「邪魔する奴はいなくなったな」
「ああ、ったくベジータの奴。せっかくオラがドラゴンボールを使ってやろうと思ったのに……まぁいいや」
両者溢れんばかりの闘気を出し身構える。
「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」
親父喧嘩はまだまだ終わらない。
――――と、思われていたが別にそんなことは無かった。
「おい、いつまでダラダラと戦っている?」
再び互いの拳をぶつける為に飛び掛かろうとする二人の間に超重量の物体が飛来し、
舞い上がる土埃に邪魔をされ、勇次郎と悟空は戦闘を一旦中止する。
「貴様、戦いの邪魔をするとはいい度胸だな。」
「なんだ?……あぁ!!」
「―――見つけたぞ、カカロット!!」
飛来してきたのはスーパーサイヤ人になった孫悟空と同じような金髪をした、
かのビスケット・オリバにも匹敵しかねないほどの高密度な筋肉を持つ男、伝説のスーパーサイヤ人ブロリー。
「おめぇは!!ブロリー!!」
「んん?知り合いか?悟空?」
「再び会えて嬉しいぞカカロット。さあ、あの時の続きをしようじゃないか。」
全身からスパークを発しながら悟空のもとへゆっくりと歩いていくブロリーの間に勇次郎が割って入る。
「悟空のオトモダチか何かは知らねぇが、このオーガを無視するとはさすがに跳ねっ返り過ぎじゃねぇのか?」
「なんだ貴様?邪魔をするな。すっこんでろ。」
ブロリーの顔面に拳を叩き込もうとする勇次郎の肩を悟空が掴む。
「なんだよイケネェのか?……ぬ?」
悟空の表情は、常に飄々と余裕を持った態度を取っていた今までの彼からは考えられない程険しい。
「すまねぇ勇次郎。勝負はお預けだ。―――こいつは、こいつだけは、オラ一人にやらせてくれ。」
悟空は以前一度ブロリーと戦ったことがある。だがその時の戦闘は戦いと呼べるようなものではなかった。
放つ技は何一つ通用せず、瞬間移動かめはめ波すら埃を巻き上げるだけという絶望的すぎる戦力差。
既に戦意を喪失したベジータが「もう駄目だおしまいだ」とばかり呟く中、悟空も生まれて初めて諦めかけていた。
倒れたベジータ、トランクス、ピッコロ、御飯の生命エネルギーを全てかき集めて放った拳による一撃で
かろうじて撤退させることに成功したが正直勝利とは言いがたい屈辱的な結果である。
「ほう、あの時よりずいぶんパワーが上がっているようじゃないかカカロット。」
「まあな、今度はうまくいかねぇぞ。―――悪ぃ、終わったらすぐ戦ってやっから。」
「おいおい、俺の方が先客じゃねぇのかよ?」
あらかさまに不機嫌になる勇次郎を見て悟空はふっと笑う。
「なぁに、心配すんな。こいつは予行練習さ。おめえ相手に本気で戦う前のな。」
「なに?」
既にスーパーサイヤ人状態の悟空の身体にまとうオーラがバーナーの炎のような激しいものへと変わった。
時折雷神のごとく稲妻状の火花が散り、バチバチと音を立てる。
「これがスーパーサイヤ人を一つ超えた状態。いわばスーパーサイヤ人2といったところか。
―――そして、これが、更にもう一個超えた形態。」
突然、悟空を中心に地震が発生し、地面を激しく揺らしながら悟空の髪が腰の辺りまで伸びていく。
上空では雲の形状が変わって周囲に雷雨が降り注ぎ始めた。
「―――通常の400倍。スーパーサイヤ人3ってやつだ。」
「ふん!」
勇次郎が地面を殴りつけ、地中の地盤に衝撃を加えて地震を止める。
「やれやれ、まだそんなとっておきを残してたのかよ。いいぜ、さっさとそいつを片づけてこいよ。」
「くくっ……ははははははっっ!それがどうしたぁ!カカロット!」
地上を水平に飛行しながらブロリーは悟空に襲い掛かった。
その体当たりを地面を踏みしめて受け止める。
「どうだぁ!!!今のオラはおめぇより強ぇぇぇ!!!」
そのままブロリーを持ち上げて空中にぶん投げ、舞空術で飛んで追い打ちをかける。
だがその体当たりもまたブロリーが受け止めた。
「どうかなぁ?」
ブロリーは膝蹴りを放ち、悟空を更に上空へ吹き飛ばす。
「ぐわぁ!!」
「ははははっ!!!」
追い打ちをかけるためにブロリーは悟空を追いかけて空に向かい、
体勢を整えた悟空はその突撃を受けとめてブロリーを更に上空へ吹き飛ばし……。
このような攻防を繰り返して、とうとう地上からは二人の姿が目視できなくなった。
「……行っちまったぜ。」
流石に空を飛んだことはない勇次郎は一人地上に残され寂しそうに呟く。
「……クックック。心配する必要はない。ああ見えて孫悟空という男、そう捨てたもんじゃねぇ。」
空を見上げるのをやめた地上最強の生物は踵を返す。
「いずれにしろ俺たち二人は闘う運命。――――最後に立っていた一人を、俺が喰うまでよぉ!!」
あの男と再戦するその時を夢想しながら勇次郎は歩き出す。
地上に残された他にもいるかもしれない強者(つわもの)と出会うために。
宇宙最強の親父喧嘩は、一時休戦に入った。
◆ ◆ ◆
「ヤハハハハッ。なかなかいい眺めではないかっ!」
空中に浮かぶ限りなき大地、フェアリヴァースを制圧した神エネルは遺跡を発掘した際に
偶然手に入れたロボット軍団を目の前にして満足気にのぞけ返る。
彼らこそ、空島を離れ宇宙進出を果たした偉大なる神エネルに従える新たな下僕達だ。
「「「「「ウオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」」」」」」
ゴロゴロの実の力で充電を完了し、もはやバッテリーの切れることがない彼らの士気は凄まじい。
「ヤハハハハッ。もはやこの地は制した!これより神の軍団は地上の侵略を開始………んん?」
心網(マントラ)で何かしらの気配を感じたエネルはふと空を見上げる。
「なんだ?私のフェアリヴァースに何かが近づいて……。」
「――――え?」
「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーー!?」
それまでのクールなキャラをかなぐり捨てるような物凄くびっくりした顔をしたエネルは、
ブロリーに月面まで超高速で吹き飛ばされてきた悟空にぶつかり、地表を砕きながら押しつぶされた。
「か、神様ぁぁぁぁぁ!!!!!?」
エネルの手下のスペーシー中尉は神エネルの身に起こった突然の出来事に驚愕して絶叫する。
「いてて……少しは手加減してくれよ。」
「――――手加減だと?」
追撃してきたブロリーが空を飛びながら悟空に襲い掛かる。
「手加減って、なんだ?」
容赦なく高密度の筋力の拳を悟空に叩き込んだ。
悟空は咄嗟に自分の下敷きになって気絶した神エネルを盾にしてその一撃を防ぐ。
「フハッ!フハハハハハハハッッッッ!!!!!」」
何もしてなくても常に覇気しか纏っていないブロリーの拳が次々と神エネルの肉体に突き刺さり、
遂にエネルの胴体を突き破って後ろにいる悟空を捉えた。
「何ぃ!?」
だが、拳の先に悟空はいない。
「バーカ、こっちだよ。」
瞬間移動でブロリーの背後に回り込んだ悟空は両手を合わせて構えを取る。
「かぁー、めぇー、はぁー、めぇー、波ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
全開の気功弾を、ブロリー目掛けて放った。
だがその一撃は体格に似あわぬ速度で大きくのぞけられて回避される。
伝説のスーパーサイヤ人は他のスーパーサイヤ人の上位形態と違って肉体が大きく膨れ上がっても
スピードが全く落ちないのだ。
ブロリーの体を素通りしたかめはめ波は宇宙空間をどこまでもどこまでも突き進んでいき、
どこかの星にぶつかって花火のように爆発した。
しかし、その結果をみた悟空は嬉しそうににやりと笑う。
「……避けたな?」
「ちっ。」
そう、以前の戦いでは零距離でかめはめ波を受けてもびくともしなかった強靭な肉体を持つブロリーが
わざわざ回避行動を取らざるを得なかったのだ。つまり今の悟空の攻撃を喰らえばただでは済まない
という事を自ら証明したようなもの。
「だからといって俺に勝てると思うなよカカロット!!」
手をあげたブロリーの周囲に大量の気功弾が出現し、一斉に悟空に襲い掛かる。
それを瞬間移動を交えながらの超スピードで回避しながらエネルギー弾をブロリーに向けて撃ちまくる悟空。
二人は一発一発が惑星を破壊する程の威力をもった攻撃をボクシングのジャブのような感覚で互いに繰り出し続ける。
「……なんということだ。神が死んだ。」
ブロリーに地面に投げ捨てられていた神エネルの死体を目の前にして呆然とするスペーシー中尉。
「一体、我々はこれからどうすればよいのだ?」
「こうなっては仕方あるまい。」
「ああ、そうだな。」
「……この方達だ。」
スペーシー中尉は極限の戦闘を繰り広げている二人のサイヤ人を指さす。
「この方々が!我々の新しい神様だ!」
「「「「「ウオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」」」」」」
再び士気が回復し雄たけびを上げるロボット軍団。
「うるさい。」
ブロリーは気功弾を軍団に向けて放ち、彼らを一瞬で消し飛ばした。
「てめぇ!!罪も無い人々になんて真似を!!オラはおめぇを絶対ゆるさねぇ!!」
怒りに満ちた声でそう叫んだ悟空は落ちていたエネルの死体をブロリーに向かって投げつける。
ブロリーが手でそれを払った隙をついて再びかめはめ波を放った。
「はぁぁぁ!!」
ブロリーもまた大型の気功弾を放ち、間にいたエネルの死体を原子レベルで消し飛ばしながら
互いのエネルギー弾が相殺し、月面に巨大なクレーターが出来上がった。
月面の周囲に広がる宇宙空間では二人が放った気功弾の流れ弾が
銀河の星々に次々と命中しあちこちで爆発を起こしている。
その美しい光景は、まさに二人の究極の戦いを祝福するサマーフェスティバルであった。
「いくぞカカロット!!!!」
「うぉおおおおおお!!!!」
もはや自分たち以外の生き物が存在しない月面で二人の拳がぶつかり合う。
◆ ◆ ◆
「なんでついてくるのよ?」
「まあこの会場は物騒だからね。しばらくボディガードになってくれてもいいじゃないか。」
一方その頃。三重契約を果たしたフェイト・テスタロッサの後ろを契約の獣キュウべぇがとてとてとついていく。
「まったく、どうなっても知らないわよ。」
「ふふふっ。よろしくお願いしま――――。」
突然、キュウべぇはめまいを起こし、先に歩いていくフェイトの姿がぼやけ始めた。
「な、なんだ――――――がはぁっっっ!?」
キュウべぇは、口から鮮血を吹き出し、地面に膝をついた。
(吐血!?ボクが!?)
フェイトは気付かずどんどん離れていく。
感情のないはずのインキュベーターはこの異常事態に動揺を隠せない。
(なんだ?一体何が起きている!?な、なに?これは―――本部からの緊急連絡!?)
キュウべぇは宇宙を管理しているインキュベーター本拠地からのエマージェンシーコールを受け、
とある映像を受け取る。さっそく内容を確認するキュウべぇ。
(………んなぁっ!?)
(こ……これは……そ……そんな馬鹿なっ!?)
(・・・・・・さ・・・・・・。)
(サイヤ人めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!)
そこに映しだされていたのは、孫悟空が月面で放ったかめはめ波の流れ弾が直撃し、
地面に落とした卵のようにバラバラに砕け散ったインキュベーターの母星の無残な姿であった。
この会場は制限によってどんな攻撃が繰り出されても絶対に壊れないように出来ている。
しかし宇宙まで飛び出してしまえば話は別だ。月面で繰り出される超サイヤ人約二名による
一発一発が惑星破壊級の威力を持つ気功弾の雨嵐の流れ弾が容赦なく銀河の星々に降り注ぎ、
今現在、宇宙全体に尋常でない規模の災害をもたらしていたのだ。
(なんてこったぁ!ボクの故郷が!いや!それよりも!
………ま、不味い!今入れ物が壊されたら!ボクは本当に死ぬ!)
「おや、珍しい生き物ダネ。」
後ろを歩いていた涅マユリにむんずと首を掴まれて持ち上げられるキュウべぇ。
「ひょっとしたら主催者の秘密がわかるかもしれないネ。ちょっとこいつを解剖してみようカ。」
「た、助けてくれ!フェイト!」
本気で死の危険を味わい顔面蒼白になったキュウべぇは先を歩いていたフェイトに助けを求める。
「はぁ、仕方ないわね。」
戻ってきたフェイトはバルディッシュを構えてマユリに対峙した。
「こいつをぜひ研究サンプルに使いたいんだが、譲ってくれないのカナ?」
「ダメだよ。一応そいつはなのはを助けてくれた恩人なんだ。
まあ、君で試し切りするのも悪くないけど。」
戦闘態勢に入る二人は気付かない。
サイヤ人二名の戦闘によるダメージでビスケットのように砕けた月の欠片が
地上の重力に引っ張られて徐々に会場に近づいていることを――――。
【エネル@ワンピース 死亡】
【C―4武道会会場付近/1日目・午前】
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】
【状態】
【装備】魔法少女服
【持ち物】ダイヤモンド、 ランダム
支給品1、基本支給品一式
【思考】
基本: 不明
1: 強き者と戦う
【備考】
※参戦時期は書き手さんに任せます
※戦闘力に制限はありません
※魔法少女から人間に戻りましたが魔法少女服は気にいったのでそのまま着ています
※勇次郎が何を願ったかは不明です
【???月面/1日目・午前】
【孫悟空@ドラゴンボール】
【状態】 健康、スーパーサイヤ人3化
【装備】 胴着
【持ち物】ランダム支給品1~6、基本支給品一式
【思考】
基本: 優勝した後主催者を倒してドラゴンボールでみんなを生き返らせる
1:せっかくだからここで強い奴らとの戦いを楽しむ。
2:ブロリーを倒す。
【備考】
※連載末期の魔人ブウと戦ってた頃からの参戦です。
※ベジータの言葉の影響はありません。
【ブロリー@ドラゴンボール】
【状態】 胸に裂傷(シグナムに最後斬られた傷)、左腕骨折
【装備】 なし
【持ち物】ランダム支給品1~3、 基本支給品一式
【思考】
基本: 全員殺す
1: 全員を殺し主催もころす
2: 特にカカロットやべジータは絶対に
3: カカロットを倒す
【備考】
※会場の戦闘で惑星破壊レベルは制限されていますが宇宙空間では別に問題ないようです
※参戦時期はお任せします
【C―5/1日目・午前】
【フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは】
【状態】 精神崩壊、合体(来海えりか)、魔法少女化
【装備】バルディッシュアサルト×3、 バリアジャケット、ポタラ
【持ち物】ランダム支給品3~10、基本支給品一式
【思考】
基本:私がなのはを守る
1:もうなのは以外信じない
2:誰でもいいから参加者を捜して殺害の実践をする
3:キュゥべぇを助ける
【備考】
※第一期終了直後からの参戦です
※来海えりかと合体しました。
※キュゥべぇと契約して魔法少女になりました
【涅マユリ@BLEACH】
【状態】健康
【装備】
【持ち物】 ランダム支給品1~3、基本支給品一式
【思考】
基本: 会場を調べる
1:ここには貴重な研究素材が多いようだネ
2:キュゥべぇを解剖する
【キュゥべぇ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】 本部壊滅、再生不可能
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本: 契約♪
1: 美琴と契約したい
2: まぁ誰とでも出来るんだけどね♪
3: 大 変 な こ と に な っ た
【備考】
※参加者ではありません。主催側です。が、殺す事は出来ます。もう生き返れません。
※今後の契約がどうなってしまうのかは不明です。
※体内に貯蔵しているエネルギーを使えばあと一回くらいは出来るかもしれません。
※会場の上空は禁止エリアに含まれないようです。
※現在月の欠片が会場に向かって落下しています。
最終更新:2014年12月31日 15:44