あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《リュミエル・スピードスター VS 更科 優佳》
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aioricharabattle
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《リュミエル・スピードスター VS 更科 優佳》
陽の光が容赦なく照りつける、何もない広大な平原。その中央に、二人の少女が対峙していた。
ふわり、と風を切る音がした。
リュミエル・スピードスター。
異次元の速度を誇る箒に跨がり、浮遊する魔導書を従えて空を駆ける少女は、慎重に優佳との距離を取っていた。
異次元の速度を誇る箒に跨がり、浮遊する魔導書を従えて空を駆ける少女は、慎重に優佳との距離を取っていた。
「わ、私、近距離はちょっと苦手だから……まずは様子を見ないと……。」
対するは和装の少女、更科優佳。
冷ややかな眼差しをリュミエルに向けながら、背負った巻物を解き、静かに更科筆を構える。
冷ややかな眼差しをリュミエルに向けながら、背負った巻物を解き、静かに更科筆を構える。
「貴女が相手か……では、一筆目。」
シュバッ。
筆が空中に疾駆し、宙を裂くようにして墨の軌跡が描かれる。 現れた文字は、空間に刻まれるかのように明瞭だった。
「疾風迅雷。」
四字が揃った刹那、大気が唸りを上げる。
リュミエルの周囲に突風が一斉に吹き荒れ、空の彼方より銀色の閃光が奔るようにして落下してきた。
ゴロゴロォン!
「ひゃっ!?」
轟音と共に雷撃が彼女のいた座標を貫く直前、リュミエルは反射的に箒を傾け、身体を強引に横滑りさせた。
雷の閃光が数メートル横を通過し、地面に黒く焼け焦げた痕を残す。
その回避には成功したが、突風の勢いは彼女のバランスを容赦なく崩した。
髪が大きく靡き、箒は不安定に傾きながら空中を漂う。
「これは……本気で来てる……っ!」
戦場の空気が変わった。リュミエルは咄嗟に魔導書を開き、焦る指先でページを繰っていく。
ページが風でばらけそうになるのを片手で押さえながら、次々に複数の魔法陣を空中に描き出す。それはあらかじめ構築された牽制用の弾幕陣だった。
「せ、せめて牽制しなきゃ……今やらなきゃ、距離が詰まる……っ!」
パシュン!パシュン!パシュン!
三連音が空気を裂き、続いて無数の光弾が優佳へと殺到する。そのひとつひとつが光の矢となって降り注ぎ、照準は正確だった。
しかし、優佳の表情には焦りの色はなかった。墨が走る音と共に、冷静に一言を紡ぐ。
「堅牢堅固。」
シュバッ。
再び筆が宙を走り、四文字が発光と共に出現。その瞬間、優佳の身体の周囲に幾層もの透明な壁が音もなく展開された。
バンッ!バシュッ!ボフン!
光弾が次々にそのバリアへと突き刺さるが、すべて弾かれ、地面に炸裂する火花となって散る。
地面に焦げ跡が刻まれていく中、優佳の姿は動かず、筆を構えたまま微動だにしなかった。
地面に焦げ跡が刻まれていく中、優佳の姿は動かず、筆を構えたまま微動だにしなかった。
「これは厄介……でもっ……!」
リュミエルの瞳が鋭く光り、戦意がさらに増した。箒が白銀の光を灯し、その機構が魔力を圧縮するように震える。次の瞬間、まるで空間そのものが破れるように、空気が引き裂かれた。
ギュンッ!
音も置き去りにして、リュミエルの姿が優佳の背後に現れる。
「転移成功……今だよっ!」
だが、その刹那。優佳の手元では、筆がすでに空を裂いていた。墨の軌跡が瞬く間に四字を描き出す。
「風林火山。」
ゴォォォオッ!
地響きと共に、大地の下から突風と灼熱の炎が爆発するように噴き上がった。烈風が唸りを上げて吹き荒れ、火柱が空へと突き抜ける。
「きゃっ!」
リュミエルは即座に後方へ飛び退き、箒を旋回させる。
しかし、火の粉が彼女の右袖をかすめ、その布地がぱちりと音を立てて焦げる。
焦げた布の匂いが鼻を刺し、彼女の頬に汗が伝った。
焦げた布の匂いが鼻を刺し、彼女の頬に汗が伝った。
「ふ、ふぅ……あと一歩だったのに……っ!」
彼女の言葉が終わるより早く、優佳の声が重なる。
「貴女の速度は確かに凄まじい。でも、その速さは常に直線的。だから……読めるのよ。」
筆が滑るように宙を走り、空にまた新たな四文字が浮かび上がる。
「一網打尽。」
バチンッ!
音を立てて空間が反応する。直後、空から無数の光の縄が蜘蛛の巣のように降り注ぎ、広範囲に広がった。
光の縄は意思を持つようにうねり、空中にいるリュミエルを狙って伸びる。
光の縄は意思を持つようにうねり、空中にいるリュミエルを狙って伸びる。
「うそっ……!?速いっ……!」
リュミエルは箒の出力を限界まで引き上げ、垂直に上昇。その動きに追従できないはずの縄が、まるで未来を予測するかのように絡みついた。
その一本が、リュミエルの右足首を捕らえる。
「きゃ……!?う、動けな……っ!」
バランスを崩した彼女は、空中から力なく地面へと引きずり落とされた。
「きゃ……!?」
引きずり降ろされ、地面に激突。
ドサッ!
土煙が舞い上がり、魔導書が彼女の手から離れて宙を舞う。
「う、うぅ……。まだ……終わって……ない……っ……!」
リュミエルはよろめきながら立ち上がり、最後の力を振り絞る。
箒が彼女の元に戻り、足元を滑るようにして浮上。だがその速度は明らかに鈍っていた。
「次が……ラストチャンス……転移連鎖で……ぐ、強引に……!」
彼女の周囲に次々と魔法陣が現れ、空間転移が連続して発動。
光の残像を残しながら、リュミエルの姿が周囲を縦横無尽に駆ける。
シュバンッ! シュバッ! ドォォン!
しかし優佳は筆を止めない。
「千変万化……。」
その言葉と共に、彼女の周囲に鏡のような幻影が次々と現れ、リュミエルの動きを逆に封じるように配置される。
一つ一つの鏡が異なる映像を映し、転移先を惑わせる。
一つ一つの鏡が異なる映像を映し、転移先を惑わせる。
「くっ……どれが本物……っ!? ……えいっ!」
転移を試みた瞬間、リュミエルの目に映った鏡が一つ、微かに揺らめいた。
(あれだ……っ!)
直感に任せて転移したリュミエルの姿が次の瞬間、幻影の鏡の一枚を突き抜けた。
ズガァン!
だが──そこは罠だった。衝撃と共に地面に叩きつけられたのは事実。
しかしその直前、リュミエルはわずかに姿勢を崩しつつも、空間転移の余波で優佳の背後に“魔導書”だけを転送していた。
しかしその直前、リュミエルはわずかに姿勢を崩しつつも、空間転移の余波で優佳の背後に“魔導書”だけを転送していた。
「がはっ……でも、まだ……っ!」
魔導書が地に落ちる直前、そのページがひときわ強い光を放ち始める。
バシュゥゥンッ!
転送された魔導書から、数発の弾幕が四方に放射され、優佳の周囲を一斉に包囲するように展開された。
「……っ!?」
優佳が筆を構えるよりわずかに早く、一発が彼女の袖をかすめ、衣が裂けて墨が飛び散る。
「一矢……報いた、かな……っ……!」
リュミエルは呻きながらも口角をわずかに上げ、倒れ伏した。
優佳が静かに近づき、裂けた袖を見下ろすと、筆を掲げた。
「勝負あり。……筆現の言は、ここで終い。」
リュミエルはその言葉を聞きながら、悔しさに唇を噛みつつ、ゆっくりと目を閉じた。
平原の風が、静かに彼女たちの間を吹き抜けていった。
「勝者――更科 優佳。」