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《セシル・レイナード VS リューネスト・ベルズ・グーライル》
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aioricharabattle
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《セシル・レイナード VS リューネスト・ベルズ・グーライル》
吹き抜ける風が、乾いた砂塵を巻き上げる。その中心、二つの影が相対していた。
一人は鋼のような肉体を晒し、魔力の光に包まれた若き魔術師――セシル・レイナード。
皮膚の下で脈動する魔法陣は赤く光り、彼女の魔力が全身を駆け巡っていることを雄弁に物語っていた。
筋肉はしなやかに引き締まり、そこには迷いもためらいもない。ただ、拳を振るうことにすべてを注ぎ込む覚悟があった。
もう一人は、白金の髪をなびかせ、七色の魔石がついた杖を携えた老魔導師――リューネスト・ベルズ・グーライル。
その装いは白銀と金の織り成す威厳を帯びたもので、静かに揺れるローブの裾からは気品と共に、計り知れない魔力の波動が漏れ出していた。
その瞳には衰えぬ叡智と、若者への興味が宿っていた。
「久しぶりに若人と手合わせできるとは……嬉しいものですな。」
「ジジイ相手でも遠慮はしないわよ。全力でいくから覚悟しなさい!」
次の瞬間、セシルの姿が掻き消えた。爆発的な加速による砂塵が炸裂し、乾いた大地に裂け目が走る。残像さえ残さず放たれた拳が、雷鳴のようにリューネストを穿たんと迫った。
「来ましたな。」
リューネストは穏やかに杖を掲げ、空中に七色の魔石を浮かべる。拳が到達する刹那、セシルの動きが不自然に止まった。
「……止まった……? なにこれ、動けない……!」
「消失領域《ヴァニッシュ》。この空間において、物体の運動は凍結されるのです。」
セシルが動けずにいる間、リューネストの周囲に浮かぶ魔石が更に輝きを増した。
上空から降り注ぐように無数の魔石が生み出され、空は七色の星で埋め尽くされた。
「星天虹霓《スター・ボウ》。失礼、少々派手になりますぞ。」
轟音と共に降り注ぐ追尾型の魔石群。その一発一発が魔力の塊であり、セシルの肉体を貫かんと迫る。
だがその中、セシルの体内で魔法陣が激しく脈打っていた。
「ぐううううううッ……!!」
紅い光がさらに燃え上がり、セシルの筋肉が膨張する。肉体強化魔法の出力を上げ、消失領域の効果を強制的にブチ破ったのだ。
「そんな石ころ程度全部叩き落してやるわ!」
ドドドドドドドッ!!
強化された肉体によって放たれる凄まじいラッシュは、降り注ぐ魔石を次々と砕いていく。
「ほほほ。元気なのは結構じゃが、まだまだ詰めが甘いのう。」
リューネストは星天虹霓の魔石の中に天空秘石(エア・ドロップ)を紛れ込ませており、それによって吸収したセシルのパワーを利用して攻撃を仕掛ける。
ドゴッ!!
セシルが魔石を全て砕くと同時に、彼女の横っ腹に吸収されたパワーによる一撃が突き刺さる。
「ガハッ!」
自身の圧倒的なパワーが逆に炸裂し、セシルは思わず膝をつく。
「自分の攻撃を自分で受けるのは初めてですかな?」
リューネストは淡々と魔石巨像(マジック・ゴーレム)を発動し、巨大なゴーレムを召喚。そのままゴーレムに攻撃司令を下す。
「まだ負けられない!」
セシルはなんとかして回避を試みるが、既に先ほどよりも強力な消失領域(ヴァニッシュ)が発動しており、【シングレイブ】のフルパワーであっても指一本動かすことができない。
「チェックメイトですな。」
ゴーレムの一撃がセシルを叩き潰し、勝負は終焉を迎えた。
………かに思われたが、突如としてセシルの体から限界を超えた魔力が肉体を通して解放され、彼女は咆哮する。
「シングレイブ・アマルガアアアアアアッ!!!」
停滞していた体が震え、空間の凍結を打ち破る。ゴーレムの攻撃を寸前で回避し、轟音と共にリューネストの眼前へと到達した。
「くらいなさい!!」
拳が疾る。空気が引き裂かれ、時間さえ歪む。
だがその拳が砕いたのは、実体のない魔石の幻影だった。
「……っ、幻!?」
「実体はここですぞ、セシル君。」
背後。リューネストはすでに新たな魔石を構築していた。それは全属性の魔力を圧縮・融合した濃縮魔石。
「万色彼方《オーバー・ザ・レインボー》。」
大気が震え、空間が軋む。奔流するエネルギーがセシルを襲う。だが――
「私がこの程度で負けるとでも?」
瞬間、セシルは限界を超えた脚力で横に飛び、魔石の直撃を回避した。辛うじて掠った風圧が頬を裂いたが、彼女の眼はむしろ獰猛な光を帯びていた。
「こんなのッ!!」
足裏に力を込め、彼女は再び跳躍する。既に筋繊維は悲鳴を上げていたが、魔法がそれを無理やり動かしている。
拳が火花を纏って一直線にリューネストへと伸びる。
拳が火花を纏って一直線にリューネストへと伸びる。
「終わりよッ!!!」
炸裂する赤光。爆音。大地が抉れ、老魔導師の身体が後方へ吹き飛ぶ。杖が宙に舞い、やがて静かに地へと落ちた。
静寂。風の音すら消えた空間に、砂塵がゆっくりと舞う。地に伏したリューネストがかすかに笑みを浮かべた。
「……いやはや、若さとは恐ろしい……これは一本取られましたな……。」
勝者――セシル・レイナード。