あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《ヴォルター・グランツ VS 笠間ツムジ》
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aioricharabattle
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《ヴォルター・グランツ VS 笠間ツムジ》
何もない平原。その言葉がこれほど似合う場所もないだろう。
遮るもののない地面が、ただただどこまでも続いていた。
遮るもののない地面が、ただただどこまでも続いていた。
空は高く、雲一つない。
その中心に、ふたりの男が対峙していた。
その中心に、ふたりの男が対峙していた。
「ヴォルター・グランツ。ここらで勝手にヒーロー活動してる不審者ってのはあんたか。」
口元を吊り上げながら呟くのは、赤い目に眼帯をつけた男――笠間ツムジ。ニヤリと笑うその顔は、善人には到底見えない。
「俺の名前を知っているのなら話は早い。ここでお前を止める。」
対するは、白銀の戦士――ヴォルター・グランツ。
その眼差しは氷のように冷たく、正義を信じる者の強さに満ちていた。
グランツの声は冷静沈着。白銀のメダルを腕時計型デバイスに嵌め込み、宣言した。
「変身――ガルドチェイサー。」
光が炸裂し、グランツの身体を装甲が包み込む。眩い閃光の中から現れたのは、鋼の意志を具現化したかのような白銀の戦士。
その威容にツムジは嬉しそうに肩を震わせる。
「いいねぇ。強そうなやつとやるのが一番楽しいんだよ。」
彼が一歩踏み出すと、風がざわめいた。
ビュンッ!
見えぬ刃が空間を切り裂き、グランツの装甲にわずかな火花を散らす。
「……なるほど、見えない攻撃か。」
グランツは即座に理解し、空中のツムジに接近すべく彼に向けてフックを放つ。
パキンッ!
しかし、風がその軌道を逸らし、フックが到達するのを妨げる。
「無理無理。この風は俺を護るためのものだからね。」
そう言いながらもツムジは反撃の風の刃を放ちまくる。
「厄介だな……」
グランツは後方へグラップリングフックを放って回避と間合い取りを同時に行う。
「でも、それだけじゃ俺には届かん。」
言うが早いか、グランツは高速で横滑りするように風の間を駆け抜け、ツムジの背後に回り込んだ。
「いい動きだね。でも、それだけじゃまだまだ甘いよ。」
その声と同時に、ツムジの身体が煙のように風に溶けた。
「俺の能力は風だって言ったよな?ならこういうこともできるって思わなきゃ。」
風を纏いながら空中に現れたツムジが、掌から吹き下ろした突風でグランツを吹き飛ばす。
ドカッ!ズザザザザ!
地面に転がったガルドチェイサーの装甲には細かな傷が刻まれた。
「見えないってのはいいもんだろ?いつの間にか切れてて、血も出てて、痛みがあとからやってくる。最高だよ。」
ツムジは悦楽の表情で呟き、気色の悪い笑みを浮かべる。
「ならば、その風ごとお前を貫くだけだ。」
グランツは再び立ち上がり、両腕のフックを地面に撃ち込む。必殺技の構えだ。
「ガルドストライク!」
ズオンッ!
直撃――かに見えたその瞬間、ツムジは風と共にさらに空高くへと舞い上がっていた。
「速いけど直線的だな。軌道は簡単に予想はできる。」
その言葉と共にツムジが空から舞い降りてきた。彼の両腕には風の爪が渦巻いており、グランツをズタズタに引き裂かんと襲い掛かってくる。
「この距離なら避けられないぜ。」
嵐の如き爪が風に乗ってグランツに突き刺さる。
だが、グランツはとっさに腕を交差させて装甲で受け止めた。
ズガガガガガ!!
それでも風の衝撃は装甲の内部まで伝わり、彼の腕が痺れる。
「なかなか硬いね。じゃあこういうのはどうかな。」
ツムジが飛び退くと同時に、四方八方から風の斬撃が飛んでくる。
「……ッ、面白くなってきたな。」
それらをグランツはギリギリで見切りながら、徐々に間合いを詰めていった。
「風に当たらないためには、風より速く動けばいい。」
彼はフックを真上に放って空中へ移動。 そこから反対側の地面にフックを放ち、斜めにスリングショットのように跳ぶ。
その途中で姿勢を捻り、突進の勢いに回転を加えて敵の視界を惑わす。
「……これで終わらせるぞ。」
「やれるもんならやってみな、ガルドマン。」
「ガルドチェイサーだ。」
これが最後の勝負だ。
「ガルドストライク・クロスブレイク!!」
真一文字に突っ込むその軌道は、ツムジの身を護る風の檻すらも突き破る。
ジャキン!ジャキン!
交差するように放ったフックが爆発的な速度でツムジを包囲し、逃げ道を完全に塞いだ。
風の力を利用しようとこれでは避けきれない。ツムジの瞳に初めて動揺の色が宿る。
「チッ……!」
攻撃が直撃すると同時に荒れ狂う風が砕け、衝撃が平原を切り裂いた。
…しばしの静寂の後、舞い上がる砂塵の中には膝をつくツムジの姿があった。
「クク……やるじゃねえか……」
「お前の風は、もう吹かない。」
「だな……今日はここまでにしてやるよ……」
その言葉を最後に、ツムジは煙のように消えた。風の音すら止んだ静寂が、戦いの終わりを告げていた。
ガルドチェイサーの背中に光が差し込む。それは夕焼けではなく、再び戦いが訪れる兆しのように感じられた。
ガルドチェイサーの背中に光が差し込む。それは夕焼けではなく、再び戦いが訪れる兆しのように感じられた。
そして彼は、誰に告げるともなく呟いた。
「この世界には、まだ風より冷たいものがある。それは……正義だ。」
――勝者:ヴォルター・グランツ。