あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第5回トーナメント 第1回戦 第2試合
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aioricharabattle
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第5回トーナメント 第1回戦 第2試合
《玉藻 VS 【魂遁:メリー】》
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング――
観客の熱狂が天を突き刺すように響き渡る中、試合の幕が切って落とされた。
「第一回戦第二試合!開始ッ!!」
静寂と騒然が同時にリングを包み込む。
片や、血塗られた和装を身に纏い、黒い狐の面をつけた少女・玉藻。
片や、礼儀正しく佇むも、その目に虚無を宿す少女・メリー。
玉藻はくぐもった笑い声を漏らしながら、禍々しき刃を抜く。
その刀の名は禍津日刀(まがつひのかたな)。斬った相手の力を奪ってしまう恐ろしい妖刀だ。
「ふふふ……可愛い子ちゃん。痛いのって、好き?」
とても15歳の少女から発されたとは思えない言葉が飛び出すが、メリーは微動だにせず、ただ静かにその言葉を聞き流す。
「私はあなたには興味がありません。あなたの後ろに見える神の力には興味がありますがね。」
その言葉には敵意も殺意も感じられず、心の底から玉藻本人には興味がないことが窺い知れる。
「あぁこれ?なんか頼んでもないのに変なの付けられちゃってさ。まぁこんなつまんないもの使っても面白くないから使う気もないけどね!」
飄々と話す彼女だが、その言葉には一部嘘が混じっている。
神の加護自体は彼女が望んで手に入れたものであるが、痛みを感じて感じさせる上で不必要ということと、シンプルに飽きたという理由で完全に使う気を失っていたのだ。
自分勝手で我儘、それでいて幼稚な暴力性を振りかざす彼女は、まさに狂人と呼べるものだろう。
自分勝手で我儘、それでいて幼稚な暴力性を振りかざす彼女は、まさに狂人と呼べるものだろう。
「ひゃは!じゃあはじめよっか!」
もう我慢できないといわんばかりに玉藻が動いた。刹那、彼女の残像が軌跡を描く。殺人の剣術による猛襲だ。
ザシュッ!ズバッ!
今まで幾人もの命を奪ってきた恐ろしい剣技が放たれるが、その刃はメリーの位置を正確に狙いながらも、何も斬ることができない。
これこそがメリーの持つ力の一つ「既知の物への完全な耐性」だ。彼女が既に知っている物はどんなに強力であっても彼女には一切通用しない。
たとえそれが耐性を貫通できる武器だったとしても、耐性に対する耐性として無力化してしまうのだ。
「へぇ……そう来るの。いいね、無理やりこじ開けたくなっちゃう♡」
玉藻は跳躍し、天井すれすれまで舞い上がった。その顔は恍惚で歪んでおり、彼女の捻じ曲がった心をそのまま張り付けているかのように醜悪だ。
「私は!切って、奪って、壊すだけよ!!」
振り下ろされた一閃がメリーを裂く寸前、彼女が囁くように呟く。
「天夷霧崩。」
瞬間、玉藻の足元から白い霧が溢れ出す。
その霧は空気すら破壊し、あっという間に玉藻の足の先を消し飛ばしてしまった。
「やだ……すごい……すっごい気持ちいい!!」
彼女の目が愉悦に染まる。痛みこそが彼女の体と心を満たしてくれる唯一の存在。痛みを受け入れ、与えることこそが彼女の生き甲斐なのだ。
「…でも残念。この程度じゃすぐに治っちゃう。」
そう、玉藻には不死身に近い回復能力が宿っているため、この程度であれば数秒もあればすぐに再生してしまうのだ。
永遠に続く痛みを求める彼女だが、その体は痛みをすぐに消してしまう。これ以上に皮肉なことがあるものだろうか。
「そうですか。その大変さはわからなくもないですよ。」
メリーも復活したての頃は「痛み」というものを生きている証拠として噛みしめていた時期があった。
だが、それは今も昔。現在の彼女にとって、痛みなどというものでは自分を満たすことはできなかった。
「まぁ、あなたの境遇になんて何の興味もありませんがね。」
メリーは【鞭後泡零】を振るい、玉藻に命中した瞬間に”存在していた”ことにしてその四肢を破壊する。
「アハハハハ!そうよ!こういうのを待ってたのよ!!」
だが、その攻撃は玉藻を喜ばせてしまうだけで、再生力に追いつくだけの火力とはならない。
「面倒ですね…なら、これでどうでしょう。」
「伐屠燕弩改。」
メリーの背後に浮遊する無数の魔導弩から、秒間数千の速度で魔力の矢が放たれる。
「アハハ!もっと!もっと頂戴!!!」
玉藻は翻りながら躱しながら矢の雨を進んでいく。その姿はまるで一騎当千の鬼神のようで、一種の神々しさすら感じる覇気を纏っていた。
だが――
「避けても無駄ですよ。」
バシュンッ!
刹那、玉藻の肩から血が噴き出す。時間軸そのものに刻まれた死が、今まさに結果として現れた。
「たっまんないわああああああああッ!!」
傷を負いながらも喜悦の悲鳴を上げる玉藻が、その痛みをメリーにも与えるために突進する。
禍津日刀が振り抜かれメリーの身体へ迫るが、その刃は何かに弾かれた。
「捌碑円堵改。」
ドグオッ!
受け止めた攻撃の威力を数百倍にし、不可視の衝撃となって玉藻の腹を打ち抜く。
玉藻の身体が宙を舞い、そのままリングの端へ叩きつけられた。
「ふふ……そっか……あんた、つまんないことしないんだね…」
立ち上がった玉藻が、最後の切り札を解放する決意をした。
「禍津日刀の真の力、見せてあげる……!」
メリーが言葉もなく睨みつける中、玉藻の目がギラリと光る。
「さっき私の刀を弾いたけど、それはつまり”刀に触った”ということよね?」
先ほどまでの狂気が嘘だったかのようにその声は冷静だった。まるで、その狂気すらも戦略の一つだったかのように。
ギラッ
メリーの背後の魔導弩の一部が鈍く光を失う。禍津日刀の力、能力の奪取が発動したのだ。
「ひとつ。魂拍眼……ふたつ。伐屠燕弩改……そして……」
三つ目を奪おうとした刹那、メリーの魂拍眼が青白く輝いた。
「あなたのような雑魚に私の力が奪えるとでも?」
パァァン!!
メリーの発言と同時に、玉藻の体と禍津日刀が破裂した。
死想として生きた数百年と、彼女の体に眠る魔法の力、その他諸々のエネルギーに、妖刀の力が耐えられなかったのだ。
「やはり、この程度の相手では面白くも無いですね。」
メリーの顔には戦闘開始から終了まで”退屈”以外の感情が出ておらず、それが両者の力の差を明確に表現していた。
『勝者――メリー!!』
観客席から割れんばかりの歓声が湧き上がる中、少女は静かに一礼した。