人間を悩ませるために送り込んだ人類最初の女性。
ヘパイストスによって生み出され、
アテナから織物などの技術を、
アプロディテからは男を悩ませる魅力を、
そして
ヘルメスからは狡猾な心を贈られたとされる。
- ヘシオドス『仕事と日』によれば、パンドラ(パンドーレー)はヘパイストスによって土を水で捏ねて形作られ、
他の神々によって様々な飾りを、そして
ヘルメスから不実の性を与えられたとする。
- また『仕事と日』によれば、パンドラと言う名前は、オリュンポスの館に住まう多くの(パンデス)神々が、
パンを食らう人間どもに禍いたれと乙女に贈り物を授けたことが由来であるとする。
- パンドラは決して開けてはいけないと言われた甕を持ってエピメテウス(プロメテウスの弟)の元に送り込まれ結婚するが、
パンドラは好奇心に負けてこの甕を開いてしまい、そこから様々な災いが飛び出した。
希望だけは外に飛び出す前にふたを閉めて留める事ができたとされる。
(なお、ヘシオドスでは箱ではなく甕あるいは壺となっている点に注意。
また、最後に残った「希望」の原語「エルピス」ついては、他の意味(たとえば「予兆」)に解釈する説もある)
- なお、『イソップ寓話集』に類話があるが、こちらではゼウスにある限りの善を納めた甕を預かった男が、
これをあけてしまったため地上を遠く離れた場所で飛び回る事になり、かろうじて残った希望だけは
人間たちの間にあるようになった、という話になっている。
参考文献
『神統記』ヘシオドス
『仕事と日』ヘシオドス
『イソップ寓話集』
最終更新:2015年07月03日 16:50