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旅館の一室に腰を落ち着けたナイブズは、強く臍(ほぞ)を噛んだ。バーンに施された禁呪。その全容はどれだけ頭を捻っても分からず、またどれだけプラントの力を用いたとしても、取り除くことが出来なかったのだ。ナイブズの顔に堪らず憤怒の色が彩られる。それこそ下手人のバーンの凄惨なる死でもっても、拭いきれないほどの怒りだ。だけど、しばらくした後、ナイブズはその顔に不思議と笑みを浮かべることが出来ていた。


彼の手にあったのは、支給品リスト。それには殺し合いの全参加者に配られた支給品に関する詳細なデータが書き記されていたのだ。成る程、確かにそれはゲームの盤上を動くに当たって、有利となるに違いない。敵の持つ武器の詳細が分かれば、それへの対処への仕方も自ずと見えてくるのだから。しかし、ナイブズが考えついたのは、そういった受動的なものではなかった。自らの行動の指針を定め、動くに至るという能動的なものを、説明書から見出したのだ。


ナイブズが見つめるのは、とある世界にてロストロギア(指定遺失物)として認定された闇の書の項。そこには魔法技術を蒐集し、その集まった力で以って世界を壊すと記されている。それ自体も人類の抹殺を企むナイブズには魅力的なものではあるが、彼が価値を見出したのは、そこではない。彼に興味をもたらしたのは、闇の書を説明する無限再生機能という文字だ。プラントとしての力に制限があると気がついた今、それはナイブズにとってまさしく光明であった。


勿論、無限再生機能という言葉が修飾しているのは、闇の書の中にあるプログラムだ。プログラムとは、コンピュータが行うべき処理を順序だてて記述した単なるデータ。ナイブズには、魔法と呼ばれるだけの先進的なその構成を理解し、応用するだけの知識も技術もない。だが、説明書に添付されている写真にあるのは、そういった無機質さとはかけ離れた生物としての生々しい姿だ。もしそれが機械の中に存在するデータではないのであれば、自らの中に取り込めるかもしれない。そしてそれが成せれば、無限再生によって遠慮なくプラントの力を行使できるかもしれないというわけだ。


その可能性は高いのか、低いのか、魔法に関する情報の少ない現状ではハッキリしない。また闇の書を起動させるのも、その中にあるプログラムを切り離すのも、一筋縄でいくものではないだろう。徒労で終わるということも、十分にありえるものだ。だけど、やってみる価値も、それと同様に十分にあるものだ。何故ならその先にこそ、人類を殺しきり、ここへ連れ込んだバーンの思惑をも超える力を手に入れることが出来るかもしれないのだから。


八神はやてか……」


闇の書の持ち主として記載された名前をゆっくりと読み上げ、ナイブズはその重い腰を持ち上げた。



【一日目 早朝】
【現在地 C-6 旅館】
ミリオンズ・ナイブズ@トライガン・マキシマム】
【状態】健康、黒髪化(20%)
【装備】支給品リスト@オリジナル
【道具】武器支給品、支給品一式
【思考】
 基本 闇の書の無限再生機能を取り込む
 1. 八神はやてを探す
 2. 魔法についての情報を得る
 3. 禁呪の解呪
 4. ヴァッシュに人間の愚かさを理解させる


【支給品説明】
  • 支給品リスト
全参加者に配られた全支給品の詳細なデータが写真付きで説明されている冊子。
また武器支給品に関しては、支給された者の名前も記されている。



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30:Free as A Bird ナイブズ :[[]]




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最終更新:2012年05月25日 20:52