あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《六波羅 VS 月代周》
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aioricharabattle
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《六波羅 VS 月代周》
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング。轟音と歓声が混ざり合う中、異色の二人の戦士が向かい合っていた。
「いやあ、イイねえ。こういうゴツい相手ってテンション上がるわ~!」
気楽な調子で笑みを浮かべるのは月代周。淡い金髪にラフなシャツ、肩からは脱げかけたジャケット。戦場というよりライブ会場にでもいそうな出で立ちで、緩く結んだ髪が風に揺れていた。
「こっち見てる……ってことは、今は覚えてくれてんだな。よしよし、せめて10秒は楽しませてくれよ?」
目の前に立つのは、身の丈2メートルを超える黒の軍服姿の異形。焦げ茶色の髪は野生の証のように乱れ、瞳の奥には原始的な光が宿る。六波羅──ダチョウの式神にして、脳筋の極み。
「——試合開始ッ!」
その巨体が、次の瞬間、地を揺るがす音とともに動いた。
ズガァン!!
まるで砲弾のような突進。リングの床板が砕け、空気を押しのけて六波羅が距離を詰める。
「わっとォ!最初っからトップギア!?」
ギリギリで身体を捻り、月代は横に飛ぶ。だがそのまま勢いに任せて拳を突き出した。
ドゴッ!!
拳は確かに六波羅の脇腹を打ち抜いた。しかしその表情に痛みはない。反転し、地を蹴って体勢を立て直す。
「……あー、やっぱ今ので能力1個か……ん?『空間重複』? めっちゃ面白そうじゃん?」
途端に月代の輪郭が揺らぎ始める。二重にぶれ、まるで過去と現在が重なったかのような奇妙な残像。
ガンッ!!
六波羅が拳を振り上げ、迷いなく振り抜いた。
だがその瞬間、彼女の瞳に映っていた月代の姿が淡くぼやけ、まるで幽霊のように“別の場所”へとズレる。
「ほいっと、回避ね。」
月代の声が響いたと同時に、彼の実体が右側に現れる。
「おっとぉ~、当たんないよ~ん。」
六波羅の拳は空を切り、そこには風を裂くような虚無感だけが残った。
「おまえ……なんか言った?」
彼女の眉が僅かに寄り、獣のような直感が鋭く月代に向けられる。
ギラリと光る瞳。その瞬間、六波羅の中に警鐘が鳴った。“この男は、ただの遊び人ではない”。
「やっぱ動物的な感覚って侮れねーな……。じゃ、次いくぜ!」
バチィン!!
一瞬で距離が詰まり、拳と脚がぶつかり合う。
月代の重心を込めた回し蹴りが六波羅の膝に激突。衝撃波が床を揺らすほどの威力。
だがそれと同時に、六波羅の鍛え上げられた反応速度が勝った。肘が刃のように月代の肩を貫く。
「ぐっ……っはあ、これで2個目! ……『因果転写』!? うおっ、マジで来た! じゃあ、今のダメージ──」
ゴウッ!!
六波羅の肩口が破裂するかのように裂けた。数秒前、月代が喰らったはずの一撃。それがまるで映し鏡のように、今彼女の肉体へと跳ね返る。
「……わけわかんねぇ……でも……お前……つえぇ……」
六波羅は膝をつきかけた姿勢からぐっと踏みとどまり、深く息を吐いた。その口元には血が滲み、肩は裂け、腕は痙攣していた。
それでも彼女の目は、爛々と輝いていた。恐怖ではない。痛みでもない。ただ純粋な“戦い”への興奮だった。呻き声混じりに絞り出した言葉には、敵への敬意と、まだまだ終わらせねぇぞという獣の本能が滲んでいた。
それでも彼女の目は、爛々と輝いていた。恐怖ではない。痛みでもない。ただ純粋な“戦い”への興奮だった。呻き声混じりに絞り出した言葉には、敵への敬意と、まだまだ終わらせねぇぞという獣の本能が滲んでいた。
「だろぉ? 俺、意外とやるんだぜ。」
対する月代は、肩で息をしながらも軽口を崩さない。だがその目は一切の油断なく鋭く光っている。
この一戦が、ただの腕試しや遊びで済む段階ではないことを、互いに悟っていた。
この一戦が、ただの腕試しや遊びで済む段階ではないことを、互いに悟っていた。
ズドン!!
六波羅の巨体が一瞬で縮地する。わずかな膝の沈み込みから、驚異的な脚力をもって前方へ爆発的に踏み込み、額を武器にそのまま月代の胸部へ突進する。
「っがはっ……! く、くぅ……これは……キマったわ……」
骨の軋む音。月代の身体が宙を舞い、彼の肺から空気が一気に抜ける。
だがその顔には、苦痛と並ぶほど鮮やかな笑みが浮かんでいた。
「『加速蓄積』……今の一撃、ありがと!」
床に落ちる瞬間、全身の関節が弾けたように開き、次の瞬間には──加速。まるで矢のように地面を蹴り、衝撃波を伴って瞬時に疾駆する。
その速さは視覚の限界を超え、残像すら残さず、空間が一瞬“折れた”ように錯覚させた。
六波羅の網膜から月代の像が完全に掻き消え、わずかに視線を泳がせながら咄嗟に反応を試みる。
六波羅の網膜から月代の像が完全に掻き消え、わずかに視線を泳がせながら咄嗟に反応を試みる。
「……どこ……?」
「上だよッ!!」
ズガァァン!!
上空からの踵落とし──それは重力すら味方につけた必殺の一撃だった。月代の全身が一筋の閃光となって降下し、踵が六波羅の頭頂を狙い落とされた瞬間、空間が歪み、爆音が轟く。
ズガァァンッ!!
リングの床が陥没し、衝撃で観客席の柵が震える。爆風が渦を巻き、砂埃が吹き上がる中、六波羅の巨体が一瞬グラついた。
そのとき。
「……でも、残念。……わすれた。」
囁くように、しかし確実に世界に刻まれる言葉。
バシュンッ。
まるで映写機のフィルムが途切れたかのように、月代の存在が空間から消えた。踵を打ち込んだはずの場所には、ただ音の残響だけが虚しく響いている。
視界が揺らぎ、次に映ったのは──地面に打ち据えられ、咳き込みながら呻く月代の姿。
「っぐ……マジか……! ……能力ごと忘れられるって、理不尽過ぎだろ……!」
肩で呼吸を繰り返し、鼻血が頬を伝う。腕も足も、衣服もボロボロだった。
だが、それでも彼は笑った。
「こりゃあ……もう一発、派手に行くしかねぇな……。俺の運、見せてやるぜ……!」
「おれ……も……けり……たい……」
もはや原始的とも言える執念で、六波羅も応える。
踏み込みと同時に放たれた拳と、月代の渾身の蹴りが交錯する。
ズガァァァァン!!
轟音がリングを揺らし、鉄骨の骨組みすらきしむ。
二人の身体がそれぞれ逆方向へ吹き飛び、リングの床がひび割れ、天井から塵が舞い落ちる。
──そして。
土煙が漂う中、観客の誰もが息を呑む。次にゆっくりと動いたのは、黒い軍服──六波羅だった。
「……いたい……でも……おぼえてる……」
掠れた声がマイクを通して響き渡る。
「勝者――六波羅。」