ブローズ


海外で製作された特撮作品『ウルトラマンG』の第1話『銀色の巨人』に登場した怪獣
別名「双脳地獣」。身長72m、体重9万4千t。
地中の両生類に、宇宙から飛来したゴーデス細胞が取り憑いて変異、誕生した「ゴーデス怪獣」第1号。
(劇中では「オタマジャクシ」の怪獣だと言われていた)。
頭が2つあるのが特徴で、当時の書籍資料によると、上の頭の脳が行動を、下の頭の脳が思考を行うとされている。
上の頭から生えている触手が武器で、振り回してビルを破壊し、相手の首を締め上げる。
また体中のイボから毒ガスの噴出も可能。
さらに念動力によってエネルギーの球体を作り出し、その中に相手を閉じ込める能力も持っている。

地底で地震(攻撃手段に使うような大きな地震ではない)を引き起こし、オーストラリア市街地のビル工事現場の地底から姿を現す。
頭の触手でビルを破壊し、念動力によって作り出したエネルギーの球体の中に防衛チームの戦闘機を閉じ込めてしまった。
ウルトラマングレートに対しても、触手を首に巻き付けグレートをビルに叩き付けてダメージを与える。
さらに全身から放出する毒ガスで、大気汚染に弱いグレートを苦しめたが、
グレートの必殺技であるバーニングプラズマを2連続で受けて絶命、大爆発した。

+ 英語版や映画版での違いなど
日本語版ビデオの劇中では「日没になればブローズの力が衰える」という意味の発言も存在するが、
結局昼の間にブローズは倒されてしまったので、劇中では活かされず終いとなった。
日本語版ではなぜ日没とともにブローズが弱体化するのかの理由は説明されていないが、
英語版では同じ台詞が「日没と共にブローズは冬眠(hibernation)に入る」という意味の英語になっており、
(変温動物の両生類なので)日没時の気温低下によって冬眠あるいは休眠状態になるという習性があるのかもしれない。

ビデオ版のシーンを再編集して作られた映画作品『ウルトラマンG ゴーデスの逆襲』では、
グレートに掴まれているだけだったシーンが光学合成によってグレートが腕から出した稲妻状光線に下の頭が耐えるシーンになったり、
毒ガスで苦しむグレートの逆転がグレートの自力ではなく防衛チームの戦闘機での援護射撃によるものになったりと、
戦闘の流れが若干変化しておりビデオ版に比べると描写的に少し手強い相手になっている。

逆立ちしたような外見で体の上部に鞭が生えている、地底から出現するなど、特徴的にはツインテールと共通点がある。
2つの頭がある外見が特徴的な割に、下の頭が攻撃等に用いられる事は劇中では最後まで無く、
ビル街の立ち並ぶ街での戦闘になった事から下の頭が見えるシーンも少なかったりと、
残念ながら外見的特徴をあまり活かせてはいなかった。

+ デザインについて
怪獣デザインはバガンスペースゴジラといった東宝怪獣を手掛けた吉田穣氏によるもので、モチーフはアザラシとの事。
だから両生類(オタマジャクシ)という割にそれっぽい要素が無かった(強いて言うと足の鰭ぐらい)わけである。
ウルトラシリーズでは第1話に登場する敵に最低1体ベムラーに代表されるように二足直立の爬虫類型を出すことが基本であり
(この時点で例外は『セブン』第1話のクール星人ぐらいのもので、
 『ウルトラQ』や『ザ☆ウルトラマン』でさえゴメスやシーグラといった正統派なゴジラ体型の怪獣が出ている)、
第1話登場のゴーデスとこいつの両方が這って動くような造形のグレートは「今までと違う」という雰囲気を出していた。


海外でSFC用に発売されたゲームにも登場。2番目の対戦相手として戦う事になる。
日本のSFC版ウルトラマンとは違い敵怪獣に投げ技が無い仕様もあって、
技のバリエーションが乏しく、上の頭での頭突き、ジャンプしての体当たり、
首から前方に向けて毒ガス噴射の3種類しか技がない。
攻撃のリーチが短めな事などもあって最初の相手であるゴーデスよりも弱め。

+ 映像作品以外のブローズ
コミックボンボンで連載されていた漫画『ウルトラマン超闘士激伝』では、
ゴーデス編にて金属性ゴーデス細胞による鎧「邪鉄鋼(エビルブレスト)ブロー」として登場。
他の4体の仲間と同様ゴーデスに騙されたキング・ボックルの身体を乗っ取る。
下の顔がキング・ボックルの体型と組み合わせた結果、胸にも顔のある普通の人型のようになる。
ゴーデスへの忠誠心は高く、五人衆の中の序列を賭けて競争しようというバランガの提案に、
「ゴーデス様以外に五人衆のリーダーなど有り得ない」「我々の手柄はゴーデス様の手柄」と反対していたが、
デーガンゲルガンが話に乗り、同じく消極的だったギガルスも腕試しがてらに加わると、
自分が優勝して無効にしようと超闘士ウルトラマンと対峙していたデーガンを頭の鞭で制止。
しかしデーガンとゲルガンが為す術もなく砕かれ自らも尋問されるに至り白状すると見せかけて、やたらハイテンションにウルトラマンに乗り移る。
…が、逆に超闘士のエネルギーを送り込まれて強制的に本拠地まで案内させられた上に到着と共に力尽き、
残骸は本拠地で待ち伏せしていたバランガを油断させるためにウルトラマンによって使われた挙句、粉々に砕かれるという末路を迎えた。


MUGENにおけるブローズ

muu氏が製作したものが存在する。公開日は2014年2月23日。ディスプレイネームは海外名のbogunになっている。
海外で発売されたSFCゲーム版ドット絵を使用しているが、性能はアレンジされており、
避け動作の代わりにガードも搭載され、技数も増えるなど全体的に一般的な格闘ゲーム寄りの性能に仕上がっている。
遠くに届くような飛び道具を持たず、全体的に技のリーチが短いのが特徴。
ジャンプの高さも原作ゲームに比べて低めだが、横方向へのジャンプ移動力は十分でジャンプ攻撃も搭載されている。
後の更新によって触手で相手を締め上げる投げ技も搭載されており、相手のガードを崩せるようになった。
また常時体力が自動回復するが、理不尽な勢いでもないため、一般キャラでも削り切るのは可能だろう。

上の頭で攻撃する技だけでなく、原作には無かった下の頭の大きな口で噛み付く攻撃が搭載されている。
2つの頭がある利点を発揮させてやるといいだろう。
原作ゲームでは前方のみだった毒ガス噴射攻撃も、エフェクトが変更されてガスっぽさが増し、
前方版と周囲に放出する版に種類が増加している。前方版はリーチが長めなのでうまく活用したい。

超必殺技として、1ゲージ消費の投げ技である「念力波」が搭載されている。
相手をエネルギーの球体に閉じ込めてから空中に浮遊させ、その後地面に叩き付ける技であり、
通常の相手なら3割近いダメージを与えられるが、射程は短く、相手にかなり接近しないと当たらない。

その性質上、遠くから飛び道具を連射してくる相手への対抗策に欠け、そういった相手に弱い。
また高火力な相手だとライフ自動回復が追い付かなくなるため、レトロゲーム再現の火力高めのキャラにも苦戦しやすい。
そのため、飛び道具が強く火力高めと両方揃ったゴジラ 怪獣大決戦のキャラは天敵と言える。
デフォルトでAIも搭載されている。
現時点では一般キャラと言える性能だが、飛び道具を苦手とするため、
多くの強キャラと安定して戦えるほどの強さはないと言える。
怪獣キャラならば近接中心のドラゴリーツインテール、muu氏版アンギラスといい勝負になりやすい。
原作のように足元が隠れるステージだと下の頭が見えなくなるので、ステージ選びに気を付けてみるのもいいかもしれない。
プレイヤー操作(2:38~)

出場大会

プレイヤー操作



最終更新:2023年11月05日 00:01