あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《リチャード VS 靡かぬ狼煙 VS オリヴィア》
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aioricharabattle
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《リチャード VS 靡かぬ狼煙 VS オリヴィア》
薄暗い地下洞窟に、重たい沈黙が広がっていた。冷たい岩壁から滴る水滴の音すら、緊張感に満ちた空間を一層際立たせている。そこには三つの影が蠢いていた。
一人はリチャード。合理的な思考と冷静な瞳を持つ中年男性。彼はポケットから煙草を取り出し、ライターをカチリと鳴らす。
その炎は小さな揺らめきに過ぎないはずだった——が、次の瞬間、炎は爆ぜるように膨れ上がり、洞窟の天井を舐めるほどの火柱となる。
これこそが彼の超常【優良逸品(マスターエクセレント)】。日常にある物を、比類なき武器へと昇華させる能力だ。
これこそが彼の超常【優良逸品(マスターエクセレント)】。日常にある物を、比類なき武器へと昇華させる能力だ。
その炎に対峙するのは、「靡かぬ狼煙」。灰と白の斑模様を持つ巨大な狼型の魔物。
その口元からは黒い煙がもくもくと零れ出ており、洞窟内に毒々しい霧を生み出していた。狼煙は咆哮するたびに魔力を燃焼させ、筋肉を強化し、地面に爪を立てると岩盤すらひび割れていく。その鋭い爪は、ただの一撃で人間を跡形もなく引き裂く威力を秘めていた。
その場にもう一人、剣を手にした少女がいた。彼女の名はオリヴィア。透き通る瞳に揺るがぬ意思を宿した彼女は、父の形見の剣を握り締める。すると、なぜだか心臓が高鳴る。
だが、それは恐怖ではない。むしろ、この戦いを通して強くなるのだと信じる彼女自身の鼓動。剣の刃には光の魔力が宿り、微かに輝いている。その輝きは、暗い洞窟の中で希望の灯火のように揺れていた。
「嬢ちゃん、ここは危ないから下がっときな。」
リチャードが静かに言う。彼の目はすでに次の手を読んでいた。狼煙の動き、毒煙の広がり具合、そしてオリヴィアの位置。すべてを冷静に計算していた。だがオリヴィアは首を横に振る。
「私だって戦えます!」
彼女だっていっぱしの戦士である。子供扱いは許せなかったのであろう。しかし、こうして話している間にも狼煙は虎視眈々と二人を狙っている。
「ガルッ!!」
その瞬間、狼煙が魔力を燃焼させ、一気に間合いを詰める。爪がオリヴィアを狙うも、彼女はすかさず光魔法「ブラスト」を唱え、閃光の弾丸を撃つ。
しかし、狼煙はそれを察知したかのように身を捻り、容易く光弾を躱す。
だが、そのわずかな隙を逃さず、リチャードがライターをひねり、炎の鞭のような火柱を叩きつけた。
「焼き尽くせ!」
燃え盛る炎が狼煙の体を包み込む。しかし、狼煙の口から吐き出される魔狼煙が炎を押し返し、周囲の空気すら黒く染める。
炎と毒煙がぶつかり合い、地下洞窟は一瞬で混沌の戦場と化した。火と煙が絡み合い、視界が歪む中、リチャードは次の手を模索していた。
「このままじゃ終われない!」
オリヴィアは「マッシブ」により身体を強化し、再び剣を握りしめる。足元に猛毒の魔狼煙が広がるが、そこで彼女の【主人公補正】が発動する。煙が彼女を侵す寸前でどこからともなく微風が吹き、毒の煙をかき消したのだ。
それが偶然か必然かはわからない。しかしオリヴィアは躊躇なく狼煙に向かって駆ける。
「はぁっ!」
剣が狼煙の前足を切り裂くが、魔力を燃焼させた狼煙の身体は驚異的な速さで修復する。逆に狼煙の鋭い爪が逆にオリヴィアの腕を掠め、彼女は呻き声を上げた。鮮血が飛び散るが、彼女は根性で膝をつかない。
「……流石に若い子が怪我してるとこを見るのはいい気分じゃないねぇ。」
リチャードが咥えていたタバコの煙を増幅させ、目眩ましの白煙を発生させる。一瞬の視界不良を突いて、彼はオリヴィアの肩を引き、狼煙との距離を取った。
「だから危ないって言ったでしょ。次は怪我だけじゃ済まないよ?」
冷静な声で諭すリチャード。敵とは言え少女をこのまま見殺しにしたのでは寝覚めが悪いと感じたのだろう。
「大丈夫です!このぐらい簡単に治せます!」
オリヴィアは「ヒーリング」を使用して怪我を一瞬で治すと、再び狼煙に向けて剣を振るう
「グギャッ!」
狼煙は先ほどのように剣の攻撃を瞬時に修復してカウンターを決めようとするが、何故かオリヴィアの剣は狼煙の肉体を深く傷つけた。
「光の聖霊よ!この者たちに裁きを与えたまえ!」
狼煙の回復を妨げていたのは彼女の剣に宿る光の魔力であった。彼女の光は狼煙のみならずリチャードにも降りかかり、彼の能力を制限する。
「ちょっとちょっと、さっき助けてあげたのにこの仕打ちは酷いんじゃない?」
口ではそう言っているが、彼の顔には僅かに怪しい笑みが浮かんでいた。
「それは感謝してるわ。でもそれはそれ、これはこれよ。」
彼女は主人公なだけあってなかなか強かなようだ。リチャードもそれに応える
「そうかい。じゃあ折角だし、この状況を利用させてもらうよ。」
彼は【優良逸品】によって狼煙に対する光の魔力の作用を増幅させる。
「ゴギャッ!」
狼煙の回復能力は猛烈に増幅された光の魔力によって完全に焼き切れ、その効果を失った。
しかし、狼煙もただでは終わらない。燃え盛る魔力をさらに燃焼させ、その咆哮は洞窟全体を揺るがした。岩が砕け、天井から土砂が落ちる。次の瞬間、魔狼煙が噴水のように吐き出され、洞窟全体が漆黒の霧に包まれた。
「……これは洒落にならないねぇ。」
リチャードは咄嗟に圧縮したタバコの煙を耳栓とマスク代わりにすることで鼓膜の破壊と毒の吸引を防いだが、この状況には困惑している様子。
「………ッ!」
一方オリヴィアは鼓膜を破壊されたうえに魔狼煙をモロに吸ってしまい、余命いくばくも無い様子だ。絶体絶命のピンチと言えるだろう。
「ガルッ!!」
弱った獲物を見逃すハンターはいない。狼煙は彼女を確実に仕留めようと襲い掛かる。
――しかし、彼女には【主人公補正】という奥の手があった。
オリヴィアに秘められた光の力が覚醒し、狼煙を吹き飛ばす。周囲には輝かしい光が満ち溢れ、撒き散らされた魔狼煙を一瞬で消し去る。
オリヴィアに秘められた光の力が覚醒し、狼煙を吹き飛ばす。周囲には輝かしい光が満ち溢れ、撒き散らされた魔狼煙を一瞬で消し去る。
「これが、私の本当の力?」
あまりの強大さ故に力に目覚めたはずの彼女でさえ驚きを隠せない。いつの間にか体の怪我は癒えた上に毒も治っており、体にみなぎる力は溢れんばかりに増していた。
「おいおい、こんな化け物合戦をおじさんにどうしろと?」
目の前にいる人外級の強者たちにリチャードは驚きを越えて呆れを感じていた。だが、彼もこのまま終わる気はなさそうだ。
「これが…今の私のありったけよ!」
オリヴィアが剣を掲げると、究極の光魔法「シャイニング」が狼煙とリチャードに放たれる。
だが、リチャードは増幅させたライターの炎、狼煙はヒートアップした魔狼煙でそれを迎え撃つ。
三つの力が交わり合い、轟音と共に爆発が洞窟内を震わせた。
……爆風が収まると、オリヴィアは壁際に倒れていた。彼女は辛うじて意識を保っていたものの、覚醒によって体力を使い果たしてしまったのだ。手の震えが止まらない。それでも、剣を手放そうとはしなかった。
そして、狼煙の巨体も傷だらけだった。魔力の燃焼が限界を迎え、体力が急激に落ち込んでいる。肩で息をするその姿は、獰猛ながらも衰えを見せていた。
その中で、最初に立ち上がったのは——リチャードだった。
「あらら、意外とやってみるもんだね。」
彼は僅かに遅れて炎を放つことで狼煙の魔狼煙に引火させ、究極の光に対抗しうる威力に引き上げていたのだ。また、咆哮によって崩れ落ちた洞窟の岩壁の作用を増幅させて盾にすることで、爆発から身を防いでいた。
冷静で合理的なリチャードは、自分を遥かに超える力を持った二人とまともにやりあえば勝てないことを理解していた。
だからこそ、同士討ちに近い形に追い込み、自分だけが余力を持った状況に持ち込んだのである。
「ハァ…ハァ…。」
狼煙は息も絶え絶えになりながらも撤退を試みる。しかし、リチャードはそれを許さない。
「この状況で逃げられると思ってるの?」
彼はライターを再点火し、その火を増幅させる。炎は一直線に狼煙の胸を貫き、遂に斑の狼はその場に崩れ落ちた。断末魔の咆哮が洞窟に響く。
敗北の無力感に苛まれたオリヴィアは悔しげに拳を握る。
「私、まだ…!」
だが、その声を制するようにリチャードが静かに告げる。
「お嬢ちゃんも中々強かったよ。まぁおつむがちょいとあれだがな。」
勝者:リチャード