あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《田辺さん VS 荒野のガンマン》
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aioricharabattle
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《田辺さん VS 荒野のガンマン》
ビル街——高いビルがずらりと並び、ガラス張りの窓が青空を映している。
昼過ぎの街は人であふれ、クラクションの音や工事の騒音が響いていた。
それはまるで、これから始まる異様な戦いを誰も知らないかのように、いつも通りの日常が流れていた。
そこに立っていたのは、スーツを着てネクタイを少し緩めた普通のサラリーマン——田辺さん。
見た目はどこにでもいる一般人だが、彼には驚異的な「運」があった。宝くじで10回連続一等を当てるという、常識では考えられないほどの幸運を持つ男だった。
戦う理由も戦う力もないが、今まさに逃げるか戦うかを迫られていた。
その田辺さんの前に立ちはだかるのは、長いコートを羽織り、鋭い眼差しを向ける荒野のガンマン。
腰には二丁拳銃——サンダラーを備え、これまでに200回の決闘を無敗で乗り切ってきた伝説の男だった。
彼にとって、ここが荒野であろうとビル街であろうと関係はない。どこであっても、標的を仕留めるだけだった。
「お前……運がいいらしいな。」
ガンマンが静かに言った。その声には自信と冷酷さが滲んでいた。田辺さんは汗をかきつつ、意外にも冷静だった。
極限の状況でも、彼は不思議と動じない。それは、いつも運が味方してきたからだ。
「ええ……まぁ、運だけはいいんですよ……。」
その瞬間——
バンッ!!
銃声が鳴り響き、閃光が走った。ガンマンの撃った弾丸は、一直線に田辺さんの額を目掛けて飛ぶ。しかし——
パリンッ!
突如、頭上の窓ガラスが風で外れて落下する。田辺さんは反射的に身を屈め、ガラス片が弾道を逸らした。それにより、弾丸は頬を掠めるだけで済んだ。
「チッ……。」
ガンマンが舌打ちをする。その間に田辺さんはビルの柱の陰に飛び込んだ。心臓はドキドキしていたが、体は勝手に動いていた。
彼は今、自分が天からの運に縋るしかないことを理解していた。
「運だけでどこまで逃げ切れる?」
ガンマンは左右に素早く動きながら、サンダラーを次々と撃った。弾丸が壁を砕き、ガラスが割れる。
しかし、田辺さんは紙一重でかわし続ける。マンホールが絶妙なタイミングで外れたり、ガラス片が弾道に干渉したり、あり得ない幸運が連続する。
「……こいつ、何なんだ?」
ガンマンの額に汗がにじむ。彼の百発百中の腕前が、今回ばかりはまるで役に立たない。
その時——
田辺さんの足が瓦礫につまずき、バランスを崩した。
「今だ!」
ガンマンが冷酷な笑みを浮かべ、銃口を田辺さんに向ける。しかし——
キィィィン!
どこからか看板が風に飛ばされ、ガンマンの腕に直撃。狙いがずれ、弾丸は田辺さんのわずか横を通り過ぎた。
九死に一生を得た田辺さんは、無意識に合気道の動きを思い出し、足を使ってガンマンの膝裏を払った。
「ぐっ……!」
ガンマンが仰向けに倒れる。田辺さん自身も驚いていたが、気づけば相手の手首を押さえ込んでいた。
「な、何だこれ……?」
そして、銃がガンマンの手から滑り落ちた。
田辺さんは大きく息を吸い込み、目の前の倒れたガンマンを見下ろした。勝った——その事実が信じられなかった。
勝者——田辺さん。