あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第3回トーナメント 第1回戦 第3試合
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aioricharabattle
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第3回トーナメント 第1回戦 第3試合
《悪魔の猫 VS 黎明の勇者 ブレイヴ・ルミエール》
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング。その中央に、一匹の猫が座っていた。
黒猫のようにも見えるし、白猫のようにも見える。不思議な存在感を放つその猫こそ、悪魔の猫である。
対するは、金色の髪を持つ美しき勇者——ブレイヴ・ルミエール。
「……君が今回の対戦相手か。」
ブレイヴは黎明の剣を携え、悪魔の猫と対峙する。
「ふむ……君は本当に猫、なのかい?」
猫は動かない。ただ、存在しているだけで空気が変質していく。
「——試合開始ッ!!」
試合開始の合図が鳴ったその瞬間、突如として世界が反転した。
ブレイヴの足元が崩れる。いや、足元どころではない。彼の存在そのものが揺らぎ始めたのだ。
「なに……ッ!」
彼には常に黎明の権能が発動しているはずなのだが、その力を以ってしてもこの摩訶不思議な現象には対応できない。
「ならばっ!」
ブレイヴと一心同体とも言える黎明の剣が強烈な光を放つ。すべての悪しき因果を断ち切る、世界最強の剣。
しかし、今回ばかりはそんな伝説の剣であろうと、なんの役にも立たない。
「ホーリーアサルト!」
「カオスブレイキング!」
「ギガンティックウルティミオンセイバー!」
ブレイヴは状況を打破するべく次々と攻撃を仕掛けるが、どのような攻撃を受けても悪魔の猫はそこにいるだけ。
猫に光は届かない。斬撃も、魔法も、概念すらも、この猫には触れられない。
「……馬鹿な。そんなことが——!」
勇者の崇高な意志が全ての世界を正すはずだった。しかし、この猫にはその「正しさ」が全く通用しない。
「でも、世界のためにも…ここで負けるわけにはいかない……!」
自らの勇気を奮い立たせるかのようにブレイヴは叫び、早くも奥の手を発動させる。
『さあ、共に行こう!仲間たちよ!』
異世界の英雄たちが、勇者の呼びかけに応じて降り立つ。これぞまさしく奇跡である。
聖女アイリス、拳闘士ジャック、大賢者ファエル……数千を超える英雄が、全てが反転したこの場に集結した。
のだが——
所詮はすべては幻。
猫が一度、まばたきをしただけで、すべての仲間は存在しなかったことになる。
「バカな……!」
ついに勇者が膝をついた。
「俺の力が……俺たちの戦いが……何も……なかったことに……?」
真の戦いの始まり?仲間との絆?それは本当に存在したものなのだろうか。
彼が自らの全ての経験が嘘だったかのように感じたその瞬間、世界が元に戻る。
リングの上には、ただ一匹の猫と、その場でうずくまっている勇者だけが残っていた。
いや、もはや彼が勇者なのかすら定かではない。
そもそも勇者とはなんなのだ?ただの人の子にそんな尊大な称号を授けて何になるのだ?
何が嘘で何が本当かさえ分からないこの世界において、彼も結局はただの人間にすぎない。
だが、ブレイヴの心にはひとかけらの勇気が残っていた。
「……まだ、終わっていない」
心に勇気が残っている限り、誰がなんと言おうと彼は勇者なのだ。
正義のために立ち上がり、悪を討つ救世主なのだ。
正義のために立ち上がり、悪を討つ救世主なのだ。
しかし、無情にも彼の足は動かない。どれだけ力を入れようと、指一本すら動かせないのだ。
「君はいたって健康そうだけど、足は動くかい?」
どこからともなく、そんな声が聞こえた気がした。
「……」
ブレイヴは敗北を悟った。
いや、本当は敗北などという低次元な言葉では言い表せられない何かを感じ取ってしまったのだ。
完全に動かなくなったブレイヴを見て、審判が手を挙げる。
「——勝者、悪魔の猫!」
悪魔の猫は、特に何をするでもなく、ただリングの上にいた。
それだけで、勝負は決まっていたのだ。
「にゃあ。」