ダイダロス


  • また、ミノタウロスが殺された後のテセウス逃亡について罪を問われ、
   息子イカロスとともに、クレタ島から脱出するために
   蝋で固めた羽根を作って空を飛ぶが、息子は天に登り過ぎたために日の光で蝋が溶け、海に落ちてしまったという。

  • 息子の死後もダイダロス本人は生きてシシリ島のカミコスに潜んだが、
   ミノスがダイダロス発見のため、巻貝を用意してこれに糸を通した者に褒美を与えると通告、
   ダイダロスをかくまうコカロスがこれをダイダロスに解かせてミノスの元へ持ち来たり、
   これによってダイダロスの潜伏先が判明したとか。
   なおミノスはコカロスにダイダロスの引き渡しを求めたが、ミノス王はコカロスに歓待された後、
   入浴後にコカロスの娘たちによって殺害されたという。
   また一説に煮え立った湯をあびせられて死んだとも言う。

  • ウェルギリウス『アエネイス』第六巻では、蝋の翼でクレタ島から飛び立ったダイダロスは
   イタリアクーマエ(現在のナポリ近郊)で初めて地上に降り、大地への帰還をアポロンに謝して
   神殿を建立、自らが使った翼をここに奉献したという。


  • 他、オウィディウス『変身物語』によれば、ダイダロスの妹の子であるペルディクスを弟子としていたが、
    ペルディクスがノコギリコンパスを発明するなどの才に恵まれていたのを妬んで
    彼を海に突き落としたという。
    が、ペルディクスはミネルヴァに抱きとめられ、シャコという鳥になったという。

   ダイダロスに帰せられている。
(zsphereコメント:迷宮を作ったなんて逸話があるから、石造建築のイメージだったダイダロスだけど、
          木工関連の発明と関わりが深いというのは意外かも)
  • さらに、プリニウスによれば、ダイダロスは船におけるマストと帆げたの発明者でもあるとか。



     参考文献

『ギリシア神話』アポロドーロス
『アエネーイス(上)』ウェルギリウス
『変身物語(上)』オウィディウス
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』



最終更新:2016年03月25日 06:22