あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《ヴォルター・グランツ VS 真島 信二》
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aioricharabattle
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《ヴォルター・グランツ VS 真島 信二》
何もない平原――
空と大地しか存在しない、まっさらな戦場にふたりの男が向かい合って立っていた。
ひとりは、白銀の戦士【ガルドチェイサー】――ヴォルター・グランツ。
風に揺れるマントの下、その姿勢は鋼のように揺るがない。
風に揺れるマントの下、その姿勢は鋼のように揺るがない。
過去、幾多の異形と対峙し、絶望を蹴散らしてきた歴戦の戦士。その眼差しは、目の前の若者にも容赦はないと語っていた。
「……こんなガキとやるのは嫌なんだがな…」
もうひとりは、ごく普通の高校生、真島信二。
彼は拳を握りしめ、小さく息を吸った。膝が震えている。それでも逃げ出さないのは、心の奥底に火のような衝動があるからだ。
彼は拳を握りしめ、小さく息を吸った。膝が震えている。それでも逃げ出さないのは、心の奥底に火のような衝動があるからだ。
「勝てる気がしない。でも、負けたくもない。」
合図もなく、ヴォルターが一歩踏み出す。その瞬間、戦場が動いた。
砂塵が巻き起こり、空気が裂ける音が鳴る。
砂塵が巻き起こり、空気が裂ける音が鳴る。
「行くぞ。」
白銀の装甲が陽光を反射し、彼の姿が閃光のように突進する。
腕部装甲から伸びるグラップリングフックが地面に突き刺さり、スリングショットのように彼の体を加速させた。
「とりあえずお手並み拝見といくか。」
猛烈な勢いで白銀の弾丸の如き拳が迫る。
だが、普通の高校生である信二には避ける手段などはなかった。
ドンッ!
奇跡などというものは起こらず、轟音とともに彼の体は吹き飛び、地面を転がった。土煙の中、うめき声すら上げられずに倒れる信二。
「…ほんとにこれで終わりか?」
あまりにもあっけない勝利に、勝者である彼自身もそれを信じられない様子だ。しかし、それでも勝負は終わった。
凡なる者は非凡なる者に敗れ、その命に幕を下ろした。
「勝者――ヴォルター・グランツ。」
………
――その瞬間、世界が静止した。 色彩が褪せ、風も止まり、音が消える。
死亡したはずの信二の唇が、かすかに動いた。まるで、新たな世界の始まりを告げるかのように…
死亡したはずの信二の唇が、かすかに動いた。まるで、新たな世界の始まりを告げるかのように…
「……ラウンド2。」
世界のすべてが巻き戻る。信二の姿は元の位置に戻り、地に伏していた身体はまるで初めから倒れていなかったかのように立っている。
だが、一つだけ変わっているものがある。それは彼の目だ。その瞳の奥には、確固たる意志を宿し、何かを超えようとする者の炎が揺れていた。
「もう一回だ、ヴォルター・グランツ。」
その言葉に、”初対面”のヴォルターの眉がわずかに動く。
「……俺はお前と戦ったことも無ければ会ったことも無いんだがな…」
時と世界を超えて再びぶつかる二人。その間には、先ほどとは違う強者同士のオーラが漂っていた。
「とりあえずお手並み拝見といくか。」
先ほどのデジャブかのように、猛烈な勢いで白銀の弾丸の如き拳が迫る。
しかし、今度は信二も後れを取らない。
しかし、今度は信二も後れを取らない。
「もう負けない!」
グラップリングフックを見切り、滑るようにかわして、カウンターを叩き込む。その動きには、常人のそれとは思えない鋭さが宿っていた。
「チッ、やるじゃねぇか。」
ヴォルターは後方にフックを撃ち込み、距離を取りながらも体制を立ちなおす。信二の攻撃がけっこう堪えたようで、彼に殴られた場所を抑えて痛がっていた。
「これが……俺が特別であるため力…」
彼は自分の中に芽生えた”超常”の力を理解した。今まで何をやっても普通だった彼が初めて手に入れた普通じゃないもの。それがこの力であった。
「これなら…勝てる!」
信二は地面を強く踏みしめてヴォルターに向かって突進。その速度は常人を遥かに凌駕しており、フックの力で後ろに引き寄せられているヴォルターよりも速い。
「…なんだあの速度は…」
ヴォルターの口からも思わずそんな言葉が零れる。
「俺はもう見てるだけの存在じゃない!」
彼はあっという間にヴォルターのすぐ近くにまで接近。相手の姿はもう彼の間合いに入っている。今まで積み重ねてきた思いを込めて、信二は拳を振り下ろす。
ドゴォォン!!
大地が割れ、空気が裂け、地球の裏まで届くような衝撃音が周囲にこだまする。その圧倒的な威力はまるで巨人の踏みつけだ。
「なんだあの馬鹿力……まともにやりあったらヤバいな。」
ヴォルターはすんでのところでフックを別の場所に引っ掛けて回避することができたが、信二の攻撃力に驚嘆する。
「だが、当たらなければ問題ない。」
彼は異世界からの脅威と長年闘い続けた強者。超パワーや超スピードの相手との戦いだって何度もやってきた。そんな彼だからこそ、この状況でするべきことはわかっていた。
「あいつの攻撃は直線的だ。つまり、3次元的な戦いが有効と見た。」
そう言い放つと、彼は近くの木にフックを突き刺し、その引き寄せを利用して信二に向かって突っ込む。
「何度来ようと俺は負けない!」
信二は再びカウンターのパンチを放とうとする。
だが、ヴォルターは信二に近づく直前で軌道を変更。相手の攻撃を空振りさせ、その隙を突いて攻撃を仕掛ける。
だが、ヴォルターは信二に近づく直前で軌道を変更。相手の攻撃を空振りさせ、その隙を突いて攻撃を仕掛ける。
「…っ!」
360度全てを使って次々と予測不能な軌道で攻撃を繰り出すヴォルターに、一般人上がりの信二では対応できない。
「俺は普通じゃなくなったはずなのに!」
彼の執念がさらに刺激され、その力はさらに増す。とにかく一撃でも当てられれば…そんな一心で信二は攻撃をしまくる。
「相変わらず動きが単調だ。経験ってものが感じられない。」
だが、そんなやけっぱちの攻撃はむしろ読みやすくなってしまい、ヴォルターには簡単に避けられてしまう。信二のわずかな隙を突き、背後からフックを絡ませて信二を拘束する。
「ここまでだ。」
だが、信二は笑っていた。超常たる者への執念こそが彼の力の源であり、それが増幅すればするほど彼は強くなる。
「まだだッ!」
信二は全身に力を込め、異常な力でフックを引きちぎる。 そして驚くヴォルターの隙を突いて、腹部に渾身の拳が炸裂した。
その一撃でヴォルターが膝をつく。だが、それだけで勝負が終わるほど甘くはない。白銀の鎧が軋みを上げながら立ち上がる。
「……やるな。だがまだ、俺は倒れん!」
今度はヴォルターが吼えた。フックを左右に放ち、大地を抉って巻き上げ、空中に舞い上がる。
そして放たれる必殺の一撃――
そして放たれる必殺の一撃――
「≪ガルドストライク≫!!」
音速を超える速度で突き進むヴォルターの脚が、信二の胸元に突き刺さる。視界が光に包まれ、凄まじい衝撃と爆風が平原を切り裂いた。
……その余波が静まったとき、砂塵の中心で、信二は動かなくなっていた。
「お前の力は普通じゃなかった。だが、精神が普通だ。」
「真の強さとは身も心も異常になること。お前は力に心がついてきていない。」
彼は敗者に指摘の言葉を下すと、静かにその場から去っていった。
「勝者――ヴォルター・グランツ。」