G1で単勝万馬券を記録した競走馬

登録日:2020/01/10 Fri 10:53:10
更新日:2024/04/28 Sun 22:59:34NEW!
所要時間:約 17 分で読めます




まず万馬券とは、競馬用語で払い戻しが100倍以上の配当があった馬券、すなわち一口100円に対し10000円以上の払い戻しがある馬券のことであり、競馬ファンのロマンである。
競馬の賭け方は単勝、複勝、枠連などいろいろあり、2004年からは高配当が狙いやすい三連単も加わっているが、シンプルに一着を当てる単勝での万馬券が最も憧れ、また記憶に残るものだろう。

この項目はグレード制導入以降(1984年)の日本のGⅠ競走において単勝100倍以上で勝利した馬をまとめる。
※1984年以前の現GⅠ級レースの単勝万馬券*1は除外しています。

+ 目次


【GⅠで単勝万馬券となった競走馬たち】


サンドピアリス(1989年 エリザベス女王杯)

人気:20番人気(20頭立て)
配当:43060円

平成時代最初のエリザベス女王杯で起こった大波乱。単勝43060円はこのレースから30年以上経った2023年末でもGⅠ史上最高、JRA史上でみても歴代11位*2の超高額配当で、関西の名競馬実況アナウンサー・杉本清氏は「忘れたくても忘れることの出来ないレース」としてこのレースを挙げている。

サンドピアリスの父親は産駒の当たり外れが大きいダート→芝の初代アイドルホース・ハイセイコーで母親は典型的なダート馬。自身も勝ち鞍はダートのみで芝レースでの掲示板経験が無く、2000mレースでは9着、前三走が全てダートで掲示板外、鞍上の岸滋彦は重賞未勝利のうえGⅠ初騎乗と、買い要素を見つけようにも「ない」と言い切っていいレベルだった。
さらに出馬させた陣営も自信があったわけではなく、クラブ所属であった彼女のオーナーは「初年度募集のクラブ馬をGⅠに出走させたい」、調教師は「主戦騎手の岸をGⅠに乗せてやりたい*3」という完全なる記念出走の考えであり、勝つことは期待されていなかった。

迎えた当日、サンドピアリスの人気は20頭の20番人気の430倍。19番人気のラブオンリーユーは293倍だったため、購入したのはクラブの出資者や全頭買いした人だけだと考えられる。
何せ実況の杉本氏は逆に「この馬だけは絶対に来ない」と考えていたと後に述懐しており、生産牧場の牧場主ですら応援馬券を「どうせ外れるから金の無駄」と判断して購入を諦めたレベル

レースが始まると好スタートを切ったのは8枠1頭の1番人気である(と同時に、このレースで引退する予定の)桜花賞馬シャダイカグラ。
レディゴシップ、キオイドリーム、ファンドリポポ、リアルプリティらと先頭集団で進んでいく。一方サンドピアリスは15番手、後方集団で追いかけてゆく。
3角でメジロモントレーがじわりと順位を上げていき、中団を映していたカメラが先頭に戻った時、異変は起きていた。

なんと4角に差し掛かったところでシャダイカグラが故障で失速。先頭争いをしていた人気の先行馬達は後退してくるシャダイカグラを躱すためコーナー途中で無駄に体力を使った結果、軒並み沈んでしまう。

直線でシャダイカグラが完全に馬込に沈み、インコースが渋滞する中、大外から突っ込んでくる馬が1頭。

先頭はずーっと外を通りまして3枠から一頭サンドピアリスか?
おお、なんとサンドピアリスだ。サンドピアリスが先頭!

実況していた杉本氏も思わず驚愕の声を上げながら目の前の光景が間違いでないことを確かめる事態に。

そして懸命にシンエイロータス、ヤマフリアル、さらにシンビクトリーも突っ込んでくる

だが外から鋭く伸びたサンドピアリスはそのまま他馬を振り切って先頭に立ちそのままゴールイン。

あまりの衝撃に実況の杉本氏はゴール前後で

しかしびっくりだ!これはゼッケン番号6番、サンドピアリスに間違いない! サンドピアリスだ!! サンドピアリスであります!
なんとなんと、ゼッケン番号6番のサンドピアリス!岸滋彦! びっくりしたエリザベス女王杯!

と繰り返すように叫んだ。

2着に14番人気のヤマフリアル、3着に10番人気のシンビクトリーが入線。この当時は単勝、複勝、枠連しか存在していなかったのだが、もし三連単があったらどれだけ着いたかというのは今でも話題になる。
当時と今では賞金や配当などの条件が異なるため一概には言えないが、一説には今の払い戻し計算式に当てはめて計算すると、三連単の場合2億に届いたのではないかと予想されている。
なお、生産牧場の牧場主は応援馬券を買わなかった事を家族からメチャクチャに怒られた。

そして1番人気であった桜花賞馬シャダイカグラは4コーナーで右前脚の繋靱帯断裂を発症しており、最後まで完走する意地を見せた*4が結果は最下位20着となり、残念な形での引退となった。予後不良を免れて繁殖入りし、無事に産駒も出せたのは不幸中の幸いである。

サンドピアリスは様々な悲喜こもごもを生み出したこのレースの後は未勝利に終わるも、芝の重賞常連として牡馬との混成レースを幾度となく好走。「2度あることはサンドピアリス」という横断幕が掲げられる人気馬となった。特にエリザベス女王杯と同じ京都競馬場の芝2400mのコースで行われた京都大賞典と京都記念ではそれぞれ3着、2着になっており、このGⅠ勝利はフロックでないことを証明している。

また、鞍上の岸にとっては初重賞勝利がGⅠ初騎乗初勝利となった。

繁殖牝馬としても優秀(なんならシャダイカグラよりも成功している)であり、子供は勝ち上がりが多く、タマモストロングという重賞馬も輩出している。そして、2007年に他界した。


ダイユウサク(1991年 有馬記念)

人気:14番人気(15頭立て)
配当:13790円

日本競馬史にその名を残す「最強の一発屋」
2023年末時点では有馬記念の史上初、かつ唯一の単勝万馬券である。

当時6歳(旧7歳)。一応母父ダイコーターが菊花賞馬なものの、デビュー戦は大惨敗。しかし少しずつ実力をつけ始め、5歳秋にしてOP初勝利。
その勢いのままこの年の最初の重賞レースである京都金杯(GⅢ)を勝利し、産経大阪杯(GⅡ)2着、マイルCS(GⅠ)で5着などしたのちに、有馬記念の2週前に行われた阪神競馬場改修記念(OP)を勝利するなど勢いづいてはいたが、中山未経験、2001m以上のレースは未勝利などの要素が重なり15頭中14番人気に。

その際周囲も「正装して現れたダイユウサクの調教師を見て周囲が爆笑」「馬主も現地観戦しておらず、親族に「ディズニーランド行くんだったらついでに中山にも行って来て」と完全に有馬記念がおまけな頼みごとをする*5」レベルだった。
ただし正装して現れた事から分かる通り調教師だけは割と本気で勝てると思っていた。なんでも
5枠のダイユウサクが優勝すると言う夢を見て『5枠だったら千円でいいからダイユウサク買っておけ、負けたら弁償する』とまで話していたら本当に5枠8番になった
と言うわけで正装して来ていたとの事。

二冠馬トウカイテイオー、菊花賞馬レオダーバンが回避したことにより、このレースは1番人気であり、京都大賞典で当のダイユウサク(と翌年の有馬記念馬メジロパーマー)を撃破していたメジロマックイーンが、天皇賞(秋)での降着沙汰を乗り越えそっちの勝者プレクラスニーらにどう勝つか見るだけのレースとまで言われていた。

しかし、ツインターボが逃げ、プレクラスニーとダイタクヘリオスがさほど離れずついていくというハイペース気味の展開の中後方待機を選んだダイユウサクは直線に入ると内ラチを急襲して先行集団を交わすと、遅れて差し切ったメジロマックイーンの猛追をも振り切り1馬身差で勝利。ナイスネイチャ有馬記念3年連続3着の伝説が始まった瞬間でもある。
しかも勝ちタイム2分30秒6は従来のレースレコードを1秒1も更新するレコードタイム。2003年にシンボリクリスエスがコンマ1秒更新するまで12年間レコードだった。令和の今でも歴代トップ5に入る超優秀なタイムである。
その時のアナウンサーの実況は競馬ファンなら一度は聞いたことがあるのではないだろうか?

ダイユウサクだダイユウサクだ!これはびっくりダイユウサク!!

なおこの時、ついでに前々走マイルCSの勝利馬ダイタクヘリオス(5着)に対してもリベンジを達成している。

すわ覚醒の時かと思いきや翌年は6走するものの掲示板に乗ることすらなく、スワンS(15着)を最後に引退。種牡馬成績は産駒わずか17頭(一応地方で勝った仔はいる)で失敗だったものの、功労馬として繋養され2013年に他界した。

実は馬名は馬主の孫の1人の名(コウサク)を取るつもりが後に主戦となり、厩舎所属騎手でもあった熊沢重文騎手が「コ」の下の棒を長く書いてしまい、調教師が見間違えた
一応馬名変更そのものは不可能ではないのだが何せ初期数戦が大惨敗すぎる体たらくだった為に行われていなかった。


ダイタクヤマト(2000年 スプリンターズステークス)

人気:16番人気(16頭立て)
配当:25750円

古馬以降20戦で一度たりとも1番人気を勝たせなかった穴党の申し子ダイタクヘリオスを父に持つ。出走時点で32戦7勝、その年のOP勝ちもあったものの重賞成績は函館スプリントS(GⅢ)の2着しか実績がなく春のスプリントGⅠである高松宮記念や前哨戦のセントウルSでは惨敗していたことで評価が下落。さらに人気馬が海外GⅠを勝ったアグネスワールド、安田記念馬ブラックホークと差し馬に集中してたことから逃げ馬であることを理由に嫌われてしまい、明らかに自分より短距離実績の劣るジョーディシラオキより人気が出ず16頭中16番人気となった。

しかし、スタートと同時に果敢にダッシュを決め逃げを打つと直線200mの時点でもスタミナは衰えず後続を突き放し、アグネスワールドを1馬身振り切る快勝。
さながら父ダイタクヘリオスのマイルCSを彷彿とさせる見事な走りを見せた。
そして鞍上の江田騎手は上記ダイユウサクの項にあるプレクラスニーの繰り上げ優勝以来となるGⅠ2勝目を挙げて穴騎手としての評価を確かな物とした。

逃げ切った!逃げ切った!逃げ切った!
ダイタクヤマト逃げ切り逃げ切り逃げ切り!!
アオシマバクシンオー青嶋達也アナ

その後にスワンSも勝利し同年の最優秀短距離馬・最優秀父内国産馬に選ばれた

その後GⅠ勝利こそなかったものの翌年まで短距離レースで活躍し引退して種牡馬入り。
しかしあまり結果を残せず数年後乗馬に……なったはいいが、馬主の太陽ファームが倒産した数年後2012年頃から消息不明に。功労馬のはずなんだけどなあ。

当時の鞍上の江田照男は穴男と言われており、このレースを含めて歴代重賞の単勝万馬券の配当TOP10のうち3レースが江田照男騎乗のものによるものである。


ユウフヨウホウ(2001年 中山大障害)

人気:10番人気(10頭立て)
配当:11470円

ハイセイコーの曾孫で、障害レースの名馬ゴーカイを兄に持ったため、平地でデビューから5連敗した後はあっさりと障害レースに転向することとなる。
障害4戦目に初勝利し、その後2着3着と健闘するもだんだんと掲示板入りも出来なくなり、迎えた中山大障害では10頭中10番人気となる。

1番人気は兄ゴーカイ、2番人気は前走を9馬身差で圧勝したカネトシガバナー。この2頭が人気を分け合ったためユウフヨウホウは2桁オッズからはじき出されることとなった。

レースでは計4頭が落馬し荒れた展開となり、ゴーカイが直線で先頭にたったところを大外一気で交わし勝利。障害GⅠでは初の単勝万馬券およびJRA全体で見ても珍しい兄弟でのワンツーとなった。あと、兄ゴーカイは中山大障害で3年連続2着という珍記録を樹立した。
鞍上の今村康成*6に至ってはこれが通算9勝目、結果的に最初で最後の重賞勝ちとなり、それ以前に午後のレースを勝つ事自体も初めてだった。

その後は勝てないどころか掲示板すら乗ることもなくなり引退。最終成績は30戦2勝となった。その後は乗馬に転身している。


ノーリーズン(2002年 皐月賞)

人気:15番人気(18頭立て)
配当:11590円

新馬、500万下(現:1勝クラス)と連勝した後、皐月賞の出走権利を得るために若葉Sに出走するも7着。
しかし、2/7の抽選枠を勝ち取り出走が叶う。落馬による負傷で主戦の武豊が離脱していたため(離脱していなくてもタニノギムレットに乗っていた可能性が高いが)、イギリス人騎手のブレット・ドイルが騎乗。若葉Sの惨敗もあり18頭中15番人気だったが、道中は中団で構えると残り100mの地点でタイガーカフェを交わしそのままゴールイン。

アナウンサーはゴール直後に、本馬の名前の由来を使い「理由なき反抗とは言わないでくれノーリーズン」と実況した。

その後、ダービーで8着に敗れたあと、軽い骨折で休養。秋は復帰した神戸新聞杯で2着に入って復活をアピール、1番人気で菊花賞に臨む。
……が、レーススタート直後に躓いて鞍上の武豊が落馬してしまい競走中止
結果総売り上げの47%である112億円が一瞬で紙屑になってしまい場内は阿鼻叫喚。
しかもこの時人気薄のヒシミラクル・ファストタテヤマがワンツーフィニッシュを決め馬連9万6070円・三連複34万4630円と複数の万馬券が発生したため、JRAには八百長を疑う抗議の電話が殺到したという。
こちらは単勝万馬券とまではいかなかった(36.6倍)が、奇妙な形でクラシック二冠にわたる波乱に関わることとなった。
この後は不調と屈腱炎に苦しみ、馬券に絡むことなく2年後に引退。

種牡馬入りしたが注目を浴びることはなく、そちらも辞めてから繋養されてた福島県相馬市では被災するなど苦労気味だが、2024年現在も元気に過ごしており、2022年までは福島県で行われる相馬野馬追の花形スターとしても活躍していた。


ビートブラック(2012年 天皇賞(春))

人気:14番人気(18頭立て)
配当:15960円

父の母は名マイル馬ノースフライトなものの、父ミスキャストはサンデーサイレンスの直仔だが普通のオープン馬という地味な血統の持ち主で、
2010年の菊花賞で3着に入線してから中長距離の重賞レースの過去五走は5→11→4→6→10と結果が残せておらず、このレースから当時GⅠ未勝利ジョッキーの石橋脩に乗り替わったこともあり18頭中14番人気となる。

1番人気はこの年の阪神大賞典で無茶苦茶なレースをしながら2着まで追い込んできた黄金の暴君こと三冠馬オルフェーヴル。オッズはなんと1.3倍で誰もがオルフェーヴルの勝利を確信していたのだが…。

レースが始まるとゴールデンハインドが大逃げを打ち、2番手に控える形になる。しかし高速馬場の影響と他の人気馬がオルフェーヴルをマークしていた影響で直線を向いた時点で後続に8馬身以上のリードをつけており、そのまま(父親同士が同じ2001年クラシック世代で皐月賞でアグネスタキオンに倒されていた)トーセンジョーダンの追撃をものともせず4馬身差で圧勝。タイムは3分13秒8であのリアルチートディープインパクトの超レコード並み(僅か0.4秒差)という素晴らしい結果だった。なおオルフェーヴルは11着と大敗してしまった。

ビートブラックは重賞初勝利をGⅠで挙げ、鞍上の石橋もGⅠ初勝利*7。ミスキャスト産駒にとってもこれが初のGⅠ勝利となった。なお、80年以上の歴史がある天皇賞で単勝万馬券が出たのは春秋合わせてもこのレースだけである。

その後は故障などもあり精彩を欠いてしまい、2年後の大阪杯8着を最後に引退となった。
2015年以降は結果として唯一となる重賞勝鞍を挙げた京都競馬場で誘導馬として活動していたが、2023年をもって引退。馬事公苑に移った直後の2024年2月に転倒による骨折で死亡した。


コパノリッキー(2014年 フェブラリーステークス)

人気:16番人気(16頭立て)
配当:27210円

日本競馬に絶大な影響を齎した大種牡馬・サンデーサイレンスの産駒の中でも唯一のダートGⅠ馬であるゴールドアリュールの産駒。馬主は風水で知られる「Dr.コパ」こと建築家の小林祥晃氏。
3歳春に1番人気で伏竜Sと兵庫CS(Jpn2)を勝ち、その勢いで日本ダービー出走を表明するが不運にもその直後に骨折して休養。復帰するもその後の秋2戦はそれぞれ10着9着と惨敗していた。

翌年のフェブラリーステークスでは、前哨戦の根岸ステークスを勝利した同厩馬テスタマッタの故障引退によって空いた出走枠をケイアイレオーネとの抽選の末に勝ち取り出走が叶うも、前年のジャパンカップダート勝利馬ベルシャザールや前年のJpn1*8を4勝したホッコータルマエなど強敵が揃ったこともあり16頭中16番人気(単勝オッズ272.1倍)というぶっちぎりの最低人気*9に。
鞍上も、今まで騎乗したジョッキーたちが別の馬に乗ることもあって、テスタマッタからスライドした田辺裕信騎手が騎乗することとなった。

スタートするとエーシントップが先頭に立ちコパノリッキーは2番手に控える形に。
直線に入ると馬群に沈んでいくエーシントップを横目に先頭に立ったあとは脚色が衰えることなく逃げ粘り、ホッコータルマエの追い込みを半馬身しのいで勝利。
コパノリッキー、馬主、騎手は揃ってGⅠ初勝利となった。

見ての通り本項で扱われる馬はその後そこそこ程度には活躍するか、あるいは正真正銘の一発屋に終わるのが大半だが、コパノリッキーは例外中の例外
その後も風水によって武豊に乗り替わったり田辺に戻ったりしながらホッコータルマエとともに二強の一角として長きにわたってダートレースを支配し、GⅠ・Jpn1の勝ち星を重ね続け、
最終的に日本馬で歴代最多であるGⅠ級レース11勝をマーク。万馬券の実績が霞むほどの名馬へと成り上がった。

この翌年のフェブラリーSでは、最下位人気の前年とは打って変わって1番人気に支持され、そのまま連覇を達成している。

去年はなんとまさかのコパノリッキー!今年はやっぱりコパノリッキー!


キャッスルトップ(2021年 ジャパンダートダービー(JDD))

人気:12番人気(13頭立て)
配当:12950円

令和に起こった大波乱。
なんとこの馬、ジャパンダートダービーの出走二ヶ月前まで未勝利の状態でJpn1に殴り込んできたのである。陣営側も同週の条件戦とどっちを使うか迷ってたとか

鞍上は重賞勝利どころか地方所属歴8年で通算44勝、JDD前時点で2021年は4勝(なお、その内2勝がこの馬)しか挙げられていないし船橋所属と言う事もあり前年度含めて大井未勝利、今年に至ってはこのジャパンダートダービーが大井競馬場初騎乗の仲野光馬騎手。
そもそも調教師もオーナーブリーダーもダートグレード重賞制覇経験なし
さらに血統的に見ても父バンブーエール、母父マヤノトップガンというあまり繁殖成績が芳しくない血統
これで地方と中央の実力差が大きく堅いレースになりやすいダートグレード競走に出走。遠征疲れっぽく見える-11kg。買える要素が少なすぎる。
ただ初めて逃げ戦法を取り、8馬身差で初勝利をあげて勝ったレース以降は三連勝中で、どれも強い勝ち方をしていた。

本命馬が不在と目され上位人気をスマッシャー(ユニコーンS(GⅢ):一着)やゴッドセレクション(伏竜S(OP):一着、兵庫CS(Jpn2):二着)、牝馬によるJDD初制覇を目論む紅一点ウェルドーン(関東オークス(Jpn2):一着)など中央馬が分け合ってる中、
キャッスルトップはひっそり隠れて13頭立て12番人気のブービー人気
と言っても本来は出走資格すらなかったのが同地区の代表馬が回避したことによる繰り上がり出走であると言う状況を鑑みればむしろ殿人気じゃないだけ人気があるとも言える
(一説にはウマ娘の血統で馬券を買ってみた勢がいた模様。まあそれを言ったら本駒の母父マヤノトップガンの他にもスペシャルウィークマンハッタンカフェアグネスタキオンキングヘイローフジキセキの血統馬もいた訳だが)

そして迎えたレース本番。
新型コロナ感染対策のため無観客試合で行われた大井競馬場の静寂をゲートの開く音が破ると、スタートダッシュですんなり前を取り後続と3馬身のリードを保ち、稍重のダートを1000m62秒6のペースでそのまま先頭を維持。
第3コーナーで少し詰め寄られるものの、再び引き離して最終コーナーへ。この時点で地方馬としては充分な健闘である。
もちろん最終直線に入ると中央馬のゴッドセレクション、ウェルドーン、スマッシャーが本格的に追い上げてくる。
道中に貯金した馬身差はどんどん詰まり、健闘空しくキャッスルトップは垂れ………てこない。それどころか最後の一伸びを見せるではないか!
そのまま絶句する視聴者を尻目に先頭でゴールイン。実況アナウンサーまでもゴール直後、放送席スタッフのざわめきが聞こえるほど一瞬絶句。そして開口一番「恐れ入りました!」と発した。

仲野騎手の一世一代の大騎乗による鮮やかな逃げ切り勝ちであった。
何せインタビューで「こうなったらいいなと妄想していた理想のレース展開そのまま行った(意訳)」と言っているぐらいである

なおこのとき東京MXテレビの生中継でパドック解説をしていたトラックマンだけがキャッスルトップを本命として挙げていた。全く彼の慧眼には恐れ入るものである。彼は穴党として有名で普段外しまくってるのは内緒。

レース後に血統表をよく見てみると、日本の主流血統であるサンデーサイレンスの血が入っていない…のはまだいいとして、それどころか世界的な主流血統であるノーザンダンサーの血すら一滴も入っていない。
その代わりとばかりにブライアンズタイム*10、タケシバオー*11、リユウフオーレル*12、ヒンドスタン*13、ボストニアン*14、セフト*15、プリメロ*16、ダイオライト*17、シアンモア*18
往年の八大競走を制した名馬や名種牡馬等の血が入っている超ロマン血統だったことが判明。
もはや走る骨董品だよ。
競馬民をさらに驚かせたのであった。

なお彼はこの激走で完全に燃え尽きてしまったようで、JDD後は勝ち星ゼロどころかほぼ全戦掲示板外(一応2着は一回あるが)という状況が長らく続いている。どうにか復活の兆しを見せてほしいが…


番外編


ミナレット(2015年 ヴィクトリアマイル)

人気:18番人気(18頭立て)
単勝オッズ:291.8倍

新馬戦を14番人気で勝利(単勝:12190円)。そのレースの2着は同着となったが、その2着の馬もヘイハチピカチャン(12番人気)とファイヤヒース(10番人気)だった。
この場合、馬連、馬単、三連単の三種類の馬券のあたりは2通りとなるため当選金額は半分となってしまう。
しかし、新潟競馬場の電光掲示板に表示された三連単の金額に観客は度肝を抜かれる事となる。その配当は……

ミナレット→ファイヤヒース→ヘイハチピカチャンが1491万6520円
そして、ミナレット→ヘイハチピカチャン→ファイヤヒースの三連単は歴代最高額*19である2983万5250円

という超大波乱を演出。
もしこれで2着が同着ではなく上のケースで決まっていた場合、5966万5980円という空前絶後の配当額になっていた。

その後もコンスタントに勝ち星を重ね、2014年の暮れにターコイズSを勝利してOP馬に昇格。しかし2015年の重賞競走では中山牝馬Sは逃げバテて11着、福島牝馬Sは先行して5着(どちらもG3)と競走成績は超一流とは程遠いものだった。重賞で掲示板に入れただけでも十分すごいことではあるのだが
福島牝馬S5着…とはいっても0.2秒しか負けていなかった(=展開さえ向けば優勝は十分ありえた)ため、陣営はヴィクトリアマイルに出走することを選択。鞍上にはかつてダイタクヤマトで一波乱起こした江田照男を新たに迎えて出陣。
人気は18頭中18番人気*20だったが、調教師は「無印も立派な印だ!頑張ってください!」と関係者に檄を飛ばしていた。
レースが開始するとミナレットは大逃げを打ち、1000m56.9秒のハイペースで通過し直線へ。誰もが二番手のケイアイエレガントと共に力尽きると思っていたが、二頭の足は止まらなかった。
残り50mでケイアイエレガントがミナレットを交わし、さらに外からストレイトガールが交わした所でゴールイン。結果としては3着だったが、GⅠ初挑戦3着は立派な結果である。
勝ったストレイトガールは5番人気、2着のケイアイエレガントは14番人気。その結果3連単はGⅠ歴代最高配当の2070万5080円となった。ちなみにミナレットの複勝馬券も8500円*21で、こちらもGⅠ史上最高配当である。

その後は特に目立った活躍は無く2016年に引退、繁殖牝馬となった。
2022年5月現在、彼女の息子であるコルニリアが頑張っており*2210番人気(オッズ30.4倍)で1着になったり最低人気(オッズ221.2倍)で3着に来たりなど波乱を何度か起こしている。波乱を起こすところまで遺伝するんかい。

余談であるが実はGⅠどころか重賞で三連単が1000万円を超えたのはこのレースを含め2回しかない。
もう一つは2008年の秋華賞で1098万2020円(ブラックエンブレム→ムードインディゴ→プロヴィナージュ(それぞれ11-8-16番人気))である。

なお東京芝1600mのGⅠは年3レースある(当項目のヴィクトリアマイル、NHKマイルカップ、安田記念)が、どれも単勝100倍超えが馬券内となることが時折ある難解なレースとして知られている。


コズミックフォース(2018年 日本ダービー)

人気:16番人気(18頭立て)
単勝オッズ:223.7倍

平成最後のダービーで起こった大波乱の立役者。

僅差ではあったもののプリンシパルS(東京芝2000m)を1番人気に応え優勝しダービーに殴り込みをかけたが、2歳王者ダノンプレミアム、3戦無敗の毎日杯馬でのちに有馬記念も勝つことになるブラストワンピースが人気となる中、2000m以上は未勝利&それまでのルメール騎手からダービー初参戦の石橋脩騎手に乗り替わりとなったことなどが重なり18頭中16番人気という超低評価となってしまう。

ただ、東京芝2000mの走破タイムが3歳馬トップクラスに速いタイムなことに気づいた人は当時どれだけいたのだろうか。

本番ではプリンシパルSより前の3~4番手に着けたことが功を奏し、一瞬だが先頭に立つ場面もあるなど最後の最後まで粘りを見せたが、勝ち馬ワグネリアン(5番人気)と0.2秒差の3着と惜敗。だが1・2番人気となった上述の二頭には先着することができたので大健闘である。

上述のようにかなりの低評価だったため配当金が爆上がり。コズミックフォースの馬番⑦が入った馬券は複勝でも3640円、三連単に至っては285万6300円でダービー史上最高配当となった。

その後はたまに掲示板に入る程度で負け続きとなり、2020年8月に鼻出血&肺出血を発症したことで地方に移籍。2021年には勝島王冠で優勝するなど活躍していたが、2023年に現役引退。彼の引退をもって2018年日本ダービーの出走馬は全員表舞台から去ることとなった。


ショウナンアンセム(2019年 高松宮記念)

人気:17番人気(18頭立て)
単勝オッズ:358.9倍

上記のコズミックフォースと同じく、平成最後の大波乱の立役者。

2018年の多摩川S(1600万下(現:3勝クラス))・パラダイスS(OP)で2連勝した後は二桁順位がほとんどだったが、前走の夕刊フジオーシャンS(GⅢ)では13番人気ながら5着と好走。そのためか高松宮記念当日は最低人気こそ免れたもののブービーの17番人気に。

レース序盤はやや後ろにつけ様子をうかがい、残り200m地点付近で3番人気ミスターメロディと2番人気モズスーパーフレアの間にできた僅かな隙間を抜け3番手につけたが、序盤から飛ばしたセイウンコウセイと根性を見せたミスターメロディを抜かすことはできなかった。鞍上の藤岡康太騎手も「着差が着差だけに何とかしたかったです」と悔やんだが、1番人気のダノンスマッシュ(4着)に先着できたのだから大健闘であろう。

結果は1着ミスターメロディ、2着セイウンコウセイ、3着ショウナンアンセム。それぞれ3-12-17番人気だったため、三連単が449万7470円、馬連でも3万530円、セイウンコウセイとショウナンアンセムのワイドは8万8520円*23という大波乱。なお、GⅠで単勝オッズが300倍以上の馬が馬券内に入ったのは前述のサンドピアリス以来30年ぶりのことであった。

その後は5つのレースに出場したが全て惨敗し2020年に引退。現在は福島競馬場にて誘導馬として活動している。

余談だがこの大波乱から3年経った2022年も、ショウナンアンセムと同じ17番人気だったキルロードが3着に激走。どちらも以前に東京芝1400mで逃げ切り勝ちがあるという共通点があったため、今後の予想の参考にするといい…かも。


カワキタレブリー(2022年 NHKマイルカップ)

人気:18番人気(18頭立て)
単勝オッズ:229.1倍

2024年4月現在、令和時代のG1レースにて最低人気が馬券内となった唯一の事例。

当時の戦績は8戦2勝(3着2回)とまずまずではあったものの、前哨戦のアーリントンカップ(G3)で勝ち馬から1秒離された大敗であったことや1600m戦での勝利が一度しか無かったこともあり、ダート1400mの未勝利戦で勝利したばかりのセイクリッドより人気を落とす超人気薄となってしまった。

レース中は後方4番手あたりでじっくりと構え、最終直線で一気に加速。1番人気に推されていたセリフォスを1馬身抜かし3着に入線する大健闘を見せたのであった。カワキタレブリーの馬番10が入った馬券は複勝で4780円もつき、これはNHKマイルカップ史上最高配当である。ちなみに当レースで最低人気が馬券に絡むのは2007年のムラマサノヨートー以来2例目。

結果論であるがデイリー杯2歳S最低人気で0.2秒差3着がフラグだったのだろう

その後は条件戦をウロウロしていたが、翌2023年のNHKマイルカップ開催日に行われた湘南Sで見事優勝しオープン入りを果たす。

オープン入りしてからの戦績はイマイチであるものの、春雷ステークス(中山芝1200m)では0.3秒差7着と着順以上に頑張っており、彼がまた大穴を開ける日はそう遠くはないのかもしれない。


トルカータータッソ(2021年 凱旋門賞)

人気:13番人気(14頭立て)※日本において
配当:11050円

JRAでは、一部の海外レースについて、JRA独自で馬券を発売している。その中で起きた万馬券のお話。
この馬はドイツの馬であり、ベルリン大賞、バーデン大賞とドイツGⅠを2勝している。
ただ、凱旋門賞では英ダービーとキングジョージ連勝中のアダイヤー、BCターフ勝利経験があるタルナワ、英オークスを圧勝した日本産のディープ産駒スノーフォールといった強豪がそろったうえ、ドイツ競馬は基本的に英愛仏などと比べるとやや格が落ちる。陣営も「状態が良いので好走できるかも」といった後ろ向きなコメントであり、挙句の果てに騎手は凱旋門賞初騎乗である。
日本のオッズでは出走取消した馬を除く14頭の中で13番人気という極めて低い評価であった。
まあ日本のオッズは現地の評価とはあまり関係ないだろうと思うかもしれないが、海外のブックメーカーのオッズでも大した違いはなく、10月3日のとあるブックメーカーのオッズは67倍と3番目に倍率が高い有様であった。

しかし蓋を開けてみれば、馬場が非常に重たくなったロンシャン競馬場を激走。最終直線でタルナワとハリケーンレーンとの叩きあいを制し、記念すべき第100回凱旋門賞を制することになったのであった。

ちなみに、この凱旋門賞の開催日は奇遇にも東西ドイツ再統一の日
さらに、この年に延期開催された東京五輪でドイツ勢は金メダル3個を取る活躍を見せており、馬術でも競馬でも世界一の勲章を手にしたのであった。翌年2022年の凱旋門賞にも出走し、3着に突っ込んだのちに現役を引退している。
なお休み明け以外のレースでは複勝を外さないのに休み明けレースは最下位惨敗すら頻発する休み明けクソ弱マンだった模様

なお、彼の曾祖母の半姉は史上最高の繁殖牝馬*24と名高い凱旋門賞馬アーバンシー。かつて彼女は彼と同じ13番人気で勝利、凱旋門賞に大波乱を引き起こしている。



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最終更新:2024年04月28日 22:59

*1 第16回優駿競走(日本ダービー)のタチカゼなど。

*2 長い間歴代10位だったが、2022年2月12日の東京12Rにて単勝54940円の超大穴馬券が飛び出したためトップ10から陥落。

*3 当時はこのレースの前週にあった菊花賞にもお手馬の鞍があったがその馬が抽選に外れて出走できなかった。

*4 鞍上の武豊は途中で止めようとしたが、シャダイカグラはゴールまで止まらなかったという。

*5 経営している会社の忘年会がドン被りしていて名古屋に居ざるを得ない状況だった。それでも有馬記念のタイミングだけは抜け出してTV観戦はしていたらしい

*6 今村聖奈騎手の父である。

*7 ついでに、美浦所属だった彼のキャリアで初となる京都競馬場での勝利でもあった。GⅠでの当該競馬場初勝利としては、2000年天皇賞(秋)にてテイエムオペラオーで東京競馬場の初勝利を挙げた和田竜二、2021年菊花賞にてタイトルホルダーで阪神競馬場の初勝利を挙げた横山武史などの実例が有るが、騎手4年目で達成した彼らに対して石橋は騎手としてのキャリアが長く9年目でのこと。

*8 日本国内ではGⅠと同格に扱われ互換性があるが、レーティングなどの事情で国際的にGⅠの格付けを得ていない競走を指す。GⅠ・Jpn1を纏めて「GⅠ級競走」と書くこともある。

*9 ちなみに先述した兵庫CSで2着…とは言っても6馬身差で蹴散らしていたベストウォーリアも出走しており、7.0倍の3番人気だった。二連続大敗とはいえどれだけリッキーが期待されていなかったかが良くわかる。

*10 前述したマヤノトップガンの父で、サンデーサイレンス・トニービンと並び三強種牡馬と称され、ここで挙げる馬の中では段違いに知名度があるのだが、後継に恵まれなかったため現代で血統表に見かけるのはわりと珍しくなっている。

*11 1969年、春天・英国フェア開催記念(第3回スプリンターズS)優勝馬。また当時ダートの東京新聞杯や毎日王冠でも勝利するなど馬場・距離を問わないあらゆる競走条件で活躍し「野武士」とも称された、中央競馬初の「怪物」。

*12 1963年、秋天・有馬記念優勝馬。関西馬初の有馬記念制覇。

*13 リーディングサイアーに7度選出された種牡馬。代表的な産駒に前述のリユウフオーレル、「鉈の切れ味」と評された三冠馬シンザンなど。

*14 史上最多の33頭出走となった1953年・東京優駿優勝馬。メジロ牧場の基礎繁殖牝馬となったアサマユリの父。

*15 リーディングサイアーに5度選出された種牡馬。代表的な産駒に前述のボストニアン、10戦10勝で皐月・ダービーの二冠を達成した直後に破傷風で散った「幻の馬」トキノミノルなど。

*16 産駒のクラシック競走通算15勝の種牡馬。大牝系を築いたシラオキの父。

*17 リーディングサイアーに5度選出された種牡馬。日本初の三冠馬セントライトの父。ブルードメアサイアーとしてもボストニアンやシラオキの母父。

*18 産駒であるカブトヤマ、フレーモア、ガヴァナーが1933年から3年連続で東京優駿を制した種牡馬。

*19 この三連単の配当額の記録は2023年1月現在でも破られていない。これに匹敵しうるのは中央競馬では2015年9月21日の中山競馬場第1R・2792万9360円、地方競馬では2020年1月24日の大井競馬場第7R・2848万1550円

*20 福島牝馬S9着のウエスタンメルシーより人気薄だった

*21 上述のサンドピアリスでも7670円。

*22 2023年11月23日付で中央競馬を登録抹消、高知競馬に移籍。

*23 ミナレットが3着となったヴィクトリアマイルより高配当で、2023年1月現在重賞史上最高記録。

*24 産駒に英ダービー馬ガリレオ、凱旋門賞馬シーザスターズなどGⅠ馬が4頭もいる。さらに、リーディングサイアーを10年連続で獲得したガリレオのみならず、シーザスターズも種牡馬として成功し、牝系からも活躍馬が出ている。