あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《ヴォルター・グランツ VS 「カレーなしライス」》
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aioricharabattle
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《ヴォルター・グランツ VS 「カレーなしライス」》
地平線の彼方まで何もない、乾いた風の吹き抜ける平原。
そこに、一歩、また一歩と足音を刻むのは、孤高の戦士――ヴォルター・グランツ。
腕時計型の変身デバイスを撫でながら、彼はまっすぐ前を見る。その瞳は冷徹な鋼鉄のように揺るぎなく、風に靡くコートの裾が彼の覚悟を語っていた。
「お前も異世界からの怪物か?」
彼の前に立ちはだかるのは、カレーをかけてもらえなかった怨念の化身、カレーなしライス――RICE。
米粒の集合体で構成された奇怪な軍隊生命体は、バサバサと乾いた音を立てながら蠢き、その表面は時折、炊き上がったばかりの湯気を纏う。
「……食ってくれ、ぜんぶ……カレーは、どこ……」
その呻くような声には、どこか切なさすら感じられる。だが、ヴォルターの眼差しは変わらない。
彼は躊躇なくメダルをデバイスに挿し込む。回転音とともに、眩い閃光が迸った。
変身完了と共に、白銀の装甲が彼の全身を覆い尽くす――ガルドチェイサー、戦闘開始だ。
「た…べ…て…」
戦闘開始と同時にRICEが飛んだ。
無数の米粒が弾丸のように宙を駆け、グランツを狙う。
「…遅い。」
ガルドチェイサーは咄嗟に両腕のグラップリングフックを地面に突き刺し、横にスライドしてその射撃を回避。
「動きは読めている。次はこちらの番だ。」
グラップリングフックを再び射出、ワイヤーがRICEを拘束する。
だが、RICEはそれに適応して「巻き寿司モード」へと姿を変えた。
「手巻き、巻き巻き。」
無数の海苔たちがグランツを拘束せんと襲い掛かってくる。
黒く滑らかな帯が空を裂き、猛スピードで彼を包囲する。
「…なるほど、こうくるか。」
グランツはRICEに対するワイヤーの拘束を解除し、遠くの地面にフックを突き刺して海苔から逃れる。
「こちらに適応してくるタイプ……ならば、これでさっさと決める。」
必殺の≪ガルドストライク≫が発動。
両腕のフックを地面に突き刺し、一気にバネのように跳躍。
白銀の彗星が、RICEに向かって一直線に突っ込む。
ドゴォォン!
「カレーーー!まだだぁああああ!」
叫びと共に爆散する米粒たち。
だが、その中から一粒、また一粒と粘り気のあるライスが再生を始める。
「お米は不滅……」
散らばった米粒たちはまるで意思を持っているかのように動き出し、徐々に元の姿に戻っていく。
「なかなかしぶといな……だが…」
ヴォルターは敵の再生速度を読み、そこへ連続でグラップリングフックを叩き込む。
再生しようと近づいてくる米塊たちを次々と拘束し、集合を阻む。
「お…こ…め…」
再生する度に違う形態で現れるRICE。
今度は無数に散らばった米粒たちが固くなって弾丸形態として襲い掛かってきた。
「飯が砲弾って、お前の方が食い物無駄にしてるじゃねぇか。」
グランツはフックを地面に突き刺して移動することで弾丸たちを回避し、空中で宙返り。
回転の勢いそのままに渾身の蹴りをRICEの中心へと叩き込む。
白銀の脚がRICEの核を捉え、衝撃が周囲の大地を裂いた。
「飯で遊ぶな。」
正論と共に放たれる最後の一撃、拳に全身の力を込めて叩き込む。
ドグォンッ!
白銀の拳が、RICEの核を確実に貫いた。
激辛ライス形態に変化しかけたRICEは、ヴォルターの言葉に小さく震えた。
「……敬意、感じた……カレー……なくても……食って……くれたら……」
米粒たちが、静かに力を失って崩れ落ちる。
その最期はまるで長年の執着から解放されたかのように、どこか安らかだった。
「…さすがに汚いから食いはしねぇよ…」
勝者:ヴォルター・グランツ