アイドル編


ようこそ、未来のトップアイドル。

君たちは、新進気鋭のアイドルグループ「NEPHILIM†DOLLS (ネフィリム・ドールズ)」のメンバーだ。

これから始まる物語は、君たちが無名の地下アイドルから、「武道館」に立つまでの軌跡を描く、成り上がりストーリーだ。

これは、君自身の「物語」を、君自身の手で紡ぐためのゲーム。
さあ、君だけのアイドルを創造し、この残酷で美しいショーレースに身を投じよう。
君の輝きは、誰かの絶望の上にこそ、最も強く煌めくのだから。

目的

多くのファンを獲得し、グループ内の頂点に立つこと。
最終クエスト終了時の累計ファン数が最大のプレイヤーが【神アイドル】の栄光を手にする。

クエストについて

ライブや握手会、メディア露出のような一つのイベントでの立ち回りがクエストとして出題されます。
クエストの結果がアイドル活動に与えた影響を考慮して1ターン(ゲーム内期間約3ヶ月)での獲得ファン数がポイントとなります。
アイドルとしての活動が進展していくに従って、ターンごとに獲得できるファン数は指数関数的に増大していきます。

クエスト報酬

各ターンで最も多くのファンを獲得したプレイヤーは次シングルの【センター】に選ばれ、さらに1人の【信者ファン】と【スキルポイント】を1ポイント獲得します。

  • センター
次のターンに限り獲得ファン数が2倍になります。

  • 信者ファン
行動提出の際に手駒として自由に指示を与えられるファンです。
自分の行動の援護をさせることも、他プレイヤーの妨害をさせることも自由。
信者ファンは下記の10個のスキルのうちランダムに選ばれた一つを所持しています。
【厄介】【トップオタ】【絵師】【同担拒否】【まとめブログ管理人】【古参】【石油王】【イケメン】【機材班】【繋がり】
信者ファンは所持アイテム扱いとなりますが、アイドルと行動をともにしているわけではないため、クエスト内容によっては指示できる範囲が限定される可能性があります(スタジオ収録など)

  • スキルポイント
そのキャラクターの所持しているスキルのうち、レベル3未満のものを任意に一つ1レベルアップすることが出来ます。

NEPHILIM†DOLLS (ネフィリム・ドールズ)

「完璧じゃない、どこか儚げで、だからこそ見守り、応援したくなる少女たち」。
ゴシックな世界観と、苦悩や背徳を歌い上げるロック調の難解な楽曲を歌いこなす実力派アイドルグループ。
公式SNSでメンバー間の衝突や生々しい感情が赤裸々に公開され、一種のリアリティショーとして注目を集める。

NPC

  • 名前:饗庭 瞑(あえば めい)
「物語」を創造し、少女たちを扇動するカリスマプロデューサー。少女たちの魂を『物語』として演出し、世界に消費させるという哲学をもつ。
  • 外見:20代後半に見える男性。髪色は色素の薄いプラチナブロンド。無造作だが計算されたスタイル。全体的に中性的で優雅な美貌。その立ち姿は常に完璧で、隙がない。
  • 裏の目的:アイドル活動の過程で発生する「葛藤」「嫉妬」「闘争」「破滅」「再生」といった感情のエネルギー、そしてファンの信仰心や熱狂を搾取し、彼女たちを次世代の人類、あるいは神に近い存在に昇華させることができると考える狂信者。

キャラクター作成について

作成するキャラクターは10代の女性である必要があります。
所持するスキルはアイドルとして表舞台で輝くための能力と、ライバルを妨害するための能力をバランス良く取得することが推奨されます。
取得できるスキルや能力に禁止や制限は特にありませんが、露骨すぎるものは調整対象となります。
また、犯罪行為の発覚など、アイドルとしてあまりにも致命的すぎる炎上が起きたキャラクターはゲームから脱落となりますので、あらかじめご注意ください。
また、出来ればキャラクター設定内にアイドルとしてトップを目指す理由を設定して欲しいです(ゲーム内の有利不利には関わりません)


オープニング

しん、と静まり返ったレッスンルーム。

壁一面の鏡が、床に座り込む少女たちの姿を、無慈悲に映し出している。汗と、湿布の匂いと、微かな鉄の錆のような香りが混じり合う。数時間にも及ぶ過酷なダンスレッスンの後、誰もが口を開く気力さえ失っていた。

カツン、と硬質な靴音が響く。
音の主を見るまでもない。この空間の絶対的な支配者、プロデューサーの饗庭 瞑が、アイボリーのスーツを少しも乱すことなく、部屋の中央に立っていた。

「お疲れ様、僕の可愛いネフィリムたち。素晴らしい仕上がりだ。君たちの流す汗の一滴一滴が、未来の輝きを約束しているかのようだね。」
蜂蜜のように甘い声。しかし、その声には体温が感じられない。饗庭は満足げに室内を見回すと、ゆっくりと言葉を続けた。

「さて。君たちのインディーズデビューライブの日程と場所が、正式に決定した。」
その一言に、疲弊しきっていた少女たちの瞳に、一斉に光が宿る。デビュー。待ち望んだその響きに、誰もが息を飲んだ。

「だが、喜ぶのはまだ早いよ。」
饗庭は優雅に指を一本立てる。その仕草に、場の空気が再び凍りついた。

「君たちのデビューシングル『堕天使のモノローグ』。そのセンターは、まだ決まっていない。当然だね? センターとは、グループの顔。魂そのものだ。誰にでも務まるような、安っぽい椅子ではない。」

彼は、まるで宝石を一つずつ吟味するように、少女たちの顔をゆっくりと見渡した。値踏みするような、それでいて、これから始まるショーに期待するような、妖しい光を瞳に宿して。

「デビューライブ当日。そのステージで、最も観客の心を掴んだ者。最も強く、自らの存在を証明できた者。そのたった一人に、最初のセンターという栄誉を与えよう。」
「これは競争だよ」と、彼は微笑んだ。それは、聖母のようにも、悪魔のようにも見える、完璧な微笑みだった。

「君たちは、仲間であり、ライバルだ。手を取り合うのもいい。足を引っ張り合うのもいい。僕が観たいのは、君たちという『物語』の、最も美しい始まりの瞬間だ。さあ、僕をもっと楽しませておくれ。」
彼はそれだけを言うと、再び靴音を響かせ、レッスンルームを後にした。

先ほどまで共有していたはずの疲労感は、いつの間にか張り詰めた緊張感へと姿を変えていた。隣に座る仲間の横顔が、昨日までとはまるで違う――倒すべき敵の顔に見えたのは、果たして気のせいだったのだろうか。
こうして、泥と硝煙にまみれた、たった一つの玉座を巡る物語の幕が、静かに上がった。

――NEPHILIM†DOLLS、最初のクエストが、今、始まる。

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最終更新:2025年07月29日 19:51