5000系は、東北鉄道が1979年に導入した近郊型車両である。
概要
東北鉄道5000系電車 | |
基本情報 | |
運用者 | 東北鉄道 |
製造所 | 北海製輌所 |
製造年 | 1978~83年 |
製造両数 | 96両 |
運用開始 | 1979年3月8日 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1500V(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 100km/h |
設計最高速度 | 100km/h |
起動加速度 | 2.3km/h/s |
減速度 | 3.1km/h/s(常用) 3.8km/h/s(非常) |
車両定員 | 本文参照 |
全長 | 20,000mm |
自重 | Mc1車:44.4t M2車:41.8t Tc2車:35.6t T車:33.2t |
全幅 | 2,980mm |
全高 | 4,050mm |
床面高さ | 1,170mm |
主電動機 | 直流複巻電動機 |
主電動機出力 | 130kw |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン方式 |
歯車比 | 79:15(5.27) |
制御装置 | 界磁チョッパ制御 |
制動装置 | 回生併用電磁直通空気ブレーキ |
保安装置 | 本文参照 |
宮東線の輸送力強化を目的として1978年から83年にかけて4両編成24本が製造された。
編成
←石切台(・根府) | 白崎→ | ||
5000 | 5100 | 5200 | 5300 |
Mc1 | M2 | T | Tc2 |
車体
20m3扉、車体幅2980mmの裾絞り付き拡幅車体で、鋼製車ではあるが一部に耐候性の高いステンレス鋼を使用している。
内装
近郊型車両であるため、車内は集団見合い型クロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートの形を取っている。T車にトイレが設置されており、長距離の運用にも対応している。1両あたりの着席定員は56人(M2車のみ64人)。また特筆すべき点として宮東線では初の冷房車であり、出力8000 kcal/hの分散式冷房装置を各車4台設置している。
機器
界磁チョッパ制御を採用しており、東北鉄道では初めて回生ブレーキの使用を可能としている。抵抗制御部分にはバーニア抵抗を用いた超多段制御を採用しており、界磁チョッパ制御の難点である力行時の乗り心地を改善している。1編成分8基のモータを1つの制御装置で制御する。補助電源装置はブラシレスMG。パンタグラフは冷房装置との干渉を考慮し、下枠交差式のものをMc1車に2基搭載している。
運用
基本的に本形式単独では4両単独、または2編成併結した8両編成での運転を行う。本形式以前に導入されていた抵抗制御の車両とは併結運転が可能であり、それらと併結して6・7両でも運用されてきたが、1993年に登場した6000系以降の形式とはブレーキ方式の違いから併結が不可能であり、6000系の大量投入によって抵抗制御車が宮東線から全廃された1999年以降は本形式単独運用のみを行うようになった。
改造
2003年以降、M2車とTc2車の車端部にある座席を撤去して車椅子スペースとする改造が行われた。全24編成を対象として2006年までに完了し、編成あたりの着席定員が8人減少した。
置き換え
2016年に開始される東部中央鉄道根府線との直通運転開始に伴い、新型車両の7000系を導入して本形式を置き換えることとなった。2015年から16年にかけて17編成68両が廃車となった(7000系は23本導入されているが、編成数の差は7000系が3両編成であり輸送力に差があるため)。また2019年のダイヤ改正では輸送力の適正化が行われることとなり、この時点で残存していた7編成のうち3編成が運用を離脱、一時期の休車を経て廃車された。
近況
現在は4編成16両(ただし併結相手が固定されているため、実質8両編成2本)が在籍しており、神谷本町車庫の所属となっている。2019年以降入る運用が固定されており、現在では神谷本町〜石切台駅間を朝に1往復するだけの運用となっている。