基本情報



略歴

蜉蝣時代を生きた歴史の生き証人。
山奥の小さなエルフの村で生まれ、幼い頃から学識を積んだアルディアは、村から出ようとしない他のエルフと異なり、人間のことに興味を示していた。
あるとき、アルディアの聡明さを聞きつけた麓の小城の城主が、彼女を自分の娘の教育係にしたいと招く。
この時代、人とエルフの交流は、全くなかったわけではないがまだまだ薄く、街でエルフを見かければ珍しいと振り向かれる様な存在であった。
そのため、周囲の者は人間の街へ出ることを心配するが、本人はこの申し出に乗り気であり、父親も彼女の考え方に同調し、山里から降りて人間のいる世界を見てくる様にすすめた。

こうして彼女は人間と混ざって生活し、あらゆる知識を蓄えていくが、あるとき、領内にあった巨大な遺跡を見つけると、そこで遊ぶ子供達にこれは何の遺跡かと訪ねた。しかし、子供たちは誰一人として答えられない。
その時アルディアは、どんな偉大な偉業も、それを伝える者がいなければ朽ち果てるだけと悟り、自分の生きる道はその偉業を後世に残すことだと信じ、自らが生きた時代をできるだけ細かく正確に書き残すこととなる。

その数年後、群雄割拠の蜉蝣時代が幕を開けると、彼女は旅に出て、あらゆる国の記録を残していく。
やがて、聡明な彼女の名は諸国に広がり、自国領土にアルディアがいると知ると、面会を求め手厚く庇護する者も増えた。
その為、彼女は旅の路銀に不便をしたことがないというが、そういった庇護をうけながらも、彼女のペンは常に中立を貫いた。

蜉蝣時代が終焉し、天変地異と大寒波による大移動でロンドーナ大陸東部は無人化が進む。
彼女は、この大陸を確実に生きていたあまたの国主、将軍、民の足跡に後ろ髪を引かれながら南へと旅立つ。
そこで製本した「蜉蝣戦記」は人々の共感を呼び、後々まで語り継がれていくこととなった。
エルフである彼女はその後も生き続け、様々な歴史を書き続けたが、1658年ヴァーグリア国で息を引き取っている。
彼女こそまさに歴史の生き証人だった。


人物

  • 風の精霊を駆使して、各地の情報を入手していたが、それでも全ての国を調べるには限界があり、彼女が旅をした行程が蜉蝣戦記の基本的な流れになっている。空白部分は、他の資料により穴埋めされているが、大寒波による大移動で国の正式な史書が少ない為、いまだ不明な部分も多い。
  • 彼女のペンが中立を貫いたことを示す逸話として、アル国に滞在していたとき、ザグルスは彼女を手厚くもてなしたが、アルディアの書いた文章に、自分が暴君であるとはっきり書かれていたことに怒り暗殺者を送り込み、アルディアはかろうじて逃れたという記録がある。


関連項目





最終更新:2024年08月18日 16:48