アットウィキロゴ
ポップ


「よっしゃあ!!」


空に映ったダイの勝利に俺は思わず快哉を叫んだ。
三つ目の魔族に快勝を成し遂げたんだ。大魔王バーンに反旗を翻す者には、大分勇気付けられただろう。
何でダイの勝負だけを映像で流したかっつーのは確かに疑問に残るが、それをした者が誰なのかが分からなきゃ、いまいちハッキリとはしてこねえ。
尤もそこに悪意があろうと、なかろうと、人間であるのならダイの勝利が励みになるのは間違いない。
それにダイの安全が確かめられたんだ。文句なんかつけていたら、罰が当たるってもんだ。


「ちっくしょう!!」


ダイの勝利に喜ぶ間もなく、俺の口から怒りに塗れた声が吐き出た。
その理由は言うまでもなく、大魔王バーンの放送だ。
あいつのお遊びで人の命が失われてゆくのは我慢ができるもんじゃねえ。
自然と憤りや悔しさが、心に刻まれる。だけど、今立っている場所は、未だ大魔王バーンの掌の上だ。
感情に振り回されてちゃ、ろくすっぽ前には進めねえ。


「クールだ。誰よりもクールになるんだ。氷のように冷たく……」


そう自分に言い聞かせながら、新たな相棒に目を向けて、俺の火照った感情は嘘のように静まり返っちまった。
そこにあったのは炎を勢いづかせる薪でも油でもなく、空気を凍りつかせるような阿呆な格好をしたオッサンだ。
俺は大きな溜息一つ零し、一切の服を脱ぎ捨て、腰にカーテンを巻くだけのポルナレフっつうオッサンに不承不承に話しかけた。


「……ったくよー、そんな姿でうろつかれちゃ、折角のやる気ってもんが、無くなっていちまうだろうが、オッサン」

「オッサンじゃない! お兄さんだ、坊主! それもハンサムでナイスガイな。何度も同じことを言わせんな」

「坊主じゃねえ。俺の名前はポップだ。それに格好つけたいなら、まずその姿をどうにかしろよ、オッサン」

「くッ! てめーにゃあ、年上の人間を敬うっつーことが出来ねえのか? そこはスルーするところだろうが! 
こっちは泣きたいのを我慢しているってえのによおお!」

「……はあ」


俺は口からは、また大きな溜息がやる気と共に出ていった。このオッサンを見ていると、どうにも緊張感が持てねえ。
平和な時なら、このオッサンのマヌケ面を眺めて笑っていられるのだろうが、今は文字通り危険な状況だ。
だから暢気になんかしてられねえ……っつーのは分かるし、当たり前の話だが、裸同然の奴を鞭で引っぱたくっつーのも、やっぱり気が引けちまう。
というわけで、俺はこの箒頭のオッサンをそのままにして、連れ立って歩くことにした。


しばらくそのオッサンと話をしていて分かったことだが、オッサンには常識というものがねえ。
オッサンがトイレで洗濯していたウンコ塗れの服を乾かしてやろうと、メラ(火炎呪文)を放ったら、スタンドどうのこうのと言ってきやがる。
スタンドじゃねえ、魔法だっつても、俺がガキだからって、全然それを受け入れちゃくれねえ。
おまけにこのオッサンは魔法のことのみならず、大魔王バーンのことも何も知らないときている。
一体どんだけ田舎に住んでいれば、こんな世間知らずの人間が出来上がるのか、不思議でしょうがねえ。


こんなのと先を行かなければならないと思うと、不安ばかり募るが、幸いなことに嬉しい情報がオッサンの口から聞き出すことが出来た。
ズバリ禁呪のことだ。オッサンが最初に出会ったブタネコ(恐らくはゴメみたいなレアモンスターだろう)が、幾つか講釈を垂れ流したらしい。
その内容だが、禁呪とは魂を覆う牢獄であり、そして外ではなく内に鍵が掛けられているということ。
依然と分からないこともあるが、短時間で呪いの内容を把握するその知識は、解呪に当たって光明と成り得るものだ。
是が非でもブタネコに会っておきてえ。


つーわけで、オッサンにブタネコまでの道案内とか色々頼みてえんだが……何か昔の俺みたいで頼りないんだよなあ。
メチャクチャ不安だぜ。



【ポルナレフ】


「ジョースターさん達は無事なようだな」


バーンの放送で、仲間の名前が挙がらなかったことに、俺はひとまずの安心を覚えた。
その直前でポップという坊主の仲間が敵を倒したことも知りえたし、バーンに反逆する奴らは存外に多そうだ。
勿論、嬉しいニュースばかりでないことは知っている。


いたずらに死人が出たこと、仲間との離別、そして俺の今の格好だ。
坊主が俺を見て盛んに溜息を漏らすが、この状況を誰よりも悲観しているのは、この俺だ。
こんな情けない姿のままジョースターさん達に出会ったら、絶対にバカにされるに決まっている。
しみったれたクソジジイの馬鹿笑いが、目の前にありありと浮かんできやがるぜ。


一応服は洗って、坊主に乾かしてもらったが、如何せん臭いが取れなかった。
寧ろ乾かすと臭いが際立って、目を当てられない代物と化してしまった。
こんな悲惨なグロテスクな汚物を身に纏う勇気は、残念ながらこの俺にはない。
俺ってば、意外と綺麗好きなんだよ。清潔ってのは、女にモテるしな。
っつーわけで、俺は窓にかかってあったカーテンを引っぺがし、それを腰に巻きつけたわけだ。


それにしても意外だったのは坊主が、スタンド使いだったということか。
それもアヴドゥルと同じく炎を操る能力。それ故にか、どうにも坊主は俺を侮ってきやがる。
どうやら炎使いとは、総じてアブドゥルみたいに生意気で、とことん俺とは相性が悪い奴のことを言うらしい。
しかし、俺も大人だ。ガキ相手にムキになることなんかない。


「だから坊主、それは魔法じゃねえ。スタンドって呼ぶものなんだよ」

「はあ? オッサンこそ何言ってんだよ! 魔法に決まってんだろう!」


だから、このような坊主の言い草も笑って受け入れてやることにした。
年端もいかないガキがスタンド能力に目覚めれば、それこそ魔法だと勘違いしてしまうこともあるだろう。
こいつの場合は、勇者だ大魔王だ決戦だと周囲にまで妄想が及んでしまっていることは問題だが、
それだって今の状況を省みれば、非難ではなく、逆に同情してやるのが筋だ。
俺だってポルナレフランドをおっ立ててやるなんて意気込んでた時期もあったんだ。
少年の夢を温かく見守るのも、大人の仕事の一つさ。


「おい、オッサン、 何だよ、その人を憐れむような視線は?」

「……いや、別に。ただ俺にも、そういう時期あったなあって思っていただけだよ」

「何と勘違いしてんだよ、オッサン! 大魔王バーンは人類の敵で、このままにしておいたら、人類は滅んじまうんだぞ!」

「あー、分かった分かった。そりゃ、大変だ」


人類の終焉まで想像の翼を広げるスケールは大したもんだが、荒唐無稽過ぎる。正直、話に付き合うのも大変だ。
開幕でのやり取りで、バーンとは知り合いのような印象も受けたが、実際の所、どうなんだろうな。
敵の情報が聞けるとも期待したが、この些か以上に想像逞しい坊主の話を全部信じるっつーのは、どう考えても無理だぜ。
はあ、ガキの守るのも大人の仕事っだっていうのは分かっちゃいるが、この妄想野郎と最後まで付き合うのは、ちょっとなぁ。
ああ、早くジョースターさん達に会いてえぜ。



【一日目 朝】
【現在地 E-7 闘技場】
【ポップ@DRAGON QUEST-ダイの大冒険】
【状態】疲労(小)、魔法力消費(小)
【装備】ブラックロッド@DRAGON QUEST-ダイの大冒険
【道具】ランダム支給品、支給品一式
【思考】
 基本 禁呪の解呪
 1. ブタネコを探す
【備考】
※博物館の展示品は全て把握しました
※ポルナレフをただの世間知らずと思っています


J.P.ポルナレフ@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労(小)
【装備】カーテン@現地調達
【道具】なし
【思考】
 基本 DIOを倒す
 1. ポップに付き合う
 2. 承太郎とジョースターさんとブタネコを探す
 3. DIOを探す
【備考】
※ポップをスタンド使いだと思っています
※ポップから聞いた大魔王バーンのことはポップの妄想だと思っています



079:Wherever You Will Go <BACK  NEXT> 081:Collide
057:Creep ポップ :[[]]
057:Creep ポルナレフ :[[]]




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年12月10日 21:30