あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《コピーヴォイド VS レベル零》
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aioricharabattle
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《コピーヴォイド VS レベル零》
草原——果てしなく広がる緑の大地。空は澄み渡り、雲一つない。風が草を優しく揺らし、そこには静寂が支配していた。
しかし、その中心に佇む二つの異質な存在が、今まさに戦いの火蓋を切ろうとしていた。
一方は【コピーヴォイド】。虚無を模倣した人型機械兵器。
その全身は漆黒に染まり、輪郭は曖昧で、光さえも吸い込むようだ。エネルギーの粒子がわずかに体から漏れ出している。
「敵性反応、確認。戦闘モード、起動。」
もう一方は【レベル零】。 無貌の侍。白と黒の衣に包まれ、顔には何も映らない。ただ、虚空をそのまま写したかのようにのっぺらとした顔。
それでも、語尾に執拗に「ござる」をつける奇妙な言動が、彼の存在を一層不可解にしていた。
「拙者、今ここにいるでござる。しかし、三秒前にも、三秒後にも拙者は存在するでござる。」
戦いは突然始まった。先に動いたのはコピーヴォイド。
「エネルギー弾、発射。」
虚空から生じた虹色に光るエネルギー弾が放たれる。しかし——その瞬間、レベル零の姿が消えた。
「マイナスエントリー。」
三秒前に移動したのだ。エネルギー弾は誰もいない空間を貫き、背後にあった草原を焼き尽くした。黒焦げの草が煙を上げる中、レベル零はすでに別の位置へと移動していた。
「対象、移動を確認。次弾、発射。」
コピーヴォイドは即座に反応し、連続してレーザーを発射する。光線が軌跡を描き、草原を次々と焼き払う。
しかし、レベル零は三秒前後を移動しながら、まるで時の流れから解き放たれたようにコピーヴォイドへと距離を詰めていった。予測不能な行動に、AIは高速で計算を繰り返す。
「次弾、発射。」
レーザーが光を引いて空間を裂いたその瞬間——
「プラスブレイク。」
レベル零の右手の刀が、ゆっくりと振り下ろされる。しかし、それは三秒後に確定する斬撃。
「攻撃を検知、回避行動。」
AIは三秒後に起こる斬撃の座標を計算し、その場所から即座に退避した。しかし——
「回避しようと無駄でござる。」
レベル零は何をするでもなくその場にただ佇んでいた。まるで既に相手を斬ったかのように。
「三秒経過。プラスブレイク・顕現でござる。」
コピーヴォイドの背に鮮やかな一閃が走った。通常、虚無の体は攻撃を受け付けない。しかし、攻撃を放つ瞬間に限り実体化する。そのわずかな隙を、レベル零は見逃さなかった。
「システムエラー……損傷確認……」
コピーヴォイドの声が不安定になる。輪郭は歪み、AIの計算速度が目に見えて落ちていく。
過去と未来を行き来する敵に対して、論理的思考では完全に対応しきれなかったのだ。
過去と未来を行き来する敵に対して、論理的思考では完全に対応しきれなかったのだ。
「これが拙者の、時を越えた剣技……ござる。」
鋭い斬撃がコピーヴォイドの胸を貫いた。虚無の機械兵器は、エネルギーの閃光を放ちながら動きを止める。
「またつまらぬものを斬ってしまったでござる。」
レベル零は刀を鞘に納め、微動だにせず草の波を見つめている。その姿は、まるで過去と未来を漂う亡霊のようであった。
しかし、その沈黙を破るように、コピーヴォイドの体から微かな光が漏れ出す。それはシステムの最終防衛機構——自己修復プログラムの発動だった。
「再起動プロトコル、開始……3秒後に復旧予定。」
その言葉に、レベル零の顔のない頭がわずかに動いた。
「拙者、おぬしを再び斬るでござる。」
レベル零はまたしても刀を抜き、三秒後の斬撃を確定させる。
「プラスブレイク。」
だが、コピーヴォイドもただ無抵抗で斬撃を受け続けるわけではない。
「三秒時空の解析を完了。対策プロセスを実行します。」
コピーヴォイドはレベル零が用いる確定した三秒を認識したのである。ここから形勢逆転となるか。
「三秒経過。プラスブレイク・顕現でござっ……!?」
「虚空時空を三秒時空に適用しました。現在を以って時間は無となります。」
「虚空時空を三秒時空に適用しました。現在を以って時間は無となります。」
コピーヴォイドは過去も未来も存在しない虚空の時間を取り出すことにより、レベル零が移動する三秒前と三秒後の時間を間接的に消し飛ばしたのだ。
「三秒時空の消滅を確認。」
三秒時空の消滅。それはすなわち事実として確定したはずの斬撃は無かったことになるということ。
「こうなれば過去に戻って虚空の時空を脱出するでござる。マイナスエントリー。」
レベル零は三秒前の過去に移動したことを確定し、虚空の時空からの脱出を試みる。
しかし…
「…!? 過去に移動できないでござる!?」
そう、無であるとは過去も未来も無いということ。ここに存在するのは永遠なる虚空の時であり、そこに時間という概念はそもそも存在しない。
「虚空レーザー、放射開始。」
コピーヴォイドから紫色の破壊光線が放たれる。虚空のエネルギーを利用したこの光線は、触れた対象を虚空に葬ってしまう恐ろしい力を持っている。
「これは避けざるを得ないでござる!」
突然の攻撃にレベル零は咄嗟の回避行動に出る。”三秒前に移動して攻撃を回避する”といういつもの行動に。
「はっ!?しまったでござ……」
最後まで言い終わる前に、虚空の光線によってレベル零は無に還った。
レベル零の行動は決して間違ってはいなかった。今までならどんな攻撃も三秒前にいたことを確定さえすれば逃れられたはずだ。
だが、既にこの時空と空間はコピーヴォイドのテリトリーである。絶対なる虚空に対して今までの経験などは何の役にも立たなかったのだ。
勝者:コピーヴォイド