6000系は、東北鉄道が1993年に導入した近郊型車両である。
概要
東北鉄道6000系電車 | |
基本情報 | |
運用者 | 東北鉄道 |
製造所 | 船橋重工業 |
製造年 | 1992~99年 |
製造両数 | 178両 |
運用開始 | 1993年5月25日 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1500V(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 110km/h |
起動加速度 | 2.3km/h/s |
減速度 | 3.1km/h/s(常用) 3.8km/h/s(非常) |
車両定員 | 本文参照 |
全長 | 20,000mm |
自重 | Mc1車,Mc3車:35.4t M2車:33.8t Tc2車:25.6t T車:24.2t |
全幅 | 2,980mm |
全高 | 4,050mm |
床面高さ | 1,150mm |
台車 | ボルスタレス式空気ばね台車 電動車:FHB-921 付随車:FHB-920 |
主電動機 | 三相かご型誘導電動機 FEI-IM88 |
主電動機出力 | 150kW |
駆動方式 | TD継手式中実軸平行カルダン方式 |
歯車比 | 87:16(5.44) |
制御装置 | GTO素子VVVFインバータ制御 |
制動装置 | 回生併用電気指令式電磁直通ブレーキ |
保安装置 | 本文参照 |
サービス向上及び旧型車の置き換えを目的として1993年から導入された。MMユニット方式で、主に4連を組む6000系と3連を組む6500系に大別される。6000系は4両31本、6500系は3両18本の合計49本178両が製造された。基本的にはMc1-M2-T-Tc2,及びMc3-M2-Tc2の編成を組む。船橋重工業による南山ネットワークグループへの本格的車両導入の先駆けとされ、同時期に製造されていた通勤形電車である塔野高速鉄道91系電車の設計を一部流用している。
編成
←石切台(・根府) | 白崎→ | ||
6000 | 6100 | 6200 | 6300 |
Mc1 | M2 | T | Tc2 |
6500 | 6600 | 6800 | |
Mc3 | M2 | Tc2 |
車体
当時の船橋製車両の標準であったビード付軽量ステンレス車体(先頭車運転席部のみ踏切事故などからの復旧を考慮して普通鋼製、前面はFRP製)。拡幅車体となっており、裾部分は絞られている。側面には幅1,300mmの両開き扉を片側3か所設置し、扉間隔は5,200mmとしている。
内装
近郊型車両であるため、車内はクロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートの形を取っている。座席配置は扉間にボックスシート2組およびその両端に2人掛けロングシート、車端部は4人掛けロングシート(運転台直後は2人掛け)とした。T車にトイレが設置されており、長距離の運用にも対応している。トイレ設置部の対面は車いすスペースとした。扉上にはLED式の車内案内表示装置が搭載されている。
機器
GTO素子VVVFインバータ制御を採用。1基の制御装置で4基のモータを駆動する1C4M方式となっており、Mc1•Mc3車にこれを2群搭載する。台車はヨーダンパ付ボルスタレス台車のFHB-921/920で、軸箱支持方式は円錐積層ゴム式。電動機は定格出力150kWのIM88とこの時期の船橋重工業製では標準的な機器構成を採用している。
導入後の変遷
1992年に1次車として4両編成2本(6001,02編成)が導入され、1993年に営業運転を開始した。その後は1994年までに4両編成12本(6003~14編成)が増備されたが、この当時は同時に製造された4両編成を2編成併結した実質的な8両固定編成でのみ運用されていた。輸送力適正化のため、1995年に製造された6015~6018編成のうち、6017,18編成はT車を抜いた3両で落成、これ以降は4両+3両の7両編成での製造を標準とし、6017,18編成は6501,02編成に改番された。その後は1996~98年に6017編成(2代目)+6503編成、6018編成(2代目)+6504編成の順に6031編成+6517編成までの合計30編成105両が製造され、最後に1999年に固定ペアを持たない予備車として6518編成が製造され、全49編成178両が出そろった。2003年のダイヤ改正以降は4両編成に限り単独運転を開始し、これに伴いこれまで固定されていた併結相手が固定されなくなった。
運用
基本的には4両編成の単独運転、あるいは2編成を併結した6〜8両編成(ただし6両編成は7000系との併結のみ)で運用に就く。なお、6500系編成にはトイレが設置されていないため、原則として6000系または7000系と併結した形で運用に就く。7000系の編成数が限られているため、不足時は6500系を東部中央鉄道根府線に直通する運用(のうち、終日2編成併結の6両編成で解結を行わないもの)を代走することがある(その場合でも6500系を2編成併結するのではなく、片方は必ず7000系および東部中央鉄道10000系となる)。組成は編成単位で行われるが、2019年に6017編成の白崎寄り先頭車クハ6317が踏切事故で損傷した際に残った3両を6022編成に併結して7両編成で営業運転を行ったことがある。
近況
2014年よりリニューアル工事が実施されており、車椅子スペースの拡大(Tc車の運転台と反対側の車端部に移動)やトイレの大型化などバリアフリー対応が進んでいる。外装面では種別・行先表示機が一部編成でフルカラーLEDに換装されている。一部編成では扉脇のロングシートを撤去する輸送力改善工事が合わせて行われている。また制御装置が1C2MのIPMモジュールを使ったIGBT素子のものとなっており、機器の二重系化と合わせて故障時の安全性が向上している。