「ちきしょう……あちこちからヤベー感じがしやがる」
額から湧き出る冷たい汗を拭いながら、桑原は重々しく呟いた。当初は荷物を奪い去った
ジュウザに吠え面をかかせてやろうと息巻いていた桑原だったが、足を向ける先々から死を臭わせる不気味な予感がやってくるのだ。そう何度も冷や水を掛けられては、頭に上った血も下がるもの。桑原はジュウザのことはひとまず脇に追いやって、慎重に歩みを進めていった。
「ん?」
夜通し歩き続け、朝日がゆっくりと顔を出した頃、唐突に桑原の口から疑問の声が漏れた。遠くに見える地面で何かが瞬いたのだ。太陽の光に何かが反射したのだろうか。別段、霊感に訴えかける危険がなかったので、桑原は暢気に歩み寄り、何の警戒もなくそれを拾い上げた。
「あ~ん、これはペンダント? つーと、やっぱ他の参加者のか?」
「Yes, sir」
「うおおっ!!」
桑原は思わず声を出して驚いた。手に取った三角形をかたどったような金色のアクセサリーが、桑原に答えるようにいきなり話しかけてきたのだ。そのいきなりなことに桑原は無様にも地面に腰を落としてしまう。それはバトルロワイアルという状況を考えれば、致命的とも言える隙だ。
即座にそのことを理解した桑原は、急いで立ち上がり、警戒も露にアクセサリーを睨みつけた。しかしいつまで経っても、そのアクセサリーは反応を示さない。やがて痺れを切らした桑原は吼えるように疑問の声を上げた。
「て、てめーは一体何だ!? そこで何をしやがるつもりだあ!!?」
「I am the device named BARDICHE. I have been waiting for you that……」
「待て、待て、待ちやがれ! てめーは一体何を言っていやがる。日本語を喋りやがれってんだ、コラ! 不良中学生を舐めんじゃねえぞ!」
「……すみません。私の名前はバルディッシュ。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンという魔導士のデバイスです」
「お、おう……」
妙に横文字が並びたてられ、桑原の額から汗が浮き出る。自分の注文通り日本語を喋ってもらっているはずなのだが、いまいち理解が及ばない。とはいえ、また同じ事を言うのも、妙に恥ずかしい。桑原はそのまま言葉の続きを促すことにした。
「どうか助けてください。私の主であったフェイト・テスタロッサ・ハラオウンは殺され、今も尚その身体を弄ばれているのです」
「あん? 待て、何を言っていやがる?」
だけどバルディッシュから聞こえてきた声に、桑原は気恥ずかしさも忘れて、再度の疑問を示さずにはいられなかった。
【一日目 早朝】
【現在地 D-7】
【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】バルディッシュ・アサルト@魔法少女リリカルなのは A's
【道具】なし
【思考】
基本 バーンをぶちのめす
1. 慎重になってジュウザに吠え面をかかせる
2. 蔵馬と合流
3. 浦飯、飛影、幻海を探す
最終更新:2012年09月08日 02:34