アットウィキロゴ
ポルナレフは思わず頭を抱えた。敵は潜んでいるのではないかと、入念に警戒をしての図書館潜入。しかし、かいた冷や汗が乾くほどの時間を掛けて調べて出てきたのは、山のような本ばかり。しかもその間、ニャンコ先生はホールのソファに寝そべって、どこからか持ってきた酒をかっくらっていたのだ。その散々な結果は嫌というほどに頭痛を与えてくれる。


「おい、ポルポル! ツマミだ。ツマミを持って来ーい!」


そしてそこに来て、ニャンコ先生のこの発言だ。
ポルナレフの頭に血が上るのも無理なかった。


「誰が持ってくるか! てめーもちったー動け! そんなんだからデブなんだよ!」

「何をー!! このプリチーな身体の魅力が分からんのか! この箒頭が!!」

「んだと!! てめーの方こそ、このハイセンスな髪型が分からねーのか! このブタネコが!!」

「ええーい、黙って聞いておれば、調子に乗りおって!! そこになおれ、人間!! この私自らが成敗してくれよう!!」

「てめーは、いつ黙って聞いていたよ!! というか、我慢の限界を迎えてんのは、こっちなんだよ!!」


そのまま二人は殴り合いに発展。数分後、再びボロボロとなったポルナレフとニャンコ先生が、そこにいた。相変わらずのやり取りにポルナレフは嘆息と共にニャンコ先生に話しかけた。


「なあ、いい加減、こういうのは止めにしようぜ。なんつーか、もの凄く時間と労力の無駄な気がすんだよ」

「ふん、だったら大人しく私の言うことを聞いておけ、箒人間。どうせその軽い頭では何も思いつかんのだろう?」

「んだと!? どう見ても、てめーのが軽いだろうが!!」

「何をー!! この人間風情が!!」


がっぷりと四つに組み合い、互いに相手の顔を眼前に持ってきて睨み合う。そうして再びケンカになるところで、突如としてポルナレフはニャンコ先生の手を解いた。


「はぁー、やめだ、やめ。こんなじゃDIOを倒す前に、こっちが参っちまう。近くにあいつがいるかもしれないっつーのによ」

「ふん、安心しろ、ポルポル。なんせこの大妖たる私が用心棒をしてやっているのだからな」

「……確かてめーが用心棒をしてたっつーガキも、ここにいたような気がするんだが……」

「そうだ。まったく夏目の奴め! この私が折角用心棒をしてやっているというのに、それを感謝するどころか、自分で勝手に面倒事を背負い込み、私に迷惑をかける始末。この蟲毒じみたものも、どうせ奴がらみのことなのだろう。ええーい、親の顔が見てみたいもんだ!」

「……苦労してんだな」

「おお!? 分かってくれるか、ポルポル!」

「……てめーじゃねーよ」


笑顔で肩に乗りかかるニャンコ先生を横目に、ポルナレフは盛大に溜息を吐いた。さすがにもうじゃれ合う気力が残っていないので、酒臭い息を横で盛んに吹きかけてくるネコを無視して、本棚にある本を手に取ってみる。試しにパラパラとめくってみるが、案の定、現状を打開するに必要な手がかりなど、何一つない。書かれていることなど、魔法に始まり、魔界、天界などといったファンタジーな内容ばかり。念の為にと、他の本も手にとって見るが、やはりその内容にほとんどの変わりはない。そのことに思わず愚痴を零したくなったが、ふと目に入った言葉にポルナレフはもう一つの懸念事項を思い出してしまった。


「呪い、ねぇ」


胸にある禁呪。バーンが開幕で見せた少年の悲劇の原因であるそれは、自分の胸にもしっかりと刻み付けられている。バーンを倒すには、その解決も急がないといけない。そこでポルナレフが気になったのは、肩に乗ったニャンコである。


「そーいや、ニャンコ、フェアリーの類っつーなら、こういうのもやっぱ詳しいのか?」


既にニャンコ先生への評価は底値なので、大した期待もかけずポルナレフは話しかけてみた。しかし、以外にもニャンコ先生はポルナレフの予想を離れた声を返してきたのだった。


「この私を誰だと思っているのだ、人間」


そう言ってニャンコ先生は肉球をポルナレフの頬にグリグリと押し付けてくる。その喜色に富んだ語調に、ポルナレフも思わず語気を喜びで荒げてしまう。


「じゃあ、どうにかなるのか!?」

「ならん」


自分で灯した光明を、これまた自分で消し飛ばしてくれたニャンコ先生に、ポルナレフの血はまたしても頭に上った。


「なんだ、てめーは!! ひょっとして俺をバカにしてんのか!?」

「ええーい、うっとおしい!!」


怒鳴り声と共に顔を近づけてきたポルナレフの顔にすかさず右フックを叩き込んで、ニャンコ先生は華麗に床に着地する。そのままいつものような寸劇を開始する空気をポルナレフは見せ付けたが、ニャンコ先生はピシャリとそれを突き返した。


「まあ、待てポルポル。説明はまだ終わっとらん」


肉球を舐めながらも、粛々とニャンコ先生は話し出した。てっきりまた殴り合いを始めるかと思っていたポルナレフは、その急変に思わず毒気が抜けてしまう。振り上げた拳は無駄となってしまったが仕方ない、とポルナレフは近くのソファーに腰掛け、耳を傾けることにした。


「おい、ニャンコ、どうにもなんねーじゃねーのか?」

「私一人ではな」

「じゃあ、他の奴が一緒なら、どうにかなるのか?」

「かもしれん。まあ、ヒノエがいれば、こんな苦労などしなかったのだろうが」

「だー、いまいち要領を得ねーな。何が言いてーんだ、てめーは?」

「ふむ。この禁呪とやらは、魂を縛る牢獄のようなものだ。これをそのままにしたら、バーンの死刑宣告を待つだけのこととなってしまう。ここまではいいな?」

「ああ」

「そしてその牢獄の扉に鍵がかかっている。その鍵を無視して無理矢理開けようとすると、その牢獄が壊れ、中の魂を傷つけ、禁呪をかけられた者を死に至らしめるというものだ」

「それがどうしたよ」

「バカモノが。話はここからだ。肝心なのは、その鍵が内側にしか付けられていないということなのだ」

「あ~~」


ポルナレフはそう言いながら、頭を掻き毟った。しかし、何かの答えに辿り着いたのだろう、その数瞬後に彼の口は再び大きく開かれることになった。


「つまりだ。それは俺たちの手で開けられるということか?」

「そういうことだ」 


そのまま二人は静かに見つめ合う。一種の荘厳さが立ち込める中、一筋の光明がその場に流れ込んだのは、幻だろうか。そして二人の濃厚な視線が絡み合う中で、やがてポルナレフはポツリと言葉を吐き出した。


「それでどうやってその鍵を開けることができるんだ?」

「知らん」


ニャンコ先生はポルナレフの期待を込めた質問をバッサリと切り捨てた。その果敢とも言える行動は大したものだが、やっぱり切られる方は堪ったものではない。ポルナレフはすかさずニャンコ先生に詰め寄った。


「それじゃあ、意味ねーだろうがー!」

「ええーい、人が折角親切で教えてやったというのに、その態度は何だ、人間!!」

「てめーが期待させておいて、どん底に落としてくれたからだろうが!! このブタネコ!!」

「おまえが勝手に期待したのだろうが!! この箒頭!!」


お互い顔を寄せ合い、威嚇のような息を吹きかけあう。そしてあわや、バトルへ突入という段階になって、ポルナレフは急に顔を歪めて、腹を押さえた。


「む、どうした、ポルポル?」


その変化に敵の攻撃の可能性を思い至ったニャンコ先生は俄かに警戒を引き上げ、ポルナレフと周りの様子を窺った。禁呪について話をしていたこともある。もしかしたらバーンが直接危害を加えに来たかもしれないのだ。今のニャンコ先生に油断も隙も微塵もなかった。しかし、悲しいかな、その威容は僅か一瞬のことで終わってしまった。というのも、ポルナレフが何とも情けない発言をニャンコ先生にしてくれたのだ。


「ううぅ、ト……ト……トイレ。本を読んでたせいか、急に……」」


ニヤリ、と力が抜けたようにニャンコ先生は笑う。それに釣られてポルナレフもニヤリ、と笑う。そして次の瞬間、ニャンコ先生の蹴りがポルナレフにヒットした。


「さっさと行ってこんかーい!! このバカモノがー!!」



【一日目 黎明】
【現在地 D-2 図書館】
J.P.ポルナレフ@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労(大)
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
 基本 DIOを倒す
 1. トイレに行く
 2. 承太郎とジョースターさんを探す
 3. DIOを探す
【備考】
※ポルナレフのバッグの中身はD-2のどこかに散乱しています


斑(ニャンコ先生)@夏目友人帳】
【状態】疲労(大)
【装備】なし
【道具】武器支給品、支給品一式
【思考】
 基本 夏目を連れてさっさと家に帰る
 1. ポルナレフを食事代くらいは守ってやる
 2. 夏目貴志を探す
 3. 禁呪の解呪



45:Hello, Good Bye <BACK  NEXT> 47:Dreamin'
17:Twist & Shout ポルナレフ 48:Always
17:Twist & Shout ニャンコ先生 61:Against All Odds



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年07月02日 23:50