あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第8回トーナメント 第1回戦 第2試合
最終更新:
aioricharabattle
-
view
第8回トーナメント 第1回戦 第2試合
《クエイフ VS 求血者ラモ》
リングの中心で、土と血が緊迫した静寂の中で対峙する。
第8回あにまんオリキャラ最強トーナメント、第二試合が今まさに始まろうとしていた。
登場したのは、冷静なる観察者・クエイフ。彼の瞳は冷たく、環境を的確に把握し、常に一歩先を見据えている男だった。
対するは、血に飢えた少女・求血者ラモ。その身体からは不気味な殺気が漂い、まるで獲物を狙う猛獣のように鋭くリングを見つめていた。
「——試合開始ッッ!!」
「……お兄ちゃんも負けてない所、見ていてくれ妹達。」
クエイフは静かな決意を胸に呟きながら、手で古代遺物・天眼の縁を優しく押し上げた。
カシン――。
まるで夜空に浮かぶ星々のように煌めきながら、ラモの全身に宿る異質なスキル構造が精緻に映し出される。
「まずは『感血』……この能力は、彼女の血液がどこに存在し、その性質がどれほど特異かを解析するものだ。」
クエイフは冷静な声で呟き、続けて言葉を紡ぐ。
「次に『引血』……その力は単なる引き寄せを超え、相手の血液を激しく引き抜き、生命力を奪い取る。……非常に危険な能力だ。」
四つの機械仕掛けの浮遊する手が、静寂を切り裂くように音を立ててゆっくりと構えを取る。金属の擦れる音が冷たく響き、戦闘の幕が上がったことを告げる。
「AI起動。解析開始。」
クエイフの眼差しは一瞬たりとも揺るがず、敵の動きを正確に読み取るために全神経を研ぎ澄ます。
対するラモは、眠たげにとろりとした空色の瞳でリング全体を見渡し、まるで風に揺れる花のように優雅にふらりと一歩ずつ歩み寄る。
「……あー、今日の相手、なかなか……硬そうね。」
その呟きには、まるで遊び心さえも混じっているようだった。爪先が淡く鈍い光を帯び、空気が切り裂かれる音が鋭く鳴り響く。
ザシュンッ!!
鋭利な手刀が空気を断ち、冷徹な凛とした音をリングに響かせた。
「まずは、少し流してもらおうかな。」
バッ!!
四つの浮遊手は機械的に瞬時に盾の形状へと変形し、襲いかかる斬撃を完璧に防御する。
さらに、その防御の隙間を縫うように、二本の腕が鋭い反撃へと転じる。
無数の鋭利なスパイクが静かに突き出され、獲物を捕らえんとする猛禽のように狙い定める。
無数の鋭利なスパイクが静かに突き出され、獲物を捕らえんとする猛禽のように狙い定める。
「無駄な出血は避けたい。妹達が見ている。」
クエイフの呟きには揺るぎない決意と、守るべき者への深い愛情が刻まれていた。
「あ~そういう感じね。まぁ、何にしろ血はもらうけどね。」
その瞬間、ラモがぴたりと身を翻し、相手の攻撃の間を縫うように飛び込んだ。
ズパッ!!
そして、鋭い一閃がクエイフの右肩を深々と裂いた。
「くっ……! AI、回避行動!」
彼は必死でAIに指示を出し引血の呪文が発動する前に瞬時に飛び退いた。
傷口から血が溢れそうになるも、すかさず土魔法を使ってその血を圧縮凝固し、出血を最小限に抑える。
傷口から血が溢れそうになるも、すかさず土魔法を使ってその血を圧縮凝固し、出血を最小限に抑える。
「抗体形成開始……『引血』に対応。W.P、準備中。」
体内で生成された特殊なワクチンが血流に乗り、ラモの能力を中和し始める。
しかし、その直後、ラモが発動した引血の強烈な引力に抗いきれず、身体が勢いよく引き戻される。
「これは勝負だよ?相手が技の発動を待ってくれると思ってるの?」
彼女は引き戻す勢いを乗せてクエイフを殴り飛ばす。
ドゴッ!
吹き飛ばされるクエイフ。だが、攻撃はこれだけでは終わらない。
「まだ終わってないよ。」
なんとラモは再び引血を発動し、吹っ飛ばされるクエイフを強制的に自分の方へと引き寄せ、連続攻撃を仕掛ける。
バキッ!ザシュッ!ズバッ!
拳と手刀が何度も撃ち込まれる中、クエイフは防御と反撃を繰り返し、必死に耐えながらも冷静に状況を分析した。
「AI、ワクチン緊急増産。速やかに血流へ投入せよ!」
その指示に応えるかのように、周囲の機械の腕が高速で動き、ワクチンの量産が始まった。
クエイフは深い集中力で体内の抗体を増強し、ラモの能力を完全に封じ込めるための準備を整えていく。
キィン――。
体内で生成された特殊ワクチンが血流に乗り、まるで精密な機械のように身体の隅々まで巡る。
そこに宿る抗体は、ラモの狂気的な生体能力を冷静に解析し、次第にその異常な力を静かに、しかし確実に中和し始めていた。
そこに宿る抗体は、ラモの狂気的な生体能力を冷静に解析し、次第にその異常な力を静かに、しかし確実に中和し始めていた。
「ええー……もう効かないの?」
ラモは不満そうに口を尖らせ、少しばかり苛立ちを滲ませながらも、その眠たげな瞳に戦意を再び宿す。爪を再び構え、攻撃の準備を整えた。
「じゃあ……もっと出してもらおうか。」
その言葉と同時に、爪が空気を切り裂く音が幾度も響き渡る。
爪先は閃光のように素早く連続して宙を滑り、強烈な斬撃を放つ。空気が裂け、風圧がリング全体を震わせる。
「土盾、展開!」
地面が轟音を伴い隆起し、厚く頑強な土の防壁がリングの一角に形成される。
防壁はまるで生きているかのように、次々と襲いかかる鋭い爪の一撃を確実に受け止め、砕け散ることはなかった。
「時間稼ぎ、完了……続いて『血屍』の解析を開始する。」
冷静に状況を把握したクエイフは小さく息をつき、スマートデバイスを操作しながら指示を続けた。
「……へえ、解析速度は想像以上だね。」
ラモは薄く笑みを浮かべ、その唇の端を軽く持ち上げて冷ややかな視線を向けた。指先を口元に寄せ、微かな挑発を含んだ表情で静かに次の策を練り始める。
「だけど、そろそろ本気を出すわ。」
そう告げると同時に、彼女の身体は徐々に赤く熱を帯び始めた。
「活血、発動。」
皮膚の下で激しい血流が加速し、まるで燃え盛る炎のような光彩を全身に纏い始める。リングの空気が熱を帯び、戦慄が走る中、クエイフたちは一瞬たりとも気を抜けなかった。
「これは……まずい……!」
クエイフのAIが激しい警告音を鳴らし、全身のパラメータが急激に上昇する。
ドゴォォン!!
先ほどまでは完璧な防御を誇っていたはずの防御壁が轟音と共に一撃で吹き飛ばされた。これは彼女の攻撃が先ほどとは桁違いであることを明らかにしている。
「これは不味いな…早急に対策を…」
「引血強化。」
ラモの爪がかすっただけで、クエイフの頬が裂け、鮮血が浮かび上がった。その瞬間、クエイフの身体が引き寄せられるように前へ滑った。
ギュインッ!
強化された引血の力はもはや、従来のワクチンによる抗体では歯が立たなかった。全身が粘りつくような力に捕まれ、距離を取ることすらままならない。
「……まずい。」
視界が赤く染まり、身体の制御が奪われていく。クエイフは咄嗟に腕を交差させて顔面を守るも、次の瞬間、拳が腹部に食い込み、衝撃で内臓が揺れた。
吹き飛ばされる体。だが、再び“引血”が作動し、空中で強引に方向を変えられ、ラモのもとへと再接近させられる。
「さっきよりも強くなっている……」
バキッ!ザシュッ!ズバッ!
続く連撃が容赦なく襲いかかる。爪が肌を裂き、拳が骨を軋ませる。しかし、その中でもクエイフの思考は決して止まらなかった。体内で働くナノAIが、急速に解析データを構築し始める。
「……この強化には外部因子が絡んでいる。構造の中に人工的な要素は……見つけた。」
「W.P、緊急生成。型番β1……血流全体へ投与開始。」
浮遊手の内部機構が変形し、細かな機械注射が彼の皮膚へと突き刺さる。瞬時に血流へ乗って流れ始めた新型ワクチンは、過去にない速度で抗体を増殖させた。
「……間に合え。」
その瞬間、土魔法によって生成された槍が地面から立ち上がり、ラモの肩口を裂いた。
ガシュッ!
「ん…? なにこれ…力が少し抜けた気が……」
その一言を聞いた瞬間、クエイフの瞳が光を取り戻す。彼の目論見通り、彼女の体に撃ち込まれたワクチンの反応が現れていたためだ。
浮遊手が全武装形態に変形し、クエイフ自身もその隙を見逃さず踏み込む。
浮遊手が全武装形態に変形し、クエイフ自身もその隙を見逃さず踏み込む。
「妹のために……必ず勝つ!」
ズガァァン!!
彼の能力によってラモの活血は無効化され、クエイフの一撃が容赦なく彼女の腹部を撃ち抜く。
ドシャアッ!!
無防備となった腹部に大ダメージを受け、ラモがリングに倒れ込む。しかし、その口元にはどこか楽しげな微笑みが浮かんでいた。
「……やるじゃん……お兄ちゃん……。」
観客から静かな拍手が起こる中、クエイフは深く息を吐き、空を仰いだ。
「カッコ悪くなくて……良かった。」
だが、その刹那。ドクン、とリングに再び不気味な血の波動が響いた。
「ふわぁ……あれ?ここどこ?」
倒れたはずの身体をゆっくりと起こすラモ。その瞳は先ほどまでの虚ろさを失い、研ぎ澄まされた殺気に満ちていた。
「もしかして寝てる間に対戦始まってた?ごめんごめん。」
そう、なんと先ほどまでのラモは超常的な生存本能によって睡眠状態で戦闘を行っており、彼女本来の意識は今の今まで休眠していたままだったのだ。
「じゃあ、さっそくやっちゃうよ。」
ズズッ……。
リングに零れ落ちた自らの血を掌に集める。瞬間、その血が蠢き、脈動し、まるで生き物のように形を成していく。
「活血……点火。」
ラモの肉体が燃え盛る紅蓮の焔に包まれる。音すら焼き尽くすような魔力の爆発が空間を満たし、熱気と殺気が押し寄せる。その威圧感は観客席にまで届き、誰もが息を呑んだ。
「まさか……まだ余力が……!」
クエイフは咄嗟に防御態勢を取り直した。しかし、肩で息をする彼の動きには、すでに明らかな鈍さが現れていた。消耗の限界がすぐそこまで迫っている。
「……最後まで持ってくれ、天眼……!」
クエイフはワクチン生成の最終段階へと意識を集中する。体内のナノAIが全力で抗体を生み出し、血流へ投与する準備を進める。
だが——。
「遅いよ、お兄ちゃん。」
ズバッ!!
ラモの身が視界に飛び込んだ瞬間にはすでに遅く、その一閃がクエイフの土の防壁ごと深々と斬り裂いた。
激しい衝撃が彼の身体を襲い、膝から崩れ落ちる。
「これは…俺のミスだ……妹たちに何と言えば…」
視界が歪み、意識が遠のいていく中で、妹たちの侮蔑の表情だけが心に浮かぶ。
ラモは静かに彼の前に立ち尽くし、その顔には少しの落胆と困惑の顔が浮かんでいた。
「なんかあっけなかったな。もっと早く起きてればよかった。」
そして、静寂を切り裂くようにアナウンスが会場に響き渡る。
「勝者――求血者ラモ!!」