あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第3回トーナメント 第1回戦 第4試合
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aioricharabattle
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第3回トーナメント 第1回戦 第4試合
《クラト VS バカ》
巨大な歓声が巻き起こる——あにまんオリキャラ最強トーナメント、第三試合。
リング上には二人の戦士が対峙していた。
一方は森羅万象の具現とも呼べる圧倒的な力を持つ少年「クラト」。
そして、もう一方は何もかもが予測不能の完全なるイレギュラー「バカ」。
司会者がマイクを握りしめ、試合開始の合図を叫ぶ。
「第三試合……始めッ!!!」
クラトは静かに相手を見つめ、その情報を瞬時に解析する。彼の瞳には膨大なデータが流れ込んでいた。
力、速度、耐久性——すべてを数値化し、勝利への最適解を導き出す。それが彼の必勝パターンだ。
しかし、目の前の男のデータはあまりに奇妙だった。
「……なにこれ、無意味な数値の羅列ばかりだ。」
バカのデータは通常の法則では説明できない。
「バカ」としか表記されていないステータス。戦闘力は不明。常識とは異なる何かとしか言いようがない。
「おいおい、そんなにジロジロ見つめるなよ。俺の顔になんかついてるか?」
バカは無邪気に笑い、鼻をこすった。その態度に、クラトはわずかに眉をひそめる。
「お前、本当にこの僕と戦うつもり?」
「そりゃそうだろ!試合だしな!」
バカは拳を振り上げてみせる。その姿勢に、戦闘の構えなどまるで感じられない。どこからどう見ても素人の動きだった。
「……なるほど。」
クラトは深く息を吐き、構えをとる。通常ならば相手の戦闘スタイルを解析し、それに応じた戦術を立てるのだが——この相手にそれは無意味だ。
「やるしかないね……。」
続けてクラトは冷静にバカを分析した。彼の能力は全知ともいえる情報把握能力。
戦う相手がどんな力を持っていようと、一瞬でその全貌を理解し、最適解を導き出すことができる。
「だけど、お前にはそれが通用しないみたいだね。」
クラトは一瞬でバカとの間合いを詰め、強烈な拳を叩き込んだ。常人ならば確実に意識を刈り取られる威力。
しかし——
しかし——
「痛ってぇぇぇぇぇぇ!!」
バカは吹き飛ばされながらも、妙にコミカルに地面を転がり、リングの端に立ち上がった。
「お、お前……いきなりぶん殴るなんて、ひどくね!?普通は『よろしくお願いします』って握手するとかあるだろ!!」
「……。」
バカの言葉に対し、クラトは無視を決め込む。相手のペースに呑まれないためか、はたまた単純に相手に興味がないだけなのか。
「はぁ!?お前ってやつは礼儀も知らねぇのかよ!!」
バカは突如、どこからかルールブックを取り出し、「礼儀の重要性」について力説し始めた。
「そもそも礼儀っていうのはだな……」
その行動には何の効果もない、はずだった。
「……!? こ、これは……!?」
(頭が痛い。分析能力が歪む。こんなはずはない。確かに彼はただのバカのはずなのに。)
「なぜだ、なぜ思考がまとまらないんだ……。」
「そりゃそうよ!お前、バカに関わったらバカになるに決まってんだろ!!」
バカの言葉に、クラトの頭がクラクラする。思考が、流れるようにおかしな方向に引きずられていく。
(……いや、待て。僕は何を……?)
相手に呑まれないためにもクラトは自らの能力を解放し、思考の正常化を試みる。
「お前の呪いを祓う!」
彼の全身から魂の力が放出され、あらゆる呪いが滅される雰囲気を感じる。
しかし、肝心のバカに対しては特に何も影響がなさそうだ。
しかし、肝心のバカに対しては特に何も影響がなさそうだ。
「…なんで僕の本気の力を受けても浄化されないんだい?」
「知るか!そんなことよりもっと楽しいことやろうぜ!」
どうやらバカ本人はその真実を知らないらしい。
このような不思議な現象が起こった理由は、非常にシンプル。
ただ単にバカが"無邪気"だったというだけだ。
何も考えておらず、悪意も無ければ敵意もない。つまり、彼は完全なる純粋な存在だったのだ。
何も考えておらず、悪意も無ければ敵意もない。つまり、彼は完全なる純粋な存在だったのだ。
「おい!お前、氷の魔法とか使えんの?じゃあ、俺にも教えろよ!」
「……まぁ使えるけど、なんで僕が——」
「でも、俺に氷魔法教えるの面倒だろ?」
「……そうだね。」
「じゃあ俺、適当にやるわ!!」
バカが両手を突き出す。一体何を考えているのだろうか。
次の瞬間——ありえないことが起きた。
「くらえ!アイスアイスフローズンパンチ!!」
バカの拳から、氷のオーラが溢れ出る。
「 何……だと……!?」
クラトの目が見開かれる。バカは魔法の才能ゼロ。それは事前に調べていた確実な事実のはずだ。
しかし、バカはそんなもの関係なしに氷魔法を発動した。
なぜなら——
しかし、バカはそんなもの関係なしに氷魔法を発動した。
なぜなら——
「お前ができるなら、俺にもできる!そういうもんだろ!!」
「……理屈になってないよ!!」
クラトは回避を試みるが、脳内の情報処理がバカの影響を受けているため正常に働かない。
よって、バカの拳がクラトの顔面に直撃した。
「ぐっ……!!」
殴られた衝撃でクラトはリングを転がり、地面に倒れる。
しかし、彼はそれとは別の異変に気づく。
(なぜだ……思考のまとまりが……どんどん……)
「おいおいおい!もうヘロヘロじゃねぇか!!」
バカは愉快そうに笑いながら、飛び跳ねる。
「お前、難しく考えすぎなんだよ!!もっとバカになれって!!」
バカの言葉と共に、クラトの脳がぐるぐると回転する。
(バーカ、バーカ、バカ、バカ、バーカ。 バーカ、バーカ、バカ、バカ、バーカ。)
やがて、彼の口から出たのは——
「……なんか……全部どうでもよくなってきた……。」
ぽつりとこぼした。
そうして、勝負の終わりを告げるゴングが鳴り響いた。
『勝者――バカ!!』
観客席は騒然となる。クラトがリングに崩れ落ち、虚ろな目で天井を見上げていた。
「俺は…バカ…俺は…バカ…俺は……」
「よぉし!お前も今日からバカの仲間だ!!」
バカはクラトの肩を組み、無邪気に笑った。
クラトはもう何も考えたくなかった。ただ、その場に倒れ込んでいた。
こうして、第四試合は終幕した。