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作品





楽園の海



541 名前:楽園の海[] 投稿日:02/09/30 14:03 ID:7a2smNQT

鳥は毎夕波打ち際に出でて
スタイロフォームの漂着する砂浜に
打ち寄せられる屍骸を啄ばんでは
腐った肉と
半ば固形化した血にまみれた嘴で
水泡のはじける音と
沈む太陽を曲解した鶏の喚声に合わせ
ひとしきり不協和音を奏で
闇の訪れる前にと
藪の中へ羽根を隠し
食い散らかされた人肉を
洗う満潮の頃ともなれば
波は黒曜石の輝きを取り戻し
ただ朧げな生白い月の微光を映しては
沈黙を守り
朝になれば発酵する赤潮を内包しながら
言葉を海底へと
深く沈め続けるのみ




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Sea Of Blue



542 名前:Sea Of Blue[sage] 投稿日:02/09/30 22:55 ID:bkhcUcgB

Will she see sea she want to ?
She will see sea she have to

You have reason am I so blue
Up and under the sky of true

As she will see sea she have to
I will see sea I have to too

Then might have reason she is so true
Up and under the sea of blue

「海の青」

彼女はそうしたい海を見るだろうか
彼女はそうすべき海を見るだろう

俺がこんなに青いわけは分かるよね
空の本当の上と下で

彼女がそうすべき海を見るだろうから
俺もそうすべき海を見るだろう

そうすれば彼女がこんなに本当なわけが分かるかもね
海の青の上と下で




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あの日の海



543 名前:あの日の海[sage ] 投稿日:02/10/01 00:50 ID:9YpzprW/

車をとめたとき音楽も止まった

君の横顔が夕暮れと競演する

君はバッグを一つ買った

ヨコハマ

夜の海を見た

きらめきは足元に降りて

僕らの呼吸は一緒になった





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ワタクシは海



546 名前:ワタクシは海[sage] 投稿日:02/10/03 01:15 ID:ORYVHMw7
こう言うと、皆様はお笑いになるでしょうけれど
ワタクシって、こう見えても海ですのよ
いえ、誤解なさらないで!
海のような女、ということではございませんの
海そのもの、なのですわ

とはいえワタクシが産み出せるものといえばーー
絶えて無くなるまでには限られた言葉の組み合わせ
やがて地球に定住するまっかな宇宙人
 ーーそんなものですけれど
そして、海が産み出した子を放り出すようには、できず
自分が産み出したものに執心してしまうのですけれど
波の力に操られるように執心してしまうのですけれど

それでもワタクシは身体の内に潮をもち
満ち干きを風とともに感じるのです
かもめの声が聞こえます
海産物だって獲れるかもしれませんわ
「生命の源」とはよく言ったもの

やっぱり皆様、お笑いになりますのね
ええ、いつものワタクシの「電波話」だとお思いなのでしょう?
よろしくってよ、気にいたしません
だって証拠をお見せすることができないんですもの
証拠なんてものは、いつだってメルヘン☆の中にあるんですものね

それでは皆様、ごきげんよう
ワタクシはこれから一人、寝室に入って
今宵はどんな生命を産み出そうか
ワタクシの中から




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鏡像



547 名前:「鏡像」(1/2)[sage] 投稿日:02/10/03 08:33 ID:zMfs/HQo

こっちへ来いと呼んでいるのか
来るなと追い払っているのか

太陽を呑み
その欠片を夥しい浮標として
海は同じ所作のなか
それぞれ違う叫びを砂浜に投げ捨て
私を途惑いに溺れさせる

夏を過去に追いやり
海は次第に凛とした表情を見せ
悪戯な立ち入りを拒むその硬さは
靴越しに温度となって表れる

しかし海は私を見つめ続ける
ただひとつの真っ直ぐな眼差しで
それは確かなことだ

私の見つめる海は
ただひとつの私の海
それは松葉杖をつき歩く
あの少年の海でもなければ
漁船の近くで言い争う
あの老人たちの海でもない
彼らには彼らの
私の見た事のない
ただひとつの海がある



548 名前:「鏡像」(2/2)[sage] 投稿日:02/10/03 08:34 ID:zMfs/HQo

息を荒げる水平線が
強く私の感傷の首を絞める

ただひとつの海と相対する
ただひとつの命

それは暗くなってゆく
海への帰途に就く太陽に
次第に似てゆく

海は誘いつつまた拒み
流木のように私を置き去りにする

少し冷えてきた砂浜に
誰かの大きな陰影が広がってゆく

ランボーが永遠と喩えた
太陽と海が番う瞬間までに
まだ少し時は余った






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酸い口



549 名前:酸い口[sage] 投稿日:02/10/03 14:16 ID:cxflOAaD
倦怠なるまがい言葉にふさわしからぬ激動が私の体を覆った
そいつは痺れになりきらぬ点描をここだあここだあと
描きつつ私の目に、鼻に、口にと五感すべてを満たし
いつぞやの空気をおもいおこさせるときがそこにやってきていた

冷たい海よ、もはや土のにおいのする秋風をその上で遊ばせ
自らの蒼い色へと染めていくその過程に
わたくしというテトラ堤は港には収まりきらず膨張していく

その虹色の円環がこのキャンバスの額になりきる、という幻想も
ふくめて潮風だ!とおまえはさけびわたしはあくまで冷静に
麻酔だと水をあびせる、わたしがくわえたその電撃を
あらゆるベクトルへと進行させる鉛管を地下に忍ばせながら
海よ おまえは酸味に満ちているのか?




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オセアーノ



550 名前:オセアーノ (1)[] 投稿日:02/10/04 00:52 ID:tp2ert8U
君の胸に抱かれているような
幸福な眠りから覚めた朝に
沖が時化はじめているのを見た
僕は取り残されてしまったのか
椰子の下で
影と一緒に

愛を知った心は砂漠だ
情念の海を乗せ
決して潤うことのない砂漠だ
僕は椰子の実を拾いあげる
波間に放った
影も一緒に

僕は一日中ここでこうしているんだ
嵐がここまでやって来ない限りは
椰子蟹と戯れたりして
海をなだめすかしている


551 名前:オセアーノ (2)[] 投稿日:02/10/04 00:52 ID:tp2ert8U
そしてまたあの夕暮れ時がやって来る
凪いだ海さえ激しく狂おしくさせる

砂漠は呻き
君を求める

光と影が波を荒立たせ
最も静かな嵐がやって来る
しかしそれでも海を傷つけることなど出来はしない

西に太陽
東に満月

やがて乾燥しきった月が権力を奪うだろう
しかしそれでも海を乾かすことなど出来はしない

やがて君の姿が
海を渡って来る




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名残の海辺



554 名前:名残の海辺(1/2)[sage] 投稿日:02/10/04 22:40 ID:n+PfiGSS
海辺のニュータウン
ここは昭和40年頃まで
根と呼ばれた海底の岩山
地名すらなかった
海の生き物達の住処

旧海岸の波よけ神社
ニュータウンの住人は氏子ではない
我々2万4千人は海の亡者か
ほら 小学校も中学校も
水底にゆらめき立つ

フローリングの渚で
打ち寄せられる
宝物とゴミと洗濯物と食いかす
浅蜊でも飼おうか
毎週の掃除もむなしく
潮は満ち 潮は引き
翌朝は元通り


555 名前:名残の海辺(2/2)[sage] 投稿日:02/10/04 22:40 ID:n+PfiGSS
山葡萄の模様のソファーは
船になり 岸壁になり
島巡りクルーズ 魚釣り
小さな船長は忙しそうに梶取り 
海には赤ちゃんアザラシ

大潮の晩は
リビングルームは浸水し
船をふわりと浮かばせる
波に揺られて水音に耳を澄ませれば
彼方からゆっくりと近づく
津波

公園を歩く千鳥
薄暮の空を旋回するおびただしい数の鳶
海の磁場を鳥たちは感じている

私の身体も感じるようになった
月と太陽が正面と背後に来る時を
待っている




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海へ




556 名前:海へ(1/all)[sage] 投稿日:02/10/04 22:59 ID:1AQkhJpd
「海が見たい」と言った

10年前なら、耳にも入らなかっただろう
5年前でも

半年前なら、車を飛ばしただろう、誰の制止も構わず

どうして、
今まで一度も言わなかった
そんな台詞を
今、君は言う?

消えかけた
途切れとぎれの
意識の合間

君は、そう呟いた


海を見せたい、そう思った

15年、一緒に居た君に
はじめて、海を

見せてやりたいと、思った


557 名前:海へ(2/all)[sage] 投稿日:02/10/04 23:00 ID:1AQkhJpd
「海に行こう」と言った

消えかけた
途切れとぎれの
命の瀬戸際

君は、うなずいて

「海が…」と

そして、ひとり

旅に、
でて、
しまった。



56-557の本文)


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最終更新:2006年11月05日 10:49