夜明けも間近な時間、俺はトイレの便器の中から放り出された。つい先程まで、俺は便器に座って用を足していたんだ。何しろ、ひどい腹痛だったもんだから、全てを捻り出すまで、そこから動くこともできない。俺が便器に吸い込まれたのは、その時だ。トイレットペーパーに上に置いてあった一枚のトランプのカード――スペードのエースを手にした瞬間、眩いばかりの光が発せられた。それからあれよあれよという間に、物事は進んだ。便器の中から無数の黒い手が伸びてきて、俺の身体を掴み、中に引きずり込んだのさ。勿論、俺はスタンド――シルバー・チャリオッツを発現させ、すかさず反撃を試みた。だけど、全く手応えがない。いよいよ便器とのキスという段になって、俺は藁にも縋る思いで、スタンドの手を伸ばし、トイレの戸を掴んだ。死力は尽くしたさ。スタンドは精神や魂に由来するエネルギーを使う。それこそ俺はかつてないほどの力を発揮した。まあ、結果は見ての通りだ。悔しいが、どれだけ頑張っても俺のスタンドに、人を引っ張りあげるだけの力はついぞ得られなかった。そして俺は見事、黄土色の水の中に吸い込まれていっちまったってわけさ。
糞尿まみれの身体。涙すら流してしまいそうな哀れな境遇だが、ここで泣いてしまっては仕掛けを作った奴らを喜ばせてしまう。そう思った俺は何とかおどけてみせようとしたが、惨めなマヌケ面を作ることしか出来きず、ギャグにもならない始末だった。それでも俺はめそめそなどせずに、とにかくこの場所がどこなのかと、歩き出した。いつの間にか図書館の文明を感じさせる清潔なトイレから、小汚いそれへと変わっていたんだ。どこかに移動してしまった可能性が高いだろう。
そうして俺は闘技場に着いたことを知り、耐えに耐えていた涙をここで流してしまった。それは舞台の脇に打ち捨てられたかのようにある死体を見つけてしまったからか。確かにそれは悲しい出来事なのだろう。だけど、そんなことで涙を流してやるほど殊勝な性格ではない。単に気がついちまったのさ。こうして容易に死を作り出すこの陰惨な殺し合いの中でも、俺はマヌケなキャラクターを捨て切れないってことにな。とりあえず、ハードボイルドな文で格好つけてみたが…………ああ、全く泣けてくるぜ。
【一日目 黎明】
【現在地 E-7 闘技場】
【
J.P.ポルナレフ@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労(大)、哀しみで胸が一杯、糞尿塗れ
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本
DIOを倒す
1. …………
2. 承太郎とジョースターさんを探す
3. DIOを探す
最終更新:2012年06月07日 05:57