り起こす。

周りに付着している汚れや土を丹念に払い、ゆっくり(のミイラ)を粉砕・成形すると、晴れて『湯繰丹』の完成である。
これが瓶に詰められ、箱に詰められて皆さんのご家庭に届くのです。



さぁ、いかがだったでしょうか。

長らく門外不出となっていた『湯繰丹』の製造工程のすべて、製品への理解を深めて頂けたでしょうか。

皆様これからも、加工所謹製漢方『湯繰丹』を宜しくお願いいたします。




●ゆっくりできていない過去作品一覧


        by オズ

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最終更新:2022年05月18日 21:49