あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《公念 VS ☆幾千斬のリエル》
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aioricharabattle
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《公念 VS ☆幾千斬のリエル》
何もない平原。
ただ風が草を揺らす音だけが、地平の端から端まで鳴っていた。
ただ風が草を揺らす音だけが、地平の端から端まで鳴っていた。
その真ん中に、二人の男が向かい合っていた。
「やあやあ、そこの坊主。おぬし、なんだか物騒な気配がするぞ?」
ふざけた口調で笑うのは、幾千斬のリエル。
糸目のその目は細く、剣士とは思えぬほど気の抜けた表情。だが、その腰の太刀は、風に合わせてかすかに鳴り、空気を裂く準備を整えている。
「害をなすものに安寧なし。神の御意により、我は只今ここに在るのみ。」
対するは公念。
痩せ細った体躯に長身、顔の皺ひとつ動かさぬその姿は、風に揺れる枯れ枝のような静けさと不動の気配を湛えていた。
痩せ細った体躯に長身、顔の皺ひとつ動かさぬその姿は、風に揺れる枯れ枝のような静けさと不動の気配を湛えていた。
足元の草がわずかに揺れるたび、それに合わせるようにその視線がリエルを捉える。
彼は胸元の袈裟に指を滑らせ、一枚の護符を静かに取り出す。
それはまるで、祈りのように丁寧に、慎重に。
それはまるで、祈りのように丁寧に、慎重に。
ピタリ。
虚空に貼り付けられたその護符が、瞬時に結界を展開する。
範囲は半径一メートル。
それは空気すらも張り詰めさせる異様な静寂を生み出した。
それは空気すらも張り詰めさせる異様な静寂を生み出した。
神気の奔流が護符を起点に渦巻き、雷すらも通さぬ不可侵の結界を成す。
「おっと、さっそく張るのかい。じゃあ、こっちもいくとするか……」
スチャッ。
リエルの太刀が音もなく鞘から消えた。 否、それはただ、目に映る速度を超えていた。言うなれば──『見えなかった』だけだ。
「──幾千斬・束。」
ザザザザザザザッ!!
千を超える斬撃が、ほんの一瞬で周囲を包み込んだ。風が裂け、地が震える。草は根こそぎ薙ぎ払われ、空は白く閃光に染まる。
束ねられたそれらは、一点に集中し、まるで神の雷撃のように狙い澄まされて公念を抉らんと突き進む。
しかし、公念の身を包む結界の内側。そこはまるで別の時空のように、風すらも届かぬ静寂に保たれていた。
「──護符、発動。」
バギンッ!!
空気が一瞬で緊張に包まれ、雷鳴にも似た衝撃が迸る。
公念の周囲一メートル以内に到達した幾千の斬撃は、すべてまるで見えぬ壁に弾かれたかのように寸前で静止した。
風も音も届かぬ結界の内側。そこはまるで神の静寂に護られた聖域だった。
しかも、その結界はただ斬撃を防いだのではない。
剣気そのものを歪ませ、斬撃の軌道を微細にずらすことで、最小限の干渉で最大の制止を成していた。
剣気そのものを歪ませ、斬撃の軌道を微細にずらすことで、最小限の干渉で最大の制止を成していた。
「ほほう、やるねえ!」
リエルの口元が、思わず愉悦に歪む。千を超える斬撃を受け止める者が現れるとは、彼にとっても想定外の事態だった。
「一枚、消費。」
静かに呟きながら、公念は護符の焼け落ちた灰を見つめる。その目は、まだ戦いの終わりを見据えていない。
続いて動いたのはリエルだった。 再び太刀が霞のようにその姿を消す。
「千回斬ってダメなら……千一回目を贈るまでさ!」
対する公念も負けてはいなかった。
「巻物・蟷螂、解放。」
シュッ!!
公念が左手で巻物を掲げるや、封印が解かれる音とともに禍々しい斬撃の気が迸る。
そこから放たれたのは、蟷螂の妖の力を宿す飛ぶ斬撃──一直線に飛翔するそれは、空気を切り裂きながら疾駆した。
「──参れ。」
その斬撃と、リエルの太刀が空中で正面衝突する。
ギィィン!!
交錯の瞬間、空気が破裂したかのような音が響き、斬撃と斬撃が絡み合いながらせめぎ合う。
軌道が乱れ、力と力が衝突するその中心点では、周囲の空気が振動し、空に巨大な螺旋状の波紋が広がっていく。
軌道が乱れ、力と力が衝突するその中心点では、周囲の空気が振動し、空に巨大な螺旋状の波紋が広がっていく。
やがて爆風が巻き起こり、草原の一角を大きくえぐり取った。
空は濁り、地面には十字の裂け目が刻まれていた。
「やるねぇ……でも、まだまだ!」
リエルが軽やかに地を蹴った。風に舞う羽のような跳躍──だが、その動きは次の瞬間、鋭利な猛禽の一撃へと転じる。
左足がまるで杭のように地を穿ち、その踏み込みと同時に気圧が歪む。地面が僅かに陥没し、空気が押し出される感覚と共に、太刀が一閃。
その軌跡は霞のように揺らぎながらも、確かに命を断ちにいく鋭さを孕んでいた。
「幾千斬──第二波!!」
シャアアアアアッ!!
雷鳴を伴うかの如く、斬撃の波が爆ぜる。先ほどの束ねた一撃とは異なり、今度はまるで爆発する星の破片のように、無数の斬閃が四方へと広がった。
その一閃一閃が独立して敵意を持つかのように、空間を這い、弧を描き、護符の結界を囲うように落ちていく。
狙いはただ一つ──絶対防御の“外縁”。
公念の守りに存在する唯一の隙間、結界の内と外の境界線へ向けて、鋭い刃が容赦なく迫った。
公念の守りに存在する唯一の隙間、結界の内と外の境界線へ向けて、鋭い刃が容赦なく迫った。
「巻物・蜘蛛──絡む粘糸。」
ズズ……ズリュッ……!
即座に反応した公念の動きは、無駄がなく、機械のような滑らかさだった。
巻物が開かれると同時に、その内から黒く粘着質な糸が地面を這い出し、波紋のように広がっていく。
それはまるで蜘蛛が巣を張るかの如く、周囲の空間を束縛していった。
リエルの足元にそれが絡みついた瞬間、身体の感覚が鈍る。
沼地に脚を突っ込んだような、いや、それ以上に嫌な“まとわりつく気配”が膝から上へと伝ってくる。
沼地に脚を突っ込んだような、いや、それ以上に嫌な“まとわりつく気配”が膝から上へと伝ってくる。
「足が……ぬかるみにでも突っ込んだみたいだな…これは面倒くさい。」
リエルの足元にまとわりつく粘糸は、ただの拘束ではない。動くたびに圧が増し、皮膚にまで粘つく悪寒が這い上がる。
神経の反射を鈍らせ、意識さえも足元へと引きずり込むような違和感。 まるで、見えない底なし沼に捕らわれているかのようだった。
神経の反射を鈍らせ、意識さえも足元へと引きずり込むような違和感。 まるで、見えない底なし沼に捕らわれているかのようだった。
「だからこそ……全力を以って突破するまでだ。」
リエルの右腕が、雷鳴のようにしなりながら振るわれる。
「時空斬ッ!!」
ドゴォォォォォンッ!!!!
天地が閃光と轟音に包まれた。空間のあらゆる座標に刻まれた過去の斬撃。その一つ一つがこの瞬間に収束し、未来へ向けて解き放たれる。
それは時間軸を巻き戻し、未来の動きすら先取りする絶対の剣撃。
無数の軌跡が渦を成し、ねじれながら重なり、世界そのものを裂く。
光の奔流が爆風となって大地を剥ぎ、草原は一瞬で焦土と化した。 深々と刻まれた斬痕は地層にまで達し、まるで世界の終わりを告げるよう。
「──我、ここに在る。」
公念の声が、吹き荒れる光風の中で響いた。 彼の周囲に張られた二枚の護符が、空中で同時に発光し、灼け落ちる。
一つは神気の流転を収束させた結界。もう一つは、物理・霊的双方を弾く神聖障壁。
その二重の防御が、かろうじて彼の存在を守っていた。
ギャリギャリギャリギャリ……ッ!!!
しかし、それでも足りない。
この斬撃は──数でも質でも、常軌を逸していた。
この斬撃は──数でも質でも、常軌を逸していた。
千、万、億と無数の斬撃が宙を切り裂き、それぞれがまるで独立した意思を持つかのように、鋭利な死の意志を宿して護符を次々と削り取っていく。護符の表面を削り取るだけでは飽き足らず、その奥に秘められた力までもが蝕まれ、光を失い始める。しかし、公念もただ受け身ではなかった。彼の胸元に隠されたもう一枚の護符が、微かな光を放ち始め、奥の手の発動を告げた。
「まだ、終わらんぞ……これが我の真の力だ。」
公念が深く息を吸い込み、握りしめた錫杖が微かに震える。その瞬間、空間がねじれ、風景が歪み始める。時間が鈍くなり、周囲の空気が重く圧し掛かる中、まるで時の狭間に閉じ込められたかのような異質な結界が、彼を包み込んだ。
「この結界の内側では、幾千斬の刃もただの風切り音にすぎぬ。」
護符が発する神秘の光が激しく点滅し、斬撃の奔流をねじ伏せる。しかし、それでもリエルの斬撃を完全に消し去ることはできず、いくつかの斬撃が彼の体を切り裂いた。
「っ……は……っ……」
激しい爆光とともに、公念の膝がぐらりと崩れ落ちる音が微かに響く。錫杖が地に落ち、鐶がカランと鳴った。
その金属音は、勝敗を告げる鐘のように、静寂の中に凛と響いた。
だが、公念はまだ完全に沈黙したわけではない。
膝をつきながらも、瞳には不屈の光が宿り、彼の胸元の護符が最後の力を放つ準備を始めていた。
「これで終わりではない……」
静かに呟き、彼は残り少ない気力を振り絞った。錫杖をしっかりと握り直し、その先端から神気がほとばしる。
「禁断の奥義、万象封印――解放。」
護符から放たれた光が瞬時に周囲の空間を歪め、時の流れを凍らせたかのような異様な静止が訪れる。
風が止み、草が動きを止め、世界が一瞬の永遠に閉ざされた。
全てを封印する究極の巻物。それが発動したのだ。
ズゴゴゴゴゴッ!!!
全てを吸い込むかのような強烈な力が平原を飲み込み、一瞬のうちに周囲の地形ごとリエルすらも飲み込んでしまった。
「封印——閉。」
飲み込まれた全てはかつて災害と呼ばれた妖が封じられた巻物に同じく封印され、全てが終結した。
「これにて一件落着。」
彼は巻物を拾い上げ、そこに書かれたリエルの姿を見つめた。
……その瞬間。
ジャキンッ!
巻物の中のリエルの太刀が閃き、時空の裂け目を突き破る勢いで公念の顔面を斬った。
「…っ!」
公念の驚きと共に追撃とばかりに放たれた斬撃が次々と炸裂し、周囲の空間が大きく揺れた。
ジャキンッ!ジャキンッ!ジャキンッ!
草原の地面は裂け、空には裂け目が走っっていた。
いつの間にか巻物は斬撃によってズタズタになっており、封印の能力すらも失ってしまった。
「悪いな、坊主。俺の剣は封印すらも斬り裂く。」
巻物から飛び出したリエルはそう言い放つと、トドメの一撃を構える。
「幾千斬・終焉!」
全てを終わらせるべく放たれたその太刀が公念の胸を貫き、重く静かな絶命の音が響いた。
公念は最後の力を振り絞り、微笑みを浮かべて倒れた。その眼差しは安堵と納得の色を含み、敗北を受け入れていた。
「勝者──幾千斬のリエル。」