あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《「レイシール」 VS マッドクラーケン》
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aioricharabattle
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《「レイシール」 VS マッドクラーケン》
夜明けの渓谷は、まだ薄暗い空とそびえ立つ岩壁が冷たい風に包まれていた。谷底には小川が細く流れ、その水面を朝焼けがかすかに照らしている。岩肌は鋭く、所々に苔が張り付き、湿った空気が辺りを覆っていた。風が吹くたびに草木が揺れ、かすかな音が響く。自然の静寂の中に、一つの殺気が溶け込んでいた。
その静けさを切り裂くように、黒い影が疾走した。鋭い牙を持つ狼型の魔物——レイシール。その毛並みは漆黒で、まるで闇そのものが蠢いているかのように見える。黄色く光る瞳が、眼前にいる巨大なクラゲ状のモンスター——マッドクラーケンを睨みつける。敵意と本能が交差し、空気は一瞬にして緊張感を孕んだ。
「グルルル……!」
レイシールは前足をわずかに曲げ、低い姿勢を取る。次の瞬間、爆発的な脚力でマッドクラーケンに向かって跳躍した。風を裂く音が響き、その速度は稲妻のように鋭い。
「ボゴォォ……」
対するマッドクラーケンは触手を波のようにうねらせ、神経毒を滴らせながら迎撃する。無数の触手がレイシールの進路を塞ぐが、狼の魔物はその一本一本を巧みに回避する。前足の爪が光を裂き、触手に傷を刻み込んだ。
「ギャルル!!」
しかし、マッドクラーケンもただ怯えているわけではない。触手の先端から淡い紫色の液体を弾丸のように飛ばす——必殺技『ポイゾニングヴェノム』だ。その速度は目にも留まらぬほどで、空気を切り裂いてレイシールに迫る。
レイシールはその放たれた毒液を察知し、素早く地面を蹴って横へと飛び退く。しかし、一滴の毒液が後ろ足にかすった。
「ガルッ……!」
痛みに前足を踏みしめ、レイシールは再び体勢を立て直した。麻痺がじわじわと広がっていくのを感じる。後ろ足の感覚が少しずつ鈍くなり、まるで氷に閉ざされたかのようだった。しかし、この程度で膝を折るような獣ではない。
「グルルル……!!」
一気に距離を詰めると、前足の爪を最大限に振りかぶり、マッドクラーケンの胴体に斬りかかる。ヌルリとした感触の皮膚を裂き、濃厚な青黒い体液が飛び散った。粘着質な液体が岩場に滴り、煙のように淡い毒気を放つ。
マッドクラーケンは悲鳴のような音を発し、怒りで暴れる触手でレイシールを取り囲む。無数の触手が一斉に襲い掛かり、必殺技『ミリオンキラー』が発動される。
——バシュッ!
触手がレイシールの体に次々と刺さり、毒が注ぎ込まれていく。まるで杭を打ち込むように、毒が肉に入り込んでいく。しかし、レイシールの目がさらに鋭さを増した瞬間——。
「ガアァァァァ!!!」
彼の体に刻まれた邪紋が赤黒く輝き出した。次の瞬間、背中から巨大な翼が生え、暴走形態へと変貌を遂げる。毛並みはさらに暗く染まり、闇の魔術のオーラが渓谷を覆う。黒い靄が周囲に漂い、レイシールの咆哮が岩壁を震わせる。
マッドクラーケンはその異様な変化に怯え、後退しようとする。しかし、それを許さぬようにレイシールは闇の魔術を解き放った。
【ダーク・クロウ】
前足の爪に闇の魔力をまとわせ、巨大な闇の刃を放つ。漆黒の一撃は触手を次々と斬り落としていく。その度に毒液が飛び散り、地面が腐蝕していった。
だが、マッドクラーケンもやられるばかりではない。高濃度の毒液で魔法を防御すると、一気に反撃に出る。
——ブシュッ!!
再びマッドクラーケンの無数の触手がレイシールに突き刺さる。さらに、今回は先ほど以上に大量の毒を流し込まれた。
「ガハッ!!」
レイシールは闇の魔力によって体内の毒を屈服させようとするが、次々に流れ込む劇毒はそれを許さない。
瞬く間にレイシールの前脚は腐り落ち、翼も活気をなくした。
……だが、その眼だけはなお鋭さを増していた。
【アンリミテッド・ノワール】
突如そこら中に暗黒の球が出現し、マッドクラーケンの触手を攻撃する。球は爆発しながら毒の滴る触手を焼き、切り裂き、悲鳴を響かせる。
マッドクラーケンは反撃しようとするも、暴走状態のレイシールは触手を引きちぎって大空に飛び上がる。
「グルルルルル!!!」
鋭い爪で岩肌を攻撃し、巨大な岩石を削り取る。岩石はマッドクラーケンの頭上に急降下し、その巨体を谷底に叩き込んだ。
ズドォン!!
爆発的な衝撃が渓谷に響き渡り、マッドクラーケンは痙攣しながら倒れ込んだ。触手は弛緩し、毒液が岩場に滴り落ちる。
レイシールは荒い息を吐きつつも、なおギラギラと光る目で獲物を見つめていた。闇の魔術のオーラがゆっくりと渓谷に消えていく中、夜明けの光が再びその場を照らし始めた。
勝者——レイシール。