穴におちていく。
転がり落ちて、どんどん深みにはまり、気づいたら這い上がることができなくなっていた。
穴の底まで転がりおちて、ふと周囲を見渡すと、そこにあったのは真っ暗な空間だった。
みょんと風来坊まりさがやってきたのは、とある山間部。山に行きたいのぜとの風来坊まりさの希望により、山道を進んでいたが、洞窟の入口を見つけた。
「はいるのぜ」
「ばかみょん?しぬみょん?」
「どおしてそんなこというのお!?」
「どうみてもしぼうふらぐだみょん」
「あながあったらはいってみたいでしょおお!」
「ならかってにしぬみょん。あと、ことばのつかいかたがちがうみょん」
「ゆふふ。きづいてくれてうれしいのぜ」
これまで、いろんな騒動に首を突っ込んだり巻き込まれたりしていたが、さすがに穴の中に入らなければいけないことはしていない。
それにしても、この洞窟の入口は、洞窟にしては整備されている感じがする。人間の手でも入っているのだろうか。
「にんげんさんがいそうだみょん。ここからはなれるみょん」
「もうおそいのぜ」
洞窟の外から人間たちがぞろぞろ出てきた。実はこの洞窟は観光地であり、多くの人が訪れるスポットである。家族連れでいっぱいだった。
楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてくる。
「よそうどおりみょん。かくれるみょん」
みょんたちは、洞窟を避け、山道を進んでいった。
「もうちょっとすすんだら、やまをおりるみょん」
「わかったのぜ」
二匹が山道を進むと、ゆっくりの巣のような穴があった。
「はかいするみょん」
「あぶないからやめるのぜ」
すると、ゆっくりの巣からモヒカンたちがぞろぞろ出てきた。
どうやらここは虐待名所となっているようで、多くのモヒカンが集まるスポットであった。
イジャイイイイイ!! ドオシテソンナコトスルノオオ!! ユンヤー!
楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてきた。
「いろいろおかしいみょん。かくれるみょん」
みょんたちは、巣を離れて、山道を進んでいった。
「もうすこしすすんだら、やまからおりるのぜ」
「わかったみょん」
二匹が山道を進むと、落とし穴のようなものがあった。
「さすがにはいりたいとはおもわないのぜ」
「もうやまをおりるみょん」
穴のなかでは、真っ暗な中で何かがもぞもぞと動いていた。
「…そうするのぜ」
2匹が下山し始めた直後、ジェエアアアアアアアア!!とかいう奇怪な叫び声が聞こえたが、誰にも伝わることなく、次第に音は聞こえなくなった。
【結】
最終更新:2022年06月15日 00:04