「ゆっくり、ふゆごもりするからお布団にはいってね!」

部屋には、成体まりさとれいむ
子まりさと子れいむが2匹づつ、それに赤れいむと赤まりさが3匹づついる。

暖房が一切効いていないプレハブ小屋に近いこの部屋は寒く、凍え死なないまでも
ゆっくりにとっても耐え難いものなようだ。
このゆっくり一家にとって、夜はお兄さんのお布団に入ることが”冬篭り”なのである。

「お前ら布団で小便しやがったらゆっくりできなくしてやるからな!」

お兄さんにとってもこの季節はゆっくりが唯一の暖房器具
いわば共存共栄の関係が築かれている。

木の床にひいた簡素な布団に毛布と大き目の掛け布団が一枚。
親れいむは、まず赤ちゃんや子ゆっくりから布団に入れていく。
自分が入ってしまっては真っ暗なお布団の中、赤ちゃんたちが寒いお部屋に取り残されていないか
わからなくなってしまうからだ。

「ゆっくちおふちょんにはいりゅよ!」
「しょろーり!しょろーり!」
赤れいむと赤まりさが男の脇の下へ潜り込む。
暖かい場所にひかれるのはゆっくりも同じなのだ。

後から入った赤れいむ赤まりさ4匹は固まってお腹の上あたりにいる。
それから子れいむと子まりさが2匹、親が入れるように気を利かせて男の足のほうへと、もぞもぞ入る。
「もーぞ、もーぞ!」
「おかーさんたちと離れて寝るのはさびしいけど、れいむたちはゆっくりしてるよ!」

成体れいむとまりさはさすがに大きいので男の体の隙間や上に乗って寝るわけにはいかない
枕の開いてる部分に寝そべって、足のほうだけ布団の中に入る。
その足にお腹の上で固まっていた赤れいむと赤まりさが寄ってきて「すーりすーり」とすり寄って寝るのだ。

これはぬくい。
部屋の中を暖めるストーブよりも、布団が直接暖かくなるというのは画期的な暖房だ。
「おい、子ゆっくりども、俺の右足が寒いぞ!」

そう言うと、1匹の赤まりさが布団の隙間をお帽子で塞いで外気が布団に入り込まないようにしてくれる。
「ゆっくりふさいだよ!」

さて部屋の電気を消すか。
紐を引っ張れば電灯は消え、部屋は豆電球の頼りない光にぼんやりとだけ照らされる。
布団の中のゆっくりにとっては真っ暗闇だろう。

zzz・・・

「ゆえ〜ん!ゆえ〜ん!」

深夜に急に赤ゆっくりが泣き出した。
脇の下に入っていた赤れいむが、赤まりさに引っ張り出されて暖かい場所をとられてしまったのだ。
「まりしゃは、ゆっくちあっちゃかいところでねりゅよ・・・zzz」
「れいみゅのゆっくちぷれいちゅがゆえ〜ん!ゆえ〜ん!」

幸い布団の中で泣いているので、男はまだ騒音で目を覚まさない。
しかし、もしも安眠の邪魔をしようものなら男は怒り出してゆっくりさせなくしてしまうだろう。
そこで、いち早く異変に気づいた親れいむが赤れいむをなだめるために布団の奥へと潜り込んだ。

「おちびちゃん、ゆっくり泣き止んでね!お兄さんがうるさくて起きちゃうよ!」

「ゆえ〜ん、ゆっくゆっく」

成体ゆっくりの重量はそれなりにあるため、お兄さんは寝苦しそうだ。
胸の辺りに圧し掛かって、一生懸命脇の傍にいる赤れいむをなだめている。

「ゆっくりできるお歌を歌ってあげるから泣き止んでね!
ゆっ♪ゆっ♪ゆっ〜♪」

赤れいむはそのお歌に機嫌を良くして一緒になって歌いだす。
「ゆ♪」
他の寝ていたお腹の上の赤れいむ2匹と足元の子れいむ2匹も目が覚めて、釣られて大合唱。

「「「「ゆっゆっゆっ〜♪ゆっくり〜♪していってよね〜♪」」」」

「うるせぇ!!」

男はあまりの騒音と胸の上の重量感で目を覚まし、親れいむの髪をひっ捕まえると
布団から引っ張り出して、壁めがけてぶん投げた。
ぶぎゅ!

口から餡子を少量吐き出しているが命に別状はない。
足元の子れいむも蹴って布団の外に追い出したが、見えなかったので熟睡していた子まりさが転がって壁にぶつかって潰れた。
「zzz・・・ゆぎっ!」

ようやく静かになる。
「ゆ・・・ゆゆ」
親れいむは布団に戻ろうとしたが、薄目を開けていた男が裏拳一閃で再び壁に激突し気を失った。



ボフッ

男が屁をこいた。
布団の中は異臭を放つメタンガスで充満されていく。

「ゆぎゃー!」
「くちゃいよ〜!」「ゆっくちできにゃい!」

「こうやって布団の温度をたもってるんだよ・・・むにゃむにゃ」
男はまったく悪びれず寝言で答える。

足元の子まりさは外の空気を吸って耐える。
「すーはーすーはー、ここはゆっくりできるよ!」

子れいむ2匹が
「まりさ、そこを代わって!」
「交代交代で息をすうんだよ!」
と言っているがまりさは「ゆっ!ここはまりさのゆっくりスポットだよ!」と言ってまったくどこうとしない。

男は少し意識があったので、布団を足元のほうへたぐりよせて
そのまりさの外気を完全に遮断してやった。
ついでに、もう一発屁をこく。
大股に開いて音がしないように、なるべくまりさにヒットするように慎重に・・・

ぷすぅ〜ッ

空気が抜けるような音が男の尻からすると、足元の子まりさは息継ぎの空気口を完全に失い
「ゆぶべべべべ・・・!」と目を大きく見開いて暴れ狂う。
すーはーすーはーと呼吸をしていた、”すー”にタイミングがあって屁が直撃したのだ。

まりさは布団の外へと非難しようとしたが、多めに布団を足元にたぐりよせておいて
しかも足で布団の端を丸めて押さえつけたから完全な密室がここに誕生した。

「だしてねぇー!まりさをお外にだしてねー!くしゃいー!」

ちなみに子れいむのほうは2匹とも泡を吹いて気絶している。


余計な事で意識が戻ってしまったため小腹がすいてしまった。
とりあえず、脇にはさまってる饅頭でも食べるか。

「すーや、すーや、ここはまりちゃのゆっくちぷれ・・・」

ひょい、パクッ

口から上を食べて残ったのは布団の中に捨てる。
普通は布団が汚れるからそんな事は出来ないが、このゆっくり餡に限っては
ゆっくり同士が綺麗にあとかたもなく始末してくれるからだ。

甘い匂いが布団の中に広がって、半分になった赤まりさに他の赤ゆっくりが寝ぼけながら
「むーしゃ、むーしゃ」とパクつく
赤まりさを平らげると、赤れいむが他の赤れいむに噛み付かれて「ゆぎっ」と悲鳴を漏らしたが
すぐに餡子の匂いをさせて全部食べられてしまった。

布団の中は地獄絵図だというのに、親まりさは相変わらずのんきに寝息を立てている。

「すーり、すーり、まりさそんなにたべれないよ・・・ぐへへ」

なんとなくジャイアンパンチを顔面にお見舞いしておいた。
顔面が陥没するあれだ。
むぎゅー!

「ゆゆゆ・・・ゆっ?ゆゆ?」

親まりさは何が起こったかわからず、目をぱちくりとしている。
男は寝たフリをしてスルー。



朝、赤ゆっくりが男の寝返りで全滅していて、子れいむと子まりさも1匹づつ死んでいたが

「冬越えとはこういうもんだ」
の男の一言で親ゆっくり達は納得した。
餡子の遺伝にも冬越えは大変なことだという情報が受け継がれているからだ。

言いながら朝食に、生き残っていた赤れいむを食べてるわけだが
飾りを髪ごと引き抜いてるからわからないらしい。
「やめちぇね!ゆっくちたちゅけてね!みゃみゃー・・もっとゆっくちしちゃ・・・」


「夜までに赤ゆっくりを作っておけよ!」

そういい残して、半透明のポリ製ケースに親ゆっくりと子ゆっくりを生ゴミを放り込んで蓋を閉じる。



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ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ!
ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる
ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味
ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編
ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編
ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス
ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生
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作者:まりさ大好きあき

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最終更新:2022年05月19日 11:50