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ゆとりGKダンゲロスプロローグSS「ゆとり白書をもう一度」


「ひろゆきーッ!朝よ、起きなさーい!」

階下から聞こえる母の声にひろゆきは目を覚ました。目を擦りながら枕元の目覚まし時計を確認すると、起床予定の時刻を20分程過ぎている。

「なっなんでっ?アラームセットしたのに!」

自分で止めてまた寝てしまったことは当然のように記憶に無く、「鳴らなかった」という結論を出し、急いで制服に着替える。ボタンを掛け間違えているのもいつものことである。
起床予定時刻を過ぎていると言っても、まだ十分始業時間には間に合うはずなのだが、慌てている彼の中では「急がなきゃ遅刻する!」となっている。
部屋を飛び出し下に降りようとすると今度は足を滑らせ、ゴロンゴロンと階段を転げ落ちる。彼が大したダメージを負わなかったのは母がこれを見越してクッションを敷いておいてくれたおかげだろう。このような家族の配慮が無ければ彼は生きていられないに違いない。「ゆとりのひろゆき」と称される彼は斯様にゆとりの無い人間なのである。

寝ぐせ頭のまま家を飛び出すと、トーストを咥えて走ってきた、同じ希望崎の制服の女子生徒と衝突しそうになる。が、ひろゆきと同じく慌てていたはずの彼女はひろゆきに気づくや否やさっと身を躱し、勢い余って転びそうになった彼の制服を掴んで支えてくれまでした。コンマ数秒前まではほぼ同じようだった2人の何たる差か。しかしこれは少女が凄いと言うわけではない。むしろひろゆきの人徳の賜物と言えるかも知れない。

魔人能力「ゆとりと空間の魔術師」。ひろゆきが生きているだけで、その体からは「ゆとり粒子」が放出され、それは周囲の知的生命体の精神に作用してゆとりをもたらす。ちなみにここで言う「ゆとり」とは侮蔑的な意味のこめられた俗語ではなく、本来の、余裕があるとか言った意味のモノである。
たった今少女が予想外の事態に冷静に対処出来たのもそれ故であった。幼い頃からせっかちで、周囲から「心にゆとりを持て」と言われ続けたが故に発現した魔人能力なのだが、哀しいかな、ゆとり粒子は彼自身には何の効果も無い。魔人になる前と変わらぬ慌て者なのである。

学校へつき、友人と挨拶を交わす。希望崎は平和だった。人類史において、「戦争が無い期間」というのは3400年前から現在まで計300年も無いと言われる。無論戦争が無くとも、大小の犯罪は絶えることは無く、治安を保障するのは暴力に依る支配である。
学園自治法施行以後の学校社会ではそれがより顕著であった。希望崎に平和をもたらしたド正義卓也の思想も彼の能力という圧倒的暴力に基づいていた。それが、今の希望崎は皆が規範を守り、学園生活を円滑なモノにしようという意識を持っている。他のどんな魔人の少ない学校より、魔人というものが存在しない読者諸氏の世界の学校より、希望崎は平和だった。

ゆとりのひろゆきの家族、そして校友や教師たちは日常的に彼のゆとり粒子を浴び続け、その精神は完全にゆとり化していた。ひろゆきにとってもこの能力はメリットが無いわけでは無い。周囲がゆとったことで、彼のミスをフォローしてくれるようになったし、どういうことだかよくわからなかったが、先日、どこか儚げな美少女にお礼を言われたのだ。

「この世界では私、生きられるのかも知れない。ありがとう。」

と。

「ヒャッハー、焼きそばパンだー!」

昼休み、モヒカンザコが他の生徒達と同様に列を作って購買に並ぶ。ある触手が好みの女生徒にニュルニュルと自身を伸ばしてモーションを掛け、彼女がそれを断るとアッサリと引込み、ビッチは避妊の上で男子生徒の上で腰を振り、性病検査にも定期的に通うようになった。

「おい…マジかよ…これがあの希望崎か…。」

「どうやら噂は本当だったらしいな。」

裏口から校舎に侵入したのは、見るからにガラの悪そうな2人の高校生。他校の生徒なのだが、制服が学ランなのでパッと見は希望崎の男子生徒と見分けがつかない。2人は魔人であり、それもそれなりの強能力者であった。荒れていることで知られる学園とは言え、生徒全体に数名しかいない魔人達は天下無敵であり、やりたい放題の毎日を送っていた。

「でもよ…?殺るのかマジで…。」

「ここまで来て何言ってんだ。噂通り、希望崎はゆとってるじゃねえか。
今なら殺れるぜ。天刹院でも購買の車椅子ババアでもよお!」

2人が希望崎にやってきたのは、名の知れた魔人をぶち殺して名を上げるという、戦乱の世の武芸者のような、現代においては酷く頭の悪い動機によるモノであった。実際のところ、名を上げたいという動機は取ってつけたようなモノで、彼らは飽きていたのだ。好き放題するだけの、敵のいない学校生活に。
しかし同時に本気で死ぬようなリスクを犯したくは無いというくらいに小賢しい。これまでの希望崎なら仮に名のある魔人を殺せたとして、学園自治法があるから社会的な罪には問われないが、代わりに待つのは他の魔人達による外の世界ではありえない凄惨な私刑の果ての死だろう。
今のゆとりにゆとっているという希望崎ならば、1人2人殺した後で見事に逃げおおせることも叶うのでは無いか。そんな算段であった。逃走経路を確保し、ある程度名の売れている魔人が逃げるのに適したポイントを通るのを待つ。一般生徒を装って声をかけ、隙を突いて…。しかし、…。


「なあ、やっぱり…やめね…?」

「ああっ!?腰引けてんのも大概にし…」

日和気味だった1人がそんなことを言い出すので、思わず胸ぐらを掴みそうになる。が、その顔を見て気づいた。これは日和ったという類のモノでは無く、そもそも殺しに臨む気が無くなったのでは、そう思わせる表情だった。

「お前…何で…?どうした…。アレ…俺も、何で…何で誰かぶっ殺して名をあげようなんて馬鹿なことを…」

自分は何を無茶なことをしようとしていたのだろうか。何故そんな頭の悪い発想を。若さ故か、或いは魔人だからか、好き好んで無謀な行動に出たがっていたこれまでの自分への後悔の念が押し寄せる。

「どうしたんだ?君たち、見ない顔だが、他校の生徒か?」

「何だ?ウチに遊びに来たのか?歓迎するぜ。」

大戦斧を担いだ眉目秀麗な男・天刹院晶真とフルアーマーの大石川純子。対立するはずの陣営に属する両者が極普通に廊下で談笑しており、そして2人の姿を認めるとにこやかに話しかけてきた。更に純子と同じ番長グループの影平代も手を振りながら廊下の奥からこちらへと歩いてくる。

「いや、すいません。僕らもう帰るんで。」

「アイエエエ!ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」

怯える2人を純粋な善意から生徒会室に、いやいや番長小屋に、と自身の巣へまねこうとする3人の横を、1人の少年が通り過ぎる。ゆとりのひろゆき。希望崎をゆとらせた張本人。しかし、殆どの生徒はそのことを知らない。多くの魔人に共通する、しかし今の希望崎に於いては非凡な性〈せっかちさ〉を持つ彼は、自分だけ課題を提出していなかったことから教師に呼び出され、向かう途中であった。職員室のある階へと階段を降りようとする。


「あっ!?」

彼の不運は2つ。1つは忍者に失禁した不良の尿が廊下を濡らしていたこと。もう1つは彼の自宅と違い、足を滑らせた彼を受け止めてくれるクッションの類が用意されていなかったこと。ひろゆきは朝と同じく階段を転げ落ち、しかしダメージはよほど大きかった。全身、特に頭部をあたりに音が響くほど激しく打ち付ける。

2時間後、ゆとりのひろゆきは搬送先の病院で死亡が確認された。死因は脳挫傷。葬儀には多くの人が参列した。多くが純粋に彼の死を悼んでいたが、教師や理事ら、希望崎の平和が彼の能力によるものと知っていた者たちはこの先の学園の運命を嘆いていた。そんな中、死に化粧の施されたひろゆきの顔を見下ろすある少女の表情は、哀しみと自嘲と諦観が入り交じっていた。

「ごめんなさいひろゆき君。やっぱり…この世界でも私は殺されなきゃいけないみたい…。」

希望崎の平和が崩れだしたのは、それから数日後のことだった。体内のゆとり粒子の影響が薄れ、校舎内のゆとり粒子濃度が無視していいレベルにまで低下すると、希望崎はダム決壊時の暴流の如き勢いで、ひろゆきの入学前の、ビッチと触手と暴力の真っ只中、戦闘破壊学園ダンゲロスへと脱ゆとりを果たしたのである。いや、今までゆとっていた反動からか、前以上の暴力性を持って。

そして数週間後、少女-山乃端一人はその死を以ってメギドの火付け役となった。

「この世界でも…私はハルマゲドンの切欠に過ぎなかった。それでも、仮初でも私に安らぎをくれたこの世界に、私はまたゆとりが戻って欲しい。どうか、お願い…。」

山乃端一人は薄れ行く意識の中でそう願った。

「メ…ッセージ…で…す…。これが…せい…いっぱい…です。希望崎のみな…さん受け取って…ください…伝わって…ください…。」

ゆとりのひろゆきの残留思念は最後の力を振り絞り、生前自身が放出したゆとり粒子の残滓を両陣営の要となる魔人に集中させた。もはや避けられないハルマゲドンの惨禍を少しでも軽くするため、その後に希望崎にゆとりを取り戻すために。

果たしてハルマゲドンの後に待ち受けるのがゆとりか、脱ゆとりか、それは今の彼らにはわからない。


ゆとりGKダンゲロスエピローグSS「失われたゆとりを求めて」


ゆとりダンゲロスエピローグSS「失われたゆとりを求めて」

「俺はハスカールだーッ!ハスカール!ハスカール!」

いいいいの絶叫を聴きながら、番長グループと生徒会陣営は睨み合っていた。とは言っても、戦場の一角に築かれた死体の山は、もはや生徒会陣営に勝算が無いことを物語っている。彼らの降伏により勝利を収めた番長グループではあるが、その顔に喜びは無い。仲間の死は言うまでも無く、積み上げた敵の亡骸も、ほんの数週間前までは穏やかな日常を共にしていた学友のそれだったのだから。

「私たちは覚悟は出来てる。でも、せめてこの子のことは見逃してあげて…。この子は巻き込まれただけだから。」

生徒会陣営の生き残りでまともな精神を保っていた御照覧は、変態呼ばわりしたはずの一一の除名を嘆願していた。一の小柄な体は、九十の腕に抱かれている。呆けたような表情だが、瞳の色は彼の絶望の濃さを反映していた。生徒会の皆を守るために自身の能力で鶉かなめの能力を暴発させ、バリケードを築いたことが招いた敗北。自分のせいで、頼れる人達が目の前で殺されていく。一の許しを請う叫び声を聴きながら、番長グループは生徒会陣営のメンバーを生き残った者たちの心が折れるまで殺していった。同じく夢追中がいくら懇願しても、逆砧は社に手をかけるEA-02を止めなかった。こみあげる吐き気を押し殺しながら、かつての学友、そして仲間にすら手をかけた。真に許しを請うていたのは、番長グループだったのかも知れない。

「(さようならはーきゅん…みんなによろしくね…)」

可愛い弟に落としていた視線を上げ、向けた先にいるのは名前を知っているだけだった妹。
こちらを見る彼女の表情も酷く苦々しげである。姉妹の情を交わす機会はもはや永遠に失われていた。殺るか殺られるかという関係になったあのときに。それが不幸か幸運かは両者共にわからなかったが。

「社っ!しっかりして!死なないで!」

亡骸が塵と化す。どこか美しい最期を社は主人の腕の中で迎えていた。冷めた熱と指の間から零れてゆく社「だった」灰は、朽ちてゆく命の象徴に相応しい。


「逆砧…あの子を逃したら後は…あたしが殺るよ…。」

「…。」

フルアーマー純子もやはり躊躇いがちに言う。フルアーマーたる彼女の残弾はまだたっぷりあり、容易に残りの生徒会メンバーを爆殺出来るだろう。かつてのハルマゲドンで生徒会が敗者に行ったという凄惨極まる処刑に比べればはるかに人道的だ。が、

「いえ。一一さんだけじゃなく、生徒会の皆さん全員生かして帰しましょう。」

逆砧の言葉に、両陣営とも目を丸くする。確かに普段の彼女は優しい人物であるが、戦闘中は番長として冷徹な判断を下していた。夢追も、将としての彼女には情け容赦の無い人だと思った。

「私たち、熱に浮かされていたような、そんな気がするんです。山乃端一人さんが殺されたってことさえ、ただのきっかけに過ぎないんじゃ無いかって。何かに駆られて、前は何のいがみ合いも無かったはずのあなた達と、取り返しの付かない戦争を始めてしまった、と。」

逆砧は以前の学園の平和がゆとりのひろゆきの力によるものとは知らず、山乃端一人の抱えていた宿命など尚更である。それでも、このような事態に至ってしまったこの学園に、この世界に何か呪いめいたモノを感じていた。それは彼女自身もまた呪いを背負う身であるからかも知れない。

「確かに、どうして戦いなんか始めたんだか、よくわからないや…。」

御照が同意して呟く。部外者が耳にすれば何人も死人を出す戦争をしておいて、脱ゆとりどころかゆとり極まると思われそうな台詞だが、皆意見は同じであった。開戦の理由は当然あるし、事細かに説明できるのだが、それがまるで取ってつけたかのように今となっては感じる。

「だから…、奪った命は返せないけれど、せめてこれ以上は奪わないよう、やめにしませんか…?今更遅いかも知れませんが、お三方には職を退いていただき、山乃端さんの死の件については話し合いで決着をつける。公平な話し合いとなるかどうかは皆さんに我々を信用していただくほかありませんが、どうか…。」

そう言うと逆砧は敵の、そして仲間たちの顔を見回す。助命された生徒会陣営はもちろん、番長陣営にも異を唱えるモノはいなかった。三五は安堵の表情で九十の顔を見つめ、九十は涙を浮かべて弟を抱きしめる。

「ひーちゃん…カズ君…私達はこっちを選ぶよ…。ごめんね。」

「二人」がこの決着に何を思うのかはわからない。しかし、物言わぬ死者の遺志を都合のいいように歪めるより、よほど誠実と言えるかも知れない。山乃端一人の死に憤った川端一人の行動がそうであるように、彼女らの選択も結局は自己満足に過ぎないのだから。


「お嬢…様…」

逆砧を無言で見つめていた夢追は社の声ではっと我に返る。完全に崩れ、ただの灰と化したはずの社を手で掬って見るが、さっきまでよりいっそう冷たく、ただサラサラと零れていくだけ。

「社!?い、生きているのですか!?返事をしてください!」

「お嬢様…『物』としての私の肉体はもう朽ち果てています。付喪神は所詮物に宿るですから。」

声はすれども姿は見えず。語りかけているのは、「物」に宿っていた社という神の本体、神魂と言うべきモノであった。

「とは言え、神は神ですから。こんな真似も許されるようです。お別れまで、少しの間だけですが。」

「社…!」

中は涙を流すが、縋りつくべき体は崩れ、見つめる対象も虚空に姿を浮かべない。

「お嬢様…!あなたはいつも無茶ばかりして、私やオオワシさんをハラハラさせていましたね。今は、心配のし過ぎで私がこんなことになってしまいましたが…。正直、あなたより先に死ぬとは思わなかった…。」

「ごめんなさい社…!私のためにこんなことに…。」

「いえ、これは完全な自業自得ですから貴方が自分を責めることじゃありません。それよりお嬢様、今でも魔人能力は好きですか?魔人能力で殺されたいと思いますか?」

「……、ごめんなさい社。好きです。今でも魔人能力で死にたい。」

「貴方のそういうところ、直して欲しいと思っていたのに、今は何だかほっとしましたよ。ならお嬢様…、魔人能力以外で死ぬことの無いよう、どうかご自愛ください。黄泉の国から見守っております。さようならお嬢様。」

別れの言葉を告げると、社の「遺灰」は金色に輝き出す。風も無いのに宙に舞い上がり、その場の皆の度肝を抜いた。彼の能力でこんな真似が出来たのか?と誰もが感じたが、これは魔人能力とは別な、神としての力と言うべきモノだった。

主人を守るために収集していたゆとり粒子の残滓。もはや本来の目的で使うことは叶わないが、ならばせめて、と彼は最後の力を振り絞る。

「(ありがとうございます。番長さん。あなたが、自分の意志で助命を選択してくださったおかげで、ゆとり粒子を彼らに使うことが出来る。)」

ゆとり粒子の影響などもはや残っていないはずの逆砧が自ら提案したゆとりある選択。それに同意した番長グループの仲間たち。ゆとり粒子やその影響力は残っていなくとも、ゆとりを求める心は、話したことも無かったゆとりのひろゆきの心は、彼らの中に確かに生きていたのだ。

舞い上がった金の粒子は九十に抱かれる一を、奇声をあげるいいいいを包み込んだ。この世の何より優しく、美しい光景だった。ゆとり粒子のシャワーは壊れた彼らの心に優しく染み渡り、正常な働きを取り戻させる。

「姉…さん…!」

虚ろだった瞳が大きく見開かれ、光が戻る。

「はーきゅん…!良かった!」

「姉さん!僕…!僕…!何も出来なかった…!」

少年の瞳から涙が溢れる。正常な働きを取り戻した心も、傷が癒えたというわけでは無い。彼がこの日受けた傷にどう向き合うのかは彼次第である。生徒会も、番長グループも、肉体は殆どダメージを受けていないが、心は傷ついていた。しかし、彼らは幼気な少年に比べれば流石に強い。事後処理、仲間の弔い、生徒会の再選挙、山乃端一人殺害事件の決着、山積した問題を前に、今しばらく哀しみを押し殺せるほどに。
上空から舞い降りたオオワシは鳩の代わりとして十分な役割を果たしていた。

以上が今は亡き夢追中嬢が鉄のメモ帳に残した手記やインタビューの記録、その他関係者の証言を基にした、「ゆとりハルマゲドン」終戦時の様子の再現である。本ハルマゲドンについて一一、夢追中と並んで語られる3人目のストレンジャー、埴井葦菜の顛末についてはまた別の機会に語ることとする。彼らが選んだゆとりが、希望崎が後にどのような命運をたどるのかは現在の我々には既に知るところだが、当時の彼らの勇気と賢明さをここでは称えたいと思う。絶大なコミュ力で執筆の助けとなる情報を数多く提供してくれた蛇淵かわず女史には特に厚く御礼申し上げたい。


上記は先日事故死した魔人ルポライターが最後にweb上で公開した文章である。文中に名前が登場する、山乃端一人なる少女の死はおろか、在籍の記録も現在の希望崎学園には残っていない。

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最終更新:2012年01月15日 06:24