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作品





屈折電波の密集



ツー ツー ピピ(他愛ないおしゃべり)
ツツー ピィ(長い説教)
ピピー カツー タタン(言外の侮蔑)
プップー クゥククー(明らかな嘲笑)

溜まってく 神経質のエネルギー
貯まってく ストレスド・ストレスマネー

(数式は明示されておりませんが
皮膚表面に浮き出る青筋が時間を経て
発散式のエネルギーに変換されるそうですよ)

蓄電しろお どうせなら強く弾けちまえ 
逐電しろお こいつは周辺住民への警告だあ


――――・ (プチン…ツー…ツー…あはははは 響けや響け!)


あの<暗くて目立たないメガネの子>が暴れだす
ばあん、と痛々しく膜が破れて 堰を切ったような奔流で

「さあ五感で学べ 凄惨なる怒号! 
アドリブが多いのが難点だがこいつは本日限りのレイジ・ショーだ!」
「とりあえず授業は中断だね!」
「ああ!空回りとはこういうことさ!」


119 名前:屈折電波の密集[sage] 投稿日:2006/01/31(火) 06:03:25 ID:E1n+fEJR


【コメント】

166 名前:名前はいらない[] 投稿日:2006/02/05(日) 00:55:16 ID:EiaFK0gb
119 よかった。徹底しているから

186 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 23:11:05 ID:uWGAHsqu
>>119 前半の怒りの蓄積の表現、特に1連めなんか、巧いことやったと思う。
その、キレちゃうとこで場面が反転するわけだけど、最終連の会話は軽妙であ
る反面、焦点がボケちゃったかも。

578 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/05(日) 01:29:10 ID:3iWgU7nT
119 屈折電波の密集
擬声簡略信号化から始まる(括弧内が説明になっている)
ストレスを溜め爆発の怒りが真っ先に表皮に現われるまず不思議でもない当たり前さで「青筋」として浮き立つ
怒りと興奮のメカニズムは似ているけれど持った感情に因って脳内の分泌物が違うはずであっても
爆発力は集団生活に順応するために作り上げた上っ面を凌駕して蓄積した欝憤やらを吹き出す噴火山
教室においていつもは真面目で地味目な人が突如怒りだす姿をクールにとらえている作品と思う
根本にストレスの蓄積という怒りは解決するどころか生きていれば付きまとうものだな
と再確認出来たし要所言葉の選択に作者の持つ若さを痛感
こういった感覚を懐かしむようでは私はきっとオッサン間違いない
間合いに青春の青筋を見た………(なんてことだ)
ぁ本筋からそれたがこの作品のような表現技法は好き
技術の巧みさが感じられたな

618 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 20:11:37 ID:td7wTWMP
>119 屈折電波の密集
1連目いいね、ああ、こんな感じだなって。(長い説教はちょっと異論あり)
6,7、連で気がそがれた。いらないんじゃあないだろうか?

26 名前:b4 ◆2WgbgFgdIs [sage] 投稿日:2006/03/17(金) 13:30:32 ID:lV5q3Sqp
あとかなり今更なことなのですが
お題「怒り」のときに「屈折電波の密集」という詩を書きました。
重ねて今更ですが、その節は審査員の皆さんありがとうございました。


【得点】 1点(準チャンプ作品)
  • ◆Oamxnad08k :1点





叫べ怒れBOY ~詩板・梁山泊スレ~



[intro]
なぁ知ってるか梁山泊スレってイケてるスレッドらしいぜ
あー、ポエ板最高スレだったセン5が落ち目だからな。

一度でいいから優勝してーよなぁ なぁお前投稿してみろって
あー、 いーよ採点者は基本も知らない素人ばかりだし

どうせだからコレ登録しといてやるよ 明らかにポエムじゃねぇけどな
あー、これリリックって事で登録しといてくれよ

そんなの今まで書いた事もないクセに...

[first verse1]
題名"怒 り"で投稿か "怒れてる"なら得意分野だが
囲むは空想物語 好きになんでも書いてりゃいい

知らない相手の作品を 採点してるのはただの凡人
素人供が嬉しそうに 独断と主観によって採点する

没個性的な奴ばかりで どうしてこぅ魅力が無いのだろう?
相手のことで忙しくて 自分の姿にまで気が回らないのさハー!!

怒りならいつも持っているぜ ある特定のスレに来たときはな
まともな採点者が少ねんだ 結局自己満足で終わるスレ

(やべぇ流石にこれじゃぁ投稿者がばれるな)
(今更隠す事も無いだろ才能坊や)

[chorus]
もっと俺に点をくれよ (仕方ネェじゃぁ1点やるよ!)
もっともっと俺にくれよ(特別に倍にして2点やるよ!)
もっとないのか俺にくれ (もう3点しか残ってないよ!)
じゃぁ3点くれ(無茶だ) なら奪わせろそれが実力主義だろう

[first verse2]
少し考えてみてくれよ 対等な作品は存在するのか
周りは想像世界地図 詩でも歌詞でもなんでもない

2流台本の作品に 毎回点をやってるのは誰よ
一人で3点付けるなら 他に何も言わない 俺にくれ

登場人物は俺だけ 相手の事とか書きたくない
妄想するのは嫌なんだ 過去の出来事や思い出も

俺の詩作はみんなこうなんだ 俺は今の現実しか愛さない
で俺が何を怒ってるかって? わかるだろいいから黙ってよこせよ

(ココにクレイジーな採点者はいるのか?頼むぞ)
(そんな奴がココに大勢居ても困るがな)

[chorus]
もっと俺に点をくれよ (仕方ネェじゃぁ1点やるよ!)
もっともっと俺にくれよ(特別に倍にして2点やるよ!)
もっとないのか俺にくれ (もう3点しか残ってないよ!)
じゃぁ3点くれ(無茶だ) なら奪わせろそれが実力主義だろう

[outro]
毎回素人しかいねーくせに偉そうに 
実社会でお前らは何を創り上げたんだ

詩人気取りで詩作してますって?
詩なんて誰にでもすぐ書けんだよ

お前が初めて詩を書き上げた時は
適当に言葉を並べてただけだろう?

本当にお前は点を持つ資格があるのか
お前なら殴り殺してもいい F×ck yooou!

(そもそもこれはいったいなんなんだよ)
(知るかよそんなの俺にもわからねーよ)


121-123 名前:叫べ怒れBOY ~詩板・梁山泊スレ~[  ] 投稿日:2006/01/31(火) 18:37:15 ID:nBZjiS3+


【コメント】

166 名前:名前はいらない[] 投稿日:2006/02/05(日) 00:55:16 ID:EiaFK0gb
121 うっとおしい。個人的な感情に任せて、周囲をまきこもうとする人間はきらい

186 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 23:11:05 ID:uWGAHsqu
>>121-123 怒りを素直に文面に乗っけてるという点は評価したい。が、怒り
の内容と対象が、あまりに卑小に過ぎる。トマス・ピンチョンの小説に、よく
こんな歌が出てくるよね。自分自身を笑い飛ばすくらいのユーモアがほしい。

579 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/05(日) 01:34:28 ID:3iWgU7nT
121-123 叫べ怒れBOY ~詩板・梁山泊スレ~
演歌の歌詞として読ませていただきます事を前もって了承願うのもジェネレーションギャップの成せる業といいますか
さて 怒れている状態を綴ったリリックとして読むと
だだっ子節が目につきますがこういった「俺様調」は私から見ると魅力に映ります
全体として若さ故のはっちゃけが読みどころで
ストレートな語りは好感が持てました
[chorus] の部分なんですが怒りというよりは欲求が勝っている
実力主義の中の「点数」という位置付けに憤りを覚えていて
共感・圧倒・いいなと思う・才に対して認めるなら点をくれ!
と主張がはっきりしているのに
 >(ココにクレイジーな採点者はいるのか?頼むぞ)この一節によって
ワビ・サビ・コビ が出揃ってしまい微笑ましい作品となってしまったのは作者の意図する部分とは大幅に誤算がある気がしないでもない
が この作品は人懐っこくて好きである

好きなら点をくれと作品中の主張に答えたいのだが
持ち点制であれば全投稿作品の中から選び取り上位が配点対象であるし
自由任意配点であるなら私は好きだと思う作品に配点を確実にするだろうし
今回審査員をしてみて配点の規制等は邪魔かと思う気持ちもあるが
その素直さに配点より作品の優れ方に配点された方が良いとは思うんだ
「おまいら!実力主義にゃあ媚は禁物だぜ」この位とぐろを巻いてしまっていたのなら良かったんだ

618 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 20:11:37 ID:td7wTWMP
>121‐123 叫べ怒れ。。(以下略
これもどっからどう読んでも歌詞なわけで、スレ違いですわ。
つか、基本的に歌詞は音があってなんぼな世界なんで、音なしで詩と勝負しようっていうとはっきり不利。
例えばリフレイン。さびの部分に使うのが常套手段だけど、詩として読めば冗長さとなり意図した意味が
2回目以降物凄く薄いものになっちゃう。怒りじゃあなくて形式が伝わってくる。
言葉を言葉だけで受け止めて連ねていく緊張感が薄れてしまうんじゃあないかと思う。
内容のほうはねえ。 「じゃかあしい!」と思った。
とはいえ、文句垂れ流しで歌詞の形とりゃあ詩っぽくみえるかななんてちょっと甘いが、
朗読会でラップで叫べば、結構いけるかもしれんとちらと思う。勢いがいい。(でもこの場でしか意味を成さない
作品ではあるねえ。。)いや、それももう、いい加減出尽くした手段か。。





俺は笑われている



雨の日のラッシュアワー
混雑した快速電車の乗降口付近
制服を着た一人の女子高生が
観念したのか その目を閉じる

傘の先でパンティをいじくりまわすのに飽きた俺は
鋭い警戒の目を光らせる

まだ数分は駅に着かないはずだ
じりじりと 近づいていくと
普段より湿度の高い車輛の空気と
若い女の生理の匂いが混ざり合い
俺は卒倒せんばかりに陶然とした
気付かれぬよう重心を変え 右手を巻きこむ
女子高生の幼い乳房を俺は貪るように揉みしだいた
恐怖心を煽るためにも
ここは少し乱暴に振舞う方がいいだろう
更に俺は力を入れた

すると突然 誰かの笑い声が聞こえてきた
慌てて辺りを見回すと
つり革にもたれ 窓外の風景に見入っている
痩せぎすの中年女の連れだろうか
その傍らの小学生くらいの一人の子供が笑っている
しかも俺を見て笑っているのだ
笑っている 笑っている
どうやら俺は笑われているのだ
笑っている 笑われている
ふいに右手の力が抜けて
俺は呆然と子供を見つめかえした

見ていると
子供の口が耳元まで切り裂かれ
眼球がくりぬかれたように飛び出してきた
まるでバリの木彫品のお面のようだ
声の調子もひときわ高くなり
とても人のものとは思えない 不愉快な周波数へと変化した
他の乗客は気付かないのか 知らないふりなのか
小気味よい快速電車の振動に マネキンのように身をまかせている

そこでようやく俺は気がつく
これこそが 俺の本当に求めていたものだと
俺は観念して 目を閉じる
まぶたの裏にも さっきの子供の醜悪な
表情の残像が貼りついている
おそらく俺の下半身は 周りに見せつけるかのように
あからさまに勃起しているだろう

というわけで 俺はいま起きたばかりの茶番を
もう一度 逐一吟味してみようと思う
その間にも 快速電車は雨の中を進んでいくが
時間なんていくらでもある
この電車 まだ当分は駅に着かないはずなのだから・・・


124-125 名前:俺は笑われている[sage] 投稿日:2006/01/31(火) 20:45:15 ID:eYFHERoZ


【コメント】

171 名前: ◆Oamxnad08k [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 01:25:57 ID:EiaFK0gb
124 描写にリアリティはあるがもっと題材を練って。

186 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 23:11:05 ID:uWGAHsqu
>>124-125 まったく好みではないんだが、読者の嫌悪感を物ともしないテー
マの選択は意気に感ずる。ただ「俺の本当に求めていたもの」を「茶番」と言
い切ってしまったことで、急速な世界の縮小を感じてしまった。

580 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/05(日) 01:42:40 ID:3iWgU7nT
124 俺は笑われている
シリアスなストーリー展開とタイトルに軽い衝撃がある
性衝動に無知な少女は子供であるけれど子供程ものの核心をつくものだ 残酷な程反応が素直で
性衝動を満たすすべ補い方を会得した少女であれば嫌悪が真っ先で笑うという行為に至る筈もない
主人公の根底に「笑われる」事に対する怒りと子供が「笑う」電車の中の大人への不信感と怒りが静かに流れているようだ
観念して目を閉じる高校生
主人公の「俺」が観念して目を閉じる
この差異を取り巻くの車両 走る電車 時間
私にはこういった衝動を持った経験はないけれど
どちらかといえばある程度性を熟知した異性に「笑われる」パターンであれば怒りよりも殺意に近い嫌悪をもよおすかもわからない
ここがポイントであるのだけれど
子供の「奇妙な笑い」から姿が崩れていく様
車両に存在する人々はモラルを形成する「目」であるのにマネキンだ
隠喩の仕方が独特でこういった表現は読取りにくく賛否が別れがちとは思うけれど
怒りについて芯を見据えている目線が鋭く知能犯の香りがするしなにより技術があり上手いと思う◎
技術 表現法が独特 配点対象有力候補

618 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 20:11:37 ID:td7wTWMP
>124 俺は笑われている
緊張感がうまい。いきなりの痴漢行為におもわず引いたけど、その場にいるかのような臨場感に溢れてる。
笑い声とその後の非現実な子供の登場で鬼畜な痴漢話から別世界へと移り、安堵とおどろおどろしさの
両方を味わった。(安堵っていうのは、いつまでも痴漢話を受け止め続けるのがつらかったんで)
 >これこそが 俺の本当に求めていたものだ
という展開はすごくよくて、残忍さを曝け出して笑われるM的な快楽を感じる。心的深みへの踏み込みと
情景描写が優れた作品だと思う。
最終連でなんか一気に力が落ちてしまって残念無念。

832 名前:んなこたーない[sage] 投稿日:2006/02/24(金) 02:34:12 ID:JeL14T3d
「朝は始まらない」書きました
その前の「俺は笑われている」と
その更に前の「さよならは悲しい(そして美しい)言葉」書きました
こういうのって名乗り出た方がいいんですかね
いまいち書きこむタイミングが掴めなかった


【得点】 1点(準チャンプ作品)
  • メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo :1点





たまごがけごはん (僕を立たせる小さな怒り)



この町の電話帳には、名前、住所 電話番号の他に料理の名前が一品添えられる。

山田太郎 
033-○○○-1234 ○○市○○区○○町○○丁目○○番地 オムライス

こんな感じだ。
何故、このようになっているのかというと、この町には週に一度、
他人の家で夕食をとる習慣があるからだ。電話帳に記された料理は、
その家でもっとも得意とする料理で、つまり、どの家も看板のない
貸切の料理店のようなものであり、週に一度はどの家もこの町のどこかの家族を招待し、
又されるのだ。なので週に一度、家族で食べたい料理が決まると、伺う3日前に電話を入れて
人数等の予約をいれるというようになっている。

料金は無料だ。

電話帳を開けると、天婦羅、カレー、ハンバーグ、スパゲッティ、カツ丼、
ホワイトシチュー、お好み焼き、鍋、ビーフステーキ、鯛めし、ポトフ、
パエジャ、ピザ、鰹のたたき、等々、様々な料理の名前がズラリと並んでいて、
この町の約5000世帯の数だけの分、しかも同じ料理はひとつとしてなく、
敷いて例えるなら、この町は世界で一番メニューの多い巨大なレストランだ。

しかし、料理にもその時代の流行のようなものがあり、予約が殺到する家もあれば、
しない家もある。

僕の家の得意料理は「たまごがけごはん」だ。
僕の家ではこの「たまごがけごはん」をこの町にこの習慣が出来た
200年も前から守り続けている。おじいちゃんの代のころには、毎日のように、
「たまごがけごはん」を求めて、どこかの家族が入れ替わりに訪れたそうだけど、
今では洋食なんかに押されて、半年に一度、招待することが出来れば珍しいくらいだ。

そのせいで、滅多に他の家族を招待することのない我が家族は、
逆に他所の家にお伺いする週に一度のこの日には、
どこか申しわけないような、後ろめたいような気持ちになる。
といって、僕たち家族を招待するどの家の家族も、これが昔から続く慣わしなので、
一応に嫌な顔を見せずにその家の得意とする手料理を振舞ってくれている。
けれど僕たち家族が、電話帳を見て予約する家のメニューも、ステーキなどでなく、
質素なものが多くなってきている。
そして僕たちの家族がこの日を明るい気持ちで迎えられなくなっているのも事実だ。

この三週間、豆腐料理が続いている。冷奴、高野豆腐、湯豆腐。

そして今日は食べたい料理を選ぶ日だ。家族全員で電話帳を目を皿のようにして
見ている。それもいつもより真剣な眼差しで。なぜなら今日は僕の誕生日だからだ。
なんとも嫌な日に誕生日がきてしまったものだ。お父さんもお母さんも小言の
ひとつも言わないで笑ってはいるけど、その顔を見ると僕は辛くなる。

「もしもし、○○さんのお宅ですか?」お母さんは電話をかけ、話し始めた。
「お宅のエビフライを食べにお伺いしたいのですが?
あ、わたしは「たまごがけごはん」の佐藤です。はい、はい、ではよろしくお願いします。」

お母さんは静かに電話を切ると、僕の方を向いてニッコリと笑った。
エビフライは僕の大好物だ。

(終)


126-127 名前:たまごがけごはん (僕を立たせる小さな怒り)[] 投稿日:2006/01/31(火) 20:52:35 ID:Evl7oDIq


【コメント】

171 名前: ◆Oamxnad08k [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 01:25:57 ID:EiaFK0gb
126 設定した世界から詩情へとつなげた現代小説っぽい手法

187 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 23:12:00 ID:uWGAHsqu
>>126-127 ほんとは詩というより掌編小説と言うべきですな。食中毒なんか
考えると、不可能な設定ですが、ほんわかした雰囲気で違和感なく読めるのに
は感心しました。卵と米と醤油を厳選すれば、最強のたまごかけごはんが…。

582 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/05(日) 01:48:39 ID:3iWgU7nT
126 たまごがけごはん (僕を立たせる小さな怒り)
まずアイディアが面白い
たまごかけごはんの佐藤です
肩身の狭い肩書きを持った家に生まれたのを意識せずにいられない
仮にステーキの伊藤さん家の娘を好きになってしまったら
たまごかけごはんの佐藤君は真剣に愛情を持って苦悩するのだろうかと想像してしまった
嫁に貰えばたまごかけごはんの佐藤ですと家教の如くメニューも名字も変わるなんて
ステーキや寿司が得意料理になっている宅ならば予約が殺到し結局エンゲル係数が高くなるわけだから町自体の貧富の差は均一に近くなりうる 気配もする
軽い怒りを含んだ話であるのだけれど私には怒りよりも一区域の全世帯がよりよく生活するためのある一種の肩書きを持ち
満足と引き替えに区域の生活レベルの差を無くそうキャンペーンの草案に読めました
しかしまてよ先祖代々たまごかけごはんや鮭茶漬け宅ならば町単位のこのしきたりであるなら金持ち率は高い可能性もありえる
定収入がある一般家庭を想定するにおよばれ率の低い家庭が出費が少なくなるわけだ
しかし生きてきた中で習得した見解で考えると〔人が集まる所には金も集まる〕
うむこの作品非常に考えを発展させる要素も孕んでいて上手いな
私がこの町に住み着くなら一見豪華そうで人気がなさげな「くさや定食ドリアン付き」メニューにする 爆
発展する面白さ十分堪能しました

618 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 20:11:37 ID:td7wTWMP
>126 たまごがけごはん(僕を立たせる小さな怒り)
アイディアの勝利。この世界はとても素敵。でこの限定された世界の中で、下層階級に
位置しちゃってる怒りと哀しさが伝わってきました。ニッコリ笑う母に涙が出そう。

632 名前:北 ◆FUCKcjokcg [] 投稿日:2006/02/09(木) 01:55:39 ID:AJcyW8xQ
たまごがけごはん(僕を立たせる小さな怒り)
を書きました。評文と点数ありがとうございました。

次回も参加します。


【得点】 1点(準チャンプ作品)
  • Canopus ◆DYj1h.j3e. :1点





海の中



妊婦が倒れている
誰かが彼女を見つけたとしても手を差し伸べることは出来ない
もう息をしていないのだから


ざざーっ ざざーっ ざざーっ

私にはまだ目玉がない
青空も緑の山も知らない
ただ海だけは知っている

目玉が出来る予定の二つの窪みへと
白い白い波がよせていた
耳はどうやらあるらしく波の音が響いていた

だんだん大きくなるその波は
だんだん大きくなるその音は
いつしか私を包み込み
今こうして海の中

何が起こっていたか今となればよくわかる
ただこの事をなんと表現しよう
このあるかないかわからぬ心の震えをなんと言おう

私はまだ生まれていない
故に生きてはいない
故に死ぬことはできない

生を受けてはいない身
なら感情も生はないか
なら感情は死ぬべき道すら辿れぬか

そもそもこの怒り 誰に向けよう

声として出せぬ怒りだから
命を持たぬ怒りだから
誰にも届かぬ怒りだから

波よ どうか連れさぬな

ざざーっ ざざーっ ざざーっ


妊婦の上を風が吹く
その風は神の手か 仏の手か
いずれにせよ だた撫でていくだけである


128,130 名前:海の中[sage] 投稿日:2006/01/31(火) 23:48:49 ID:6OH9HM+I


【コメント】

171 名前: ◆Oamxnad08k [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 01:25:57 ID:EiaFK0gb
128 擬音に工夫を。もっとすごみを演出できたはず。131は余計だったか

187 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 23:12:00 ID:uWGAHsqu
>>128>>130 人間の胎児って、10~12週めくらいで顔面の形成は完成する
はずだから、眼球は普通にあるんだけど…視力はないかもしれないけどね。
設定の面白さがある。そこからの発展が今ひとつだったのが、惜しい。

192 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2006/02/07(火) 00:55:18 ID:O7CqrcyH
>>128>>130海の中
海と胎児。生まれなかった生命の声。打ち寄せる波。無情に無慈悲に流れる風。あぁ、たまらんっ。作者の構築世界はよく伝わるし、ひじょーに胸にせまる。しかし、言葉の使い方が拙く感じられるところがあった。

583 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/05(日) 01:53:27 ID:3iWgU7nT
130 海の中
海は母性や女性性を表す時に使われる表現でもある
まず妊婦が横たわっている出だしから始まるのは衝撃だ
夢の中にいるような気配を醸す作品で鼓動のテンポが波にある〔平仮名の波の音より私は片仮名の方が良かったかもと思った〕
生命誕生の起源 海からいずるという概念をベースに持って読むのがよいのか
波立つ海の砂浜に絡め取られて海の中という擬似羊水で揺らめく「思いの残骸」として読みとく方が良いのか
しかし誕生には何かしらの小さな死が付き物という私の感覚から見れば
この怒りも本来持てなく肉体すら勝ち取れない思いの浮遊形が「言葉」になり作者を媒体としてものを語っているのかと思う
塩水の中誕生を呼び覚ます前兆をも感じ取れるのは不思議な反転だ
ひっそりと怒りが揺られている波の揺りかごにてあやされている不可思議な怒り
真の怒りというものは表現しがたいけれど何故か激しい怒りは無言だったりする
世間のノイズが一瞬で聞こえなくなっていく それに近い雰囲気が感じ取れる

619 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 20:13:08 ID:td7wTWMP
>128-129 海の中
妊婦さんが溺死しちゃうと中の子は?っていう話で、これは考えると怖い。

644 名前:soft ◆soft/e/9Do [sage] 投稿日:2006/02/09(木) 23:22:21 ID:lMe74m2l
んー俺も名乗っておくか。

海の中 書きました。
胎児の成長過程は詳しくは知らんかった。無知が恥ずかしいw
設定には自信があったんだけど、どうも設定に中身が負けた感じかな。

寸評どうもでした。





8回目



ウォールビズなんて
どこへやら
がんがん暖房効いた
ビルのある一室…


妙なテンション,約二名
理解出来ないあれやそれ
…いや,理解出来るが
ながながと
重箱の隅をつつくように
いちいち言わねば
気が済まぬ
あくがありすぎこの部長


私は両手の指を
無意識にほぐした


立場があるのはわかるのよ
上司には
『私はこんなに叱っています』
と見てもらいたい
部下には
『おまえの今後のために指導してるんだ』
と先輩面したい



それを否応もなく
席が傍だからという理由だけで
聞かされている私と言えば
うっとおしい事この上ない
他部署の部長なんだけど
理不尽ばかり押しつけて
いつも事務は泣いてるし
何故か怒鳴るばかり
しかも論点はずれたまま
傍で聞いている私は
心の中で突っ込みながら
いらいらを募らせる
『だからそこはあんたの監督ミス』
『いや,それは褒めちゃダメだって』


私は首の筋肉を
和らげようと
軽くストレッチした



一方怒られてるこの男理解なんてしちゃいない
本人はあくびをかみ殺しうつむいて
逆襲,すべく虎視眈々
だけどさあ…
本当はあんたのミスでしょ!
事務の女のせいだよと
裏で口汚く罵ってるの
たまたま聞いたけど…
…ああ…なんか
罵り出したね,この男
ぶっちゃけさ
私にはいい迷惑なわけ
諭すにしろ
反撃するにしろ
他でやれっつうの…



私はゆっくりと
立ち上がった…
………はぁ二人とも邪魔!
すんごい腹立ってきた!いつまでもグチグチと…


…気がつけば辺りは騒然!
床には顎とあばらを
押さえながら蹲り
呆然と私を見上げる二人…
…はぁ,まぁたやっちゃった…
次の仕事,探さなきゃ!机の周りを整理しながら私は身支度を始めた…


131-133 名前:8回目[sage] 投稿日:2006/02/01(水) 00:41:05 ID:xIkYfhvR


【コメント】

171 名前: ◆Oamxnad08k [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 01:25:57 ID:EiaFK0gb
131 日記?

187 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 23:12:00 ID:uWGAHsqu
>>131-133 うーむ、ぼくなら用を作って席をはずすけどな…どうせ世渡り上
手です。面白く観せるための工夫、例えばトドメの一撃を詳細に記すとか、そ
んなのがあると印象がだいぶ変るかも。

583 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/05(日) 01:53:27 ID:3iWgU7nT
131-133 8回目
会社での光景にじわんじわじわ我慢のならない怒りを爆発させる様 読みやすく読ませちゃう構成です
8回目というタイトルが興味深く八回目のブチキレ〔常習犯〕なのか!
とか後読感にも引き摺る女性のいざとなったら爆発だパワーをよく描写したなと感心してしまった
こういう怒りは高まりだすと怒りの沸点一直線だろう折れ線グラフにはなりにくい 加速の超骨頂である
しかも女性従業員に仕事中「男」が張り倒されようが蹴り飛ばされようが実は良識ある大人なら女子供にはやられたからといって暴力は振るえないし
つまりヤラレ損泣き寝入りだ
女性のいざという時の反射神経には驚愕する 口でやり込める派の怒りよりも体を使い殴りかかる女性の方が素直かもと思いつつも
豹変したギャップに精神的ダメージを食らうなぁ可愛い顔して暴力的という確信犯像をイメージしてしまったのだが
役割を持ちえた上での軋轢に対して無駄な抵抗
内在する怒りの姿を外界に出現させてしまう事によって失うのは仕事なんだけどねという締め方も面白かった
何よりタイトルの付け方に成功している

619 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 20:13:08 ID:td7wTWMP
>131-133 8回目
散文詩なんだろうなこれ。改行はしてあるけど文体そのものは散文だと思う。
ショートショートとして読むと、ちょっと物足りない。

645 名前:ミミン ◆4fCTWDhugY [sage] 投稿日:2006/02/09(木) 23:53:42 ID:8GQodhf8
『8回目』を書きました,ミミンです(笑)
審査の皆様お疲れ様でしたm(_ _)m
竹輪さんに詳しく解説してもらって嬉しかったです!戦闘場面はあえて描きませんでした(苦笑)長さに関しては未熟者であの内容ではあれが,現時点では限界です(>_<。)
また参加させて下さい♪
優勝者さん,おめでとうございます!





黒の森より叫んでみて



息張り吐息 働いても働いても日の目の見えぬ厳冬 寝惚けた日輪 
理由なき怒号 理由なき批判 耐えて耐えて何ぼの兎 余は終末か
御金支払う雇用者 労働力提供する我 チカラ拮抗せず

降り積もる氷雪のように この腹に収められてきた雷雨とつむじ風 いつ発するか

欲しいモノも手に入らず何を必要しているのかも解らずに 我が矛は獲物を探し求め
その特権を大いに振りかざそうとする が虚しく空を斬るばかりに手は怯えている
二極化される若者は凄まじき激流に道を見誤り 上流と下流に分断される 
河をゆく船は競争を推奨し高み見物 溺れる者同士が1本の流木に殺到し 地獄さながら  

責任と義務を果たさない船上の王は 人々の手本に成りえず増税マニアと成り下がり
両腕をモギ取られた象徴は 身内に轡を銜えさせられ もはやリーダー不在 
健常者至上主義者は 厚顔無恥に右に倣えの開き直り 障害者を閉め出し平気の平左
恐怖の館を林立させた拝金主義者達は 住民を放ったまま 右に倣えの責任の擦り付け合い 
聖人君子ぶるジェンダーフリーマルキストは それを横目に破顔し 家畜人ヤプーの世界を招来する呪術師
グローバルスタンダードは汚れた婚約指輪 行着く場所は血で汚された教会

嵐大雨の大洪水 河の堤防は決壊寸前 無為無策な野党  
明日は我が身と臍噬みしも 遅すぎた春 世直し石川五右衛門は 仕掛け人藤枝梅安は
何処からともなく聞こえてくる英雄待望の声 
国民の財産と生命を守るハズノ国 なけなしの税金納める我 チカラ拮抗せず

如是我聞 社会批判ヲシテモ貴方ハ救ワレナイハ ダツテ結局貴方ハ只ノ脳内ランナーダモノン

おぉ~溜息ばかりの人生よ 恐れを抱く必要のなかった人生よ
世界よ 新しい不幸を生み出すこの精神よ もうお腹一杯だろ
耐えに耐え続け 吐出されることのないカタルシス 積もる怨徹骨髄
空高く叫ぶことなく 繰り返し彷徨い飛んできた鳴かない鳥
批判の風雨に晒されてきた両翼 
僅かな小枝に避難する為のか細い両脚
ボロボロ 血だらけの糞まみれ
大きな風の流れに乗るのを拒み 自らの両翼を頼りにしてきた 
河の流れに身を任せるのを拒み 泳ぐことを学ぼうとしてきた
黒の森を幾万年も彷徨いし辿り着いたのは 空気のない土地
血は鬱血し呼吸はか細く 動くこともできない

無情の荒野で独り 蓄積され続ける暗黒面 いつ発するか

無明長夜 無味乾燥な月日を無為無策に過ごしたのは俺だけか 貴様らはどうなんだ
無常迅速に時と人は流れ続け 気付いた時には右往左往の雲散霧消か 貴様らはどうなんだ 
暗中模索で暗中飛躍の企みは今や崩壊寸前 俺も貴様等も同類か どうなんだ
無欲恬淡というわけではなく無芸大食というわけでもなく無為徒食でもない
しかしだ 無理無体に無理往生な浮き世 項垂れ続けるのが 詩人の日常務めたりえるのか
見て見ぬフリを誰かに習い怒りを発せず従順と姑息な笑顔で円満を維持し続けることを慣わしとし
出る杭になるのを恐れ日々燃えるモノも手に掴めず見下すことで充足される卑怯な人間なのか
其を無理難題とは考えない 無病息災に生き続けるのが健康マニアの務めなら 我々の務めは言わずもがな
無知の知を気取れば夜郎自大に気づき 縷縷綿綿とすれば累卵之危に気づき 和光同塵たろうとする
無知蒙昧に無我夢中に成ることを知らなん俺は全てに絶望し 無念無想を夢見る老いた鳥
誰の所為だ 貴様らの所為か どうなんだ

街の中 愛の言葉を交わす恋人たちよ 俺に出会ったら百年目 覚悟しとけ
絶え間ない笑顔を持つ隣人よ 俺に出会ったら三年目 忽ちその幸福を黒く呪ってやる
おぉ~ 誰ぞ悲しむ 俺に涙と同情を そしてトキメキの愛を

如是我聞 人ヲ責メ 与エラレル事ヲ望ンデイルダケノ貴方ハ救ワレナイハ ダツテソウデショウ
     愛ハ限リナク溢レ 未来ハ可能性ト希望ニ満チ コノ世界は豊穣ダワ キツトネ

おぉ~ カミよ 隣人よ 一切合切過ぎ去ったわけじゃないのだ  
風と太陽が過ぎ去ったわけではないように それは繰り返される宇宙の摂理
人の生活も繰り返されるそれはそれはチッポケな摂理 無我無上 呵々大笑
溢れる愛と希望を求めて三千里 2000万光年彼方の光を浴びて変化なし

さあ 出口は何処だ 天に唾を吐き中指を衝き立てることを潔しとしてきた
もう 後ろは振り返るな 太陽に畏敬の念を抱き 中指は女の為に
さあ 前を向いて進もう 藪から蛇はご愛嬌 常に人の世こそすれ
もう 恐れるな 艱難辛苦は誰が為の試練 この胸に抱きし人生への恋心

出口を経て街を見付けたら一杯ひっかけよう それはそれは歓天喜地
そしてこの胸に溢れる新しい愛と精神を女どもに分け与えよう
女に対しては四苦八苦 投げかける言葉は不撓不屈
収められた矛の代わりに得た打物はナイトサーベル 助手席に聖女を乗せ 目指す場所はグランドステージ
滅びの時まで情熱を燃焼さし 夜明けまで繰り返す燃える痴戯 

おぉ~カミよ 隣人よ もっと酸素を 俺はもっと楽に息がしたい 
もう呪われた風景はたくさんだ 
さあ~カミよ 雲の糸を垂らし寄こせよ さすれば迷うことなく愛と太陽の伝道師となり
日常の一隅の光となり さあいざいざ俺を待っている小鳥たちのもとへ 


134-136 名前:黒の森より叫んでみて[黒の森より叫んでみて] 投稿日:2006/02/01(水) 01:52:27 ID:21zY3SLw


【コメント】

171 名前: ◆Oamxnad08k [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 01:25:57 ID:EiaFK0gb
134 力不足。政治まできりこんだ題材はおもしろい

187 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/02/05(日) 23:12:00 ID:uWGAHsqu
>>134-136 日本の大多数が抱えている怒りってのは、大体がこんな感じで、
訳も分らず得体も知れず、てとこだろうけど、それをそのまま書いてしまうと
散漫になっちゃうね…。最終部は自分が出せていて、いいと思う。

584 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/05(日) 02:08:55 ID:3iWgU7nT
134-136 黒の森より叫んでみて
黒い森とは何だろうかまずタイトルに興味を持って読み始める
生き抜く為に作り上げてきた神経をねじ曲げて被った作り顔
平たくいえば社会に突き合わせている顔で誰でも持っている
ペルソナを前提に何の制御ももたない深層での思いがまた別の瞳を見開き理不尽やら耐えかねる不条理とかを具に見逃さないような 目がある
日々の蓄積としてどうにもならぬまま蠢くエリアから発生している声とも読み取れる
通念に対する憤り・宗教的概念も混在混沌としている世の中・情報過多に毒された誰かが付けた価値に振り回されがちな実生活の困難さ
拾い集めた表面に出ない ださないだろう思いを語句として密度を付けながら刻んだような文
所々人物名や自分以外の者に対する問い掛けや叫びの調子があるが全体としての関わりより文節毎の前後関係に引っ掛かる意味合いとして連ねている分
小さな叫びが読み続けていくにしたがって束になり一本の叫びとして集約されていくようだ
外界に向かって吐ききっている怒りの質感が
内に秘めたるマイナス集積「乞う」集約に感じ取れたのが後向きな余韻が重くのしかかってはくるのだけれど
叫んでみて実はこれらの内容をすべて翻す悟りを胸にさぁと
怒りの還元であるのかとも思えたりする
最終連に出てくる鳥は小鳥だ鳩ではなく
小鳥たちが待っているという現実
丁寧に読むとマイナスな情感を吸収する濾紙のイメージだ
読解に努力はしたのだが核心部分について私にキャッチ出来ているかは疑問である
私の感覚上には無い表現法でしたので興味深く
感受性が拾い取る部分を文章にしてみました(読み違えがあるかも知れません)
内向的な暗さが醸されている故に文章として見ると読みづらさとっつきにくさはあるけれど
文章所々に見える光の存在に魅力を感じた
文章として目で追うより舞台の上で一人語りが似合いそうだと思ったので
音読してみたら私が「怒りのカミ」化したような心持ちになれたのには驚愕でした

619 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/07(火) 20:13:08 ID:td7wTWMP
>134-136黒の森より叫んでみて
なにげに、ミーハーな読書傾向にやつきながら読み進んで、
 >おぉ~ 誰ぞ悲しむ 俺に涙と同情を そしてトキメキの愛を
ここで、がくっと来ました。結論これですか? そりゃあそうだけど、あんだけ社会悪を言い募って
詩人の倫理まで引き合いにだして、無闇に四文字熟語を駆使したあげくに
(ちなみに無という字を勘定したら24回使用していたぞ)これはないんじゃあないかあああ。
と振り返ってみれば、あの四角四面な前半はおちゃらけな前座に様変わりし、怒りもおかずになって
ああ、この脱力感も結構いいもんかもしれないと。。。

635 名前:穢土 ◆KJXrENozYs [穢土] 投稿日:2006/02/09(木) 12:38:33 ID:zq4RKcBo
黒の森より叫んでみてを書きました。
なぜポイントが貰えないのか?と各自審査員さんの批評を読みましたが
取れない理由が分かった気がします。
只、今後スタイルを変えるような器用な人間ではないので、楽しみながらやっていく所存です。
各審査員の方々どうもお疲れ様でした。楽しかったです。
因みに黒の森の意味は、森は迷う場所 黒は暗い意味を表したつもりです。では




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最終更新:2006年09月03日 21:51