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《セシル・レイナード VS 餓鬼道 大僧正》
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aioricharabattle
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《セシル・レイナード VS 餓鬼道 大僧正》
何もない平原。
乾ききった大地の上に、二つの異質な存在が対峙していた。
一人は筋骨隆々とした若き魔術師――セシル・レイナード。
肌に直接刻まれた魔法陣がうっすらと赤く脈動している。空気は彼女の体温と魔力でわずかに歪み、まるで灼熱の陽炎のように揺れていた。
もう一人は、骸のように痩せ細った異形の僧――餓鬼道 大僧正。そ
の体は革と骨だけで構成されているように見え、浮遊したまま坐禅を組み、どこか遠くを見つめていた。
風も吹かぬその場に、微かな仏鈴の音が響いた気がした。
「お主はこれから未知の場所、未知の相手に挑まねばならん。その際、三つ持っていけるとして、何を持っていく?」
大僧正の声は風のようにか細く、それでいて確かにセシルの耳に届いた。
セシルは腕を組み、微笑むように片眉を上げて答えた。
「魂、肉体、魔力。それだけあれば十分よ。」
わずかに笑みを浮かべる大僧正。
「その意気やよし。」
その瞬間、彼の周囲に淡い光が浮かび上がり、空間に微細な波紋が広がると同時に、セシルの肉体強化魔法がさらに活性化される。
【シングレイブ】が燃え上がるように輝き、彼女の全身に怒涛の力が満ちる。それは理性をも凌駕する力の奔流。まるで世界そのものが彼女の一部になったかのような錯覚。
それは、戦いの始まりを告げる号砲だった。
「行くわよ、骸骨坊主ッ!!」
咆哮とともに地を蹴る。砂塵が舞い上がり、セシルの姿が一瞬で消える。
空間を裂く音とともに放たれた拳は、音速を超えて一直線に大僧正へと迫る――が。
空間を裂く音とともに放たれた拳は、音速を超えて一直線に大僧正へと迫る――が。
セシルの拳が、触れる寸前でぴたりと止まった。
「……っ!? 体が……重い……?」
それは肉体の異常ではなかった。胃の奥から這い上がってくるような飢え。
喉が渇き、血が足りず、肉が欲しい。理性の皮膜の下で、獣じみた本能が呻き声を上げる。
「……貴様、何をした……!」
「飢えじゃ。お主の魔力も、力も、少しずつ我に吸われておる。」
浮かぶ大僧正の周囲には、朽ちかけた食物や濁った水が次々と現れ、腐りながら地に落ちていく。その臭気すらもセシルの集中を揺さぶる幻影となる。
「そんなもので……止まると思ってるの……ッ!」
凄まじい飢えと渇きに襲われながらも、セシルは力を振り絞って攻撃を仕掛ける。
「はあああああああああああッッッ!!!!」
その一撃は、ただの拳ではなかった。空間そのものを押しつぶすような、天地を震わせる一打。
ドガアアアアアンッ!!!
彼女の拳が大僧正の胸部を打ち抜いた。破裂音と共に僧の体は大地に叩き落とされ、乾いた地面に巨大なクレーターが刻まれる。
砂塵が数十メートル上空まで舞い上がり、視界を遮った。
しかし。
「……ふむ。肉体は破壊されたが、魂はまだここにおるぞ。」
砂塵の中から、朽ちかけた皮と骨だけの姿がゆらりと立ち上がる。常人の視神経では追えぬ速さで再構成される存在。
「だから何?それなら魂まで壊し尽くすだけよ。」
彼女の声に、わずかな苦悶と飢えの痛みが滲む。それでもなお、彼女の眼光は決して曇ることなく、むしろ闘志の炎は燃え盛っていた。
セシルの魔法陣がさらに激しく脈動する。怒りと飢えを力に変えて、己の限界を超えるための最終手段。
「シングレイブ・アマルガ!!」
全身を駆け巡る赤光。拍動に連動して走る魔力が、筋繊維一本一本まで最適化され、彼女の肉体は神話の如き姿へと変貌する。
「襲い来る飢えや渇きよりも、私の拳は速い!!」
地面を踏み込むだけで大爆発が起こったかのような轟音と衝撃が響き渡り、マッハにすら到達するほどのスピードで放たれた拳が大僧正に打ち込まれる。
「ソウルクラッシュインパクトォォォ!!!!」
バギンッッ!!!!
相手を根源まで破壊し尽くす究極の一撃により、不滅の存在である大僧正であってもついに終わりを迎えた。
「見事だ…。」
大僧正の口から称賛の言葉が零れる。
満ち足りた心、分け合う精神。そんなものは弱者の戯言。真の強者とは己の力のみで全ての障害を破壊するものなのだ。
勝者――セシル・レイナード。