あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《invader-0-00 VS シャルフシュッツェ》
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aioricharabattle
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《invader-0-00 VS シャルフシュッツェ》
何もない、ただ風が吹き抜けるだけの平原。地平線の先に、巨大な影が浮かび上がった。
ズシン……ズシン……
地を這うような振動。現れたのは、全長五十メートルを超える金属の巨躯――《invader-0-00》。
その身は黒曜石のように光を吸い、空気をも焦がす熱を纏っていた。
異様なまでの存在感。それはもはや兵器というより、災厄そのものだった。
「……超古代文明の、化け物か。」
シャルフシュッツェは風に揺れるコートをはためかせ、金色の瞳で鋼鉄の巨人を見上げた。
その瞳には恐れはない。ただ、静かなる覚悟だけが宿っていた。
カチン。
彼の右手には、呼び出されたばかりの対物ライフル《M82A1バレット》が現れる。
長く研ぎ澄まされた狙撃兵の直感が、即座に最適な装備を選び取った。
「トリガー。」
一言呟くと、周囲の空気が振動し始め、光の粒子が舞い散った。
粒子は次第に構造を持ち始め、シャルフの両腕に、そして背後に――無数の銃火器が編み出されていく。
拳銃、ショットガン、アサルトライフル、対物ライフル、さらには重機関銃、グレネードランチャー。
軍事教本にも記録されていないような火器までが、彼の知識と「トリガー」によって具現化される。
軍事教本にも記録されていないような火器までが、彼の知識と「トリガー」によって具現化される。
戦場そのものが、彼の意志の延長となる。
ガガガガガガガッ!!
轟音。空を裂くように、invader-0-00の両肩が開き、魔法ミサイルポッドが姿を現した。
機械のうなりと共に、炎を纏った追尾型ミサイルが数十発、一斉に射出される。
その発射口には緻密な魔法陣が重なり、飛翔するたびに空間に軌跡を刻む。
「アクセル。」
その言葉と同時に、シャルフの姿がふわりと消えた。残されたのは、わずかに光が残る残像。
加速。極限を超えた身体能力が解放される。筋繊維が音を立てて収縮し、視神経と反応系がギリギリの限界で追従する。
世界が鈍くなる。風が止まり、音が遅れる。彼の肉体は十倍速の速度で空間を駆け抜ける。
ドシュンッ!!!
ミサイルが通過した直後、爆発によって地面が大きく抉れた。
だがその中心にシャルフの姿はない。彼はすでに百数十メートル先、岩陰に身を滑り込ませていた。
「……速すぎて追尾補正が利かない……ならば……」
冷静な計算の声。invader-0-00のAIが即座に判断を下し、背部の装甲が展開される。
内部に格納されていた巨大な砲塔が姿を現し、魔力を帯びた高圧水流が螺旋を描きながらチャージされていく。
バシュウウウウウウッ!!
真空を纏った水刃が光速に近い速度で前方を切り裂く。
空気は悲鳴を上げ、大地が一刀両断された。
「甘いな……!」
シャルフの声が響いた、だがその瞬間――
高圧水流が、風切音を伴って空を裂く。
その刃は回避の最中にあったシャルフの右腕に命中し、まるで紙細工を裂くような音とともに、肘から先を容赦なく断ち切った。
ブシャアアアッ!!
紅の飛沫が空中に花のように咲き乱れる。
「……っ、が……ッ!!」
シャルフの表情が一瞬だけ苦悶に歪む。だが、彼はその痛みに屈しなかった。
反射的に左腕で身体のバランスを取り直し、重力をものともしない軌道で跳躍を継続。
踵を返すように宙を切り、第二撃の軌道から身を翻す。
空中に浮かぶその姿は、血を撒き散らしながらも美しく、鋭く、そして戦術の一環として完成されていた。
動きに一切の無駄はなく、失った腕さえも戦術に織り込むような精密さだった。
「ジョーカー。」
その名を口にした瞬間、シャルフの胸奥に灯るのは――かつて共に過ごした友の面影。
共に理想を語り、共に拳を交えたライバルの影。
そして、あの時交わされた二つの言葉。
『世界を平和にしてくれ。』
『最強になって、戦争の抑止力になってくれ。』
『最強になって、戦争の抑止力になってくれ。』
心臓が脈打つたびに、その言葉が魂の中で増幅していく。記憶の奥底から蘇る笑顔、悔し涙、戦場の轟音。それら全てが今の彼を支えていた。
バチンッ!!
電撃のような覚醒がシャルフの肉体を駆け抜ける。
身体能力が跳ね上がり、視界が明滅する。加速にすら慣れた肉体が、新たな限界を超えていく。
ズガァァァンッ!!
放たれた対物ライフルの弾丸が、invader-0-00の右腕ジョイント部に直撃する。魔力強化を施された徹甲弾。重装甲を貫くには至らずとも、その稼働ユニットに微細なズレと異常信号を与えた。
コンマ数秒の遅延。だが、それこそがシャルフにとっては永遠にも等しい時間。
「M2重機関銃、トリガー展開ッ!」
その叫びとともに、空間が歪む。彼の周囲に、宙を舞う光の粒子が複数の銃座を形作っていく。
瞬時に展開される重機関銃群。足場すらない空中を、シャルフはその銃座の上を縦横に跳躍する。
ダダダダダ!!
発射音が鳴り響き、7.62mm弾の嵐がinvader-0-00へと降り注ぐ。
精密な照準、魔力を帯びた弾道。
装甲の隙間や冷却口、関節部など、彼が即座に見極めた脆弱箇所へと次々に命中していく。
銃火はまるで空に咲く花火。
爆ぜる光と轟音が、戦場を赤く染める。
「反応が……遅れている……?」
invader-0-00のAIが処理速度の限界に達しつつあった。
マッハ15の飛行速度をも誇るが、その能力は迎撃より侵攻に特化している。
その設計思想が、ここで裏目に出る。
「これで終わりだ……!」
シャルフの手に現れるのは、対戦車火器《RPG-29 ヴァンパイア》。
金属の質感を帯びたその筒状兵器は、魔力と火薬の技術が融合した逸品。
鋼鉄をも穿つ一撃は、ただの武器ではない。
それは、想いの集積であり、過去と未来を繋ぐ橋だった。
彼の心が叫ぶ。希望。意志。願い。
それはかつて交わした誓い。戦場で散っていった仲間の声。幼き日々に抱いた、終わらせたいという純粋な祈り。
「――託された願いを、この一撃に込めるッ!!」
振りかぶるように構え、照準器の先に映る巨体を見据える。風が止まり、時間が凍る。
そして――
そして――
ズゴオォォォン!!
炸裂。爆炎。そして光。高密度魔力炸薬が発動。その爆発は、ただの火力ではない。
魔法と物理が共鳴し、空間そのものを圧縮するような衝撃が走る。
invader-0-00の胸部装甲が、軋むような音を立てて崩れ落ちた。
黒煙が舞い、機体のコアが露出。蒼白い光を放つそれは、機械の心臓であり、魂の代替物。
放電と警告音が鳴り響く。内部の魔導回路が焼き焦げ、赤黒く変色していく。
システム全体に異常信号が奔り、制御不能のスパークが弾ける。
ピィーーー……ピィーーー……
invader-0-00のAIが発した、最後の自動警告が無機質に空気を震わせる。
「戦闘継続不能。試作機、機能停止。」
だが、それは敗北の宣言ではなかった。すでに機体の制御を失い、暴走状態へと突入したinvader-0-00は、内部の魔導炉が限界を超え、もはや「兵器」の域を逸脱していた。まさに――災厄そのもの。
目を見張るような紫電が走る中、蒼白い魔力の奔流が装甲の隙間から漏れ出す。その瞬間、巨体が吠えた。
「グァアアアアアアアア!!!」
咆哮と共に、かつてのプログラムではあり得ぬ軌道で突進する。その圧は風を捻じ曲げ、大地を抉り、重力そのものを拒絶するかのようだった。シャルフの身体が反応するより先に、魔力の奔流が炸裂し、彼の足場を吹き飛ばす。
「ッ……くそ……っ!!」
空中で体勢を立て直そうとした瞬間、光速を超える熱線が奔った。
直撃――いや、直撃寸前にシャルフは身を捩って回避した。しかし、次の瞬間。
直撃――いや、直撃寸前にシャルフは身を捩って回避した。しかし、次の瞬間。
「――ッ!?」
暴走したinvader-0-00の右腕が、まるで意思を持ったかのように伸縮し、魔導圧縮された黒槍のごとき高圧レーザーを放つ。その一撃は、空間ごと削る圧倒的な貫通力を持ち、シャルフの左胸を貫いた。
爆ぜる火花。鮮血が宙に弧を描く。そして止めの一撃。invader-0-00が振りかぶった拳――その質量は山すら砕く。シャルフが拳銃を掲げた瞬間には、すでに間に合っていなかった。
ドゴォォォン!!!
空気が破裂する轟音と共に、シャルフの身体が地面に叩きつけられる。装甲が砕け、骨が軋む音が平原に響く。
「う、ぅ……あ……っ……!」
彼の片目が開き、まだ燃え続ける希望がそこに宿る――だが、立ち上がるにはあまりにも致命的なダメージ。
そして、invader-0-00は止まらない。暴走した心臓が動き続ける限り、その咆哮は世界の終わりを告げる鐘だった。
「勝者――invader-0-00。」