令嬢モノ01 フリマの後悔

「令嬢モノ01 フリマの後悔」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

令嬢モノ01 フリマの後悔 - (2019/06/18 (火) 21:52:43) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

フリマ・アクアリーフはアクアリーフ王国の第二王子である。 エウローメカ大陸にある三大国の一つ、アクアリーフ王国。 大陸の2割を占める領土は大半が豊かな土地であり、多くの自然に山脈などの鉱山資源もある。 港では他大陸であるシューマ大陸との公益もある。 見目麗しいと名高い姫将軍が納めるエシュリー公国には劣るが治安もエウロメーカ大陸の中ではよい方だ。 そんな安定した王国の第二王子に生まれたフリマは王城の一室でフリマ・アクアリーフは悩んでいた。 頭脳明晰であり、容姿端麗、剣を持てば同年代で適うのは兄以外はいないし 歳を4つぐらい上げてもそれは変わらない。 魔力数値は12万を超える数値を出し、藍色、つまり氷の魔術をつかえば、 軽々と魔物を氷付けにできるし、解けない氷を作り出し盾や剣や壁にすることも思いのままだ。 時代が違えば名君とよばれていた傑物であることはまちがいない。 ただ彼がそうよばれないのは彼よりも優れた二卵性双生児の兄がいた。 フリマと彼の兄ユーキの仲は良好である。 フリマが兄の盾になるのは嫌だけど邪魔な家臣たちと道連れになって死ぬぐらいはしていいと思っているぐらいに兄弟の仲は良い そんな彼をしてでもこの悩みは難しかった。 確かに王族の一員として英才教育を受け、早熟な精神を持っていても そのとてつもなく大きな悩みは8歳という歳に課せられたものではないと思う。 なにせ今から国中から集められた貴族のご令嬢たちと見合いが始まるのだ。 「というか何故俺も見合いをしなければならないんだ?」 俺なんかよりもユーキ兄さんとお見合いしたほうがいい。なんせ第一王子だ。 見初められれば王妃、側室、寵姫になるのは想像に難くない。 俺に選ばれた令嬢たちのなかにユーキ兄さんと相性がいい人がいたらそれこそ問題だ。 そうだ!お見合いする相手全員に対して婚約を破棄しよう! そうすれば兄さんと改めて見合いできる! そうときまれば……… ろくに読まずに机の上に放り出していた釣書を見る。 よくもこんなにも集めたと思うほどに何十枚もあり上は侯爵の令嬢、下は有力商人の娘や、能力が優れている庶民の娘までいる。 「改めてみたら凄いな」 でもさすがに庶民の子は俺が第二王子だからといってやりすぎじゃないか?」 まあ相性がよければそれもいいかもなと苦笑しながら全ての釣書に目を通す。 近々会うことになっている人物を割り出す。 改めてみたら今日会うことになっているのは5人もいた。 いずれも公爵、ならびに侯爵の令嬢で長めの時間となっている。 クオル宰相の考えそうなことだ、この5人のなかから選べということのなんだろう。 「最初に会う令嬢はハートハート家のセリカ嬢か。  彼女なら母上の茶会に来ていて何度か話したことがある、聡明でこちらの意図も汲んでくれるだろう」 セリカ嬢の釣書を改めてみる。 身長や性格、能力といったことや好みなのが書かれている。 さすがに王族相手の釣書に虚偽はないだろうし浪費癖がある様な人物はここまでこないが一応確認のために改めてみる 「なんだこれ。魔力数値が15?」 貴族の平均は1万ぐらいだ。庶民でも平均すれば魔力数値が1000はある。 これだけ低いのは逆に珍しいが……… 「さすがに15万の間違いだよな。ってことは俺よりも高いのか!? 兄さんもたしか15万とかいってたし、他の釣書をみても、やっぱりないな この数値は俺と見合うのは間違いだろ、セリカ嬢は性格的に見ても国母となりうる人物だったはずだ 断然兄さんのほうがいいだろ」 なんで俺が見合いをする釣書に混ざってるんだ? ともかく俺との婚約を破棄するように告げてから彼女はユーキ兄さんとお見合いできるように話し合おう。 ---- 「申し訳ない、セリカ嬢。婚約を破棄させてくれないか」 「それは私には貴族としての価値がないということでしょうか?」 は?なぜそんなことになるのだろうかと思う。 この国での婚約は12歳からと決まっている。 そういう法律がある。だから10歳の婚約は仮の約束みたいなものだし、この国では婚約破棄は珍しいことではない。 なにせ国父が婚約破棄をしてるぐらいだ。 俺はその言葉をすぐに否定せずに考え込んでしまった。 それが運命を決めてしまった。 「―――。わかりましたわ」 涙を浮かべた紅い瞳。 スカートのすそを持ち頭を下げる。 気丈に振舞っているが振るえているのは解かる。 「私のような価値がないものは、王子の視界に入ることすら不敬となりましょう」   失礼いたします。退室させていただきますわ そういうと、彼女は侍女に連れられて部屋から出て行く。 え、ちょ、ちょっとまて、なんでそうなるんだ? だって俺よりかユーキ兄さんのほうがいいだろ!? 俺は彼女の突然のことに何も言うことはできず、セリカ嬢をとめれることができなかった。
・1-1 フリマ・アクアリーフはアクアリーフ王国の第二王子である。 エウローメカ大陸にある三大国の一つ、アクアリーフ王国。 大陸の2割を占める領土は大半が豊かな土地であり、多くの自然に山脈などの鉱山資源もある。 港では他大陸であるシューマ大陸との公益もある。 見目麗しいと名高い姫将軍が納めるエシュリー公国には劣るが治安もエウロメーカ大陸の中ではよい方だ。 そんな安定した王国の第二王子に生まれたフリマは王城の一室でフリマ・アクアリーフは悩んでいた。 頭脳明晰であり、容姿端麗、剣を持てば同年代で適うのは兄以外はいないし 歳を4つぐらい上げてもそれは変わらない。 魔力数値は12万を超える数値を出し、藍色、つまり氷の魔術をつかえば、 軽々と魔物を氷付けにできるし、解けない氷を作り出し盾や剣や壁にすることも思いのままだ。 時代が違えば名君とよばれていた傑物であることはまちがいない。 ただ彼がそうよばれないのは彼よりも優れた二卵性双生児の兄がいた。 フリマと彼の兄ユーキの仲は良好である。 フリマが兄の盾になるのは嫌だけど邪魔な家臣たちと道連れになって死ぬぐらいはしていいと思っているぐらいに兄弟の仲は良い そんな彼をしてでもこの悩みは難しかった。 確かに王族の一員として英才教育を受け、早熟な精神を持っていても そのとてつもなく大きな悩みは8歳という歳に課せられたものではないと思う。 なにせ今から国中から集められた貴族のご令嬢たちと見合いが始まるのだ。 「というか何故俺も見合いをしなければならないんだ?」 俺なんかよりもユーキ兄さんとお見合いしたほうがいい。なんせ第一王子だ。 見初められれば王妃、側室、寵姫になるのは想像に難くない。 俺に選ばれた令嬢たちのなかにユーキ兄さんと相性がいい人がいたらそれこそ問題だ。 そうだ!お見合いする相手全員に対して婚約を破棄しよう! そうすれば兄さんと改めて見合いできる! そうときまれば……… ろくに読まずに机の上に放り出していた釣書を見る。 よくもこんなにも集めたと思うほどに何十枚もあり上は侯爵の令嬢、下は有力商人の娘や、能力が優れている庶民の娘までいる。 「改めてみたら凄いな」 でもさすがに庶民の子は俺が第二王子だからといってやりすぎじゃないか?」 まあ相性がよければそれもいいかもなと苦笑しながら全ての釣書に目を通す。 近々会うことになっている人物を割り出す。 改めてみたら今日会うことになっているのは5人もいた。 いずれも公爵、ならびに侯爵の令嬢で長めの時間となっている。 クオル宰相の考えそうなことだ、この5人のなかから選べということのなんだろう。 「最初に会う令嬢はハートハート家のセリカ嬢か。  彼女なら母上の茶会に来ていて何度か話したことがある、聡明でこちらの意図も汲んでくれるだろう」 セリカ嬢の釣書を改めてみる。 身長や性格、能力といったことや好みなのが書かれている。 さすがに王族相手の釣書に虚偽はないだろうし浪費癖がある様な人物はここまでこないが一応確認のために改めてみる 「なんだこれ。魔力数値が15?」 貴族の平均は1万ぐらいだ。庶民でも平均すれば魔力数値が1000はある。 これだけ低いのは逆に珍しいが……… 「さすがに15万の間違いだよな。ってことは俺よりも高いのか!? 兄さんもたしか15万とかいってたし、他の釣書をみても、やっぱりないな この数値は俺と見合うのは間違いだろ、セリカ嬢は性格的に見ても国母となりうる人物だったはずだ 断然兄さんのほうがいいだろ」 なんで俺が見合いをする釣書に混ざってるんだ? ともかく俺との婚約を破棄するように告げてから彼女はユーキ兄さんとお見合いできるように話し合おう。 ---- ・1-2 「申し訳ない、セリカ嬢。婚約を破棄させてくれないか」 「それは私には貴族としての価値がないということでしょうか?」 は?なぜそんなことになるのだろうかと思う。 この国での婚約は12歳からと決まっている。 そういう法律がある。だから10歳の婚約は仮の約束みたいなものだし、この国では婚約破棄は珍しいことではない。 なにせ国父が婚約破棄をしてるぐらいだ。 俺はその言葉をすぐに否定せずに考え込んでしまった。 それが運命を決めてしまった。 「―――。わかりましたわ」 涙を浮かべた紅い瞳。 スカートのすそを持ち頭を下げる。 気丈に振舞っているが振るえているのは解かる。 「私のような価値がないものは、王子の視界に入ることすら不敬となりましょう」   失礼いたします。退室させていただきますわ そういうと、彼女は侍女に連れられて部屋から出て行く。 え、ちょ、ちょっとまて、なんでそうなるんだ? だって俺よりかユーキ兄さんのほうがいいだろ!? 俺は彼女の突然のことに何も言うことはできずセリカ嬢をとめることができなかった。 呆然としていた俺がはっと意識を取り戻したのは数分後。 侍従が次の婚約者候補を連れてきてドアを叩いた音によってだった。 ---- ・1-3

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: