ルシリア大陸はこの星の北半球に位置し、その四分の一を有する巨大な大陸である。
大陸の一部が南半球まで迫り出しているが、この物語の中ではルシリア大陸の東北部及びその下にある島をを舞台に話が進められる。
時代背景は地球の中世前半、戦闘においては火薬などの科学的要素は含まず、剣と弓(弩もまだ作成されていない)のみで戦闘が行われ、戦術的な騎馬の活用も未だ見当たらない。
本編の中で表記される統一紀元前と言う言葉が多々現れる、これは今後紀元が統一される事を予測させるが、本作においては明らかにされていない。
この世界においては
カウマ教と言う宗教が存在する、その教えは人々の中心にあり、冠婚葬祭から病気の治療を含む祈祷、
小さな村の祭りから国王の就任祝いを司るまで、この宗教は人々の生活のあらゆる所に関与している。
この教団の教義で大となる所では、人々は目(瞳)の形状によって、職業、居留地が明確に分かれており、この宗教を信じる者はその教えに従い日々の生活を送って居る。
反対にその教えから外れる者、若しくはカウマの教えから外れる目を持つ者(稀種)は、環境から排他され ある者は森に隠れ、ある者は流浪を強要される事となる。
それらは
バリッシュと言われ、人としての尊厳を奪われて、その家族も弊害を受ける事から 稀種が生まれた場合には、家族がそれを廃棄するケースが多々生まれた。
それを望まぬ場合は、もはや家族全員が
バリッシュとして村を、町を退去する以外 道はなかった。
この世界では目(瞳)の形状は五つに分かれる。
形状に従い、それに類する動物の名称が冠されるが、性格や状況によっては、それと別の意味で使われる事がある。
瞳が縦に伸びている場合は猫と称されるが、その物が狡猾であった場合は蛇、残忍であったあ場合は鰐等と称される事があるが、
本章では五属と言われる、猫、犬、羊、鳥、兎として記載する。
猫:総べる者 政治行政、王侯貴族に多く、また学者や教鞭を取る者、上位に位置する場合が多い。
犬:戦う者 戦闘及び開墾、開拓に関してを任ずるが、知的要素も猫に準じて高く、領地支配率は猫の次に高い。
羊:耕す者 農耕、畜産を任ずる、非好戦的な精神が生まれながらに宿り、常に状況に流される気風がある。
鳥:狩る者 漁師、猟師を生業を任ずる、例外を除けば狩猟民族的な位置に存在する。
兎:商う者 商業及び手先の器用さがあり、芸術的な分野を任ずるが、他の目から蔑まされる事が多い。
目の形状に合わせて その性格、体格も、遺伝子的にある一定の特徴が顕著に表れる。
これは 同じ目を持つ者同士の婚姻が好ましいと言う、強い宗教観からの選択的婚姻が 長い年月続けられた事が大きな要因とされている。
詳しくは
目の項を参照。
目の教えとしてカウマ教は 目の違いから その、人としてまでの分類を厳しく諌め、そこから外れる者に対しては厳しい排斥主義を行っている。
また稀目はそれが覚醒するまでに暴走と言う過程を有し それが他者を傷付けたり環境を壊す形で発現した場合には 被害が甚大に為ることも多くあった。
それ故、それに不利を蒙った者は稀種を忌諱するようになり 自然にカウマの教えに従って行ったと思われる。
カウマ教が生まれてから200年も経たずして、弊害を蒙った者たちの集団でカウマは大きく成長していった。
しかしこれらの中に カウマによって意図的に起こされていた暴走があった事も 捨てられない事実では有る。
そして、それに反する組織
ガルーシャ(組織)があり、稀種の中でも貴種である竜眼を持つ主人公
シャルの誕生から、この世界観が変わって行く。
最終更新:2012年09月16日 06:30