あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《長嶋小雪 VS ペインカム》
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aioricharabattle
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《長嶋小雪 VS ペインカム》
空を覆う薄い雲が、冷たく乾いた風を二人の間に送り込んでいた。
広がる草原はどこまでも静かで、だからこそ、これから始まる戦いが異様に生々しく際立っていた。
長嶋小雪は、明るい笑顔を浮かべながらも、その瞳には鋭い光が宿っていた。異世界の旅で鍛えられた戦士の気迫が、自然と周囲を圧倒する。
「よーし、今日もサクッと勝っちゃいますよ!」
対するペインカムは、女性的な仕草で口元に手を添え、クスクスと笑った。
その細い体には無数の隠し刃が仕込まれており、彼女の狂気を映す瞳は、ただ痛みと破壊を求めていた。
一瞬の静寂。その後、地面を震わせるような緊張が走る。
「それっ! 【鑑定】!」
小雪の瞳が一瞬、金色に輝き、ペインカムのスキルや戦闘スタイル、隠れた弱点までもが頭の中に一気に流れ込んできた。
「うわぁ…めちゃくちゃヤバい人ですね。痛みで強くなるってどういうことですか…」
小雪はそう呟きながらも、ボロボロの剣を抜き放つ。彼女の使う無名の剣技はダイヤモンドすら切り裂く異様な強さを秘めている。
「ふふっ、あなた、私にどんな痛みをくれるのかしら?」
ペインカムはその様子にうっとりしたような笑みを浮かべ、いきなり飛びかかってくる。
肉を裂いて飛び出てきた隠し刃が閃き、小雪目がけて鋭い軌道を描く。
「うわっ、キモい!」
小雪は咄嗟にボロボロの剣を構えて防御する。その動きは素早く、とてもただの少女には思えなかった。
ガキン!
鋭い音と共に火花が飛び散り、剣と剣が交差する。
「その程度?もっと私を楽しませて頂戴!」
ペインカムはさらに体から刃を出し、さらなる手数で攻撃を試みる。
「いちいち痛そうなことしないと戦えないんですか?見てるこっちの身にもなってくださいよ!」
小雪はぺインカムの異質な戦闘スタイルに苦言を呈しながらも、無名の剣技を用いて彼女の隠し刃を次々と弾いていき、ついにペインカムに一太刀を浴びせた。
「んっ、この痛み…たまらないわ!」
ぺインカムは恍惚の表情を浮かべており、それはとても斬撃を受けて負傷した者の様子とは思えない。
それに加え、何故かペインカムの傷がみるみる再生し、その動きはさらに速く、鋭くなる。
普通の人間ではありえない能力を前にして小雪は冷静に考えた。
(痛みでパワーアップするなら、下手にダメージを与えずに一撃で倒すしかない!)
「ふふっ、考え事? そんなことしてる余裕なんてないわよ!」
ペインカムが全身に隠した刃の大部分を解き放ち、一気に畳みかける。
カキンッ!カキンッ!
小雪は襲い来る斬撃たちを無名の剣技で応戦しながら後退する。
周囲を舞う無数の刃は、まるで死神が踊るかのようだった。
「これじゃ体力勝負になって面倒ですね…なら!」
相手の攻撃の合間を縫って腹に蹴りをかますと、小雪はその隙にペインカムの能力を習得し、自らにも痛みを力に変える力を宿した。
試すように自分の腕を軽く切り、流れる血に顔をしかめる。
「うっ、痛いけど……確かに強くなった気がする!」
肉体の強化と同時に小雪の腕も再生していく。これこそが彼女にぺインカムの能力が宿った証拠だ。
「ふふ、私の能力をコピーするなんていい趣味してるわ!」
ペインカムはさらに興奮し、全身の隠し刃を全て解放。数十本の刃が一斉に小雪に襲いかかる。
鋭い金属音と共に、光と血が平原を舞った。
小雪は応戦し、何度か体を突き刺されるもすぐに再生。痛みを力に変え、動きはむしろ鋭さを増していく。
(このままじゃいつまでたっても終わらない…決定打が必要!)
汗と血にまみれながらも、小雪は集中を切らさなかった。ペインカムの視線、呼吸、わずかな隙──すべてを読み取ろうとした。
刃と刃がぶつかり合い、血が飛び、痛みが力へと変わっていく。
二人はまるで流れ星のように、何度も何度も互いにぶつかり続けた。
……
「はぁ…はぁ…あなた、中々やるじゃない。」
「…それはどうも。あなたもそこそこ強いと思いますよ。」
長引いた戦いによって両者とも疲弊が隠せないようで、お互いに息が上がっている。
「なら、私に刻まれてくれる?」
「…生憎私にはそういう趣味はありませんので。」
軽口を飛ばしあってこそいるが、お互いに相手の隙を狙っており、一瞬でも隙を見せればそちらの命が奪われてしまうであろうことは明白だ。
「…私が実は奥の手を隠し持ってるって言ったらどうします?」
小雪が突拍子もなく言い放つ。
「もちろん今すぐ使ってもらうわよ。ちょうどデザートが欲しいところだったもの。」
「……そうですか。なら、遠慮なくいかせてもらいます!」
そう言うと、小雪は【過熱撃】と痛みを生命力に変える能力を同時に発動する。
「はぁぁぁ!!」
受けた衝撃を蓄積して放つ【過熱撃】と受けた痛みを蓄積して強化する能力。この二つが掛け合わさることで、そのパワーは2倍、いや2乗にすらなる。
「一撃必殺!ニュークリアスマッシュ!!」
ドグォンッ!!!
まるでダイナマイトが炸裂したかのような爆発音と地響きが起こり、爆炎と同時に砂埃が舞う。
これこそが小雪の真の強さの一端。複数の能力の同時使用による強化である。
……砂塵が晴れると、そこには骨まで消し飛ばされたぺインカムと、右腕が灼けて熱そうにしている小雪の姿があった。
「あっつ!あっつ!あっつい!」
小雪は必死に【過熱撃】を使用した右腕をフーフーしており、激戦の後の様子とは思えない少女らしさが垣間見えた。
「もうこんなのはこりごりだぁ!!」
こうして、戦いは終了した。
「勝者――長嶋小雪。」