命、その価値は
ホクトが死んだ。
余りに呆気なく。
ボンという音と一緒に命が消えた。
余りに呆気なく。
ボンという音と一緒に命が消えた。
ホクトだけじゃなかった。
他にも6つの音が。
他にも6つの音が。
つまりは七人逝ったという事。
「畜生……くそおおおおおおおおお」
ガンと地面に拳を殴りつける。
唯、咆哮が暗い暗い土をくりぬいたような洞窟に響く。
涼しい風が俺に当たる。
ジメッとした湿気が何となくイラつく。
唯、咆哮が暗い暗い土をくりぬいたような洞窟に響く。
涼しい風が俺に当たる。
ジメッとした湿気が何となくイラつく。
俺――倉成武――は悔しかった。
何もできずに失った息子。
倉成ホクト。
俺には何時の間にか出来た子供。
本当にいつの間にかだった。
本当にいつの間にかだった。
愛したつぐみを助けて一眠りをしたら。
17年たっていた。
17年たっていた。
……悪い冗談のようだ。
でもそれは紛れも無い事実。
でもそれは紛れも無い事実。
あの地獄のような7日間。
その間に俺は不老不死になった。
その間に俺は不老不死になった。
キュレイウィルスによって。
キュレイウィルス―――詳しくは俺も分からないが未知のウィルス。
感染したものはキュレイウィルスによって細胞を書き換えられ不老になる。
そして自然治癒力が上がり不死に近い状況になるらしい。
治癒力は怪我に関しては全治2ヶ月、元通りにに歩けるようになるまで更に数ヶ月を要するほどの重傷が1日で回復し、歩きまわれるようになってしまうほどだ。
そして副次的効果として運動能力の上昇もみられるらしい。
感染したものはキュレイウィルスによって細胞を書き換えられ不老になる。
そして自然治癒力が上がり不死に近い状況になるらしい。
治癒力は怪我に関しては全治2ヶ月、元通りにに歩けるようになるまで更に数ヶ月を要するほどの重傷が1日で回復し、歩きまわれるようになってしまうほどだ。
そして副次的効果として運動能力の上昇もみられるらしい。
最も俺もよくは分からないが。
そのキュレイをもともとの感染者であった小町つぐみから感染してもらった。
生き残る為に。
そのキュレイをもともとの感染者であった小町つぐみから感染してもらった。
生き残る為に。
そしてその7日間の間に俺はつぐみを好きになり屈折あったが結ばれた。
その時に出来た子供が二人。
その時に出来た子供が二人。
ホクトと沙羅という双子。
まぁその後色々あって俺が目が醒ましてのは7日間を過ごしてから17年後。
気がつけば37歳でパパだ。
昨日まで20歳だったのに。
いや、心は20歳だ。
うん
気がつけば37歳でパパだ。
昨日まで20歳だったのに。
いや、心は20歳だ。
うん
本当ビックリだ。
それでもよかった。
あの地獄のようなサバイバルを終えやっと幸せな日々になると想ったんだから。
あの地獄のようなサバイバルを終えやっと幸せな日々になると想ったんだから。
愛してるつぐみと子供たちと。
だけど。
奪われた。
殺し合いという名のふざけたゲームに。
ホクトとの命と共に。
悔しかった。
息子の死に何も出来なかった自分が。
ホクトとの命と共に。
悔しかった。
息子の死に何も出来なかった自分が。
悔しくて。
哀しくて。
哀しくて。
だからこそ。
「壊してやる、こんなゲーム……命の重みを知らない奴らなんかに……絶対に負けてたまるか」
俺は。誓う。
この殺し合いを壊す事を。
主催者のいう通りになってたまるかと
命の大切さを知らない奴らに。
この参加者の命……絶対に上げるわけにはいかない。
この殺し合いを壊す事を。
主催者のいう通りになってたまるかと
命の大切さを知らない奴らに。
この参加者の命……絶対に上げるわけにはいかない。
それがホクトの死に何も出来なかった自分の償いになると信じて。
頑張ろうと。
俺はここで挫けるわけにはいかなかった。
俺はここで挫けるわけにはいかなかった。
ホクトは言った。
『パパ……ママ。頑張って。殺し合いなんかに負けないで。絶対に負けないで』
と。
俺は……死なない。
絶対に死なない。
絶対に負けない。
絶対に死なない。
絶対に負けない。
頑張ってみせる。
死んでたまるか。
「見てろ……ホクト。絶対勝ってみせる。生きてみせる」
なぁホクト。
俺は頑張るから。
絶対。
絶対死なない。
「……さて、行こう。まずはつぐみ、少年と合流しよう」
小町つぐみ、少年――桑古木涼権――。
愛する者と七日間を過ごし生き抜いた大切な仲間。
殺し合いに乗ってるわけがない。
だからとりあえずそいつらとの合流を。
愛する者と七日間を過ごし生き抜いた大切な仲間。
殺し合いに乗ってるわけがない。
だからとりあえずそいつらとの合流を。
「んーどっちを行こうか」
ランタンを掲げて道を照らす。
今俺がいるのは洞窟見たいな所。
一本道になっており長さは分からないが幅はかなりある。
前か後ろ、どっちに行こうか思案している時だった。
今俺がいるのは洞窟見たいな所。
一本道になっており長さは分からないが幅はかなりある。
前か後ろ、どっちに行こうか思案している時だった。
「きゃぁあああああ!?」
「!?」
「!?」
前方の方から少女の叫びが聞こえたのは
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……ぐす」
暗い暗い洞窟から少女の啜り泣きが響く。
少女は黒い制服を纏い灰色の髪をしていた。
髪に飾り付けられている碧のリボンがゆれる。
少女は少し怖くて泣いていた。
この状況が余りにも異質で。
彼女を照らす灯は手に持ったランタンと壁に取り付けられてる灯のみ。
光はそれしかなくて後は闇が支配するのみ。
その闇に少女は唯怯えた。
少女は黒い制服を纏い灰色の髪をしていた。
髪に飾り付けられている碧のリボンがゆれる。
少女は少し怖くて泣いていた。
この状況が余りにも異質で。
彼女を照らす灯は手に持ったランタンと壁に取り付けられてる灯のみ。
光はそれしかなくて後は闇が支配するのみ。
その闇に少女は唯怯えた。
少女―――リセルシア・チェザリーニ―――はよくわからなかった。
突然広い場所に連れてこられて殺し合いをしろと綺麗な女の人が言った。
そして情報をまとめようとする内に沢山の人の首が飛んだ。
突然広い場所に連れてこられて殺し合いをしろと綺麗な女の人が言った。
そして情報をまとめようとする内に沢山の人の首が飛んだ。
怖かった。
哀しかった。
哀しかった。
沢山の人の死に。
そして気がつけばこんなくらい場所に。
名簿を見た。
そこには見知った名前が4つほど。
よく知ってる人と名前しか知らない人。
名簿を見た。
そこには見知った名前が4つほど。
よく知ってる人と名前しか知らない人。
クリス・ヴェルテイン。
最近リセと仲良くしてくれる人。
不思議な人だった。
自分の唄に興味を示して近づいてくる。
人付き合いが苦手で離れるのについて来る彼がとても不思議でそしてリセにとって嬉しかった。
そのクリスまでいる。
彼がこの島に居ることがリセにとって嬉しいような哀しいような複雑な気分だった。
不思議な人だった。
自分の唄に興味を示して近づいてくる。
人付き合いが苦手で離れるのについて来る彼がとても不思議でそしてリセにとって嬉しかった。
そのクリスまでいる。
彼がこの島に居ることがリセにとって嬉しいような哀しいような複雑な気分だった。
ファルシータ・フォーセット。
自分に良くしてくれる同じ学校の生徒会長。
同じ孤児院出身でとても利発的な人だった。
同じ孤児院出身でとても利発的な人だった。
後はクリス伝いから聞いた名前のみ。
トルティニタ・フィーネ。
アーシノ・アルティエーレ。
よく知らないけど無事であるといいなと唯そう想った。
トルティニタ・フィーネ。
アーシノ・アルティエーレ。
よく知らないけど無事であるといいなと唯そう想った。
「……どうしよう」
溢れる涙を拭いながらもリセは考える。
いつまでも泣いてるわけにはいかないから。
恐怖はいつでも傍にある。
こんな命の危険を晒されることなどなかったけど。
それでも恐怖は日常からあったのだから。
いつまでも泣いてるわけにはいかないから。
恐怖はいつでも傍にある。
こんな命の危険を晒されることなどなかったけど。
それでも恐怖は日常からあったのだから。
哀しい事にリセルシア・チェザリーニは恐怖に慣れていた。
痛みに慣れていた。
リセは孤児であった。
それをフォルテールを扱える、その一点で拾われた。
有名な音楽家がであり今の父に。
父の教えは厳しくて。
失敗すると飛んでくる体罰。
痛みに慣れていた。
リセは孤児であった。
それをフォルテールを扱える、その一点で拾われた。
有名な音楽家がであり今の父に。
父の教えは厳しくて。
失敗すると飛んでくる体罰。
怖かった。
痛かった。
痛かった。
それでも頑張った。
頑張って父に認められること。
それでも自分は父を愛してくれたから。
父が自分を愛してると想っているから。
頑張って父に認められること。
それでも自分は父を愛してくれたから。
父が自分を愛してると想っているから。
リセは傷つきながらも生きていた。
だから、恐怖は慣れっこだった。
きっと……きっとその先に幸せがあると思って。
きっと……きっとその先に幸せがあると思って。
「……うん。大丈夫。大丈夫」
怖いと想う。
充満した死の臭い。
血の臭い。
今でも頭に残っている。
充満した死の臭い。
血の臭い。
今でも頭に残っている。
でもリセは生きなきゃと想う。
理不尽な死にたくなかった。
誰もが想うしにたくないという感情。
理不尽な死にたくなかった。
誰もが想うしにたくないという感情。
でもそれでも誰かを傷つけることなど考えたくなかった。
結局リセは優しい人間だから。
結局リセは優しい人間だから。
殺し合いという理不尽で哀しいものに参加するなんて考えたくなかった。
だからこそ小さな勇気を振り絞る。
この地獄の場所で生きようとするために。
この地獄の場所で生きようとするために。
「……まずはこの暗い所から出たいな」
よたよたと歩き始める。
彼女の体には不格好のディバックを持ちながら。
この絶望に満ちた場所で希望を見つけるために。
彼女の体には不格好のディバックを持ちながら。
この絶望に満ちた場所で希望を見つけるために。
「……暗いなぁ」
それでも闇がリセの心を不安にさせる。
少しでも明るくさせようとランタンを掲げた瞬間。
少しでも明るくさせようとランタンを掲げた瞬間。
「……ひゃぁ!?」
幽鬼の如く目の前に立っていた少女。
青い髪で端整な顔立ち。
白い服と黒のロングスカートを纏っていた。
彼女は目の前のリセを見つめ口を開く。
青い髪で端整な顔立ち。
白い服と黒のロングスカートを纏っていた。
彼女は目の前のリセを見つめ口を開く。
「貴方……」
「……ひゃい?」
「……ひゃい?」
リセはおどおどしながら口を開く。
まさか人がいると想ってから。
それにリセは人付き合いというのになれて居なかった。
まさか人がいると想ってから。
それにリセは人付き合いというのになれて居なかった。
リセはいつも孤独だったから。
級友から嫌悪されていつも一人。
リセが部屋に入ると皆が出て行ったり食事も独りだった。
いつも独りで。
級友から嫌悪されていつも一人。
リセが部屋に入ると皆が出て行ったり食事も独りだった。
いつも独りで。
だからつい戸惑う。
どう接せばいいかと。
そんなリセにかまうことなく少女は続ける
どう接せばいいかと。
そんなリセにかまうことなく少女は続ける
「……依人。森宮依人知ってる?」
「……貴方は?」
「森宮蒼乃。依人の姉」
「……貴方は?」
「森宮蒼乃。依人の姉」
そっけなく少女―――蒼乃は呟く。
リセを一瞥しつつただ返答待っていた。
リセは驚いてる自分の心を抑えながら返答をする。
リセを一瞥しつつただ返答待っていた。
リセは驚いてる自分の心を抑えながら返答をする。
「知りません……えと、私は蒼乃さんが始めてです」
「そう……」
「そう……」
それで会話は途切れる。
リセはえっとと口ごもりをしどう切り出そうかと。
貴方は何をしてるんですかと聞こうか。
それとも自己紹介をすべきかと。
いくつもの言葉が頭に浮かんでは消えていく。
思案し迷うリセを尻目に蒼乃はふぅといきをつきそして告げる。
リセはえっとと口ごもりをしどう切り出そうかと。
貴方は何をしてるんですかと聞こうか。
それとも自己紹介をすべきかと。
いくつもの言葉が頭に浮かんでは消えていく。
思案し迷うリセを尻目に蒼乃はふぅといきをつきそして告げる。
「……じゃあ、死んで」
永遠の死を。
もう、必要なかったから。
森宮依人という彼女の全てを知らない少女は蒼乃にとって要らなかったから。
もう、必要なかったから。
森宮依人という彼女の全てを知らない少女は蒼乃にとって要らなかったから。
「え?」
リセが呟いた瞬間蒼乃は右手を挙げる。
その時何もない所から現れるは白くて薄いもの。
そして蒼乃が手を振った瞬間、それはリセに向かう。
その時何もない所から現れるは白くて薄いもの。
そして蒼乃が手を振った瞬間、それはリセに向かう。
そうそれは紙。
白く鋭い紙。
紙が舞いそしてリセの視界を覆った。
「きゃぁあああああ!?」
目の前の異常。
そして命の危険。
そして命の危険。
そのことに怯えたか、はたまた偶然か。
リセは咄嗟の判断で横に避ける。
だか一枚の紙が鋭くリセの頬を切り裂いた。
リセは咄嗟の判断で横に避ける。
だか一枚の紙が鋭くリセの頬を切り裂いた。
「あぅ……いたぃ」
頬から流れる紅い紅い血。
その頬を抑えながら恐怖に怯えながらも蒼乃を見つめる。
何故?
どうして?
そんな困惑がリセの頭を支配する。
その頬を抑えながら恐怖に怯えながらも蒼乃を見つめる。
何故?
どうして?
そんな困惑がリセの頭を支配する。
「……何故ですか」
「依人の為……」
「依人の為……」
ストイックにそれだけを蒼乃は告げまた手を掲げる。
今度は仕留めるつもりで。
その行動に躊躇いもなかった。
目は唯冷静に。
今度は仕留めるつもりで。
その行動に躊躇いもなかった。
目は唯冷静に。
「……そんなの」
それでもリセは想う。
依人がどんな存在かはリセには分からない。
でも大切なのだろうとだけは解る。
それはリセの勘も入っているけど。
何れ自分は死ぬだろう。
その事に恐怖を感じる。
だけど……それよりも。
この目の前の感情の起伏が薄い森宮蒼乃が。
どうしようもなく。
たまらなく。
依人がどんな存在かはリセには分からない。
でも大切なのだろうとだけは解る。
それはリセの勘も入っているけど。
何れ自分は死ぬだろう。
その事に恐怖を感じる。
だけど……それよりも。
この目の前の感情の起伏が薄い森宮蒼乃が。
どうしようもなく。
たまらなく。
「……哀しいですね……うん……哀しい」
「……何が」
「貴方が、森宮蒼乃さんが……哀しい」
「……何が」
「貴方が、森宮蒼乃さんが……哀しい」
哀しかった。
これからリセを殺すだろう。
そしてそれはこの人の業になるだろう。
それを蒼乃が重荷に感じるとは想わない。
だけどそれでも哀しかった。
蒼乃がその大切な人の為に業を背負うことが。
人殺しという業を。
大切な人を想うが余り。
決して赦されない業を背負うのが。
またその選択肢しか選べなかった蒼乃が。
これからリセを殺すだろう。
そしてそれはこの人の業になるだろう。
それを蒼乃が重荷に感じるとは想わない。
だけどそれでも哀しかった。
蒼乃がその大切な人の為に業を背負うことが。
人殺しという業を。
大切な人を想うが余り。
決して赦されない業を背負うのが。
またその選択肢しか選べなかった蒼乃が。
リセにとって森宮蒼乃そのものが余りにも哀しいものだった。
自分の命が永遠に失われる事よりも。
自分が耐えがたい痛みに襲われる事よりも。
何よりも蒼乃の事が哀しくて可哀想だった。
自分が耐えがたい痛みに襲われる事よりも。
何よりも蒼乃の事が哀しくて可哀想だった。
結局の所、リセルシア・チェザリーニはどうしようもなく優しくて。
優しすぎて。
自分よりも他人のことを考えてしまう。
他人が悲しむのを考えてしまう。
優しすぎて。
自分よりも他人のことを考えてしまう。
他人が悲しむのを考えてしまう。
とても、優しくて……そして誰よりも哀しい子だった。
「それがどうしたというの?……死になさい」
だけどその思いは蒼乃には届かない。
リセの悲しみや優しさは森宮蒼乃には絶対に届かない。
リセの悲しみや優しさは森宮蒼乃には絶対に届かない。
フワッと現れる3枚の紙。
それはリセに向かい鋭く向いていた。
「可哀想……」
願うくは森宮蒼乃の明日に希望を。
リセはそれを想い目をつぶる。
リセはそれを想い目をつぶる。
―――紙は舞った。
「させるかぁあああああ!!!」
されどそれはリセの命を奪うなかった。
リセの眼前には一人の男。
手に持った華麗な装飾がされている剣。
それで紙を切り捨てていた。
リセの眼前には一人の男。
手に持った華麗な装飾がされている剣。
それで紙を切り捨てていた。
濃い紺色の髪を持ち白に真ん中にラインが入ったTシャツとジーパンを纏う一見普通の男。
されど目には怒りと闘志を湛え蒼乃を睨む。
されど目には怒りと闘志を湛え蒼乃を睨む。
その男の名は倉成武。
息子を理不尽にうばれ尚も殺し合いに反逆するものだった。
そして誰よりも命の尊さを知る男。
そして誰よりも命の尊さを知る男。
その男が今、何の躊躇いもなく命を奪おうとしている少女を睨んでいた。
「てめぇ……何のつもりだ」
「……見たとおり」
「命がどんなに大切か解ってるのかよ! それを奪おうとするのかよ!」
「……それが?」
「……見たとおり」
「命がどんなに大切か解ってるのかよ! それを奪おうとするのかよ!」
「……それが?」
武の憤怒に蒼乃は涼しい顔で返す。
躊躇いなど要らない。
再び無数の紙を現し空に浮かべる。
邪魔が入ったがやることは変わらない。
躊躇いなど要らない。
再び無数の紙を現し空に浮かべる。
邪魔が入ったがやることは変わらない。
「邪魔をするなら……倒すだけ」
紙は鋭い矢のような形に変質し武の方を向く。
蒼乃の手が振り下ろされればそのままむかえるように。
武は舌打ちしつつ後ろのリセに向かって言う。
リセは悲しい目を唯、蒼乃に向けて。
蒼乃の手が振り下ろされればそのままむかえるように。
武は舌打ちしつつ後ろのリセに向かって言う。
リセは悲しい目を唯、蒼乃に向けて。
「俺は倉成武……危ないから下がってろ」
「え……はい。私はリセです……助けてもらって有難うございます……」
「気にすんな」
「……はい」
「え……はい。私はリセです……助けてもらって有難うございます……」
「気にすんな」
「……はい」
リセは一度礼をし後ろに下がっていく。
それを見届けるまもなく武を剣を構え唯蒼乃に向かっていく。
それを見届けるまもなく武を剣を構え唯蒼乃に向かっていく。
「俺は命を蔑ろにするやつを絶対に赦さない!」
目の前の蒼乃に唯吼え向かっていく。
殺し合いを止める為に。
しかしそれはただの蛮勇の様で。
殺し合いを止める為に。
しかしそれはただの蛮勇の様で。
「……」
何も語らず蒼乃は手を振り下ろす。
そして向かうは矢の如く鋭い紙。
それは一直線に武の下に。
そして向かうは矢の如く鋭い紙。
それは一直線に武の下に。
「なっ!?……ぐぅ!?」
武は向かう紙を切り刻んでいくも全部を切ることができず、左肩、右足にに刺さっていく。
紙とは思えない鋭さで深く刺さっていた。
紙に紅い血が滲む。
それでも走りをとめない。
止まれば即ち死。
武だけではなくリセまでも。
紙とは思えない鋭さで深く刺さっていた。
紙に紅い血が滲む。
それでも走りをとめない。
止まれば即ち死。
武だけではなくリセまでも。
「うぉおおおおおおおおおお!」
向かっていく。
唯蒼乃の元に。
命の重要さ知る武だからこそ。
絶対に赦すわけには行かない。
唯蒼乃の元に。
命の重要さ知る武だからこそ。
絶対に赦すわけには行かない。
だが
「……終わり」
それでも蒼乃は武の想いなど知らない。
蒼乃は唯想うのは一つ。
依人と。
そして目の前の敵を殺すこと。
手を掲げた先にできるもの。
蒼乃は唯想うのは一つ。
依人と。
そして目の前の敵を殺すこと。
手を掲げた先にできるもの。
それは壁。
白い白い壁。
白い白い壁。
暗い暗い洞窟に唯、唯埋め尽くす白。
幾千の紙。
それが織り成す白い紙の壁だった。
「……依人」
蒼乃は唯、手を振り下ろす。
その合図と共に紙が唸りを上げた。
その合図と共に紙が唸りを上げた。
襲うは紙の嵐。
襲い狂う竜の如く。
圧倒的な質量を持って武に唸り向かい襲い掛かる。
無数の紙が。
「ぐがぁああああ!!!!!」
武はその圧倒的な紙の質量に押されその勢いで壁に叩きつけられる。
その威力は一撃で武の動きを封じた。
その威力は一撃で武の動きを封じた。
「……ゴホッ……ガハ……」
武は壁に叩きつけられたまま、ただうごめく。
体は無数の打撲を受けていた。
肋骨が折れたかもしれない。
それぐらいの叩き付けだった。
動こうにも体が動かない。
体は無数の打撲を受けていた。
肋骨が折れたかもしれない。
それぐらいの叩き付けだった。
動こうにも体が動かない。
「……」
蒼乃はそれを一瞥すると紙で形成された剣を作り上げる。
剣は細く鋭いもの。
それをもち唯武に向かっていく。
止めを刺すために。
剣は細く鋭いもの。
それをもち唯武に向かっていく。
止めを刺すために。
「……お前はそれでいいのかよ」
武が唯、言う。
何のためらいもなく殺そうとする蒼乃に向かって。
蒼乃がそれでいいのかと。
大切な人の為に殺すのがいいかと。
何のためらいもなく殺そうとする蒼乃に向かって。
蒼乃がそれでいいのかと。
大切な人の為に殺すのがいいかと。
「……ええ」
剣を向け唯短く応える。
覚悟はした。
というよりもとより蒼乃はそうだ。
蒼乃の全ては依人だから。
覚悟はした。
というよりもとより蒼乃はそうだ。
蒼乃の全ては依人だから。
剣が掲げる。
命を刈り取る為に。
武の胸に残るのは後悔。
救えなかった。
唯、それだけ。
願うくはリセが逃げ延びる事。
それを思いを死を受け入れようとする。
命を刈り取る為に。
武の胸に残るのは後悔。
救えなかった。
唯、それだけ。
願うくはリセが逃げ延びる事。
それを思いを死を受け入れようとする。
が
「「!?」」
武、蒼乃の二人が驚愕する。
予測してない出来事に。
予測してない出来事に。
「……させ……ない」
腕を目一杯広げて武と蒼乃の間に入ってきたリセ。
体は震え目には涙を湛え。
それでもここは通さないと言わんばかりに立ちはだかっていた。
体は震え目には涙を湛え。
それでもここは通さないと言わんばかりに立ちはだかっていた。
「……何を?」
蒼乃はたまらず尋ねる。
まさか間に入ってくるとは思わなかった。
唯、リセの行動が不思議だった。
まさか間に入ってくるとは思わなかった。
唯、リセの行動が不思議だった。
「……殺さないでください……この人を」
リセがいうのは懇願。
蒼乃はある意味呆れそしてまずこの少女からと剣を掲げる。
だけどそれは懇願ではなくて。
蒼乃はある意味呆れそしてまずこの少女からと剣を掲げる。
だけどそれは懇願ではなくて。
「変わりに……私の命だけ……で……」
「なっ!?」
「おい……リセ?」
「なっ!?」
「おい……リセ?」
取引だった。
武を助ける代わりにリセを殺すという。
簡単な取引。
けれどそれはあまりに哀しくて。
武も蒼乃も唯、驚愕するだけだった。
武を助ける代わりにリセを殺すという。
簡単な取引。
けれどそれはあまりに哀しくて。
武も蒼乃も唯、驚愕するだけだった。
「嬉しかったんです……助けてくれて」
本当に嬉しそうに語る。
リセは嬉しくて。
誰も助けに来ないと思ったのに。
武が助けに来てくれて。
そのとこが堪らなくて嬉しくて。
だから、恩返しをしたかった。
リセは嬉しくて。
誰も助けに来ないと思ったのに。
武が助けに来てくれて。
そのとこが堪らなくて嬉しくて。
だから、恩返しをしたかった。
だから助けようとした。
それが恩返しになると思って。
それが恩返しになると思って。
「蒼乃さん……だから私だけ殺してください」
リセは優しすぎて。
他者の事しか考えなくて。
最も大切な自分の命さえ簡単に投げ出してしまう。
他者の事しか考えなくて。
最も大切な自分の命さえ簡単に投げ出してしまう。
――哀しい子だった。
「……」
蒼乃は語らず。
唯、改めて剣を強く握って。
リセに剣を向けた。
リセは目をぎゅっとぎゅっと瞑って受け入れようとする。
怖い。
でもそれ以上に救えると思うと嬉しくて。
ただ、その時を待っていた。
唯、改めて剣を強く握って。
リセに剣を向けた。
リセは目をぎゅっとぎゅっと瞑って受け入れようとする。
怖い。
でもそれ以上に救えると思うと嬉しくて。
ただ、その時を待っていた。
(させるか!……させるか!……絶対にさせるかああああああああ!)
武は足掻く。
そんな哀しい運命、嫌だった。
自分のせいで誰かが命を散らすなんて絶対嫌だった。
体も動かせるようになってきた。
足掻く。
唯足掻く。
そして、少女を救う為に。
唯、唯足掻く。
そんな哀しい運命、嫌だった。
自分のせいで誰かが命を散らすなんて絶対嫌だった。
体も動かせるようになってきた。
足掻く。
唯足掻く。
そして、少女を救う為に。
唯、唯足掻く。
デイバックに手にかけ弄る。
何か救えるものを。
絶対に救う為に。
何か救えるものを。
絶対に救う為に。
そして取り出したもの。
「……っ!?……これなら!」
取り出したもの。
そして希望があると信じた瞬間。
そして希望があると信じた瞬間。
「……カフッ」
リセは斬られていた。
袈裟懸け気味に。
袈裟懸け気味に。
蒼乃は何の躊躇いも無く。
唯、意志を持って切り裂いていた。
唯、意志を持って切り裂いていた。
「う……あぁああああああああああああああああ!!!!!!!!」
武は絶望しかけるも止まらない。
そして取り出したものを投げつける。
そして取り出したものを投げつける。
その瞬間
「!?」
閃光が洞窟を支配した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……日の光ではなかった」
目が次第に慣れてきた蒼乃はただそう呟く。
弱点である日の光。
それではなかった。
一瞬それであると怯んでしまった。
弱点である日の光。
それではなかった。
一瞬それであると怯んでしまった。
(……あの子)
リセとあの子の姿はもう無い。
あの男がリセを抱えて逃げていった。
何故だか追う気にはなれなかった。
あの男がリセを抱えて逃げていった。
何故だか追う気にはなれなかった。
あの少女の懇願。
自分は叶えようしたのだろうかと。
自問するも答えは返ってこない。
ただ、リセが一瞬誰かににている気がして。
何故だかわからなかったけど。
自分は叶えようしたのだろうかと。
自問するも答えは返ってこない。
ただ、リセが一瞬誰かににている気がして。
何故だかわからなかったけど。
でも死んでしまうだろう。
自分が殺したのだから。
後悔もなかった。
自分が殺したのだから。
後悔もなかった。
「……依人」
思うは大切な弟。
同じく殺し合いの舞台に立っている依人。
彼がいる。
同じく殺し合いの舞台に立っている依人。
彼がいる。
だから殺し合いに乗る。
今はとりあえず少しでも依人が生き残れる可能性を増やす為に。
もし……もし依人が死んでしまった時、優勝して元通りになる為に。
そのために殺し合いに乗った。
それだけだった。
今はとりあえず少しでも依人が生き残れる可能性を増やす為に。
もし……もし依人が死んでしまった時、優勝して元通りになる為に。
そのために殺し合いに乗った。
それだけだった。
思うは依人の事。
大切な弟の為に。
大切な弟の為に。
蒼乃は歩み始めた。
それが血塗れた道であろうと。
蒼乃には関係が無かった。
蒼乃には関係が無かった。
全ては愛すべき弟の為に。
それが蒼乃の全てだから
【E-2地下洞窟/1日目 深夜】
【森宮蒼乃@sola】
【装備:】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(0~3)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:依人の為に殺し合いに乗る
1:依人の為に参加者を殺す。
【装備:】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(0~3)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:依人の為に殺し合いに乗る
1:依人の為に参加者を殺す。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「死なせるか! 絶対に死なせるか!」
武はリセを抱え地下の道を唯走っている。
武が投げたのは閃光弾。
武が投げたのは閃光弾。
それでめくまらましをし、リセを救った。
リセの傷は何故かそれほど深くは無かった。
一瞬の手加減があったのだろうか。
武には分からないけど。
それでも幸運だと思い走る。
リセの傷は何故かそれほど深くは無かった。
一瞬の手加減があったのだろうか。
武には分からないけど。
それでも幸運だと思い走る。
容態は良くない。
近いうちにリセは死ぬだろう。
近いうちにリセは死ぬだろう。
そんな事させたくなかった。
何としても。
何としても。
荒い息。
少しづつ消えていく命の灯火。
少しづつ消えていく命の灯火。
それでも武は走る。
救う為に。
絶対に死なせたくないと。
唯走っていた。
―――リセを救うとするなら……武のデイバックに入ってるキュレイウィルスが入っている注射器。
だがしかし、武は死ぬ事が無い永遠の命をリセに与える事はできるのだろうか?
それは未だ誰も分からない―――
だがしかし、武は死ぬ事が無い永遠の命をリセに与える事はできるのだろうか?
それは未だ誰も分からない―――
【E-1地下洞窟(神社で入り口寸前)/1日目 深夜】
【倉成武@Ever17 -the out of infinity-】
【装備:夜禍殺しの剣@sola】
【所持品:支給品一式×1、閃光弾×5、キュレイウィルス@Ever17 -the out of infinity-】
【状態:全身打撲、右肩、左足刺し傷】
【思考・行動】
基本方針:殺し合いを壊す
0:リセを助ける
1:殺し合いに乗らない
2:つぐみたちと合流
【装備:夜禍殺しの剣@sola】
【所持品:支給品一式×1、閃光弾×5、キュレイウィルス@Ever17 -the out of infinity-】
【状態:全身打撲、右肩、左足刺し傷】
【思考・行動】
基本方針:殺し合いを壊す
0:リセを助ける
1:殺し合いに乗らない
2:つぐみたちと合流
【リセルシア・チェザリーニ@シンフォニックレイン】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)】
【状態:大きな切り傷、出血多量、意識不明】
【思考・行動】
基本方針:殺し合いに乗らない
0:????
【装備:無し】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)】
【状態:大きな切り傷、出血多量、意識不明】
【思考・行動】
基本方針:殺し合いに乗らない
0:????
【備考】
※何もなければ数時間後死にます。
※何もなければ数時間後死にます。