あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第3回トーナメント 第1回戦 第1試合
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aioricharabattle
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第3回トーナメント 第1回戦 第1試合
《クエイド VS 真螺判蛸》
——あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング。
リングの片側に、クエイドが静かに立っていた。彼女の周囲には四つの目型機械が浮遊し、淡い光を放ちながら相手を観察している。冷静沈着な彼女だが、心の奥では緊張が渦巻いていた。
「私みたいなクソカスに勝てるのかな…。」
彼女の呟きは小さく、風にかき消されそうだった。だが、その瞳には並行世界を見据える鋭さが宿り、機械たちが微かに動きを速めた。
対するリングの反対側では、真螺判蛸が宙に浮かんでいた。
灰色の蛸は触手をゆらりと動かし、全知の智を誇る瞳でクエイドを捉えている。仙人の死から至った存在である彼の声が、低く響き渡った。
「先ほども言ったが、全てを知る私の前に、抗う意志など無意味だ。」
その言葉がリングに重圧を帯び、観客席の空気が一瞬重くなった。蛸の触手が微かに震え、知恵の波動が広がる。
ついに始まろうとしている一回戦第一試合に観客席から歓声が轟き、会場はまるで雷鳴の渦だった。
「——試合開始ッ!!」
試合開始の合図がリングに轟音が鳴り響き、戦いが始まった。
最初に動いたのはクエイドだった。彼女は四つの目型機械に指示を出し、それぞれが異なる魔法を放つ。
一つが炎の矢を放ち、別の二つが雷と氷の弾丸を連続で発射。最後の機械は風を巻き起こし、真螺判蛸を撹乱しようとした。
「相手に苦手を押し付けるのが私の戦い方…あなたにも効くといいけど。」
炎と雷が蛸に迫るが、真螺判蛸は触手を軽く振るだけで全ての攻撃の軌道を把握したかのように回避する。
氷の弾丸も触手で軽く弾かれ、風は蛸の周囲で無意味に渦を巻くだけだった。
「その程度の攻撃は既に知っている。無駄だ。」
蛸の声が冷たく響き、触手が一閃。知恵の波動がクエイドを襲い、彼女の意志を揺さぶろうとする。
「うっ…頭が…」
クエイドは一瞬頭を押さえたが、そこで終わらずに「並行干渉」を発動した。
彼女の瞳が光り、無数の並行世界が映し出される。
そこには真螺判蛸が異なる動きを取る姿が数多くあり、クエイドはその中から先ほどの魔法が相手にクリーンヒットした世界線を選び出した。
「これがいいかしらね…。」
現在の世界にて触手が彼女を貫こうとした瞬間、突如として真螺判蛸の体が大きく吹き飛ばされる。
「グハッ!」
なんといつの間にか蛸の触手は焼かれ、雷嵐でズタズタにされ、凍結されている。
「あなたにもこの能力は効くんですね…。」
クエイドの声には僅かな自信が混じっている。
どうやら全知の真螺判蛸であっても、無限に広がる並行世界については知ることができないようだ。
だが、真螺判蛸は動揺せず、触手を広げて反撃を開始。
知恵の波動がリング全体を覆い、クエイドの意志をさらに強く圧迫した。彼女の頭が軋み、四つの機械の動きが一瞬鈍る。
「意志が強い者ほど私には抗えぬ。故に私が最強だ。」
真螺判蛸の言葉が響き、いつの間にか復活していた触手が高速でクエイドを狙う。
「…私程度では何もできないかもしれませんが、それは挑戦しない理由にはなりません…」
クエイドは「並行干渉」で無数の世界線を選択して触手を回避しつつ、機械に新たな魔法を放たせた。
機械から放たれた炎と氷が交錯して、リング全体にとても濃い霧が立ち込める。
「くっ、これでは何も見えん!」
真螺判蛸は霧に包まれながらも闇雲に触手を振り回すが、その攻撃はクエイドには命中しない。
彼女はその隙に「地の力」を発動。黒と紫の鎧が彼女の体に張り付き、目が深淵のように黒く染まった。四つの機械も深淵の目に変わり、攻撃的な光を放つ。
「見えすぎるのは嫌だけど…これなら戦えるよね。」
彼女は低い声でそう呟くと、全てを相殺する黒い力を纏った拳を真螺判蛸に向けて振るう。
「霧に紛れたつもりかもしれんが…甘いわ!」
全知たる真螺判蛸はこの短時間のうちに霧を克服しており、今度は正確に狙いすました触手がクエイドに迫る。
だが、彼女の拳がそれを相殺し、逆に蛸の触手を切り裂いた。
「何っ!」
真螺判蛸は一瞬動きを止め、全知の智でクエイドの力の詳細を解析する。
「地の力か…確かに厄介だ。だが、私の知恵はそれすら凌駕する。」
蛸の触手がリング全体を包むように広がり、知恵の波動がさらに強まる。
クエイドの意志がさらに大きく揺らぎ、彼女の動きが鈍った瞬間、鞭のようにしなった触手が彼女を襲う。
しかし、クエイドは真螺判蛸の力に屈することなく「擬似証明」を発動。
『触手→柔らかいからマシュマロだ。』
プニッ。
なんと触手が一瞬でマシュマロに変化し、鋭い鞭打もその威力を失ってしまった。
「なるほど、だが、それも予測済みだ。」
全知たる真螺判蛸は既にこの攻撃がくることを読んでいたため、「マシュマロはぬるぬるしていない」と即座に否定すると、マシュマロは触手に戻った。
しかし、その隙にクエイドが真螺判蛸から距離を取っており、体制を立て直している。
――その後も戦いは一進一退を繰り返した。
真螺判蛸の知恵がクエイドの策を上回り、彼女の意志を圧倒する瞬間もあれば、クエイドの「並行干渉」と「存在証明」が蛸の動きを封じる瞬間もあった。
だが、長期戦がクエイドの弱点であることは明白だった。彼女の頭の回転が徐々に遅くなり、機械の反応が遅れ始めた。
「やっぱり…この姿は長くは持たないね…でも、諦めない。」
クエイドは最後の力を振り絞り、「完全同一存在証明」を発動する覚悟を決めた。「地の力」を纏う彼女にはその技は使えない。代わりに、彼女は黒い力を全て解放し、リングを暗黒の波で包んだ。
真螺判蛸はその後のクエイドの行動を見越し、触手を一気に集中させる。
真螺判蛸はその後のクエイドの行動を見越し、触手を一気に集中させる。
「貴様の限界は知れている。これで終わりだ。」
クエイドの行動を阻害するように知恵の波動が最大となり、彼女は一切動けなくなってしまう。ついにクエイドの意志が完全に屈した瞬間、触手が彼女の頭を狙う。
意志を圧倒されたことで処理能力が落ちたクエイドはその攻撃を回避できず、触手が彼女をリングに叩きつけた。彼女の体が崩れ落ち、四つの機械が地面に落ちて停止する。
「私の知恵に抗うことはできぬ。それが理だ。」
真螺判蛸の声が静かに響き、試合の終了を誰もが感じ取った。
――その刹那、完全に死亡したと考えられていたクエイドの体が光り、「完全同一存在証明」が自動発動する。
「…こんにちは、新しい私。」
並行世界の「最高のクエイド」が彼女に重なり、彼女はさらなる力を得て復活した。そして、復活とほぼ同時に黒い力が真螺判蛸の触手を相殺し、機械が一斉に蛸を攻撃する。
「なっ…!」
真螺判蛸はまさかの事態に驚愕するが、その驚きよりも早く彼女の黒拳は蛸の顔面を殴り飛ばした。
攻撃を受けた真螺判蛸は倒れたまま動かなくなり、復活したクエイドが勝利を静かに受け入れた。
「勝者――クエイド!」