脳人(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)

登録日:2022/04/05 Tue 09:49:25
更新日:2024/04/22 Mon 12:39:54
所要時間:約 34 分で読めるというお話


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お前も己の欲望に負け、この世の静寂を乱す者か……


脳人(ノート)とは特撮ドラマ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場する敵組織である。



讎りヲ(概要)

本作の敵組織で、人類とは異なる高次元の存在。
「イデオン」・「脳人レイヤー」という電子基盤に似たネオンサイン状の模様で彩られた人間世界の裏に重なって存在する異次元世界に住んでいる*1

スーパー戦隊の敵組織としては非常に珍しいことに、彼らは人類に対しての露骨な敵意や悪意、侵略の意志などは特に抱いていない。
そしてロンダーズファミリーアリエナイザー達異世界犯罪者集団ギャングラーのように私欲で悪事を働く連中というわけでもない。
というか彼らの住む世界は人間の持つ波動によって支えられているので、必要以上に人間に危害を加えれば彼ら自身の首を絞めることにもなってしまう。
なので興味本位で人間に関わる事はあれど、一般市民を無為に攻撃したりはしないし、それどころかソノイのように人命の大切さを語り積極的に人助けをするものまでいる。

また、一般怪人枠である欲望が暴走した存在「ヒトツ鬼」とは上司と部下の関係ではないというのも大きな特徴。
むしろ人間の過剰な欲望は脳人の世界を不安定にさせ、最悪の場合消滅させてしまう危険性まであるため、脳人の戦士達はドンブラザーズと同様彼等を討伐対象と見なしているのだ。
そのあり方は、いわゆる「悪の組織」というよりは、異なる価値観を持ち、ある程度の距離感を保って共存しつつも自分たちの都合で動いている「異種族の社会集団」という雰囲気であり、ドンブラザーズと敵対はしていても明らかな「悪」とは呼び難い。
人間界に大量のアノーニを忍び込ませているのも、侵略ではなく維持・監視活動といった事務作業の一環なのだろう。

…こう書くと悪の組織どころかヒーローにすら見えるが、問題は人間を欲望に振り回される下等な存在と見下し良くも悪くも「資源」としか見做していないということ。
そのためヒトツ鬼を討伐するために宿主の人間ごと消去するという過激かつ冷酷な手段を取っており、この所業にはタロウですら「そこまでする必要はない」という旨の批判をしている。
一方彼らは彼らでヒトツ鬼の宿主を消去せず人間に戻すことを「それでは無意味」と評しているほか、タロウをはじめ後述する「ドン王家」縁の存在であるドンブラザーズを粛清の対象と認識しており、相容れない間柄となっている。
「怪人を対象に2つのチームが争う」という構図は『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に近いが、
あちらはギャングラーという明確に倒すべき悪が共通の敵となっていたのに対し、ヒトツ鬼はほとんど不可抗力で怪人になってしまった一般人なので、それを問答無用で消去する脳人側の非情さが際立っている。

結局どうして彼らがヒトツ鬼を人間に戻すことを「無意味」と考えていたのか、やっぱり具体的に言及されることはなかった。
しかし考えうる一つの理由として、「元に戻った人間が再び欲望にかられてヒトツ鬼にならないとは限らない」ということが挙げられる。
つまり欲望が暴走する人間は生かしておくと何度も何度も懲りずにヒトツ鬼化してしまう場合があるので、ヒトツ鬼の存在が世界の存続そのものに関わってしまう脳人は「宿主を消す」という根本的な対処を重要視しているのかもしれない、ということである。
もちろん単なる子供向け番組における節制のメッセージ、あるいは天丼ネタなのかもしれないが、一概に脳人の冷酷さを非難はしづらいところはあるだろう。
脳人=純粋悪や単に人間を見下すだけものとしては描かれていないためなおさらに。

このように序盤はダークヒーローじみたシリアスな敵役として描かれていたが、話が進むにつれてコミカルで人間味のある振る舞いを見せるようになり、ドンブラザーズの面々とも各々が違う形で「縁」を結んでいった結果、
普通に仲良くなって一緒に食事に行ったり悩みを相談したりする友達みたいな間柄になってしまうという予想外の方向に関係が発展。
紆余曲折あった末、初期の敵幹部だった脳人三人衆はなんと全員そのままドンブラザーズ入りしてしまった。
最終的に戦隊と和解した怪人達は他にも少なからずいるが、表向き明確な敵対関係にあった敵幹部がその後戦隊メンバーと普通に仲良しになってしまったのは前代未聞と言ってもいいだろう。


譁?喧(文化)

桃井タロウがイデオンに招待された際は、お風呂・マッサージ・食事といったもてなしを受けたが、それぞれタロウ曰く(ぬる)い・力が弱い・味がしない」とあまりよくなかったようだ。
また、この時の食事が色のついた綿あめのような何かだったり、皆おでんを知らなかったりと食に関してはかなり意識が希薄な様子が見て取れる。
ただその他の生活面では
  • 「ファッションリーダー」という概念が存在
  • 元老院からちゃんと給金が支給される
  • カットされたシーンでソノイとソノシが「学生時代に生徒会長の座を賭けて対立した」ことが語られる
  • 葬式・弔辞・裁判・親切といった文化および概念が存在
といった描写から鑑みるに案外社会構造や娯楽文化は人間のそれと大差なさそうな雰囲気である。
ただし使用言語は一応日本語なのだが、書き文字になると一変文字化けしたような人間には一切の理解が不可能な文字を使用している。*2
ドン36話のソノイのメモ*3からするに一応公用語らしいが……ソノザは内容がポエミーすぎたのかまるで読めていなかった。なぜ漫画は読めるのか

遉セ莨夐嚴邏(社会階級)

本編に登場した名称と立場から推測するに、『元老院(>王家)>処刑人>監察官>戦士(≧ドンムラサメ)>アノーニ』の順で階級があるらしい。

元老院

演:今井靖彦/草野伸介
CV:飛田展男/辻親八

現在の「イデオン」の統治組織で、全ての決定権を持つ最高階級。人間界に脳人達を遣わしたのも彼ら。
裁判も元老院が行うようで、ソノシが語るところによると刑罰は懲役とかではなく「無限の床拭きの刑」らしい。どんな刑罰だ
「ドン王家」が異端とされた様に、元老院もまたイデオンの安寧のためなら、人間の生命そのものは重視せずエネルギー源としてしか認識していない。
……のだが、別に人間を操って管理している訳でもなく、脳人の戦士やアノーニを送り込んではいるものの彼らにやらせているのはヒトツ鬼の消去やドンブラザーズへの対応くらい。
その上波動によって脳人レイヤーを維持している人間達へのお礼として毎年クリスマスの夜には脳人の戦士達に持ち回りで「サンタ」として子供達にプレゼントを配るよう命じているなど、極端に悪辣な連中ではなさそうな振る舞いがちょくちょく見受けられる。

劇中では「長老」とされる2人が登場し、全身を軍服や着物に似た衣装で多い、頭からローブを被り顔にはヴェネチアンマスクで覆った底知れぬ雰囲気を醸す不気味な見た目。
脱走したドンムラサメの事も周知していたが、特別対応する事もなく、ソノイを連れてきた事にはその行いを賛美し褒美を与えようとするなど結構良心的。

ソノイの葬儀にタロウを招待するが、カツサンドに招待状を挟んで寄越したことについて文句を言われ、「責任を取ってあんた達が食え」と投げ渡されたカツサンド*4特に嫌がる様子もなく素直に口に運ぶ などどこかコミカルな面も。
しかし、タロウを招待した本当の理由はタロウを襲わせその力を略奪しソノイを復活させるためで、「最後の儀式」と称してバロンクロスを実体化させ、まんまとタロウ汁その力をせしめるという狡猾さも見せた。

ちなみにドン最終話の名乗りで登場したドンブラザーズのねぶたには「喫茶どんぶら」「シロクマ宅配便」「マザー」等協賛者の名前を掲げた提灯が多数出されていたが、その中にはなんと「元老院」と書かれたものもあった。
とはいえ、最後の敵であるソノナとソノヤも元老院の刺客なので、彼らがドンブラザーズの味方になったというわけではない……はず。


ドン王家/ドン家

その昔イデオンに君臨していた脳人の王家。
人間を資源としかみなさない脳人の風潮に嫌悪し、「人間との共存」を標榜。
人工生命体・獣人(ジュート)を開発したのも人間に依存することなく資源を得るためであった。
だが、それによる施作や行動が様々なトラブルを起こし、他の脳人達から反乱を起こされて滅亡した。
…と思われたが、実は跡取りとなる子供達を人間界に逃がしており、その子供達こそが桃井タロウと桃谷ジロウである。

脳人の中でも卓越した科学力を持っていたらしく、ドンブラザーズの装備は全てドン王家が生み出した物。
一方でいざという時のドンブラザーズに対するセーフティとしてドン・キラーを開発したりもしている。


「戦士」

劇中に登場する脳人達の階級(肩書き)。
見た目は人間に近いが、身に着けたブレスレットを操作することで怪人態へと変身する。
怪人態はいずれも鋭い目付きをしているが、全体的なビジュアルはヒーローを思わせるもので、共通して「脳人シールド」という盾を胸部に取り付けて武装している。
脳人レイヤーの設備を使いトリッキーな攻撃を仕掛けてくる事も*5
また、欲望を促進させて強制的にヒトツ鬼に変化させる力を持っている*6


脳人三人衆



清廉潔白完全主義、ソノイ!

美しい花には棘がある…愛を知りたい、ソノニ!

思い込んだら一直線、ソノザ!


脳人三人衆、見参!


本編開始時点から人間界でのヒトツ鬼狩りに従事していた3人の脳人達。それぞれが人間に対してある種の興味を抱いており、普段はその興味に沿う形で単独活動をしている。
一見するとまとまりのない連中のような振る舞いが多いが意外と仲間意識は強く、必要とあらば協力し、ソノイがタロウに倒された際には仇討ちに燃える姿を見せたことも。
当初は人間に興味を持ちながらも見下していたが、各自が一貫して追い求めた答えをそれぞれ見出していった結果、次第に心を通わせることが多くなり、最終的にはあまりにも人間に近づきすぎたことと監察官のソノシの謀殺未遂という割とシャレにならない罪を犯したことからドン王家と同じく脳人世界を追われる身となってしまう。
そしてドン46話での許しの輪による今まで消去した者達の解放、ドン47話~ドン48話の電撃鬼・世界鬼及び脳人監視隊との戦いを経てドンブラザーズへの仲間入りを果たした。

ドン37話ではソノシ主催のドンブラザーズとの決闘で名乗りを披露している。
東映公式HP曰く「アオ〇エ!キ〇ケ!ア〇ネ!的なアレ」「ホワイトホール白い明日が待っている的なアレ」と同じとの事だが。

ソノイ


何故花を散らす……花は風に散る物……
あるいは人知れず落ちる物。
散るのは、お前だ…


画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン1話『あばたろう』より、(2022年3月6日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG


演:富永勇也
身長:192cm
体重:90kg
スキン:バロンクロス
むかしむかし1:ソノイはタロウが言った「おでん」というものを食べてみたかったそうな…。
むかしむかし2:ソノイはおでんの味の虜となり、おでん屋のおやじに「ノイちゃん」と呼ばれるほど常連になっていたそうな…。
スーツアクター:森博嗣
キャラクターソング:「Blue Moon」

脳人三人衆のリーダー格にして人間の芸術に興味を持つ、高貴な脳人の戦士。
青く染められた優雅なスーツを着た茶髪の美男子。バイクを所持している。
優雅な物腰で、たまに詩的な台詞を吐くキザな性格。趣味は絵画鑑賞。

普段の振る舞いは高潔で礼儀正しく、火災現場に取り残された人々を損得勘定一切抜きで迷わず助けに向かうなど脳人達の中でも一際ヒロイックな人物像の持ち主。
しかし人間の欲望に対しては過剰なほど潔癖な見方をしており、ヒトツ鬼と化した人間には一切慈悲をかけず即座に切り捨ててしまう冷徹さや、邪魔者を平然と「虫」呼ばわりする尊大さも持っている。
タロウとはある時互いに正体を知らないまま意気投合し、その後は紆余曲折の末に親友にしてライバルとでも言うべき不思議な関係となる。

怪人態は紺青色のスキン「バロンクロス」を纏った騎士風な外見で、武器は両刃剣である「一級剣バロンソード」と紺青の「脳人シールド」。
これで欲望に満ちた──ヒトツ鬼になった者や邪悪な敵を──一刀両断する。
モチーフは超人バロム・1

詳しくは個別項目を参照。


ソノニ


言え。愛の言葉を…

画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン3話『あかりどろぼう』より、(2022年3月20日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG

演:宮崎あみさ
身長:184cm
体重:73kg
スキン:コロンドレス
むかしむかし:ソノニは一度死んだがイヌブラザーのキビ・ポイントのおかげで生き返ったそうな…。
スーツアクター:蜂須賀祐一
キャラクターソング:「Jewel Pieces」

脳人三人衆の紅一点にして人間の恋愛に興味を持つ、妖艶な脳人の戦士。
白のへそ出し衣装にミニスカートにショートパンツ、ニーソックスという露出多めな外見をしたショートヘアの美女。
ねっとりした女性言葉で話すが、身内と話す際はクールな男性言葉なのでこちらが素の模様。

一見柔和で気さくな人柄だが、実際のところ非常に気まぐれかつ他2人以上に冷酷さの目立つ性格。
初登場時には欲に溺れた人間を「かわいい」と称して見守り、時に欲望を煽りエスカレートさせるような物言いまでしておいて、いざヒトツ鬼と化してしまえば「でもキライ」と吐き捨ててそのまま消去してしまう……というサイコパスじみた振る舞いを見せた。
しかしそれ以降は他2人同様偶発的にヒトツ鬼化したところを狙いに来るようになり、後述のように興味本位で男に言い寄ることを除けばあからさまに人間を惑わそうとするようなことはしなくなった。
当初は人間の恋愛に興味を持ち、絡んできた男に対して心に響く愛の言葉を求めるが、大抵の場合その相手の言葉を聞いた途端興味関心を失ってしまっていた。
また映画の出演が決まった時には、撮影を優先させるべくムラサメと交戦していたソノイに撤退を命じた事も。

自分の誘惑に靡かず己の中の愛を押し通した犬塚翼に対して強い関心と興味を抱き、交流を繰り返す。
その為、ドン44話まではイヌブラザーの正体が犬塚である事を知っている数少ない人物であった。
そのうち彼に向ける感情は次第に単なる興味関心を超えたものになっていき、最終的に犬塚にベタ惚れする恋愛脳に変化。
行動原理も犬塚を中心とした物に変わっていき、
  • 彼に「ムラサメでみほを倒せば夏美が帰ってくる」と吹き込んで夏美を謀殺しようとするヤンデレじみた行動に出る
  • 事実を知った彼に「二度と顔を見せるな」とまで言われたそばからソノザ共々ドンブラザーズ入りを画策する面の皮の厚さを見せ、仲間入り以降は犬塚を見つめては「犬塚翼…優しいんだな!」という独白を繰り返すなどゾッコンであることを隠そうともしなくなる。
  • 挙句犬塚が再び警察に追われる身となった際には警官を犬塚から力尽くで引き剥がし、応援に現れた警官やパトカーを見ると即座に変身して本気で矢を打ち込みパトカー3台を大破、炎上させて警官を追い返す
などとにかく犬塚が最優先事項の一途で危ない恋愛少女に変わり、三人衆の中では特に初期のキャラとの落差が激しい。
反面犬塚以外からのアプローチには普通に塩対応と反応は結構極端。
最終的には上記の犬塚を逃す手引きが当然警察に周知された結果2人合わせて1500万円の報酬金がついた指名手配犯に*7
それでも犬塚に手を引かれ、名前を呼ばれる彼女はとても嬉しそうな笑みを浮かべていた。
なお、元老院から切り捨てられるまでの給金の使い道はエステ。他2人同様エステに給金を使いまくっていたため、切り捨てられた時には無一文であった。

怪人態は超人を思わせる純白のスキン「コロンドレス」を纏った戦士の姿。
武器「二重コンドルアロー」と純白の「脳人シールド」。
コンドルアローを双剣に分離させた二刀流で武闘することもでき、アバター乱舞を真正面から軽々受け止めるなど、例に漏れず実力は非常に高い。
モチーフは「正義のシンボル コンドールマン」

演じる宮崎あみさは撮影開始当時まだ19歳だが、その怪演により視聴者の目を釘付けにしている。
ただし本人は「衣装がへそ出しで寒い」とも語っている。


ソノザ


人はなぜ笑う?なぜ泣く?なぜ怒る?


画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン4話『おにぎりのおに』より、(2022年3月27日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG

演:タカハシシンノスケ
身長:190cm
体重:89kg
スキン:カゲスタイル
むかしむかし:ソノザははるかに「編集長」と慕われながら漫画のアドバイスをしていたそうな…。
スーツアクター:清家利一
キャラクターソング:「What's EMO」

脳人三人衆の1人にして人間の喜怒哀楽に興味を持つ、粗暴な脳人の戦士。
やや気怠げな物腰の長髪の男性で、常に長槍のような傘を所持し大量のポケットがついた茶色いコート状の作業着に近い服装をしている。
他の脳人より一般的な服装なので、一見すると地味だがよく見るとそのポケット全てが上下反転している機能性皆無、上辺だけを真似たような不気味な服。

自己主張は少ないが仕事には誠実であり、容赦なく敵を攻撃する仕事人気質。
不意打ちでドンモモタロウに勝ってしまい気落ちするソノイを励ましたり、タロウとの決闘に挑むソノイを援護するなど仲間意識はしっかりあるのだが、反面戦いに関しては戦士の誇りから卑怯な不意打ちを嫌うソノイとは対照的に、不意打ち気味に相手の弱点を突くような戦い方も「戦略だ」と言ってのけるなどかなりドライ。
一方で感情の出し方が分からず、意味もなく泣いたり笑ったりすることがあり、喜怒哀楽に興味を持っている。
喜怒哀楽の感情を見せる一般人を見つけては絡んで人の感情を学ぼうとしているが、相手から見ればその行動はただの不審者エキセントリックで理解に苦しむものなので、絡まれた人間は皆困惑している。

だがドン19話でカツアゲした際に、偶然手に入れた鬼頭はるかが描いた漫画『初恋ヒーロー』に激しいインスピレーションを獲得。「胸がザワザワする」未知の感覚を味わった結果、感情への興味より漫画に執着。
この感覚を知るためはるかの描く漫画に強い興味を示し、一時は誘拐してまで無理矢理漫画を描かせた程。
ただし納得いかない展開やキャラには非常に事細かく追及する姿勢は「編集者か!」と突っ込まれた。
その後、オニシスターだと知った後も「戦いは戦いだ!」と「ドンブラザーズ」との敵対関係は崩さないながらも、「はるか」には励ましの言葉を贈るなどオンオフを切り替える態度を見せ、はるかも彼に信頼を置き「編集長」と呼び助言をもらいに行くように。
はるかに助力するうち感情についての理解も大きく進んだようで、彼女の原稿を読みながら自然と笑みをこぼしたり涙を流したりするようになり、仲間入り後は公私共にビジネスパートナーという関係へと発展してしまった。
……一方、異なる世界線の未来からやってきた猿原には「インチキ編集者」と罵倒されてしまっていた。どうやらあちらの世界では関係がこじれてしまったらしい。
最終回後もその関係は続いているようで、リモートで漫画のアドバイスをしたり、袴姿で授賞式に参加するなど友好的に漫画家活動をサポートしているようだ。
なお元老院から切り捨てられるまでの給金の使い道は古本屋での貴重な漫画蒐集。本人曰く「資料集め」とのことだが、他2人同様古本に給金を使いまくっていたため、切り捨てられた時には無一文であった。

また脳人の中で唯一ドンムラサメを封印・解除する謎の術が使用可能で、中盤頃は所有者としてムラサメを使役した。
封印の際には何か媒体が必要なようで、劇中では『初恋ヒーロー』のページを術で分離、刀身に巻きつけ毎回封印を行っていた。
これについては「ムラサメの荒ぶる魂を少しでも鎮めるよう、はるかの漫画を読ませたかった」とドン48話で語っている。

怪人態は灰茶色のスキン「カゲスタイル」を纏った武骨な闘士風の姿で、武器は傘を変化させた背丈を超える「三刃カゲスピア」と灰茶の「脳人シールド」。
激しい三段突きを得意攻撃とする。
モチーフは「ザ・カゲスター」


脳人監視隊



清潔第一、ソノシ!

美貌一番、ソノゴ!

親切大好きィ!ハァッ!ソノロク!


我ら、脳人監視隊!


脳人三人衆がすっかり人間界に染まってしまった頃、彼らの監視・処分のため元老院から派遣された監察官ソノシ率いる3人の脳人の戦士。
しかし、その実3人とも極端に横暴かつ傲慢な性格で、おまけに初期の三人衆をさらに悪化させたような変な悪癖の持ち主というとんでもない問題児の集まり。
人間に対しても個人的な趣味のような形で横暴を働いたり、人間の欲望を増幅する吹き矢を撃ち込み、わざとヒトツ鬼に変貌・凶暴化させてドンブラザーズを倒すための手駒にしようとしたりするなど役目を超えてヒトツ鬼のように己が欲望に腐心するヤバい奴ら。
ある意味一番正統派の戦隊悪役っぽい連中とも言える。

人間界では基本的に3人揃って賑やかなやりとりを繰り広げており、戦闘でも息のあった連携を見せるなど仲は良さげだが、
裏では仲間の悪癖を遠目で見つつ「仕事じゃなきゃ関わりたくない」と自分のことを棚上げしてお互いに陰口を言い合っている。イデオンにいた頃からこんな調子だった模様。

上役だけあって三人衆と同等以上の高い戦闘能力を持っているが、揃いも揃って他人を見下しているせいですぐに油断して舐めプに走りがちなのが致命的な欠点。
新生ドンブラザーズに敗れた後もしつこくタロウ達に挑むも、舐めプ込みで返り討ちに遭う、最も欲望が強い人物に目を付けてヒトツ鬼化させたら自分達でも手が付けられないレベルで超強化してしまったため、半ば泣きつく形で新生ドンブラザーズに討伐を頼み込む等、一気にギャグキャラ化落ちぶれていった。
そして最終的には彼らでは任務を果たせないと判断され切り捨てられたのか、あるいは人間界で好き勝手に振る舞いすぎたせいなのか、
自分達も粛清の対象とみなされ、あっさり処刑人達の手にかかって消されてしまうという哀れな末路を辿ることとなった。

ドンブラザーズや脳人三人衆からは「ソノシゴロ」と名を略されている。略されるのは不服なようだがガン無視されている*8

ソノシ


汚〜〜い!!消毒!消毒!!


画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン46話『なつみのよのゆめ』より、(2023年1月29日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG


演:廣瀬智紀
身長:194cm
体重:91kg
スキン:アカハデマスク
むかしむかし:ソノシは金粉の耳垢をフッと吹いて周囲にまき散らしていたそうな…。
スーツアクター:齋藤謙也

物語終盤、ドン37話より登場した第4の脳人。
自らの美的感覚で行動し、汚れたものを非常に嫌う潔癖な脳人の戦士。
立場としてはソノイ達3人の上役で、一向にドンブラザーズを倒せないどころか慣れ合っている彼らの監査役として人間界に来訪した。

節々に金の装飾が着いた真っ赤な軍服を着用し、赤いルージュが映える色白の男性。女口調の慣れ慣れしい喋り方が特徴。
性格は高圧的かつ陰険。おまけに重度の潔癖症。
人間界の空気は邪悪だと一方的に決めつけて自分が不潔に感じたモノに対して「消毒」と称し、ガスマスクを装着して見境なく消火器から白い粉をぶっかける悪癖を持つ。

怪人態は真紅のスキン「アカハデマスク」を纏った忍者風の姿で、武器は苦無四苦無(しっくない)レッドシャドー」と真紅の「脳人シールド」。
レッドシャドーは光の糸と手をつなぐことで鞭のように振るって戦え、狙った獲物を四方から追い詰める。
モチーフは「仮面の忍者 赤影」
詳しくは個別項目を参照。


ソノゴ


この世で一番美しい女は誰だ!?


画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン46話『なつみのよのゆめ』より、(2023年1月29日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG


演:髙井真菜
身長:187cm
体重:75kg
スキン:ナショナルフィット
むかしむかし:ソノゴは理不尽な美女問答で人々を困らせていたそうな…。
スーツアクトレス:田畑渚

ドン45話より登場した第5の脳人。
自らのルックスを最高と評価する、美麗な脳人の戦士で、紫の丈の長い服を着たロングヘアーの女性。
完全にソノイ達を見限ったソノシに召集され、彼らを処刑するべく暗躍する。

見た目はセレブ感のある美女だが、ソノシ・ソノロク同様高慢な上にとんでもなく苛烈で短気な性格の持ち主。
自身の容姿にはかなりのプライドがあるようで、初登場時に映画のスカウトマンに「君みたいな美人見た事無い」と口説かれた際は「当たり前の事を言うな」と一蹴したうえ顔を食べかけのスパゲッティの皿に叩き込むという暴挙に出た。
更には目についた相手に片端から言い寄っては「この世で一番美しい女は誰だ」と問答をふっかけ、相手がどう反応しようがイチャモンをつけてそのまま脳人レイヤー送りにしてしまうという傍迷惑な悪癖がある。
こちらもソノシとソノロクに「仕事でなければ関わりたくない♪」「全くだ…」当然のように陰口を言われている。
一方で王様鬼の討伐を新生ドンブラザーズに頼み込む際にはソノシ・ソノロク共々彼らに全力で媚びへつらっていたり、ソノナ相手には普段の自信満々な態度が完全に崩れるほど怯えきってしまったりと、根は割と小心者の様子。

ドン最終話ではいつものように美女問答をしようとしていたところソノナに遭遇し、「くだらない美人ごっこ」とその行いを鼻で笑われる。
怯えて必死に逃げ惑った末に変身して抵抗しようとするものの、すぐさま彼女にスキンを奪われてしまい、
自分の得物だったキッドレイピアに貫かれ、さらにダメ押しの一閃を受けて消滅した。
自身の美貌を鼻にかけ、理不尽な問答を他人に強いていた彼女は、自分自身がそれ以上の理不尽に直面させられ、「この世で一番美しい女」として虚勢を張ることもできないほどの恐怖と絶望の中で消されてしまうことになった。

怪人態は淡紫のスキン「ナショナルフィット」を纏った剣士風の姿で、武器はレイピア「五速剣キッドレイピア」と淡紫の「脳人シールド」。
五つ星級の素早い剣捌きが得意で、相手に反撃の間を与えず一方的に刺突を繰り出す事が出来る。
モチーフはナショナルキッド
「あれ、白黒作品だったけど金色じゃない?」と思ったそこのあなた、実はこのカラーリング合成用の真っ赤なスーツが元ネタ。そのスーツと見比べると実にそっくり。

演者の高井真菜女史はスーパー戦隊にかける情熱が凄まじく、何と本作の制作陣に「戦隊に出たいです!」と直談判して役を勝ち取った経歴の持ち主。


ソノロク


どうだぁ!オレはぁ!!親切だろぉぉ!!!


画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン46話『なつみのよのゆめ』より、(2023年1月29日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG


演:小柳心
身長:193cm
体重:97kg
スキン:超硬クリスタル
むかしむかし:ソノロクは強引な迷惑親切で人々を困らせていたそうな…。
スーツアクター:草野伸介

ドン45話より登場した第6の脳人。
腕っぷしの強さが自慢の、剛健な脳人の戦士で、灰色の毛皮を纏った屈強な体格の男性。
ソノゴと共にソノシに召集され、ソノイ達の処刑を目的に活動を開始する。

見かけ通り粗暴な性格の持ち主で、脱落者とみなされた脳人三人衆を露骨に見下して「虫ケラ」呼ばわりするなど気質はソノシ・ソノゴ同様かなり傲慢。
『初恋ヒーロー』を読んでいたソノザの前に姿を見せるなり、漫画を「くだらんもの」と唾棄した挙句いきなり殴りかかるところからもその暴力性がうかがえる。
肉体を鍛えることに腐心しており、暇があれば筋トレをしている事が多い。
ソノシ・ソノゴの迷惑行為に辟易した態度を見せた辺り、上記二人に比べるとある程度常識がある……かに思われたがソノロクもソノロクで「オレは親切なんだ!」と自負しながら、
  • 重い荷物を持って歩道橋を渡ってた老婆の荷物を階段まで持って上がり、有無を言わさず脳人レイヤーに放り込む
  • 近くを通りすがった母親から赤ちゃんが乗っているベビーカーを無理矢理奪い、階段から突き落として脳人レイヤーに放り込む
といった乱暴狼藉に両足を突っ込んだ独り善がり極まりない迷惑行為を働く傍迷惑な悪癖(ソノシ曰く「迷惑親切」)が判明。
結局ソノロクも他二人同様「相変わらずね…仕事じゃなければ関わりたくない♪」「全く…」やっぱり陰口を言われている。
それでも一応仲を取り持つ気があるのか、積極的に2人に絡むムードメーカー。

ドン最終話では缶ジュースのプルタブを開けようとしていた男性に絡み、ジュースをひったくった上に缶を素手で潰すといういつも通りの迷惑親切を働いていたが、あろうことかそうして絡んだ相手が処刑人のソノヤだったため仰天。
「相変わらずグダグダだな」と酷評された上、あっさりスキンを奪われサンゼンコンで粉々に砕かれてしまった。
親切と言い張って力任せの破壊行為を繰り返し、された側の反応など気にも留めず散々に暴れ回った彼は、それこそ自分が潰した缶ジュースのように、弁解や抵抗の暇もなく力任せの一撃で叩き潰されたのだった。

怪人態は黒鉄のスキン「超硬クリスタル」を纏った蛮族風の姿で、武器は棘付き棍棒「六棘棒サンゼンコン」と黒鉄色の「脳人シールド」。
ロックオンした敵を容赦なく叩き潰すソノザ以上のパワータイプ。サンゼンコンの棘はミサイルにもなるため遠距離への攻撃もできる便利武器。
モチーフは超光戦士シャンゼリオン。『ドンブラザーズ』と同じくプロデューサー・白倉伸一郎、脚本・井上敏樹タッグの作品。

演者の小柳心氏は『ウルトラマンデッカー』でアサカゲ ユウイチロウ*9を演じた小柳友氏の実兄で、同時期に特撮作品で兄弟出演したと話題になった。ソノロク登場時にはもう『デッカー』の放送が終了していたのは内緒
更に父のブラザー・トム氏は映画『劇場版 仮面ライダーエグゼイド』にてジョニー・マキシマ/ゲムデウスマキナ役で出演しており、親子3人で3大ヒーローの敵役を制している。

なお、ソノロクだけ名前の法則(ソノ+数字の頭文字)からはみ出ているが、恐らく理由は「ソノロ」が商標登録されているため。ラ行は濁音・半濁音がないのでそのままになったと思われる。


処刑人

まさかの最終回1話前のドン49話より登場し、TV本編での一応のラスボスを担当した新たな脳人のコンビで、脳人監視隊・脳人三人衆・ドンモモタロウの抹殺を目的として出現した最後の脳人。
装飾も脳人としては異色で、自身のカラーを主体にした6人とは違い、喪服を思わせる黒一色のローブや衣装に身を包み、ネイルも黒と茶/金の2色と上品ながらも地味目。
なお、ドン最終話でキャラ紹介こそされたものの、身長・体重・スキン・むかしむかしといったいつもの小ネタは解説されず、謎のままとなっている。

戦士達とは違い専用の脳人ブレスとスキンを所有していないが、その代わりに脳人の戦士から強制的にスキンを奪い、自分のものにしてしまうという反則的な能力を備えている点が特徴。
そして、「脳人最強の処刑人」と脳人の戦士達に恐れられているだけあって個々の戦闘能力も凄まじく、本来の使い手以上にスキンのスペックを引き出し、脳人監視隊の面々を歯牙にもかけず瞬殺。
さらには2人でドンモモタロウを除く新生ドンブラザーズを壊滅寸前まで追い込むほどの実力を見せつけたが、記憶を取り戻したドンモモタロウが渾身の力を込めた最後の一撃の前に2人揃って敗北した。
ちなみに変身時の仕草は舌で脳人ブレスを操作するという気持ち悪いもの。戦隊OBOGに何やらせてるんだ。

ディレクターズカット版では、余りにも不甲斐ない脳人監視隊に見切りを付けた脳人側が送り込んだ刺客だったことが描写されている。

演じたキャスト陣はいずれも東映特撮OBOGで、あまりレジェンドキャストを呼ばなかった本作で起用した理由は既存の6人との差別化&最終回だからレジェンド呼んでもいいだろスピリットから。夏映画はスケべ心がはみ出した結果
オファーは井上氏ではなく松浦大悟APから村上氏に、それを聞いた田﨑竜太監督が「ソノヤが井上敏樹チルドレンなら、ソノナは田﨑チルドレンでいきたい」と本橋氏へと決定。
そのベテランの風格でたった2話の登場ながら視聴者の記憶に残る怪演となった。


ソノナ


あぁ、いいのいいの。好きにして?どうせもう死ぬんだから……

演:本橋由香
身長:不明
体重:不明
スキン:なし→ナショナルフィット
むかしむかし:不明

第7の脳人。
冷酷無比に仕事をこなす脳人の処刑人。
風貌は黒い喪服や軍服に似た衣装を纏うミステリアスな雰囲気の白髪の中年女性。
祈るように手を組む所作をする癖があり、作り笑いのような穏やかな微笑みを浮かべて脳人の戦士達を「〇〇ちゃん」と呼ぶ馴れ馴れしい物言いをする。
だが本性は表面的には優しい口調で「いいのいいの」「ま、どうでもいいけど」と語りかけ、処刑対象の主張を一方的に切り捨てる酷く冷めた人物。
一方でいざ戦いになるとサディスティックな笑い声でソノニを痛めつけており、冷酷非情であると同時にかなり好戦的な性格でもある。
それでも人間界では優雅に紅茶を嗜んだり、自分の美貌に自信があるのかソノゴの美人問答に対して即座に「私だ」と答えるなど少ない出番ながらもしっかり人間味を見せていた。

戦いではソノゴの能力を奪って変身すると、ミステリアスな七変化テクニックで瞬く間にターゲットを圧倒する。
そしてソノヤ同様変身していない生身の状態でもヒトツ鬼さながらの超人的な跳躍力を披露し、ソノニ・ソノザを赤子の手を捻るように圧倒する高い実力の持ち主であった。

初登場時は王様鬼と戦う新生ドンブラザーズ+脳人監視隊を観察しており、失態続きの脳人監視隊に呆れていた。
その後のドン最終話ではソノゴからスキンと武器を奪い瞬殺、ソノヤと共に新生ドンブラザーズの抹殺を狙った。

演じた本橋由香女史は、過去に『激走戦隊カーレンジャー』にイエローレーサー/志乃原菜摘役で出演していた。
ちなみに脳人の初期メンバー3人は終盤はドンブラザーズ側に寝返ったが、『カーレンジャー』でも終盤に似たような展開(こちらは黒幕に離反して組織ごと戦隊側に寝返った)があった。

本編ではソノゴから奪った怪人態に変身していたが、設定画の時点ではオリジナルの怪人態もデザインされており脚本と予算の都合で登場できなかったとのこと。怪人態のデザインは薄緑色のスキンで額に付いた竜巻形のエンブレムが特徴的な術士風の姿。モチーフは「テレビドラマ版悪魔くん」

ソノヤ


相変わらずグダグダだな、ソノロク…処刑する

演:村上幸平
身長:不明
体重:不明
スキン:なし→超硬クリスタル
むかしむかし:不明

第8の脳人。
独特なオノマトペを口癖とする脳人の処刑人。
風貌は金の刺繍が刻まれた黒い和服を纏うどこかで見たような不敵な笑みが印象的な中年男性。
どんな場所でも祈るように手を組む所作をする癖があり、ジャン語のごとく「ピッチピチ」「ビンビン」「グニャグニャのナヨナヨ」「ボロボロのボロ」などやたら変なオノマトペで他人を評する独特の口調で話す。
ソノナ同様冷酷さと底知れない不気味さが目立つが、上記のような妙な口癖に加え、缶ジュースを飲もうとしてプルタブをうまく開けられず難儀するなどやはり人間臭いところはある。

戦闘ではソノロクの能力を奪いとって変身すると、無慈悲に武器をフルスイングしてターゲットを八つ裂きにする。首?さあ…?
また、ソノナ同様生身の姿でソノニ・ソノザを赤子の手を捻るように圧倒できる実力の持ち主で、ディレクターズカット版ではスキンを纏ったソノロクすら生身で雑魚扱いも同然のあしらい方をしていた。
そして抜き身のニンジャークソードを生身の素手で掴んでも精神汚染の影響を全く受けず武器として振り回せる強固な精神力も特徴。
サンゼンコン+ニンジャークソードという変則的な二刀流で新生ドンブラザーズを圧倒していたが、戦闘中ドンムラサメの反発を喰らって離反された辺り、ソノザとは反対にニンジャークソードの事は終始「ただの武器」としか見ていなかったのかもしれない。
実際ディレクターズカット版ではムラサメの意志を強引に黙殺して武器として用いていた描写が追加。このせいでムラサメの離反を招いた模様。

初登場時はソノナと共に新生ドンブラザーズの戦いを観察するに止まっていたが、ドン最終話にて行動を開始。
ソノロクからスキンと武器を奪って処刑した後、ソノシを斬り殺して続け様に新生ドンブラザーズの抹殺を図った。

演じた村上幸平氏は『仮面ライダー555』の草加雅人仮面ライダーカイザ、『動物戦隊ジュウオウジャー』のジュウオウバード/バド役でおなじみ。
Twitterでは毎週本作を視聴後『 敏樹マウント 』を取ってきた事で有名。……そもそも『敏樹マウント』って何?

実はこちらもソノナ同様オリジナルの怪人態も設定されていて、怪人態は紺色のスキンで忍者風の姿。モチーフは「特撮版忍者ハットリくん」


その他の勢力

ニンジャークソードドンムラサメ


はい、マザー。

CV:村瀬歩
スーツアクター:米岡孝弘
キャラクターソング:「Dark・Shark・Rock」

ドン17話ラストにて、脳人レイヤーにあるカプセルに培養されていた謎の戦士。
その姿はドンモモタロウと酷似しているが、体は紫色で、桃が描かれていた所に鮫の模様が描かれた忍者のようなフォルムを持つ。
「マザー」(CV:能登麻美子)なる存在の呼びかけに呼応するかのように覚醒したが、その正体はドンムラサメ専用の鮫モデルの忍者剣「ニンジャークソード」のアバター。即ち剣の方が本体。
剣の状態でも自由自在に空中を高速で飛行しては襲いかかり、「斬り捨てソーリー」と剣から人型のドンムラサメにアバターチェンジ。荒海をかける怒涛のシャーク技を発現させて戦う。
逆手に構えたニンジャークソードで敵を斬り捨て、忍者の“水遁の術”のごとくフィールド内部に潜り込み奇襲をかける裏ワザが得意。
詳細は個別項目を参照。


配下

お前見えるのか?
あいつ見えてるのか…
よう
「「アニ!」」

今作の戦闘員枠で、脳人の配下である工作員。*10抽象画のようなサイケデリックでカラフルな姿が特徴。

人間への擬態能力があり、正体を察知した者や脳人の敵対者を排除する為、時には擬態を解き、時には脳人レイヤーから姿を現して、ハンマー型の武器「殴鎚アノハンマー」を手に襲いかかる。
基本的に脳人に招集、使役されるが、ヒトツ鬼に加勢することもある。理由は不明。*11
一応ヒトツ鬼加勢時も能力に巻き込まれないような立ち回りくらいはする。あと空中で動きを固定できる。どんな理屈だ。
またイデオン内では元老院の周辺に警備員のように存在している事もあった。

ここまではまあ他の戦闘員と変わりないが、なんと言っても一番の特徴は人間への擬態能力とその潜伏人数だろう。
擬態能力を持つ戦闘員は過去戦隊にも多数いるが、アノーニの場合は一般人は勿論、警察などの法的組織やニュースキャスターやアイドルといった有名人と人間社会の至る所に入り込み、人間として一般生活を送っている。
なので正体を見破られない限りは誰にも襲い掛からないし、なんなら脳人と関係ないトラブルが起きた場合は一般人と共に逃げ回る事も。
ただこれは世界征服し裏から操っている……などではなく、上記の通りあくまで事務作業の一環のようだ。
ちなみに服は上から着ている。東映公式の解説では「服を着ていると、社会性を持ち知性を見せるが 服を脱ぎ去ると、戦闘員としての機能が強まるのか、戦いの徒となる」らしい。仕事のオンオフがしっかりしてる

見分ける方法はドンブラザーズの所持するサングラスをかける事のみ。
そうして正体を暴いてしまうと、人間が急にサイケデリックな外見の怪物になり、ゆらりと近づき即座に排除しようとするなど不気味な存在として描かれているが、ドンモモタロウの奇行に呆れるオニシスターに同調する等、ノリがいい個体もいる。
……正体を見破ろうとさえしなければ無害な連中なのかもしれない。

作品中盤頃まではヒトツ鬼に加勢する戦闘員としてドンブラザーズと戦っていたが、教育でも行われたのか、ジロウの加入と同時期に一切戦闘に関わらなくなった。何故か一度太陽鬼(つよし)と共に出てきたが。
ではその間は一切出番がなかったのか?というとそうではなく、なんと獣人に捕食される被害者としての一面がクローズアップ。
ムラサメに助けてもらい逃げおおせる個体もいるが、大半は為す術なく捕食されてしまう。
当然アノーニも仲間が食われていく現状に辟易、そこで対処するべくはるかの叔母であるゆり子を誘拐して人質の解放を条件に敵のドンブラザーズに獣人の隔離を要求するという強硬手段を取る。
しかし要求を話す際は腰の低い態度で接し、タロウから「なかなか礼儀正しいな。気持ちがいい。」と感心されたり、人質にしたゆり子にも高級料理を振る舞うなど丁重な扱いをして彼女からは「誘拐に松竹梅があるなら『松』」と評されるなど変に礼節を弁えた一面を見せたりもしている。

……これらの通り、ドンムラサメからは擁護対象とされ、獣人に恐れたりドンブラザーズの正体を知っても争わずに助けを求めるなど、脳人サイドの一般人としての描写がなされた歴代戦隊でも稀有な立ち位置の戦闘員になった。


菴呵ォ(余談)

  • 制作発表会見の嘘予告では「暴太郎戦隊ドンフレグランス」として紹介された。そして実際に脳人三人衆の香水がプレミアムバンダイで受注販売された。

  • 種族名「脳人」の由来はアンチウィルスソフト「ノートン」、「アノーニ」は匿名を意味する「アノニマス」からだと思われる。

  • 脳人達の姿や武器の名前は「原作が石ノ森章太郎ではない過去の東映特撮作品のヒーロー達」がモチーフとなっているようである。
    加えて、脳人監視隊についてはソノシの初登場時に「『超神ビビューン』に似ている」という声が多かったことからソノゴにはバシャーン、ソノロクにはズシーンのイメージも組み込んだとのこと。
    また、脳人三人衆のモチーフである3作品の敵怪人はヒトツ鬼と同じ(細かい過程は異なるとはいえ)人間の悪の心から生まれたという共通点を持つ。

  • 脳人の個人名は名無しのモブにつけられる「その1、その2…」からで、各人の数字は武器名や攻撃方法の説明文にも含まれている。

  • 当初の構想では『脳人』という組織の大きさを描くために、幹部には入れ替わり制という設定があったようだが、富永氏を始めとした脳人三人衆のキャストが素晴らしかったため、次第に入れ替えるという選択肢がなくなったらしい。
    名前の由来が上述の通りモブの名付け方だったり、終盤の追加脳人ラッシュはこの構想の名残だろうか。

  • またデザイナーの篠原保氏によると自分の中では「脳人は全部で9人」という認識になっていたため、本編未登場の脳人・ソノクもデザインされていた。怪人態は黄金色のスキンで死神風の姿。モチーフは黄金バット

  • 脳人三人衆は台本で1話から48話まで肩書きが脳人幹部、49話から脳人・ドンブラザーズとなっていたとのこと。


追記・修正はヒトツ鬼として消去される前にお願いします。

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最終更新:2024年04月22日 12:39

*1 「イデオン」は完全な別世界で干渉不可能、「脳人レイヤー」は人間世界と表裏一体でヒトツ鬼が巨大化する際に引き剥がされ単体化する干渉可能な世界。

*2 ヒトツ鬼の変身時と同じく、実際に日本語を文字化けさせたものなので翻訳可能。

*3 こちらはどうも文字化けっぽいだけのようで、訳すことは不可能。

*4 普通に人間界で出回っているもの。

*5 ドン36話の描写からして、人間態でも常に脳人レイヤーが重なって見えている様子。

*6 東映公式によると、人間界の欲望という膿を出すための力だという。

*7 戸籍がないソノニは「氏名不詳 情報求む」と身元不明扱い。また、報酬金は「原則300万円(ただし、特に必要がある場合は1,000万円を超えない範囲で増額する事が可能)」と定められているが、どうしてか500万円オーバー。しかし、現実の凶悪犯罪も上限を上回ったものは存在する。

*8 東映公式サイトでは「キャラクター」としては本編通り「ソノシゴロ」、「役名」の紹介は「ソノシゴロク」と区分けされている。なお、三人衆も「ソノイニザ」と略された。

*9 と、映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』の主人公・ラン役。

*10 上司部下の関係らしく、脳人が現れた際は頭部を手で撫ぜるような動きの「敬礼」を行う。

*11 東映公式サイトによる解説では「戦闘中はそこまで知能が高くないので、脳人が居ない場合、ヒトツ鬼の力に惹かれてしまうのだと推察される。」とある。