魔都精兵のスレイブ

登録日:2021/10/04 Mon 03:26:11
更新日:2024/03/28 Thu 13:00:40
所要時間:約 41 分で読めます







美女と奴隷(スレイブ)の無双戦記

ご褒美は加速する───!!!


魔都(まと)精兵(せいへい)のスレイブ』(英題『Chained Soldier』)は、原作:タカヒロ、作画:竹村洋平による漫画。
『少年ジャンプ+』にて2019年1月5日より連載。


●目次

【概要】

集英社のウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』にて土曜日に隔週配信。
女性が怪物達と戦う世界を舞台にした、お色気&能力バトル漫画。

原作者は『アカメが斬る!』『結城友奈は勇者である』など漫画・アニメではハードな作風でも有名なタカヒロ。
といっても本作は「女の子の可愛さを魅せていく漫画ですので土曜日の癒やしと楽しみになれば」(1巻)・「できる限りは皆様にハピネスをお届けしたい」(2巻)・「単行本ならではのハピネス溢れた描き下ろし漫画とかもやっていきたい」(4巻)と述べており、グロ描写やハードな展開などは抑えて、読者層を意識してサービスシーンをできるだけ盛り込んでいる。
本作の成功もあってか、原作者はのちにサービスとバトルを盛り込んだ漫画『獄卒クラーケン』もてがけた。

作画は、『ジャンプSQ』で漫画版『パパのいうことを聞きなさい!』『八重の桜』などのコミカライズを担当した経験を持つ竹村洋平。
カバーイラストなどの彩色は、漫画『ドラゴンクエスト 勇者アバンと獄炎の魔王』のカラーも行なっているイラストレーターのOKADAが担当。

2021年11月19日にアニメ化を発表。制作スタジオは、Seven Arcs。

2024年1月のアニメ放送開始と合わせ、ダッシュエックス文庫より小説『魔防隊日誌』を発売。



【あらすじ】

数十年前、『魔都(まと)』と名付けられた異空間に繋がるゲート『クナド』が日本各地に出現。魔都は、人を襲う『醜鬼(しゅうき)』という災厄と、女性にのみ特異な能力を与える『(もも)』という恵みをもたらした。
その結果、2020年、世界は女性が中心となって動かすようになっていた。

人間が魔都に迷い込んでしまう『魔都災害』で姉を喪った高校生の少年和倉優希(わくらゆうき)は、そんな男にとって展望がない未来に対して鬱屈とした日々を過ごしていたが、ある日自身も魔都災害に巻き込まれる。
大量の醜鬼達に殺されかけた優希の元に駆けつけたのは、醜鬼から人々を守る精鋭部隊『()防隊(ぼうたい)』七番組組長の羽前京香。優希の命を守るため、京香は優希の承諾を得て生涯解除されない主従契約能力『無窮の鎖(スレイブ)』を結び、スレイブとなった優希は醜鬼達を殲滅。

京香の奴隷(スレイブ)として七番組寮管理人として住み込むことになった優希は、姉の仇をとるため、理想のヒーローを目指すために戦うことになるのだった。



【用語・世界観】

◇魔都

  • 魔都(まと)
数十年前、日本各地に現れた謎の門『クナド』の先に広がる異空間。広さは東京都ほど。草木などは通常生えておらず、岩山・荒野と雲で覆われた空という殺風景が特徴。決まった四季はないが、天候の変化は激しく突如大雨が降ったり気温が大きく変化したりすることもある。
無数の醜鬼が地面から生まれてクナドを通り現世に現れて人を襲う。
また、中央の地下を中心として、女性に異能の力を与える桃が多く存在している。


  • 醜鬼(しゅうき)
正式名は『黄泉(よもつ)醜鬼(しゅうき)』。
魔都全域に生息しており、無条件で人間を襲う凶暴な怪物。ほとんどは人型だが、まれに再生力の高いもの・戦闘力が高いものなど姿が特徴的かつ能力も特別な個体が存在する。
たった一匹でさえ現実世界に出現すると数十人の犠牲者が出るというほど強力で、桃を食べた一般の女性でも倒すのは難しい。そのため、魔防隊ら精鋭が対処にあたる必要がある。
知能は低く動物並みだが、魔防隊のような強敵に対しては、複数の醜鬼が融合して巨大な姿になることもある。
通常兵器では倒す事ができず、桃の恩恵で発動した能力かその力を受けた武器のみ有効。例外として羽前京香のみ、霊山で完成させた独自の戦闘術により、桃の恩恵に関係無く醜鬼を倒す事ができる。
小説『魔防隊日誌』では、他桑名の試作品を試したところ、地面ごとくり抜いて逃げ出したらしい。地雷型罠の試作品も作られたものの人と醜鬼を区別しなければいけないこともありコストパフォーマンスが合わなかったとのこと。

モチーフはおそらく古事記に登場する、イザナギを追った鬼達「黄泉(ヨモツ)(イクサ)」。

  • (もも)
魔都にのみ生えている謎の果実。食べた女性に異能の力を与える。その為、この世界の人類における男女の力関係は逆転してしまった。
桃は一人につき一個しか食べられず、過剰摂取は危険とのこと。
発現する能力の多くは筋力強化、記憶力強化といった基礎能力の強化が多い。醜鬼と戦える能力や、特に広範囲の索敵能力・治療用能力などの持ち主は珍しい様子。桃の能力の内容については、本人の気質や素養で決まるという説がある。
魔都の中央にある広大な地下洞窟には、桃の木がたくさん生えており、そこから魔防隊の各組から出張した隊員達が収穫している。当然、諸外国も桃を欲しているため、桃の供給を定期的に行なっている。が、それでも桃の簒奪を狙う外国からのテロリストが魔都に侵入してくる事もある。
日本人の女性が食べるには基本的に、希望者が国に申請を出して厳しい審査を通過。専門職の立ち会いのもとで食べるのが一般的な流れ。中学卒業後に食べる者が多い。
当然、比較的桃が食べやすい環境にある日本女性でも「自然のままでいい」「桃は得体が知れない」や「年をとってから食べれば美への執着から美貌を保つ能力が手に入るかも」など各々の考えから桃を食べていない女性も一定数おり、全ての女性が積極的に桃を食べているわけではない。
小説『魔防隊日誌』では、京香は味について「とろけるような甘さ。しかし、どこか危険な甘さ」と評している。


  • クナド
通称・門。ブラックホールのような形をしており現世から魔都に通じるゲート。いくつかの門は出現位置の入り口出口が固定され、政府によって管理。クナドは日本国内でのみ発生する。
魔都側の門がある場所には魔防隊の寮があり、判明しているクナドは、『多摩川クナド』、二番組寮内にある『横浜クナド』、五番組寮内にある『山形クナド』の他、七番組寮内の門は『高知クナド』に通じている。
(醜鬼襲撃の危険性はあるが)わずか数十分で日本各地を移動できる優れもの。魔都有用性の一端を示している。
しかし時々突発的に発生するクナドもあり、結果として醜鬼が現世にいきなり出現したり、逆に一般人が魔都に迷い込んでしまったりするケースがある。突発的に発生したクナドは時間経過で消失する。


  • 魔都(まと)災害(さいがい)
偶然発生したクナド(門)を通って魔都に迷い込んでしまった一般人が魔防隊に保護されることなく死亡・行方不明になったり、現世に現れた醜鬼によって死亡者や損壊などの被害がでてしまったりすること。
門は日本でしか発生しないため、魔都災害も日本でしか起きない。結果、日本人は桃を食べやすい一方で魔都災害による犠牲者も出ている。


  • 月山(がっさん)大井沢(おおいざわ)事件
山形県月山で、羽前京香の少女時代に起きた事件。大規模な門から出現した数十体の醜鬼達及び一本角を生やした特に強力な個体の襲撃によって、京香を除く山間の街の住民800人全員が死亡した。
この経験から、京香は醜鬼の殲滅を目指して修行を重ね、魔防隊へ入隊した。
アニメ1期3話では、朱々の言葉でその日付が「5月11日」であることが示唆されている。

◇魔防隊

()防隊(ぼうたい)とは、桃を食べた女性のみで構成された、人類を醜鬼から守るための戦闘のスペシャリストである精鋭部隊。魔都への門を管理下に置いた政府が編成しており、正式名称は『魔都(まと)防衛特殊部隊(ぼうえいとくしゅぶたい)』。
エンブレムは桃のマーク。

主な任務は醜鬼の討伐や魔都に迷い込んだ人間の保護。また、桃を狙うテロリストから桃を守る役目もある。
縁起の悪い「四」を除いた一番組から十番組までの九つの組で構成。魔都の地域を、総組長がいる十番組を中心として、八つの方角に区分して番号の時計回りに一番組から九番組までの8つの組を配置。組は担当の場所を警備巡回している。
特に「鬼門」(北東)に位置する二番組と「裏鬼門」(南西)に位置する七番組には醜鬼がよく出るため、専門の索敵能力を持つ係が配属されている。

魔都にあるそれぞれの組には寮が建てられており、隊員達は普段そこで生活している。寮は「魔都陰陽道」に基づいて作られており、寮周りに強力な結界を張っていて醜鬼達の侵入を弾いて防いでいる。
魔都にて人々の安全を守る激務であるため、隊員の女性達は男性との交際経験の暇も無かった20代がほとんど。
また、組同士の交流・連携はこれまで少なく、親善目的や意見が分かれたときには力比べを行う模擬試合「魔都交流戦」*1が行われる。八雷神の出現以降は、その対策として組同士の合同訓練も定期的に行われている。
重傷を負った組員は治療後、肉体検査とメンタル面の検査を経て心身の無事を確認したうえで講習を受けて復帰するルールとなっている。

  • 桃源郷(とうげんきょう)
魔防隊総本部に設置された、魔防隊所属の能力者が生み出す特殊空間。時間の流れが異なっており、外の時間で数分でもこちらでは数時間流れるため、特訓に使われている
入ることができる人数も限られており、術者にも負担は大きいためあまり使われては来なかった。
八雷神の出現に伴い総組長の指示で準備され、より多くのメンバーが入れるようキャパシティを拡張中。
外からは桃源郷内部の出来事は術者でさえ把握は出来ず、連絡を取ることもできない。桃源郷に備え付けの建物は破壊されても数時間で復元されるほか、能力で内部の建物はきれいな様子。
出口のドアを破壊された場合、しばらく出入りできなくなってしまい孤立してしまう弱点がある。

◇その他の組織


  • (おん)陽寮(みょうりょう)
政府によって設立された、魔防隊とは別にある組織。「魔都の存在は国の利益になる」という方針の元、魔都・桃・醜鬼について研究をしている組織。そのため、魔都そのものを潰してでも醜鬼の被害をゼロにしたい京香からは快く思われていない。
捕らえた醜鬼を調べるための研究施設があるが、極秘裏に魔都で醜鬼の肉体に変貌してしまった女性を軟禁し、「治療法の確立」という名目の上で醜鬼化した女性を研究・解明すべく人体実験なども行っている。加えて、ある程度不都合なことはもみ消すだけの権力も有しており、人道的に大きな問題を抱えた組織であると評さざるを得ない。
醜鬼にも通用するように調整された銃や応急処置用の「魔都包帯」が開発されている様子。


  • (あずま)
魔都での功績が大きい名家。多摩川クナドのすぐそばに本家がある。
総組長を輩出したことをはじめ、優秀な魔防隊の隊員を現在に至るまで何人も出しているなど、魔防隊の歴史と深く繋がっている。
本家直系の者には漢字三文字の名前が与えられる風習がある。
現在は、魔防隊の他にも能力犯罪用の警察特殊部隊など様々な分野で東家の者が活躍している。能力で異空間生成できる者もいる。
東は強大たるべし」という理念を掲げた実力第一主義であり、優秀な分家の子を養子扱いで東家本家に迎えることで、子供同士で高め合いをさせてきた。東家当主も、「東の晩餐」というバトルロイヤルで決められる。
魔都が出現したのはわずか数十年前だが、それ以前はどのような存在だったのか不明。



【登場人物】

◆魔防隊




私達は魔防“隊”  勝負はこれからだ


七番組

担当区域は南西(裏鬼門)方面。そのため、他の区域と比べて醜鬼が出やすく、現組長の気質も相まって魔防隊の中でも武闘派として知られている。訓練は特にハードで組員たちは体力オバケ。
他の組同様、本部地下に出張しているメンバーもいる。
寮の内部にある門は高知クナドに繋がっている。

  • 羽前(うぜん) 京香(きょうか)
CV:鬼頭明里
年齢:21歳(初期) *2。身長:167cm。誕生日:9月4日。血液型:O型。バスト:85(E)。
本作の主人公兼ヒロイン。醜鬼を刀一本で蹂躙する基礎戦闘能力と、桃の中でも特異な異能『無窮の鎖(スレイブ)』を持つ。
詳細は項目参照。


  • 和倉 優希(わくら ゆうき)
CV:広瀬裕也
年齢17歳(初期)→18歳?*3。身長:173cm。誕生日:3月12日。血液型:A型。
本作の主人公。公立上野毛高校3年→七番組寮管理人。
詳細は項目参照。


  • (あずま) 日万凛(ひまり)
CV:宮本侑芽
年齢:18歳(初期)(優希より1歳年上)。身長:159cm。誕生日:8月28日。血液型:A型。バスト:83(D)。
七番組副組長。能力が微妙だったため、(醜鬼との戦いでは自分や他人の命に関わるということもあり)姉の八千穂には家に戻り自分の側にいるようにと、母からは魔防隊を辞めるようにと度々言われており、自分を馬鹿にする実力至上主義の東家が嫌で実家を出ていた。そのため、拾ってもらった恩と、実質桃の能力なしに組長にまで上り詰めた努力家である京香に心酔している。
他人の桃の能力を劣化コピーする能力青雲の志(ラーニング)をもつ。
詳細は項目参照。


  • 駿河(するが) 朱々(しゅしゅ)
CV:日野まり
年齢:17歳(初期)。身長:165cm。誕生日:11月13日。血液型:B型。バスト:85(E)。
七番組隊員。リボンをつけた陽気な少女。
自分の体をミニサイズから巨人サイズまでに変化できる能力『玉体革命(パラダイムシフト)』を持っており、通常の醜鬼達を圧倒する。
漫画好きであり、しれっと色んなパロディを行う。
詳細は項目参照。


  • 大川村(おおかわむら) (ねい)
CV:立花日菜
年齢:11歳(初期)。身長:145cm。誕生日:5月5日。血液型:AB型。
七番組隊員。索敵係。両親を魔都災害で失い、魔都研究家の大川村博士に引き取られ、若くして桃を食べている。
貴重な索敵能力である千里眼能力『きっと見つける(プロミス)』の持ち主。ここ数年で魔都遭難の被害者が大きく減っているのは、寧のような優秀な能力者の加入によるところも大きい。
詳細は項目参照。


  • 久重(くえ) (はる)()
身長:158cm。誕生日:6月12日。血液型:A型。
京香より先に七番組にいた先輩。優しい性格の持ち主で、周囲の人たちを守るために魔防隊へ入った。
寧の加入後は前組長である夢路の無茶もあって能力の酷使で倒れてしまったこともあった。
現在は中央の洞窟で桃の採掘を行う「出張組」に属している。
能力名は『遙乃式神(オリガミ)』。自分で折った折り紙を式神のように扱える。劇中では、折り鶴を自分の周囲で飛ばして醜鬼を貫通させるといったことをした。


六番組

担当区域は南方面。組長・副組長同士の縁もあり、七番組と連携することも多い。

  • 出雲(いずも) (てん)()
CV:内田真礼
身長:163cm。誕生日:10月1日。血液型:A型。バスト:88(F)。
六番組組長。大卒。優秀な組長として世間での知名度も高い。六番組と七番組の魔都交流戦の際、主人のために健気に戦い最後には身を挺した優希の姿を見て、優希に初恋。優希に猛アタックするようになる。
空間を操作する能力『 天御鳥命(アメノミトリ)』の持ち主。テレポートや、空間に穴を作りそこへ物を吸い込むことや、空間ごと物を切り裂く防御不可攻撃といった芸当が可能。
詳細は項目参照。


  • (あずま) 八千穂(やちほ)
CV:稗田寧々
身長:155cm。誕生日:2月14日。血液型:O型。バスト:80(C)。
六番組副組長。日万凛の姉で、東風舞希の次女。妹である日万凛を溺愛しているが愛情表現が下手。
短時間ながら時間停止と時間を戻すことができる強力な能力『東の辰刻(ゴールデンアワー)』の持ち主。攻撃力に欠けているため、対醜鬼用に調整された拳銃を得物としている。
詳細は項目参照。


  • 若狭(わかさ) サハラ
CV:上田麗奈
身長:156cm。誕生日:1月21日。血液型:AB型。
六番組隊員。寝ることが大好きでマイペースな性格。
定めた分数の間だけ自身の力を強化し、短時間ほどより強力になる能力『怒れる羊(クレイジーシープ)』を持つ。
詳細は項目参照。


一番組

担当区域は北方面。

  • 多々良(たたら) 木乃実(このみ)
身長:155cm。誕生日:12月4日。血液型:A型。
一番組組長。元気いっぱいで人なつっこく、芯が強く熱血。現役女子高生ながら前組長りうの秘蔵の弟子であり、若くして組長に就任した。
羽前京香にとって妹弟子であり、素手で醜鬼を倒せる京香を尊敬している。
能力はオーラを纏った形意拳で戦う『金色形意拳(ケモノチカラ)』。
詳細は項目参照。

  • 冥加(みょうが) りう
身長:154cm。誕生日:7月7日。血液型:O型。
一番組副組長。趣味はお洒落。自分が強いだけでなく、長年多くの魔防隊隊員を鍛えてきた人材育成もこなせる老女。羽前京香や木乃実らの師匠にあたる。東海桐花と仲がいい。
魔防隊の組長は激務のためほとんど若手で構成されているが、一人はご意見番として現役を続けているのが慣例。その中でもりうは、強過ぎるため長く現役を続けていたが、最近木乃実に組長の座を譲り、まだ若い木乃実を補佐するため副組長の座にいる。
組長会議では時々ツッコミを入れて若者達がきちんと考えているかチェックしながら後進の成長を見守っている。
能力はいくつかの色の『霊廟』をあやつる『〇(色)の霊廟』。『白の霊廟』ならば、出現させた門から死者一人を強化して召喚し、共に戦うもの。その間、りうの身体能力も醜鬼を倒せるほどに強化されている。りうは剣術の達人だった亡き夫を召喚して共に戦う。夫の名前は冥加(みょうが)敏彦(としひこ)


  • 万倉(まくら) 江真(えま)
身長153cm。11月2日生まれ。血液型AB型。
多々良木乃実が通う山口県の女子校での同級生にして親友。学業はとても優秀。好物はかりんとう。
木乃実と出会って魔防隊を将来の夢とするようになる。神奉者による襲撃経験後、精神の成長もあってか能力が強くなり、一番組に加入した。
木乃実に冗談交じりながらキスを持ち掛けてみてかなり乗り気であるなどそっちの気も…?
桃の能力名は『桃弧棘矢(イバラチカラ)*4体からイバラを出現させる。能力名は木乃実の『金色形意拳(ケモノチカラ)』にならって名付けた。


二番組

担当区域は北東(鬼門)方面。他の区域と比べて醜鬼が出やすく、専門の索敵係が置かれている。七番組とはライバル関係。
現世の門は横浜に通じている。
メンバーはヤンキー風の女性ばかり。
醜鬼頻出の激戦区ということもあり、七番組と同じく寮管理人が安定せずほぼいない。そのため、美羅を含め隊員達が交代で家事をしている。

  • 上運天(かみうんてん) 美羅(みら)
身長:170cm。誕生日:8月21日。血液型:B型。
二番組組長。胸にさらしをまいた女性。沖縄出身。ヤンキーのような態度であり、一人称は「俺」。総組長を目指していることを公言しており、血気盛んで好戦的。卑怯なやり方を嫌う。
能力は多重分身する『緋色の連隊(オールキリング)』。
詳細は項目参照。


  • 座覇(ざは) めぐみ
身長:154cm。誕生日:10月23日。血液型:A型。
美羅に惚れ込み、世界一の旗持ちを目指す女性。マスクと「~っス」という口調が特徴の舎弟。
自分を大きく見せたいと不良になったが、返り血を浴びて赤く染まりながらも美しい天下無敵“紅蓮の美羅”を見て惚れ込み、不良時代は美羅のチームの旗持ちをして自分に「誇り」と「自信」が生まれた。そのまま美羅と同じく魔防隊の一員となる。
能力は『緋色の旗持ち(レッドソウル)』。「天下無敵 上運天美羅 暴走紅蓮隊」と書かれた大きな旗を掲げる。旗を掲げている間、美羅の身体能力は大きく強化される。特定個人のみを強化する能力は極めて珍しいが、「桃の能力は本人の気質や素養で決まる」という説を裏付けているとも言える。その分、魔都から現世まで離れていても美羅は強化されるなど有効範囲はほぼ無限な様子。美羅が出撃している間、めぐみは二番組屋根で旗を掲げて立ち続けている*5


三番組

担当区域は東方面。
ベル自身の指揮の経験不足もあって、戦闘では個々の判断で動いており、醜鬼の群れ程度なら問題なく排除してきた。
しかし魔防隊の戦力を測ろうとする八雷神の紫黒により組長以外の隊員たちが誘われて深追いした結果、蹂躙されて病院送りになりしばらく行動不能になってしまった。
神奉者による襲撃に対しても3名の隊員達は壊滅してしまうなど災難が多い。

  • (つき)夜野(よの) ベル
身長:156cm。誕生日:3月30日。血液型:AB型。
三番組組長。美味しい店を探すのが好き。
気弱な性格から、ご番組組長の夜雲からはセクハラを受けたり、総組長の山城恋には特訓の名目で模擬戦相手を務めさせられたりしている。組長会議では恋の相手をさせられたくないので常に恋の顔色をうかがっているが、恋もそれに気付いているので、恋にはかなり思考を読まれている。
一方、自身の能力『笑う寿老人(カノープス)』を見込まれてスカウトされたという実力者であり、京香からも「凄い能力」と言われている。攻めの『笑う寿老人(カノープス)』は、生物無生物をとわず対象を発光させ、その光をベルが抜き取ることで対象は崩壊して灰になる即死技


  • 肥後(ひご) 紅葉(もみじ)
短髪の女性。火炎を操る能力者。
神奉者「阿南三姉妹」との戦いでは、火炎を出す前に敵の神速の攻撃で真っ先につぶされてしまった。

  • 新粥(しんかゆ) ()(いき)
煙を操る能力を持つ。
神奉者「阿南三姉妹」との戦いでは、煙を敵に吸い込まれて敗れてしまった。

  • 上総(かずさ) (まり)
能力で武装した飛行ユニットを出して装着し、飛行できる。
神奉者「阿南三姉妹」との戦いでは、神速の敵に敗れてしまった。

五番組

担当区域は南東方面。組長がとある思惑ゆえ他の各組に協力的な穏健派。
寮の内部にある門は山形クナドに繋がっている。

  • 蝦夷(えぞ) ()(くも)
身長:157cm。誕生日:5月16日。血液型:B型。
五番組組長。根明でとにかく距離感が近い女性。明るくふるまい、一人称は「夜雲さん」。
風を操作する能力『常闇舞踏団(ナイトストーム)』の使い手。
詳細は項目参照。


  • 五木(いつき) カイコ
身長:160cm。誕生日:5月27日。血液型:A型。
五番組副組長。がっしりした精悍な女性。仕事意識が高く、長きに渡って魔防隊で活躍している。
貴重な治療能力『織姫星の繭(ミラクルケア)』の持ち主。カイコが生み出した繭の中に入れば早めに回復できる。重傷であれば繭に包まれる時間は長くなる。腕などが切断されたとしても切れた腕があればつながるほどの回復力を持つ。ただし、失われた四肢を生やすことは出来ず、病気治療や死者蘇生は出来ない。
八雷神の壌竜に一蹴されて重傷を負った六番組・七番組を数日で回復させた。

  • (ところ)(やま) サキ
身長:152cm。誕生日:7月18日。血液型:A型。
五番組隊員。猟師の娘。とある理由で屈指の無口。
体の各部を剣やガトリング・小型ミサイルといった好きな武器に変化させる能力『武装小町(バンバンバン)』の持ち主。東日万凛での青雲の志(ラーニング)でも劣化が少ないため日万凛がコピーして愛用している。オリジナルであるサキの方が練度は高いため、合同訓練では日万凛がサキに使い方について質問をしていた。


八番組

担当区域は西方面。外国人または元外国人で構成された国際色豊かな組。

  • ワルワラ・ピリペンコ
166cm。1月1日生まれ。血液型A型。
八番組組長。帽子をかぶっているが、フードつきの制服とスリットの入ったロングスカートが特徴。
組長会議中、一言も発さないなど無口。
「東の晩餐」後、組長会議随伴のために魔防隊本部を訪れた和倉優希を物陰から覗き、近づかれたら一言も発さず逃げるが遠目から見つめ続けるなど、人馴れしていない猫のような行動を取りつつ優希に興味を持っている様子。
現在の国籍は日本。

  • プラチ・シェラワット
160cm。3月2日生まれ。血液型B型。
八番組副組長。日本人の多い街で育った。真面目すぎるクールな性格だったが、クールすぎて無感情で決めたスケジュール通りに生きる彼女を心配した両親によって勧められた「日本のお笑い」にハマる。現在は休暇中にお笑い劇場やエステに通っている。
好きな芸人は大喜利に強いタイプ。モノボケなども好き。桃源郷の修行では他の組との親交のために色んなモノボケアイテムを持ち込んでいた。
桃の能力は鞭を生み出し操る「迅鞭阿修羅(ウルーミ)」。


  • ジェナ・ステイプルズ
174cm。7月26日生まれ。血液型O型。
巨乳の女性。陽気な性格で言いたいことははっきり言う。
元々日本の漫画やアニメが好きで、桃源郷での修行時は週刊少年ジャンプを読めないことを残念がっていた。“旦那様”は人気漫画作品のキャラ。
桃の能力はビキニアーマー盾を携えた女剣士に変身する「豪剣士(ヒーロー)」。「盾は魔防隊最硬だぜ 多分」と冗談を述べている。


九番組

担当区域は北西方面。東家の人間で構成されている。

  • (あずま) 風舞希(ふぶき)
身長:171cm。誕生日:4月16日。血液型:A型。
九番組組長。麻衣亜・八千穂・日万凛の母親(夫の仔細は不明)。
能力は『太陽を穿つ槍(サンセット)』。「伸縮自在な槍」を出現させるというシンプルな能力で、槍は出力を高めるほどに距離が伸び、更に伸ばした槍を扱えるように身体も強化される。
詳細は項目参照。


  • (あずま) 麻衣亜(まいあ)
身長:164cm。誕生日:6月3日。血液型:A型。
九番組副組長。風舞希の長女であり、日万凛と八千穂の姉。眼鏡をかけたクールな美女。堅実な性格であり、実戦でもガードを固めて計算高く立ち回り、勝利をつかむタイプ。
趣味はゲームであり、モノによっては大会に出られるレベル。自室もプロゲーマーのような設備を整えており、日万凛曰く「暇さえあればゲームしている」。言葉の端々にもゲームの用語を用いる。優希とはゲームで打ち解けた。
あまり言葉や表情にこそ出さないが、妹の八千穂の頭をグリグリなでたり、風呂場では八千穂に姉の背中を流すよう言ったりするなど八千穂好きな様子。
能力は『足手荒神(おおいなるもの)』。人をつかめるサイズの浮遊する巨大な両腕を操る、念動力のような能力。力を落とせば不可視にすることも可能であり、掴まれれば常人では脱出不可能。召喚した手を盾として扱ったり、手に乗ることでさながら筋斗雲のごとく飛行したりすることも可能。手を破壊されても、消耗こそするが新しい手を生み出すことが出来る。


  • (あずま) 海桐花(とべら)
身長:155cm。誕生日:11月21日。血液型:A型。
九番組隊員。風舞希の母・日万凛の祖母であり東家当主。祖母ながら見かけは中学生程度の少女。ギャンブルなども好む豪快な性格。
能力は生命力を司る『東の星霜(うたかた)』。
詳細は項目参照。


  • (あずま) (ほまれ)
身長:158cm。誕生日:9月19日。血液型:B型。
九番組隊員。東家の分家の女性。特に目が悪いわけではないようだが、眼帯と露出度の高い中二病っぽいパンクなファッションが特徴。見た目と違ってプログラムが得意でデータ収集するタイプ。
能力は、自分の行動を脳内で予約入力することで、その予約通りに超絶強化された動きが出来る行雲流水(パイソン)』。
詳細は項目参照。


十番組

担当区域は魔都中央。その拠点は魔防隊の総本部でもあり、現世への門も三つある。組長は、魔防隊総組長を兼任する。
魔都全土を監視する役目を担い、異常があれば受け持ち地区の組に伝達する。例外として、醜鬼が出やすい二番組と七番組には専門の索敵係がいる。

  • 山城(やましろ) (れん)
身長:162cm。誕生日:2月11日。血液型:O型。
魔防隊総組長兼十番組組長。黒い長髪に、紐を花の形をした飾りを髪の左につけた美女。
詳細は項目参照。


  • 備前(びぜん) 銀奈(ぎんな)
CV:吉田有里
身長:159cm。誕生日:6月30日。血液型:B型。
十番組隊員。ギャル。口癖は「激~」。
魔防隊の大ファンであり、隊員や組長からサインを貰って集めることが趣味で、組長の戦う姿を見ることが大好き。自身の能力から、組同士の交流戦での審判を務めることが多い。総組長である山城恋のことを尊敬している。
この世界の女性の例に漏れず男に興味が無く、七番組にいた優希に対して当初は冷めた目で見ていたが、日万凛&優希スレイブvs八千穂の試合と襲ってきた醜鬼の軍団を蹴散らしたスレイブの姿を見て名前を覚え、戦いが終わった後優希に頼んでサインを貰った。
能力名は『会員制闘技場(ギンナクラブ)』。自身が口紅などで地面に引いた線を境として、結界が発動する。この時、紙に署名しておいた者は結界内に入ることができ、署名した者同士の戦闘は、結界内であればどんな傷でも銀奈は治療できる。この能力により銀奈は訓練や交流戦で引っ張りだこになっている。銀奈自身は魔防隊を間近で見られるこの能力について「桃の能力は本人の気質や素養で決まるという説に激同意」と思っている。結界の強度は触れた醜鬼を粉々にしてしまうほどで「醜鬼1000匹が来ても壊れない」と評判であり、銀奈曰く「こー見えて身持ちは固い」。アニメ1期4話では、名前を紙に書くのではなく、板に書いて地面に埋めることで能力が発動している。


人型醜鬼(ひとがたしゅうき)

顔以外の黒い肌など、知性を持った人間の女性の姿をした醜鬼。七番組との交戦で存在が判明した。
その正体は、魔都災害により魔都に迷い込んだ桃をまだ食べていない女性が、そこで醜鬼から逃げようと桃を食べた結果、ごく稀に桃の力が暴走して肉体が醜鬼のように変化してしまった姿。肉体の身体能力や回復力も高くなっている。ココ曰く「性格はちょっと凶暴になった」とのこと。
現実ではなく魔都で桃を食べると、稀に桃の力が暴走してこのようなことが起こってしまう。魔都の瘴気が原因というのがとりあえずの仮説だが、人に戻す治療法も確立できておらず未知だらけ。
原因が不明のため、世間に公表もされておらず、その解明をすべく極秘裏に確保された一部が陰陽寮で人体実験をされていた。衣食住こそ保証されたがプライバシーもなく時に体を傷つける人体実験もあって彼女たちの一部は逃げ出し、桃もほぼ生えていない魔都の端にある地下の洞窟「隠れ里」で20人ほど生活している。
その後、陰陽寮やおそらく事情を知っている魔防隊上層部を恨んで、邪魔になるであろう魔防隊を撃破しつつ陰陽寮に囚われた人型醜鬼全ての解放と陰陽寮を潰すことを目標としていた。
「呪いにかかっている」状態で解呪能力者の力があれば一瞬だけ人の姿に戻れる他、逆に言えば半分は醜鬼のため、数に限度はあるが力で屈服させる事で醜鬼を従える事ができる。
戦闘を行える能力者は、劇中時点で約20人のうち、青羽・波音・ココの3名のみ。

  • 和倉(わくら) 青羽(あおば)
CV:楠木ともり
優希の姉。6年前、魔都災害に巻き込まれて行方不明になってしまった。
優希の事を溺愛しているブラコンであり、桃によって女性優位社会になってしまった現代で優希を立派な男に育てるため、甘やかさずあえて厳しく、プロレスで罰を与え上手くいったら抱きしめる飴と鞭のスパルタ方式で細かいことまで気が利くよう家事能力を鍛えあげた。幼い頃は弟と多摩川でよく遊んで弟を泣かしていたが、それでも弟は姉の後ろをついて行くお姉ちゃんっ子だった。
優希の前以外では「どこに出しても恥ずかしくない自慢の弟」と弟のことをいい、優希との再会時には感極まって「千兆点のイケメン」と絶賛している親馬鹿ならぬ姉馬鹿。アニメ1期9話ミニコメンタリーでは「来世もあらゆる輪廻の中でも姉として優希を守る」とまで述べており、10話ミニコメンタリーでは優希の思い出を日付と時間帯も含めて正確に覚えて語っている。
性格は「絵に描いたようなガキ大将」だが、面倒見の良さもあって仲間達から慕われている。頭も悪いわけではなく、天花の能力をある程度推察したり、ミニコメンタリーではココと波音の戦闘能力について客観的に評価している。
魔都災害に遭い行方不明になった後、生き延びるために桃を食べた結果人型醜鬼に変貌。暴走具合がひどかったため、己を制御し理性をとどめるために数年間魔都で潜伏していた(10話ミニコメンタリーでは「優希との思い出を毎日毎日プレイバックして耐え抜いた」と振り返っている)。安定した頃、陰陽寮から逃げ出したココと波音たちと遭遇。彼女たちをまとめ上げ、人型醜鬼のリーダーになり、まだ人型醜鬼の研究・実験をしているであろう陰陽寮への襲撃と仲間達の解放のために準備をしてきた。体については、仲間にいる解呪能力者の力を増幅させる能力者を見つけることで元の体に戻ることを考えている。
パワーとスピードを兼ね備え傷もすぐ治っていく回復力を持つ強靱な肉体に加え、口からビームを発射できる。また、弟が傷つけられた場合は怒りでパワーアップする。
桃の能力名は『我は姉なり(インヴィンシブル)』(アニメ1期11話にて判明)で、髪を自在に伸ばし操るもの。髪はしなやかかつ強靱で、髪を操作して大型の醜鬼を引きちぎったり京香と剣戟をしたりする他、硬質化させて刺突したり、髪をちぎりながら弾丸のように射出したりも出来る。
人型醜鬼になった後は、普通なら危険な魔都の桃を複数食べてもエネルギー源として使えるようになり、そうすれば五感強化とパワーアップが可能。アニメ1期11話おまけ『教えて!寧先輩!』によれば、桃を食べてのパワーアップは制御が難しく、人型醜鬼の仲間でも青羽だけが扱えるとのこと。
醜鬼「一本角」に乗って優希と京香の前に現れ、京香が従える鬼が優希であると直感で気付き、驚いて撤退。再び作戦を立てて、優希を拉致して隠れ里へと連れ帰り、改めて再会を果たし、人型醜鬼と陰陽寮の真実を話す。そして、前哨戦として優希を追ってきた七番組・六番組と対面し、優希の懇願で陰陽寮のことを京香達に話す。だが「組織の歯車を信じても意味は無い」として七番組と協力する気は無く、出雲天花に「優希くんとお付き合いをする六番組組長の出雲天花です」「お義姉さん」と言われて怒りながらも天花と激突するも、追い込まれた自身に攻撃できたはずの天花が攻撃の手を緩めてしまったことで勝利。天花が手を緩めた理由が「仕留めてしまったら優希君が悲しむと思ったら攻撃できなかった」と言われ、天花のことを認めた。天花「お義姉さん…」
その後、八雷神の襲撃でココと波音がさらわれ、配下だった醜鬼達も全滅したことで陰陽寮襲撃を諦め、他の隠れ家で残った非戦闘員の仲間達を守るために行動中。天花が時々生活物資の運搬と優希の話をしに来てくれており、天花と仲良くなった。横浜に八雷神の空折が暴れていた際、空折の能力からココ達との関係を推察した天花に誘われて参戦。空折撃破後に、ココ達を取り戻し、天花の手でひそかに魔都の隠れ家へ帰還した。
4巻ライナーノーツによれば、初期案では魔防隊の一員だったとのこと。


  • 湯野(ゆの) 波音(なおん)
CV:日高里菜
身長:165cm。誕生日:1月25日。
「美しい」「美しくない」などが口癖の美女。美を追究しており、人型醜鬼となってしまった自分の姿も美しいと思っている。小さい頃から、ませていて美しさを追求しており、大人になってからはモデルをしていた。桃については「老いてから食べれば美への執念から若返る能力を得られるかもしれない」ということで食べていなかったが、3年前に魔都災害に遭遇。魔防隊の救助も間に合わずに醜鬼に追いかけられ、目の前に桃の木があったため生き残りたい思いで桃を食べたところ桃の力が暴走し醜鬼を撃退。
発見されて専門病院に運ばれた後で「兆候」が見られたため陰陽寮に保護され、自分の体が未知の人型醜鬼に変貌していることを告げられる。「治療法どころか何も分かっていない人型醜鬼の研究」に強制的に協力させられ、衣食住こそしっかりしていたが監視の下実験動物のように扱われており、偶然能力に目覚めて脱走し、青羽達と出会った。以降、陰陽寮の影での研究について公表を試みたこともあったが、陰陽寮の権力によって握りつぶされてしまったという。
人型醜鬼になって目覚めた能力は『隠された美(ヒトリシズカ)』。物や人を問わずどんな物でもその中に潜むことが出来る潜行能力。ただし、激しく動いているものに潜るのは苦手で、そのため敵の攻撃をすり抜けることは出来ない。潜んでいる物体を破壊されると潜行していた自身もダメージを受けてしまう。隠れたところから剣を用いて敵に奇襲するのが得意技で、八千穂の能力で時間を巻き戻されてしまったが、醜鬼との連携で一度日万凛の殺害にも成功している。アニメ版では慎重さが増しており、日万凛と八千穂の能力を把握するまで観察していた。アニメ1期10話ミニコメンタリーでは青羽に「ココと違いクールに戦えるが、慎重すぎて勝機を逃すかも」と評されている。
隠れ里にさらった優希を追ってきた六番組・七番組との戦いで、醜鬼「アクラ」との連携で日万凛・八千穂と戦うが、姉妹の連携により時を巻き戻した八千穂によって居場所を暴かれて日万凛の集中砲火を受けて敗北。
その後、ありったけの醜鬼を囮にしてココと共に青羽の所に向かうが、突如現れた八雷神の紫黒と壌竜に囚われてしまい、空折に波音と共に取り込まれてしまった。
横浜にて京香と優希によって空折が撃破された際にココと共に救出され、出雲天花の手で青羽のいる魔都の隠れ家に帰還した。


  • 銭函(ぜにばこ) ココ
CV:千本木彩花
身長:153cm。誕生日:4月8日。
青羽の仲間の少女。青羽を強く慕っており、「青羽(ねえ)」と呼ぶ。明るく活発で江戸っ子的な性格。面倒見も良く、傷ついた優希の体を見て自分の能力で治療した。その分、仲間の人型醜鬼を研究で傷つけた陰陽寮への怒りは強い。「熊童子」と名付けた醜鬼と仲が良い。アニメ1期9話ミニコメンタリーでは自分の半生について「北海道生まれだったが、ろくでもない幼少期だった」と振り返っている。
力自慢。唾液には治癒能力があり、簡単な傷なら治ってしまう。桃の能力名は『水も滴る風雲児(ココジュース)』(アニメ1期10話にて判明)。体表にヌルヌルの液体を分泌することができ、大抵の打撃の無効化が可能。ただし斬撃まではさすがに無効化できない。アニメ1期10話ミニコメンタリーでは青羽に「強いが、頭に血がのぼりやすく、そうなると攻撃力は上がるが隙も増える」と評されている。
波音と同じく陰陽寮から脱走した様子。隠れ里にさらった優希を追ってきた六番組・七番組との戦いで駿河朱々若狭サハラと交戦。熊童子を率いて渡り合うが、熊童子が朱々に撃破され、自身もバラバラになった熊童子の牙を持ったサハラの斬撃を受けて敗北。
その後、ありったけの醜鬼を囮にして回復した熊童子と共に青羽の所に向かうが、突如現れた八雷神の紫黒と壌竜に囚われてしまい、空折に波音と共に取り込まれてしまった。
横浜にて京香と優希によって空折が撃破された際に波音と共に救出され、出雲天花の手で青羽のいる魔都の隠れ家に帰還した。


八雷神(はちらいじん)

醜鬼達を従える8体の存在。自分達を「神」・人類を「廃れ者」と称し、人類を滅ぼす事を目標と語る。魔都内のどこかを拠点にしている様子。
劇中初登場時点で6体いたが、3体は別行動中。7体目が人型醜鬼を餌にして生み出され、『東の晩餐』中に8体目を生み出した。
6体は女性型の姿をしており、2体は鎧を纏ったような異形の姿をしている。先に生まれた者は「姉」と呼ばれるなど姉妹のような関係で仲が良い。
全員が全力形態の奥の手を持つ。更に、魔防隊総攻撃後には“清めの日”によって戦力を跳ね上げる予定。

その名称から、モチーフは日本神話においてイザナミがイザナギを殺そうと生み出した8柱の蛇の姿をした雷神と思われる。

  • ()(こく)
CV:杜野まこ
身長:161cm。誕生日:謎。血液型:謎。
リボンをつけた長髪に、髪の先端がいくつもの蛇の頭になっている外見は人間の少女型の八雷神。一人称は「僕」。極めて慎重に動く策士。飛行こそ出来ないが、自身の周囲に展開した黒い液体を介して様々な能力を行使する。
詳細は項目参照。

  • 壌竜(じょうりゅう)
CV:生天目仁美
3巻記載設定身長:168cm(だが、劇中では紫黒や青羽よりかなり高い)。誕生日:謎。血液型:謎。
外見は大柄な美女で、二本の角とビキニ水着のような露出度の高さ、褐色の肌ととがった耳に巨大な翼が特徴。
無口で無表情。八雷神の中では性格温厚。人間に興味はない様子で、紫黒の指示に従いつつ淡々と人間を滅ぼすための任務を果たそうとする。普段は陽気な紫黒が実は“寛大”ではないと内心思っている一面も。
自分を慕う空折のことは内心大切に思っており、彼女が死んだ後は静かに涙を流した。その後は魔防隊への即時報復に賛成するなど、激情をみせている。仲のいい紫黒には慎重策を提示した自分に賛成しなかったことを若干根に持たれた。
和倉青羽の髪によるとっさの攻撃でも腕に傷一つつかない防御力に加え、地面を足で踏みつけるだけで衝撃波を発生させ魔防隊隊員達を吹き飛ばす・無窮の鎖(スレイブ)(ころし)(きば)を一蹴するなど、圧倒的な強さを誇る。普通は触れることができない『殺牙』のマーキングすらあっさり破壊可能。腕を硬化させて敵を殴る技「地殻竜拳(ちかくりゅうけん)」を持つ。


  • 雷煉(らいれん)
CV:くじら
3巻記載設定身長:175cm(だが、劇中では紫黒や天花より頭二つ分以上高い巨漢)。誕生日:謎。血液型:謎。
仮面をつけたような顔をした大男の姿をした八雷神。
性格は好戦的・高圧的・短気で、人間を「廃れ者」と言って見下している。一方で遊んでいる紫黒に仕事について言うなど真面目。
短気で魔防隊への総攻撃を当初主張していたが、慎重派の紫黒の指示には渋々ながらきちんと従うなど協調性はあり、戦闘時には東八千穂を一目見て「予知していた動き」と評し「怪しい動きをしているから」と腕を攻撃したりするなど頭は回る。
「醜鬼1000匹が来ても壊れない」と評判である銀奈の『会員制闘技場(ギンナクラブ)』の結界を頭突き一発で破壊してしまうパワーの持ち主。
肉体は「鋼のごとく硬い」と自慢する防御力を誇り、スレイブの大技でも傷一つつかないほどで、単身で七番組を圧倒して見せた。
攻撃面では、天から降ったり手から放ったりする雷と、口から発射する火球を武器とするパワーファイター。劇中では、東八千穂による時戻しで阻止されたが、日万凛を一瞬で葬って見せた。雷煉の性格とその攻撃力も相まって、敵の生け捕りには不得手。ただし壌竜と違い飛行は出来ない。
また、天花との戦いでは慢心や相性から惨敗しながらも、「あの後も戦えたわ」「歯ごたえはあったが勝てる相手だ」と自分を助けた紫黒に文句を言っており*6、全力形態は、自身が真っ二つになっても、人が指先程度のサイズに見える禍々しい大巨人となるというもの。触手や炎・雷・目からのレーザーを放ち、再生力も尋常ではない。通常形態でも歯が立たなかった京香を更に追い込んで見せている。大技は自分の体躯に匹敵する超巨大な火球を生み出す『(ほの)(いかずちの)大珠(おおたま)』。
七番組と六番組の交流戦を紫黒達と眺めており、紫黒の提案で敵の主力である魔防隊組長の力を試すために出雲天花と交戦。しかし、「攻撃を瞬間移動で回避される」「身動きがとれない空中に転移させられる」「装甲を無視できる空間ごと切り裂く攻撃」など防御力とパワー自慢の雷煉には相性最悪であり惨敗。切り裂かれる寸前に紫黒に救出され撤退した。
この戦いにより組長の力が油断できないと分かったため、紫黒の判断で八雷神は全員そろってから魔防隊と戦う方針に決まった。
修行空間『桃源郷』には、月夜野ベルに変身した伏摩のカードに封印される形で同行。伏摩の正体が露見した後、姿を現し七番隊と交戦。伏摩と分断されながらもその硬さで七番組を圧倒。朱々・日万凛が捨て身で時間を稼ぎ、京香とスレイブの大技で全力形態を引き出されるが、全力形態で京香を蹂躙。それでも諦めず全力形態にもあらがおうとする京香に気を取られすぎた・他の人間を侮りすぎた結果、ベルの能力で『命』を奪われ敗北。戦闘中に優希に少しだけ破片を食べられていたこともありその魂は、ミニサイズとなって優希の精神世界に出現した。


  • 空折(くうせつ)
角が生えた美少女の姿をした八雷神。
取り込んだ者の能力と性格を受け継ぐ特徴があり、ココの姉貴分を慕う性格から紫黒を「紫黒(ねえ)」と慕うようになり、波音の性格から美しいものにこだわるようになった。
空腹になれば、また生きた人間を食べることができ、桃の能力を持つ者(死者は不可)を取り込めば、その者の能力を使用できる。そのため、生まれた時点では八雷神最弱ながらも結果として無限に強くなれる特性を持つ。
詳細は項目参照。

  • 鳴姫(なるひめ)
全身に雷を思わせる意匠を身につけた紐ビキニ姿の若い女性。一人称は「余」。
竹を割ったような性格で、空折の死後落ち込んでいた壌竜を叱咤激励した。普段から声が大きい。

  • (ふく)()
変身能力を有しており、見た目は特定の人間そっくりになることが可能。ただし記憶を読み取ったり桃の能力をコピーすることは出来ないため、伏摩は人間観察して癖・しぐさ・口調を覚えてから変身している。
平時は褐色に肌色を変えて魔防隊総組長である山城恋と同じ姿をよく取っている。審美眼は人間と同じようで、山城恋やワルワラら見目麗しい組長の姿について本人曰く「綺麗でお気に入り」だが、雷煉には呆れられている。本来の姿はスライム型。
若雲の次に若く、紫黒を「紫黒姉」、空折を「空折姉」と呼んでいる他、雷煉のことは呼び捨て
潜入に活かせる能力を持つだけあって他人の真似も上手で慎重派な性格。空折によると本来はおとなしい性格だが、人間を前にしたときは自分を鼓舞するためか悪辣かつ攻撃的な態度をとっていた。
「潜入型」ゆえ戦闘は性格的にも能力的にも本来不得手の様子。しかし肉体を自在に変形・分離することができ、羽前京香による不意打ちの一太刀ですら両断できないほどに肉体は強靭。
全力形態では頭に光輪をつける。光輪からは雷を放つことができるが伏摩は苦手にしている。それゆえ四肢などを鎌や刃の触手に変えての斬撃戦を行う他、自身を分裂させて生み出した分身を戦わせることも可能(力は分裂した分だけ落ちる)で、分裂が容易なので単純な斬撃では倒せない様子。腕をドリルに変えたり、体を小さく変形して攻撃を回避したりしたことも。劇中では雷煉との連携で、突っ込んできた魔防隊組員3名を瞬く間に肉塊に変えて見せた。
技として分裂させて生み出した動物を使役する「神使変化」、奥の手として自身を槍に変化させて相手を貫く切り札「神器変化 天沼矛(あめのぬぼこ)」を持つ。「天沼矛(あめのぬぼこ)」は雷煉・鳴姫・大極ならば十全に使いこなすことができ、本来は他の八雷神に武器として使用してもらう想定なのかもしれない。
空折死亡後、八雷神会議を経て紫黒の発案で、神奉者達が攻撃を仕掛けた隙をついて三番組に潜入。ベルに致命傷を負わせてカードに封印し彼女に成り代わる。修行空間『桃源郷』にて魔防隊隊員たちの暗殺を狙うも、空折の魂を宿した優希がわずかな違和感を覚え正体が露見してしまい、ワルワラの能力『高遠なる大聖堂(パンテオン)』で仲間の雷煉と分断されて八番組と対決。『高遠なる大聖堂(パンテオン)』の能力で自身は焦げるような不快感を味わいつつワルワラ達の能力が強化されてしまう。それでも八雷神としての底力でワルワラを追い詰めたが、最後はワルワラの能力で顕現していた京香像による“概念能力”が付与された特殊な一刀両断により敗れ去った。
潜入中、優希とキスして体液が混ざったことで、その魂は死後優希の精神世界に出現し図らずも空折と再会した。

  • (じゃく)(うん)
東の晩餐の時期に生まれた八雷神の末っ子。フルフェイスのヘルメットをかぶったかのような異形の姿をしている。
冷静沈着であり、空折死亡後の八雷神会議では、即時報復を主張する雷煉達と慎重策をとろうとする紫黒を見て折衷案を提案した。
一方、八雷神の中でも特に苛烈な性格の持ち主。
なんらかの研究をしており、紫黒が勧誘して配下に加えた人間たちを強化改造して戦力にするなどした。生まれたばかりという事もあり、己の呪いを改良すべく研究することに余念がない。


  • (たい)(きょく)
長女に当たる存在。普段は“母”の側に居るため動けない。「天叢雲剣」を思わせる大剣を所持している。
空折を失ったことで自責している紫黒にあえて罰を下し「以後空折のことを引きずるな」と言うなど彼女なりに慮る一面も。


神奉者(しんぽうしゃ)

八雷神に従う「元」人間。
紫黒が、組長出雲天花の力を目の当たりにしたことで現状の戦力による強硬策を避けて慎重策を選択し、人間たちに接触しはじめたことで生まれた。
紫黒は情報収集役やからめ手として運用を考えていたが、八雷神“若雲”により人体改造されて人間を超えた力を手にしている。醜鬼のような強化体となって戦うことが可能。
が、その対価は当然八雷神の兵隊として働くこと。敗れた場合は情報を漏らさないようそのまま自死する呪いが若雲によってかけられている。
空折死亡後、魔防隊を急襲。しかし組長達に返り討ちにされて敗れた。
時間稼ぎに特化した能力を持つ者もいたが、魔防隊総本部を攻撃した際に山城恋に瞬殺されている。

  • 下村(しもむら) (ゆめ)()
魔防隊七番組先代組長。武闘派で知られていた。喫煙者。本人曰く「ドブの中で生きてきた」なほど恵まれた育ちではなかったため、人間に対する不信感に加えて出世欲・権力欲といった上昇志向が強かった。魔防隊ならば実績を重ねれば出世できることもあり入隊。敵を侮りやすい悪癖がある。
元々は姉御肌なタイプで羽前京香の経歴を気に入って指名して七番組に入れた。新人だった京香を鍛え上げて副組長にまでしており、相性は悪くなかった。夢路はよく京香を飯に連れて行っており、京香は彼女のためにいくつかの手品(力技)といった宴会芸を身につけている他、夢路からプレゼントされたライターにより火つけ係を任されていた。
しかし、大川村寧の加入もあって実績を重ね続けてしまった結果、今以上の地位を目指そうと野心が増長。功績を増やそうと部下に無茶な命令を出してしまい、そのことを危惧した京香に何度も具申・諫言されて、苛立った夢路は強化を引き下がらせようと本気ではなかったものの「負けた方が魔防隊を去る実力勝負をするか?」と返してしまう。部下達を守るため京香はそれを受諾し決闘に。夢路も侮りに加えてさすがに京香に対して本気を出せなかったこともあって彼女に敗れて組長の座を失い魔防隊を去ることに。
その後、紫黒からの勧誘を受けて八雷神の配下となる。空折死亡後、八雷神の命を受けて多々良木乃実を襲撃。木乃実を追い詰めるものの木乃実とスレイブの合体を前に敗北し敗走。京香に対して八雷神の手下になった理由を問われて「誰もアタシを見てなかった世界だ。アタシだって世界を見ない。それだけさ…」と本心を吐露するが、京香にかつて自分があげたライターを差し出されて京香は自分を見てくれていたことに気づき、自嘲。
八雷神の制裁を受けて重傷を負うが、自分の能力によりかろうじて生存。神奉者で唯一の生存者となるも、昏睡状態が続いており陰陽寮で治療を受けている。
能力名は『暴君の勅令(インペリウム)』。念動力。自身の飛行はもちろん、簡単な念なら敵を金縛りにしたり巨大な岩塊を動かしたり、敵の首をねじ切ることも可能。ただし「念」であるため気合を込めればある程度の抵抗はできるほか、集中力が切れると念動力も切れる。また、瀕死の状態でも念動力で自分の臓器を動かして生き延びてみせたことも。
過去に京香が夢路と決闘した際は、夢路の侮りに加えて夢路が本気ではなかったことや、気合で念動力を耐えつつ骨を折られてもゴリ押しで突破して勝利した。
神奉者となった後は、八雷神に電気を放つ錫杖を与えられたほか、本気を出せば若雲の改造による肉体変化で異形の姿になり、格闘能力はもちろん念動力の出力も上がる。

  • 阿南三姉妹
神速の飛行能力と「()命液(めいえき)」という溶解液を持つ者、鋼の肉体「神鋼体(しんこうたい)」を持つ者、人型の者の3人。元組長である夢路に近い屈指の実力者たちで三番組を壊滅寸前に追い込んだ。
三番組を襲撃して隊員達を瞬く間に撃破しベルをギリギリまで追い詰めるも、救援に現れた山城恋には歯が立たず全滅した。

◆特殊醜鬼

まれに強力な能力を持つ特殊な姿の醜鬼が存在する。

  • 一本角(いっぽんづの)()童丸(どうまる)
巨大な一本角と鎧を着たような筋骨隆々の肉体が特徴の醜鬼。京香は「一本角」と呼び、青羽は「鬼童丸」と名付けた。
再生力と言った特殊能力はないものの、パワーはかなりのもので八雷神の紫黒も「なかなか強い」「隊長格でも苦戦すると思うなぁ」と評したほど。
かつて月山(がっさん)大井沢(おおいざわ)事件を引き起こし、京香の家族や友人達全てを殺害した京香の仇。
その後、優希の姉である青羽に従えられていた。しかし、人型醜鬼を捕獲に現れた八雷神の紫黒の能力によって青羽の支配下を離れて凶暴化。京香&優希スレイブと戦うが、本気を出した二人に圧倒され、京香によって粉微塵に切り刻まれて死亡した。
アニメ版ではCGモデルで描かれており、そのためか表情のない骸骨のような顔面に変更されている他、尻尾が追加されて化け物度合いが増している。11話では、紫黒の蛇にかまれて凶暴化した際に筋肉を肥大化させて鎧を外している。12話では四足歩行でトカゲのような化け物の姿になる強化体を披露した。


  • 熊童(くまどう)()
銭函ココに懐いている熊のような姿をした大きな醜鬼。巨人化した朱々の攻撃でもダメージを与えられない硬い体と、バラバラになっても復活できる高い再生力の体が特徴。
ココには「熊」の愛称で呼ばれておりココに対しては従順だが、魔防隊のデータにも登録されている凶悪な個体であり、8年前に鹿児島で暴れ回る魔都災害を引き起こし逃走した過去を持つ。
銭函ココに従えられて、優希を追ってきた朱々とサハラを足止めすべく戦うが、小型化した朱々を口の中に投げ入れられて体内で巨大化されたことには流石に体が耐えきれず体が爆散して敗北。それでも持ち前の再生力で復活し、ココ・波音と共に青羽の元に向かうが、壌竜との戦いで蹂躙され、ココと波音がさらわれた後は姿を消しており行方不明。


  • アクラ
湯野波音に従っている醜鬼。仮面のような顔、六本の手足、マントを羽織った体が特徴で、弓矢や槍を扱うなど知能が高いが、八千穂の銃には耐えられないなど耐久力は並。
波音に従えられて、優希を追ってきた日万凛と八千穂を足止めすべく戦うが、波音が敗れてしまい八千穂の銃撃を受けて死亡した。
その後、死体は八雷神の紫黒に回収されて紫黒の手で強化改造。四肢の戦闘能力向上の他、空折の人間生け捕りのために人間を保護保存する力を持つ特殊な糸を吐けるようになった。現世での空折が人間を食べて新たな能力を得るために人間をさらう任務に同行し、その能力で人間を生け捕りして保存していた。しかしアジトが魔防隊にばれてしまい、上運天美羅に対して人質で対抗しようとするも美羅の能力に翻弄されて人質を奪還された挙げ句タコ殴りにされて粉砕された。


  • 三吉鬼(サンキチオニ)
八雷神の空折が従えていた特殊醜鬼。二本角都筋骨隆々の上半身に芋虫のような下半身が特徴。肉体強化された上運天美羅のパンチに耐えられるほどタフ。ダンゴムシのように丸まり、ウニか栗の殻のごとくトゲをはやしてタックルすることも可能。紫黒も「魔防隊隊員では倒せない強さ」と太鼓判を押している。
空折が3人目の人間を食べたくなったため、その補佐として現世に同行。アジトが警察と魔防隊にばれてしまったため、京香や美羅達と交戦。最期は京香に一刀両断されて死亡した。

  • 超巨大醜鬼
横浜決戦で空折が魔防隊相手にカードから召喚した奥の手。ビル並のサイズを誇る巨大な頭部と腕が特徴。
「叫び声が超音波となって範囲内に無差別破壊をもたらす」強力な能力を持っていたが、その大きさゆえに山城恋の超遠距離砲撃で一撃の下に散った。

  • 金平(こんへい)鹿()
小説『魔防隊日誌』2章に登場。土中に素早くもぐることができ、すぐさま逃げるその狡猾さでなかなか討伐出来ず七番組を苦戦させる。三日毎に現れる習性を持つ。口からは水圧レーザーを放つ。


◆警察

桃の能力を得た女性による能力犯罪もあるため、能力犯罪用の特殊部隊が編成されている。
そのためか、警察も能力を得た女性中心となっている。

  • (あずま) 空子(そらこ)
東家の分家出身。能力の優秀さを見込まれて本家の養子となった一人。東風舞希は義妹となる。やせた青年にも見える容姿が特徴。
優秀な風舞希のことを嫌っており、東家当主決定戦『東の晩餐』では竹美と弓奈と組んで対策を立てた上で風舞希と闘うも、圧倒的な成長を遂げていた風舞希と麻衣亜の前に敗北。
『晩餐』後に風舞希が新当主となり、風舞希は前当主の海桐花をぶちのめしつつ過度に加熱していた東家の競争といきすぎた実力至上主義を改めること・分家との関係改善していくことを宣言したため、風舞希の恐ろしさに少し引きながらもそれを承諾した。
現世での女性誘拐事件の際には竹美達と共に捜査を担当。八雷神らしき者が容疑者だとつきとめ、魔防隊の美羅と京香に連絡を行った。

  • (あずま) 竹美(たけみ)
東家の分家出身。能力の優秀さを見込まれて本家の養子となった一人。東風舞希は義姉妹となる。がっしりしていて麻呂眉が特徴。
花札を武器とする様子。
第二回人気投票では、107票を獲得し28位となるなど、その見た目からネタ枠として票を集めた。

◆その他の人物

  • 大川村(おおかわむら)博士
魔都災害で両親を喪った大川村寧を引き取った博士。魔都研究家であり、寧が小学生の段階ですでに桃を食べているのは彼女によるところが大きい。
寧によれば忙しくて家事に手が回っていない人とのこと。



  • (あずま) 弓奈(ゆみな)
東家の分家出身。能力の優秀さを見込まれて本家の養子となった一人。日万凛や八千穂達とは義理の姉妹関係。細目とオールバックが特徴。
弓矢を武器とする様子。
東家当主決定戦『東の晩餐』では竹美と弓奈と組んで風舞希を狙撃で狙うも、麻衣亜に仕留められた。
『晩餐』後、新当主となった風舞希がいきすぎた実力至上主義を改め、愛を持って誉と弓奈を鍛え直すと言ったことには喜んでいた。

  • 儀部(ぎぶ) 加奈女(かなめ)
小説『魔防隊日誌』に登場。岐阜県在住。羽前京香の刀を打ってくれた能力者。父の仕事を継いで刀鍛冶をしており、武器を造ることを生きがいとしている。能力は「造る刀の質を跳ね上げる」ものであり、醜鬼を倒すことも可能となる。
魔防隊のために折れないような刀を打って支給してくれているのだが、魔防隊入隊早々京香が大きめの醜鬼を斬った際に彼女が仕上げた刀を普通に折ってしまう。京香の頼みもあり、彼女のためにとびきりの念を込めて最高の刀を仕上げた。

  • 諏訪(すわ)
CV:山下誠一郎(「男子生徒A」表記)
小学生時代から高校までの優希の友人。
小学生時代は、優希に「俺のこと無視しやがって」と喧嘩になった(当時の優希曰く「諏訪が悪口言ってくるからだろ」)こともあった。


  • 服部(はっとり)
CV:利根健太朗
優希の高校生時代の友人の男。4巻収録番外編「スレイブの願い」では、すでに就職している。
第一回人気投票(4巻収録)では、なぜか若狭サハラや八雷神を破って第9位にランクインしていた。
2021年12月に行われた第二回人気投票では、21位にランクインしサハラや銭函ココや多々良木乃実を撃破するなど完全にネタ枠である。
バクマン。の服部哲に顔が似ていたり。

【人気投票】

特設サイトにて、1日1回投票可能形式で実施。

連載1周年を記念して、第1回キャラクター人気投票を開催。2020年1月4日~2月4日(27~29話人型醜鬼編)にて集計し、31話掲載の2月29日に結果を発表。

アニメ化決定を記念して、第2回キャラクター人気投票を開催。2021年12月18日~2022年1月29日(74~77話横浜編)にて集計し、3月12日に結果を発表。

連載5周年を記念して、第3回人気投票を開催。キャラクター・バトル・ご褒美の三部門を実施。
204年1月27日~2024年2月24日(124話~桃源郷編)にて集計し、春に結果を発表。

人気投票 1位 2位 3位 4位 5位
第1回キャラ 出雲天花 羽前京香 東日万凛 駿河朱々 大川村寧
第2回キャラ 出雲天花 山城恋 上運天美羅 羽前京香 東風舞希
第3回キャラ
第3回バトル
第3回ご褒美


【アニメ版】

◇1期

制作スタジオはSeven Arcs。

2021年11月19日にアニメ化を発表し、2022年時点では2023年の放送と告知されていたがのちに延期を発表。
2024年1月より放送。

アニメラストではミニコーナー『教えて!寧先輩!』にて能力解説や補足説明が行われている。

dアニメストアでは、「ご褒美Ver.」も独占配信される。

アニメと連動して、インターネットラジオステーション〈音泉〉では『マトスレィディオ』が配信された。
YouTubeでは「アフレコアフタートーク」と「登場人物によるミニコメンタリー」を配信。

七番組と六番組の面々によるキャラクターソングも発売。

話数 アイキャッチ おまけコーナー
『教えて!寧先輩!』
(寧の恰好)
備考
1話「誕生、優希、目醒める」 木の棒を蹴って
修行する京香
無窮の鎖(スレイブ)』と京香の刀
(魔防隊服)
2話「興味、朱々、肌蹴る」 小さくなって牛乳風呂の
お椀に入る朱々
玉体革命(パラダイムシフト)』と寮のWi-Fi
(朱々コスプレ)
3話「遭遇、京香、猛る」 朱々の協力により
魔都でブランコをする寧
きっと見つける(プロミス)』(私服)
4話「旋風、日万凛、吼える」 お店で特盛ラーメンを
頼む日万凛
青雲の志(ラーニング)』(日万凛コスプレ)
5話「姉妹、八千穂、嘲る」 駄菓子を買ってきてもらい
喜ぶ八千穂
東の辰刻(ゴールデンアワー)』と
魔都陰陽道謹製の銃
(魔防隊服)
八千穂による
おまけ乗っ取り
6話「強襲、サハラ、煌めく」 目覚まし時計を
叩き壊すサハラ
怒れる羊(クレイジーシープ)
(羊コスプレ)
7話「共闘、天花、翔る」 優希から貰ったサインと
ツーショット写真を飾る備前銀奈
会員制闘技場(ギンナクラブ)
(ボクサーコスプレ)
8話「約束、寧、憶う」 お風呂に入る六番組 天御鳥命(アメノミトリ)
(魔防隊服)
銀奈がおまけに登場
9話「再会、ココ、舐る」 魔都で傘をさし身を寄せ合う
青羽・波音・ココ
魔防隊
(魔防隊の別服)
10話「開戦、波音、詠う」 ココのキノコ料理作りを
眺める青羽と波音
水も滴る風雲児(ココジュース)
隠された美(ヒトリシズカ)
(出番なし)
波音&ココによる
おまけ乗っ取り
11話「死闘、青羽、昂る」 ファッションショー
をする波音
我は姉なり(インヴィンシブル)
(和倉青羽コスプレ)
12話「帰還、新たな、決意」 魔都の空のオーロラを
眺める七番組
なし






追記修正は、京香さんに貸出をしてもらってからお願いします。

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最終更新:2024年03月28日 13:00

*1 内容は、「一騎打ち」「リング」「ラグボール」「羅倶美偉」などから組長が選ぶ。

*2 連載直前の作画担当ツイッター2019年1月分より。後に優希17歳の同級生が高卒して就職しているため時間が進んでいる可能性がある。

*3 同級生が4巻収録番外編にて就職している。

*4 「桃弧棘矢」(トウコキョクシ)は災いを払うという意味の四字熟語。

*5 4巻収録番外編で現世と魔都でも電話できることが描かれているため、美羅は必要に応じて連絡は取っている様子

*6 紫黒・壌竜は「醜鬼の軍勢が全滅したら負けでしょ」と諫めたが、雷煉の発言自体は否定していない。